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MicronからHBM2の出荷が始まる [ハードウェア]

Micron、HBM2の生産・出荷を開始へ
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10207.html

北森瓦版によると、MicronからHBM2の出荷が始まるという。


これまで三星とSKのみがHBMを供給していたが、現在韓国は新型コロナウイルスの影響もあって半導体の生産に大きな影響が出ている。

この機に、Micronが一気にシェアを取れれば良いと心から思う。


ちなみにMicronのDDR4メモリは日本国内に存在する旧エルピーダの工場で製造される。

HBMもそうなのだろうか?

なんにしろ、MicronのDRAMが売れる事は日本の経済にも影響がある事なので、応援したいと思う。


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新型コロナウイルス:マスクによる感染予防で思う事 [雑談]


所謂“風邪”やインフルエンザといった類の「予防にマスクが有用」である、という話がある。

今や新型コロナウイルスの発生により世界中でマスクが不足している状況だが、このマスク不足は今回の騒ぎで大量発生した“普段マスクを買わない人が予防のために買っている”事が理由である。

私から見れば、普段感染症予防に関して無頓着な人がこんな時に限ってマスクなど買う事は“頭隠して尻隠さず”以外の何物でもないと思う。


そんなわけで以前より私はマスクの予防に対する有効性について疑問を持っているが、この件について理解しやすい説明が書かれた記事を見つけたので紹介したい。


ある医師がエンジニアに寄せた“コロナにまつわる現場の本音”
https://eetimes.jp/ee/articles/2003/25/news053.html


この記事のマスクに関する内容を要約すると以下の通りとなる。

1.マスクが有効という統計を取った時、マスクを付けている人達は普段から予防に対する生活習慣を持っていた。

2.比較対象であるマスクをしない人達は、普段から予防に対する生活習慣を持っていなかった。

3.実際に不特定多数に対するマスク着用の効果を調べると、有意な差が出なかった。

4.有意な差が出ないのは、普段から無頓着な人にマスクを着けさせても効果が無いから。

5.WHOはこの事に気付いており、無意味なマスク着用よりも明確に効果がある手洗いを推奨している。

6.結論としては普段から感染症に対する有意な生活習慣を持たない人には、マスクによる予防は効果が無い。

7.ただしウイルス感染した人がマスクを着用する事は、“感染の拡大抑止に効果がある”。


要は日頃の行いがものを言うのに、「マスク着用=予防」という公式だけが独り歩きしていると。

ちなみにこの“日頃の行い”というものは、簡単に習慣付けられるものではない。

手洗いの習慣も、こんな時になってその気になった人達が間違った事をして酷い手荒れになったケースが多く発生していると、先日ニュースで報道されていた。

荒れた皮膚から件のウイルスが入って来る事もあり得るのに、これでは意味が無い。

有用な情報も毒にしかならない事があるという好例である。

まあ、脳内に情報をコピー&ペーストしただけで行動を起こしてしまう“うっかりさん”は、どこにでも居るという事だ。


なお、この記事には他にも今回の騒動について有用な情報が多い。

特に、素人がこの件に関して、感染者の数と死者の数を数える事が如何に無意味かという事が、この記事を読めば理解出来る。

私は以前より今回の騒動を冷めた目で眺めていたが、現場からのこうした情報によってその思いはより確信に繋がる事になった。

現在出ている致死率の数字など、国や地域によって大幅に違うのに一律何%など出す事がデタラメも良いところだと理解しよう。


新型コロナウイルスを恐れるな、しかし油断もするな
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-19



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同じZen2 APUでもまったくの別物 [CPU]

「PS5」は5.5GB/sで容量825GB SSDを内蔵。長いローディング画面と決別
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1241853.html

次世代ゲーム機「Xbox Series X」は並のゲーミングPCを超える性能に
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1241270.html


現行世代よりAMD製SoCを使うゲーム専用機の新型、PS5とXboxの仕様が明らかになった。

過去のPS4及びXboxはJagureコア8個とGCNコアのGPUを組み合わせたSoCだったが、同様の組み合わせだったパソコン用SoC“Kabini”系とまったく違う構造のカスタムチップで、単に使われているCPUとGPUのコアが同じという事以外に同一な点がほとんど無いものだった。

この事はZen2コアを用いるPS5とXboxも同じで、メインメモリがGDDR6である事も含めてパソコン用APU“Renoir”とは似て非なる物だと言える。

PlayStation 4のAPUアーキテクチャの秘密
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/621178.html


何故そこまで違う物になったのかと言えば、単純にゲームの開発側が要求する性能を得るために必要だからだ。

一般のパソコンと違いハードウェアの仕様であるPC/AT互換機としての制約も無いうえ、同一のスペックで数年間売る必要もある。

かつてのPlaystationシリーズが当時のパソコンをはるかに上回る性能を実現していたように、能力的に数年先を行く性能でなければならない理由もあるわけだ。

なので、現在すでに存在するハードウェアの流用とはいえ、そのボトルネックになっている部分を徹底的に取り去る事でハードウェアの性能を極限まで引き出すための改造が施されている。

一部でパソコン用APUがほとんどそのまま使われていると思う人も居るようだが、そんな事はあり得ないのだ。


もちろん、だったらパソコン用APUもPS5用に準じた仕様にすれば、という意見もある。

だがそれは不可能だ。

メインメモリのGDDR6一つ取ってもGDDR系のDRAMは一般のDDR系DRAMよりも高価である上、CPUにしろメモリモジュールにしろ、GDDRを使うにはソケットを用いた実装が不可能な仕様であるため、PS5やXboxのような作りは仕様が完全に決め打ちで生産出来るゲーム機位にしか出来ない荒業である。

その他のIO回りの実装も同様で、全てが専用設計であるからこそ可能な仕様。

汎用性が最も重視されるパソコンには決してマネが出来ない事だ。


ただ、将来的にはパソコンも現在問題となっているボトルネックの解消に向かって開発が進んでいる。

例えばメインメモリの遅さに対する要求にはCPUパッケージにHBMのような広帯域メモリを乗せるという事が考えられているし、最大のボトルネックになっているメインメモリとストレージの速度差も、その中間に位置する“ストレージクラスメモリ”という物が採用されようとしている。

さらにパソコンの場合はその汎用性がボトルネックになっているだけではなく、拡張という方向に利用可能だ。

例えばCPUも毎年新型が出るわけで、ゲーム機には出来ないCPUの交換が出来る。

ビデオカードにしても同様で、常に最新の超高性能ビデオカードが利用出来る。

デスクトップパソコンであれば消費電力の制約も少ないため、性能向上に関してはかなりの力技が可能という事もある。

まあ、ゲーム機の(様々な制約の中で)極限まで性能を追求したハードウエアは私でも羨ましいと思えるが、一方でハードウエアに一切手を入れる事が出来ない不自由さと引き換えなワケで、何を選ぶか考えれば人それぞれ、ゲームしかしないならばゲーム専用機を買えばいいし、他の用途があればパソコンを選べば良いのだ。


話が少しばかり明後日の方へ向いてしまった。

なんにしろ今回ネタにした記事の内容はとても興味深い。

PS5や新型Xboxが市販されたらもっと詳細な記事が出ると思うので、今から楽しみである。


追記

各社のゲーム機を比較している記事がGIGAZINEに掲載された。

大雑把な仕様の比較であるが、同世代のAMD製カスタムSocを使うPS5とXboxの違いがまた興味深い。

PlayStation 5とXbox Series XとNintendo Switchのスペックを比較してみるとこんな感じ
https://gigazine.net/news/20200319-playstation-5-xbox-series-x-nintendo-switch/

両者の違いを簡単に言えば、PS5は全体のバランスを重視した仕様であり、XboxはGPU周りに金を掛けた仕様である。

この程度でゲームの面白さに違いが出るとは思えないが、PS5はゲーム以外の広範な用途でも高い性能が出る設計、XboxはFPSのようなGPUの負荷が高いゲームに焦点を合わせた設計、という事になるのか?

そういう意味ではゲーム機としてはXboxの方が向いた仕様だと言える。

それにしても、AMDもパソコンやサーバー用CPUの開発をしながら、よくもまあ仕様の違うゲーム機のSocを二つを開発したものだ。

少ない開発費と限られた人員でここまで出来る事が、Intelなどと比べると驚きしかない。


参考:

PlayStation 5のスペック情報公開で可変周波数CPU&GPU搭載やNVMe SSDを後付け可能であることが判明
https://gigazine.net/news/20200319-playstation-5-hardware-specs/

自作PC初のソケット式SoC、Athlon 5350をテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/643659.html

PlayStation 4のAPUアーキテクチャの秘密
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/621178.html

ストレージクラスメモリ
https://eetimes.jp/ee/articles/1611/07/news049.html



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Zen2コアのAPU“Renoir”について [CPU]


数日前の事だが、AMDよりZen2コアのAPU“Renoir”が正式に発表され、その概要が明らかになった。

AMD、“Renoir”ことZen 2ベースAPU「Ryzen Mobile 4000シリーズ」の概要を明らかに
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1241266.html

以前私は、APUは12nmのまま、という一つの予想を持っていたが、7nmで製造されるという予想は出来なかった。

その理由はダイ面積。

Zen2のCPUであるRyzenシリーズの“Matisse”、そしてサーバー用CPUであるEPYC“Rome”は、歩留まりと生産数を向上させる事で生産コストを下げるためにCPUコアとIOを分離した。

この“チップレット”と呼ばれるCPUコアのダイサイズは約80m㎡で、IOチップレットのダイサイズは約130m㎡(Ryzenの場合)。

ウエハ上の欠陥が同じ量でも、ダイサイズが大きいと不良となるダイが多く出るが、ダイが小さければ良品のダイがより多く採れるからだ。

budomari.png
図は私が過去にダイサイズと歩留まりの関連性について書いた記事より


特にIOをGFの14nmで別ダイとした理由は、14nmから7nmにした所でIOの占める面積はあまり減らないという理由からだった。

なので、APUでも同じ考えを基にモノリシック(一つのダイで製造)ならば12nm、7nmならばチップレットだがコストの問題でこれは無理だろうと、私はそう考えたのだ。

ところがAMDは7nmでモノリシックとして来た。

何故それが可能になったかを考えたが、考えるまでもなく以下の二つが理由だと即座に結論した。


・TSMCの7N(ArF液浸露光7nmプロセス)が1年以上の改良によって歩留まりが向上した事

・APUとして必要なGPUコアとIOを入れても面積が許容出来る大きさに収まる事


前者は容易に想像出来る事だ。初めにZen2のダイを生産した時と今では当然に改良されていなければおかしい。

だが後者は想像出来なかった。

現在市販されているAPU“Picasso”はダイ面積が210m㎡もあるのだ。これが仮に2/3の大きさになったとしても140m㎡。Zen2コアの約80m㎡の倍近いわけで、この大きさが許容出来るとは思えなかったのだ。

しかし実際にAMDが出して来た“Renoir”は156m㎡。

これでも十分な歩留まりになるほど、現在のTSMC 7Nプロセスは改良が進んだというわけだ。

Renoir_die.jpg
TechPowerUpの記事より画像を拝借。“Renoir”のIO関連の面積は、ダイ面積の約半分を占める。
32nm時代の初代APU“Llanoでは多目に見積もっても2割程度しかない事を考えると、
USBやSATA等、機能が大幅に増えた事を割り引いてもIOの縮小が難しい事がわかる。


さて、製造に関する話はここまで。

次は性能に関わる部分について思った事を書く。

意外だったのがCPUのコア数。4コアのままかと思っていたら、まさかの8コア。

L3キャッシュは1/4の4MBに減らされているが、L3の削減による計算能力低下は最小限に抑えているだろうから性能は期待出来る。

動作周波数に関してもデスクトップ向けのRyzenと同様に向上しているが、それよりもIPCの向上による性能向上の方が割合としては大きい。

また、GPU部分も“Picasso”と比較して改良が進んでいて、GPUコアはこれまでと同じVEGAでCUが3つも減った代わりに動作周波数が25%向上。

これだけならばCU削減の影響が大きく性能低下を想像させるが、コア自体が改良されているため1.79TFLOPSというカタログスペックであり、これはRyzen 5 3400Gの1.76TFLOPSをわずかに上回る。

さらにメモリコントローラ周辺の改良でメモリ帯域が上がっているそうなので、アプリケーションを実行した際の性能はさらに上がる可能性も残されている。


総合的に見ると、前世代から大幅な性能向上を果たしながら電力消費の効率も上がっていて、少なくとも現在のIntel製システムに対して大幅に競争力が増した事がわかる。

ただし。

今後出る予定のIce lakeやComet Lakeと比べると見劣りする部分もある。

実際のところは全て出揃ってから同一条件で比較しないとわからないが、様々な面でデスクトップ向け同様にモバイル向けでもまだまだIntelに一日の長がある事は間違いないため、AMDのさらなる高性能CPUの登場に期待したい。

そしてデスクトップ向けの“Renoir”も早く出てほしい!

AMDが拡張版K10コアベースのAPU「Llano」を初公開
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/401443.html



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さすがの恵安品質、KWIN-4K32BH [ハードウェア]


先日32inchの4Kディスプレイが必要になり、あまりにもコストパフォーマンスが良いという事で恵安の「KWIN-4K32BH」を選んだ。

恵安 KWIN-4K32BH
https://www.keian.co.jp/products/kwin-4k32bh/

これを選んだ理由は以下の通り。

・VA 10bitパネルという事で画質は悪くないはず
・VESAマウント対応(必要ならディスプレイアームが使える)
・応答速度も許容範囲内(Gray to Gray 8ms)
・重さが8Kgもある事(軽いと安定感が無く不安)


以下は付属品の写真。

4K32BH_1.jpg

付属のスタンドはアルミ金型鋳造の高級品、なのだが品質そのものは悪い。

一見砂型のようにも見えるが、これは恐らく金型が悪くて表面が荒れているのを隠すための仕上げで、ブラストを大きな粒径のメディアでかなり強くかけてから塗装しているのだと思う。

また形状もあちこち歪んでいるが、接地点が三つなので仮に面が出ていなくてもガタつく事は無い。

他には組み立てに使うネジが合計10個、粗悪なつくりのプラスドライバーが一個、それにリモコンとHDMIケーブル、写真はないがリモコン用の単4電池が付属する。

4K32BH_2.jpg

リモコンはかなり安っぽい。HDMIケーブルも見た感じは悪くないが、品質は察するべきだ。


というワケで、最初にやる組み立てで早速問題発生。

ディスプレイ背面に付属のスタンドを取り付けるのだが、これが不可能。

なんと金具が曲がっていて、スタンドに金具を取り付けるネジさえ締まっていない。

4K32BH_3.jpg
上は修正前、下が修正後。

仕方がないので最初の作業は組み立てではなく金具の修正となった。


金具の修正は容易だ。金具は厚さ1.6mm程度の鉄板を曲げて作られているが、焼きなました鉄のようでかなり柔らかい。おかげでスタンドとの接続部は手で簡単にまっすぐになり、ディスプレイとの接続部はバイスの口に引っ掛けて簡単に修正出来た。

ただし修正後も若干の曲がりは残る。これは組み立て後にディスプレイを設置してから水平器を使ってディスプレイの枠を手で持って曲げる事で対処する事にする。

今はとにかく接続の面がちゃんと出て、ネジの穴位置もネジが入るように合えば十分だ。

ちなみにディスプレイ背面のスタンド取り付け穴も、ガワと内部の金具に空いたネジ穴の位置がかなりズレている。

4K32BH_4.jpg

これも組み立て時にネジを差し込んでから無理やり位置を合わせて事なきを得た。


そしてなんとか組み立てが終わり、設置が出来たところでパソコンと接続。

ドット抜けは幸いにも無く、画質も悪くはない。

少なくとも一般的な事務用途や、アマチュアの写真いじりやCG作成、ビデオ鑑賞程度ならばまったく問題は無い。

ゲームはやっていないが、それこそプロゲーマーでもなければ十分使えるのではないかと思う。

少なくとも色に関してはさすがのVA 10bitパネルで深みが違う。

今まで使って来たIPSパネルの物と比べてもまったく遜色ないばかりか、ヘタなIPSより良い。

グレアパネルという事で画面への背景の映り込みはあるが、慣れれば特に気になる事もない。

あと画面に関しては、パネルのカバーがガラス板というのがとても気に入った。

ガラスは重くて割れやすいが、この手の製品では一般的なアクリル板と違いキズが付きにくく、清掃もしやすい。

4万円もしない32inch 4Kの安物ディスプレイにしては豪華な装備と言える。


最後にディスプレイの調整に関して。

肝心のリモコンの操作性は良くも悪くもなく、なんとか使えるといったところ。

しかし昨今のディスプレイは本体のボタンの位置や操作性の悪さで設定をやりたくないと思うほどだが、KWIN-4K32BHはこのリモコンのおかげでかなり楽だと思う。

その肝心の設定用OSDは至って普通なデザインで、設定できる項目も過不足はない。

4K32BH_5.jpg
明るさは10に設定。なお、これ以上暗くすると急激に明るさが落ち、4以下にすると真っ暗で何も映らない。

ただリモコンの操作で、各項目に入るのは上下左右を操作するキーの中央にある「OKボタン」なのに、項目から抜けるには「MENUボタン」の右にある「EXITボタン」というのがダメ。

項目に出入りする事が左右キーで出来れば直観的でわかりやすいのだが。

まあ少なくとも何かする度にボタンの位置を探るという事が無いだけマシか。


というワケで、総じてディスプレイとしての性能自体は悪くはないのだが、ガワやスタンドの作りは荒く、細かいところがあまり良くない「恵安品質」という点に関しては相変わらず揺るぎがない。

とはいえ一旦設置と調整が済めば、そういう荒さはまったく目につかない部分。

画面のガラスカバーも相まって、画質と使い心地はこれより1万円以上高価な製品にも引けは取らないと思った。



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月刊 Intel 脆弱性 2020年3月号増刊 付録:AMD製CPUにも脆弱性発見!? [セキュリティ]


Intel製CPUを襲う新たな脅威「CacheOut」
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2003/04/news10.html

先日「月刊 Intel 脆弱性 2020年3月号」を書いたばかりだが、早くもまたIntel製CPUの脆弱性が発表された。

この記事によると“2018年第4四半期(10~12月)より前に販売されたIntel製プロセッサでデータ漏えいを引き起こす恐れがある”という事で、昨年以降に販売が始まった最新のCPUならば問題がないようだ。

しかしそれ以前のCore i 8000番台を搭載したパソコンはまだ普通に売られている。
これらは全てアウト、という事だ。


またさらにMDSと呼ばれる過去の脆弱性については“既存のIntelの対策についても「MDSを完全に緩和するには不十分」”という事で、最新のパッチを適用した最新のIntel製プロセッサの一部にもまだ脆弱性が存在するという事だ。

これは先日の記事に書いた事と同様の話で、Intelが「対策したからもう安全」と言った事が実際には違った、という事になる。


いずれにせよ現在購入出来るIntel製のCPUのほとんどに問題があるのは間違いない。

アップデート出来るのであれば、最新のUEFI、最新のOS、最新のアプリケーションへ、急いでアップデートすべきだ。

そしてこれらの脆弱性を発見した研究チームは以下を推奨しているという。


・Intel製プロセッサの高速化処理「Intel Hyper-Threading Technology」の無効化

・1次キャッシュメモリのフラッシング(データのクリア)

・処理を高速化するための命令セット「Intel Transactional Synchronization Extensions」(Intel TSX)の無効化



さて。今回のIntel製CPUの脆弱性に関する話題はここまで。

次はAMD製CPUに発見されたという、新しい脆弱性のニュースだ。


AMDプロセッサーにも脆弱性みつかる。Ryzen 7 / Threadripperまで2011年以降全CPU
https://japanese.engadget.com/jp-2020-03-09-amd-ryzen-7-threadripper-2011-cpu.html


この記事によると、“2011年から2019年までのすべてのAMDプロセッサに影響を与え、Zenマイクロアーキテクチャにも絡んでいる”らしく最新のZen2にも該当する問題で、ブラウザのJavascriptを使って攻撃可能という事だ。


ただこの発表、どうにも“過去のCTS Labsの件”と似た、限りなく偽の情報に近いものに見える。

一つは、この件に関するAMDの公式発表に“新しい推測ベースの攻撃ではない”とあること。要は過去に解決済みの問題を別の方向から攻めているだけ、という風に取れる。

何よりこの手の問題には必ず「CVE-xxxx-xxxx」といった記号が存在するが、それが無い事がそもそもおかしい。

AMD Product Security(セキュリティ問題に関するAMDの公式発表)
https://www.amd.com/en/corporate/product-security

実際に過去のSpectreやMeltdownが引き合いに出され、“自由にデータにアクセスできるものではなく「ほんの少しのメタデータ」を取り出せるに過ぎない”と書いているところも過去にAMD製CPUに見つかった問題に似ている。

また、この研究チームがIntelよりかなり多額の資金援助を受けていた事がわかっており、セキュリティに関する報告というよりも単にAMDの足を引っ張ろうとしている、という風に受け取る事も簡単である。


とはいえ、この脆弱性が存在する事そのものは事実。

OSやアプリケーションを最新にすべき点ではIntel製のCPUの例とまったく同様であるため、もしアップデートを怠っているのであればやっておいた方が良いのは言うまでもない。



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月刊 Intel 脆弱性 2020年3月号 [セキュリティ]


Intel製CPUの「修正済み」脆弱性が実は修正不可能であったことが判明(以下略)
https://gigazine.net/news/20200306-intel-csme-vulnerability/

この記事に書かれている脆弱性は「Intel CSME」に存在する脆弱性で、記事中はCPUの脆弱性と書いているが実際にはチップセットに内蔵されたセキュリティ機能の脆弱性である。

とはいえ、CPUとチップセットは不可分のものであるし、CSMEはチップセットに内蔵されたCPUとファームウェアによって機能するため、CPUの脆弱性といえばそうなのかもしれない。


それにしても本来CSMEとは「Converged Security and Management Engine」の略であり、システムのセキュリティ向上のために存在する機能である。

それが逆にセキュリティホールになっているワケで、先日も書いたがインテルなんとかテクノロジーは常にセキュリティ問題の原因となっている事が笑える。


なお、この問題を回避するには今の所Intel以外のシステムか、それでもIntelを選ぶならIceLake以降のシステムに買い替えるしかない。

つまり現在世界中で稼働するx86系のコンピュータのほとんどが、これに該当するわけである。


またこの記事によると、「攻撃は検出が不可能で、ファームウェアのパッチは問題を部分的にしか解決しない。」と書かれている。

インテルのCSMEバグは当初の予想より深刻の可能性
https://japan.zdnet.com/article/35150406/

CPUの性能云々の前にバグで塞ぐ事が不可能なセキュリティホールを抱えるIntel製のシステム。

これが世界中で動くx86系のコンピュータのほとんどが対象なのだから、その影響は計り知れない。

国家や地方自治体の基幹業務、企業の業務用、一般家庭の個人用、これらのほとんどがIntel製システムなのだ。


それから月刊 Intel 脆弱性 2020年2月号を書かなかったが、もちろん2月号も存在する。

知りたい人は調べてみるといい。


月刊 Intel 脆弱性 2020年1月号
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-01-30


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デスクトップから全てのファイルが消える問題への対処 [OS]

数日前の事。

「デスクトップからファイルが消えて仕事ができません!」

というトラブルの対処をいつも懇意にしてもらっている方から頼まれた。


現場へ駆けつけてみると、確かにデスクトップから一部のショートカットを省いて全てのファイルが消えている。

そこで誤操作を疑ってファイル群を探すも、早々にギブアップ。

この方の事務所にはバックアップ用のNASがあり、毎日差分バックアップを取っているため、バックアップからの復旧を試みる事にした。


が、総容量で100GB近いファイルが万単位であるので、コピーに時間がかかる。

ヒマなので前日の差分バックアップが保存されているフォルダを眺めていると、普段更新されるはずがない“Music”フォルダがバックアップに存在する事が目に付いた。

ピンと来てMusicフォルダを開くと、そこには“Desktop”フォルダがあった。

私はすぐにコピーを中断。

コピーされたファイルを全て消去して、MusicフォルダにあるDesktopフォルダの中身を、本来あるべき場所に移動した。

すると問題無く、デスクトップに存在すべき全てのファイルとフォルダが復旧された。


このようなケースは良くある誤操作で、デスクトップまるごとというケースは記憶に無いが、いつの間にか何かのフォルダが別の階層のフォルダの中に移動していた、という経験はいくつもある。

私は基本的にファイルやフォルダの移動やコピーを右クリックで操作する癖があるから、誤操作は少ないはず。しかしそれでも誤操作による意図しないファイルやフォルダの移動が起きてしまうのだ。

ましてやそれが、そういう事をまったく意識していない人がやらかせば、ある日突然仕事のファイルがすべて消えた、なんて事が起きるワケである。


問題解決した後、本人には誤操作の可能性を教えたが、元々勝手に消えたと思っている事から深く追及する事はしなかった。

しかしこの件で半日近くも書類仕事が滞っており、その間他の仕事を片付けていたとはいえいくらかの無駄な時間が発生している事から、仕事に影響が出ているはずだ。

なので、原因はともかく誤操作によるファイルやフォルダの移動を防ぐ手立てはないかと、私はその後色々調べてみた。

始めはフォルダのアクセス権などを操作して出来ないものかと思ったが、これがほぼ不可能らしい。

一部で出来たという情報もあり、具体的な方法も書かれていたが、NTFSのファイルシステムに対する理解が浅いと危険であると私は判断した。

なので他に何か無いかと探すと、「Alter DnD」というソフトウェアを発見。

これはエクスプローラのドラッグ&ドロップの制御を横取りして、「Alter DnD」で設定した動作を行うというもの。

設定出来る動作は以下のスクリーンショットの通りで、私は「右ボタンでドラッグしたように振る舞う」に設定。

Alt_dnd.png

実際に使ってみると、左ボタンでドラッグ&ドロップしても必ず右クリックの時と同様にコンテキストメニューが出る。

これなら知らない内に移動させる事が防げるだろう。


というワケで、件の事務所内のパソコンには出来るだけ多くに「Alter DnD」を導入してもらうよう、お願いしようと思っている。


Alter DnD
https://duckduckgo.com/?q=Alter+DnD&ia=web


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EVは本当にエコなのか? [クルマ]

こんな記事がある。

「ChaoJi(チャオジ)」は超急速充電の世界統一規格となるのか
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2002/21/news006_3.html


この記事にはEVの充電規格を日本と中国で共同開発し、それを世界標準にするという話が書かれているが、その中で充電器に関する説明が含まれる。

以下、記事からの抜粋。


“最大出力は(中略)900kW(1500V、600A)(中略)ケーブルの中を液冷として、ガンのピンとなる部分の冷却(以下略)”

“ChaoJi急速充電器は液冷を採用しており、ラジエーターが必要になる。また最高出力が大きいことからキュービクル(高圧受電設備)も必要となり、かなり大型でかつ高価となることが予想される。”


以上。

抜き出した内容に関して要点をまとめると

1.充電器とEVの接続用ケーブルとコネクタは、液冷にしなければならないほど発熱する。

2.充電器本体も液冷であり、ラジエータが必要。

3.充電設備はかなり大掛かりなものになる。


こんなところか。

特に問題なのが充電用ケーブルとコネクタ。液冷にしなければならないほど発熱するのは、恐らく以下の理由によるものと推測する。
ケーブルの場合1500V/600Aという高圧・大電流を扱うケーブルは普通に考えればかなり太くて重いものになるはず。しかし、非力な一般人がそのような太くて固いケーブルと、重い充電コネクタを持ってクルマに接続するのは問題が多い。

そこでケーブルを細くて柔らかなものに、コネクタも端子を可能な限り小型化して、取り回しが良い物にする必要が出る。

私ならば、握力が10kg程度、ベンチプレスで20kg程度が限界の人でも問題が無い取り回し易さが必要だと考える。

すると当然に導体は細く、端子の接点面積も小さくなる。そして体積が減る事で放熱作用も減少する。だから能動的な冷却が必要になり、断面積が小さな流路でも十分な熱輸送が可能な液冷が必要になるという事だ。

すると当然、冷媒を圧送するポンプも必要になる。液冷するにはポンプを駆動する電力も必要なのだ。


また、充電器の電力損失も大きい。なにしろ液冷装置が必要なほど発熱するのだから。当然に液冷なのでラジエータが必要で、これは赤外線放射や自然対流に頼る受動的な空冷ではなく、ファンを使った強制空冷になる。だからファンを駆動するための電力も無駄となるわけだ。

恐らくこれは最近流行の炭化ケイ素等を使った、スイッチング抵抗がシリコン半導体よりも数桁低い半導体を使う高効率な電源を使ってもそれだけ発熱するという事。そして発熱は電力が熱に変換されるという事だから、その分電気が無駄になっているという事だ。

これらを考えると、EVの急速充電はかなり効率が悪いエネルギー補給方法だと言える。

実際どの程度電力が無駄になっているかはわからないが、大掛かりな冷却装置が必要な時点で少なく見積もっても充電器とケーブル・コネクタだけで1割は無駄になっていると思う。

そしてさらにEV内部の充電回路や電池の内部抵抗と化学反応による電力損失も考えれば、さらに電力が無駄に熱変換されている事は言うまでもない。


以上の事から、EVは充電だけでもかなり無駄に電気を捨てているという事がわかる。

一方でこの事実は一般にまったく知られていない。

EVに関連する記事のほぼ全てが、充電時の電力損失を記事中に書いていないからだ。

まあ、万に一つくらいの確率でそういう記事もある事はあるが、焼け石に水である。

以上の理由により私の考えでは、EVは内燃機関と比べてほとんどCo2排出量が変わらないか、ヘタすると逆に増えるのではないかと思う。

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SSD-PL480U3-BK/Nの中身はQLC [SSD]

先日某通販サイトで安かったので、バッファローのSSD-PL480U3-BK/Nを買った。

買った値段は¥4,880。

この件について私の興味は一つ。

この手の外付けHDD/SSDは、普通2.5inchフォームファクタのドライブをSATA-USB変換基盤を介してUSB接続とする。

なので、一体中身はなんなのか、と。

何時かのハードディスクおみくじと同様の動機なのである。


で、結果は以下の通り。

PL480U3_1.jpg
写真の写りが悪いが、中身は想像通り2.5inchフォームファクタのSSDが入っていた。

分解は薄い金属板で筐体のスキマを広げるだけで、外付けSSDの外郭と中身の2.5inch SSDの両方とも分解出来た。

ネットで色々調べると中身はCrucialのOEM製品のようで、MX500の亜種である模様。

ただし単品販売のMX500はNAND FlashがTLCであるのに対し、この製品はQLC NANDを使っている。

TLC NANDを使ったSSDと比較すると、耐久性は容量の1/4以下、今回の480GBならばTLCの120GB相当と思えばいい。※ただしTLCでも耐久性を犠牲にした設計の物や安物の選別落ちチップを使うSSDは480GBクラスでも200TBW以下が多い

実際QLC NANDを使う製品のSSDは容量480GB程度の場合、保障される書き込み容量は100TBW程度だ。

もちろんこれはSLCキャッシュをフル活用した場合で、記憶容量の半分以上を使った場合は空き容量が減るほど耐久性は落ちていく。

SSDメーカーの定義する“普通の使い方”であればなんの問題も無いが、書き込み頻度が多い使い方をすれば寿命は二次曲線的な勢いで減っていく事は間違いない。

そういった点を考慮すると、QLC NANDを使ったSSDは、書き込み頻度の少ない外付けストレージに向いた製品であると言える。

ただしデータの蒸発を考えてバックアップは絶対に必要だが。


以下は2.5inch SSDの筐体内に入っていたSSD本体の写真。
PL480U3_2.jpg
2.5inch筐体と比べても小型の基盤。基盤がネジ止めすらされていない安価な作りだ。

PL480U3_3.jpg

コントロ-ラチップはSM2259XTで、QLC対応DRAMレスの安物コントローラである。
また、NAND FLASHはMicronのQLC NAND、「9PA2D NW946」が2個載っている。これで480GB・・・

写真は撮らなかったが、裏面は表面同様に4ヵ所のNAND Flashチップを載せるパターンがあるので、最大で1920GBのSSDをこの基盤で製造出来る事になる。


というワケで。

QLC NANDだった事が残念だったが、知りたい情報が得られただけで良しとしておくか。

コレの使い道は、現在2ndドライブにハードディスクが入れてあるパソコンに対し、ハードディスクと交換して使うつもりである。


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