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EVについてこの視点は無かった [クルマ]


アングル:EV整備士の不足、世界中で深刻化か 高コストも足かせ
https://jp.reuters.com/business/autos/FXBBJCBLK5O2LAW7JGPM3GAPNQ-2023-09-08/

EVの整備士が不足しているそうだ。

私の知っている自動車は、走る事以外の機能が今の車より少ない、20世紀に売られていた自動車だ。

なので、一般的な工具と、一部の整備に必要な特殊工具があれば整備が出来る。
私の場合特殊工具が無ければ作る事も可能だ。

しかし、昨今の自動車はコンピューターに頼る機能が増えていて、専用の機器やソフトウェアが無いと整備出来ない。


一方でEVの場合、車体の構造から内燃機関の自動車と違う部分が多いし、しかもセンサーやらなにやらもいろいろ違う。

電池と電源やモーター周りの専門知識も必要だろう。

なので、今までの自動車整備士では整備出来ない箇所が多数存在するため、故障したEVの修理が出来ない、という事になる。

しかも、内燃機関の自動車もそうだが、各メーカー独自の整備用コンピュータなどが必要で、それはメーカーと契約したり資格を取得しないと手に入らないし、それらの使い方も覚えなければならない。


という事で、EVの整備士が不足するというのは納得だ。

そして、整備士が足りなければ故障したEVの修理が出来ない。

需要に供給が追い付かなければコストが上がる。

そして今、すでに内燃機関の自動車よりもEVの方が修理コストが3倍にまで上がっているという。

テスラの修理で修理代が高すぎるという話は聞いた事がある。

まあ、そういう事だろう。


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スパセブン! [クルマ]

スポーツカーが欲しい。

クルマ好きならi一度は思うコトだろう。

私は純然たるスポーツカー好きなので、ハンパなクルマでは“足”の延長でしかない。


1990年代初頭。

当時レース参戦で借金もあった私は、個人的にクルマが欲しくなった。

この時最有力候補だったのが“セブン”。

当時はケータハム、バーキン、ウエストフィールド、といったメーカーから日本国内の販売があった。


私は、この当時当然に‘超貧乏”だったので、日常で使うクルマに贅沢は出来なかったが。

当時のクルマ雑誌には200万円台から“セヴン”の広告が出ていた。

私が特に興味をひかれたのが2Lターボで300万円弱だったウエストフィールドセブン。

まあ、結局夢のままで終わったが。


今になって調べたら、1.6Lのセブンが新車で600万円超えとか。

ありえん。

何故ならセブンの構成要素を考えると、今の円安などを考えても売値は300万円台でも利益が出るはず。

というのが私の認識だからだ。

だが、商品の価格は仕入れと利益率で決まるものではない。


というワケで、セブンを買おう!

と衝動的に思った私の感情は、現実によって一瞬で鎮火されてしまったとさ。



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売るためには下手くそに合わせるしかない [クルマ]

あ亜ア阿唖ぁ吾亞蛙ァ・・・

新しい技術。新しい機構。新しい(以下略

もうウンザリだ。

私は、クルマが動くために必要最低限の装置以外、クルマに装備すべきでないと心の底から思っている。

そう考え、2022年現在、至上のスポーツカーは軽トラだと断言してしまいたい。

そんな衝動に駆られている。

こんなネタを記事にする原動力となったのがこの記事だ。


トヨタ、スープラを一部改良(以下略
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1405248.html


記事にはこんなコトが書かれている。


“コンピュータがドライバーのクラッチ、シフト操作に合わせて最適なエンジン回転数になるよう制御するiMTを採用しており、シフト操作時に自動ブリッピング、ドライバーの意を汲んだスムーズで気持ちの良いスポーツ走行に貢献するという。”


えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇdぇぇぇぇqwせdrftgyふじこ

いらない。

もう、全部いらない。

エンジンの制御は機械式の進角装置を使った点火制御と、スロットルに直結したワイヤーで制御する強制開閉式のキャブレターだけでいい。

ブレーキは当然ABSなんていらない。ブレーキペダルに直結のマスターシリンダーから送られる油圧でのみ、制御されるブレーキ装置がいい。

ハンドルも当然、パワーアシストすら不要。最近流行りの電気モーターを介した制御などゴミ以下。

車体の姿勢制御も、極めて単純な油圧式のショックアブソーバーとスプリングだけでいい。なんとかリンクとかなんとか制御とか、もう全部、新型コロナ並みの悪影響しかない。

なのになぜ、こうも余計なモノがクルマに取り付けられるのか。

答えは二通りに分かれるが、一般公道を走る市販の自動車に限れば答えは一つ。

「ヘタクソでも運転できるクルマの方が売れるから。」


もうね、ヘタクソが運転したら危なくて死ぬくらいでちょうどいいのよ。

80年代前半までの。

未完成なところが多すぎて、ちょっとエンジンの馬力を上げただけで車体から足回りまで、全部バランス取らないとまともに走らないくらいが普通でいい。

遅くたっていい。

刺激は足りないかもしれないが、2st 360cc で20馬力程度の軽4でも立派にスポーツ出来るのだ。

昨今のクルマに乗ると心から思う。

「あれ?なんでこんなに走るの?」

クルマの性能が良すぎてツマラナイ。

昔乗っていたKPとかの方が、今の軽4よりはるかに遅くとも、今よりもっと楽しかった。

タイヤの性能も、車体の安定性も、エンジンの馬力も、今よりはるかに劣ったあの時代のクルマたち。

時速20km/h前後で回る極低速のS字コーナーで、高荷重に歪んでギシギシと音を立て軋むボディの悲鳴を聞きながらハンドルを回したあの頃が懐かしい。

峠道の下り4速全開でキンコン鳴らしながらフルブレーキした時、ブレーキの過熱で思っていたより止まらなくてパニックになったあの頃が懐かしい。

上りの高速コーナーで全開クレたら加速でなく減速したあの頃が懐かしい・・・・


だから、一般公道でするクルマのスポーツってのはそういうモンだろ、と。

クルマの限界と思っていたのが、実は自分の腕前の限界だったと気付いたあの頃。

そしてそれまで出来なかった速度域への到達。

・・・とはいえ、たった5Km/hとか10Km/h程度の差でしかなかったが。

あれ?いつもより速度が乗るな。

そう感じてスピードメーターを見た時の「おおおっ!!!」という驚き。

まあ最初はその後のコーナー侵入でブレーキのタイミングが合わず、死にそうになったが。

そもそものスピードが遅いから、割とどうにでもなった。

だが今はそんな感動を味わう前に、スピードが出すぎてアブナイ。

そう、バカでもヘタクソでも、簡単にスピードが出るからよりいっそうアブナイ。

本当にそう思う。


ただし。

限界に挑戦などという、私からしたらバカの極み的な行為に酔う人を省く、自動車免許を持つほとんど全部の人にとってはクルマの完成度と運転手のヘタクソを補助する機能は万病に効くクスリみたいなもの。

その恩恵で命を・・・

ああ、ダメだ。

そんな例外的なコトは。

やっぱりソレは、クルマを運転すべきではない人を増長させる。

統計上重大事故が減っている理由も、クルマの性能以外の要因の方がはるかに大きい。

比率で言えばクルマの性能:それ以外の要因の比率は1:1万くらいだろう。

まァ一歩譲って実用車はそれでいいとしよう、だがスポーツカーでは?

色々と機械の補助があってやっと走るクルマを運転して何が楽しいのか?

何をやっても上手くいかない。

何故?ドウシテ?

答えのあるようで無いような、初心者には地獄でしかないその問答をやって、それを乗り越えたうえでなおその先にある高みを目指し、地味な努力を重ねる。

私はそれをやって、今に至る。

だからこそ思う。

ソレでいいのか、と。





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自動運転の今 [クルマ]


アングル:自動運転技術の開発レース、先頭ゴールはトラックか
https://jp.reuters.com/article/autos-selfdriving-freight-idJPKBN2IS0AU

まあこんなものだろう。

妄想の迷路にはまっている方達には、早く目を覚ましてほしいと思う。


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新しい自動運転車 [クルマ]


私は過去から一貫して自動運転の自動車を実現する事は非常に困難であると主張して来た。

また、これまでに出た“半自動運転自動車”はあまりにも無理があるとも言って来た。


自動運転レベル3はファンタジーに過ぎない
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-06-20

自動運転で、やっとこのような記事が出た
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2018-04-06

完全自動運転のクルマは本当に可能なのか?
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2018-02-05


こうした現実を理解出来ている人は、実際に自動運転自動車を開発している現場の人間以外でどれほど居るのか。

少なくとも、マスコミや政治家、投資家を含め、一般の人々の中にはほとんど存在しないだろう。

自分は違う!と主張するあなた、あなたはそれを理解している少数派です、おめでとう!!


という事で、テスラみたいに無知な顧客に開発途中の欠陥車を売りつけるためか、それとも無知な投資家から開発資金をむしり取るためなのか、“本当の話”を隠蔽し続けていた自動運転自動車を開発する企業達はついに認めた。

「今の所、自動車の完全自動運転は事実上不可能である」と。

焦点:自動運転も「人が頼り」、スタートアップ各社が妥協路線
https://jp.reuters.com/article/autonomous-startups-humans-idJPKBN2FR0KQ


要するに、過去から現在まで、人間の介入なしで自動運転は無理だったと。

そして人間が付きっきりで監視し、場合によっては運転に介入する事が

「これからの自動運転自動車の新しい機能」

であると言ってのけた。

「人が頼り」である以上、一体これのどこが自動運転自動車なのか。

「勝手に動くが危なくて乗れたもんじゃない自動車」の間違いではないのか。


まあ、今から50年後か100年後かは知らないが、諦めずに開発を続ければいつか完全な自動運転自動車は完成するかもしれない。

だがそれは、蜃気楼の彼方にある幻の都市を目指して砂漠を歩くようなものだ。

途中で遭難し、干物になる可能性は少なくない。



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本当のロータリーエンヂン [クルマ]

今世紀の日本人にとって、ロータリーエンヂンと言って思い浮かぶのは、三角オムスビがマユ型のローターハウヂング内をゴロゴロと回る、“ヴァンケル式ロータリーエンヂン”であると思う。(というか「ロータリーエンジン」自体が忘れ去られて久しい)

この“ヴァンケル式ロータリーエンヂン”についての説明は、以下のWikipediaに丸投げする。

ロータリーエンジン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3


だが、それよりはるか昔、本物のロータリーエンヂンは存在した。

その本物のロータリーエンヂンとはどういう物か、想像出来る人は数少ない。

それは・・・


クランクシャフトが固定されていて、エンヂン本体が回転するエンヂンなのだ!!!


クランクシャフトが固定されていて、エンヂン本体が回転する。

一体何をどう考えたら、そんな奇怪・・・いや、機械が創造出来るのか。

今現在の、エンヂン=クランクケースが車体(或いは機体又は船体等)に固定され、クランクシャフトから動力を取り出す形態しかイメージ出来ない人にとっては、一体エンヂン本体が回転して、どうやって混合気を供給し、点火プラグに火花を飛ばすのか、という疑問が湧くと思う。(というかそれ以前に・・・以下略)

だが、今から100年以上前に発明されたロータリーエンヂンと云うモノは、エンヂン本体が回転する内燃機関であったのだ。


本物のロータリーエンヂンは、初め航空機用のエンヂンとして開発された。

当時はシリンダーとシリンダーヘッドに細かいフィンが多数刻まれた空冷式が普通で、エンヂンが前に進む時に空気がフィンに当たる事で余剰熱を除去し、オーバーヒートを防いでいた。

航空機用となれば尚更、地上を走るクルマより大きく重い機体を加速させ、空中に浮かび上がらせるために相応の大馬力を必要とする。

となればエンヂンは大型化し、エンヂンが発生する熱も大きく増える。
(第二次世界大戦の頃など数十リットルの排気量で1000~3000馬力以上の大きなエンジンが普通にあった)

一方で当時のエンヂンは潤滑機構・油脂の性能含め今ほど発達しておらず、速度が遅いうえにプロペラからの風もエンヂンの冷却にいささか心許ない状況。

そこで当時の技術者は考えた。

エンヂンを冷やすためにもっと風を当てたい。

だったら、エンヂン自体を回せばいいぢゃないか!!!!

こうして出来たのが、本物のロータリーエンヂン。(ホントかよ。)

普通はエンヂン本体を機体に固定しクランクシャフトにプロペラを取り付けて回すのを、クランクシャフトを機体に固定してエンヂン本体≒クランクケースにプロペラを取り付けて回すのだ。

今現在でも西洋で一般にロータリーエンヂンと言えばこのエンヂン本体が回転する物を指す。

日本人がロータリーエンヂンと言うのは、アチラではヴァンケルエンヂンと云うらしい。


ちなみに、私の知る限りロータリーエンヂンは「主に」航空機用でしか存在しないが、一例だけ地上を走る自動車に採用された実績がある。(この記事を書いた後にWikipediaを見たら他の例もあるらしい事を知ったが・・・)

しかもそれは・・・

FFのオートバイなのだ!!!

彼の迷車は「メゴラ」という。

二輪車のFFなので、なんと前輪の内部にエンヂンを搭載。つまりイン・ホイール・モーターの元祖だ。

しかも星形五気筒なのである!!!

現在の一般常識では、普通ならブレーキが存在するフロントホイールハブがそのままクランクケースになっている。(従ってブレーキ装置は後輪にしか存在しない)

キャブレターはフロントフォークに固定され、アクスルシャフトを兼ねた中空のクランクシャフト内を混合気が通過して各シリンダーに供給される。

こんな構造なのでガソリンはフロントフォークに備え付けられたサブタンクから重力でキャブレターに送るが、サブタンクへは車体側のメインタンクから手動式のポンプで汲み上げなければならない。

定期的に手でポンプを操作しないとガス欠でエンヂンが止まってしまうのである。

さらに!!!!

クランクシャフトがフロントフォークに固定され、エンヂン本体がホイールと共に回転するため、車体が停止する=エンヂンも停止(当然クラッチなど無い)である事から、一般公道の走行は不可能に思えるのだが。

当時の記録によると元々競技車両として生産・販売された後に公道仕様も量産されて、一般道を走っていたらしい。

競技車両ならば一度走り出せばゴールまで止まる事が無いから良いが、一般道ではどうしていたのか。

まあ当時は信号機も無い時代。

交差点を通過する時は、一時停止など不要だったのかもしれないが・・・


まあそんなワケで。

私の中ではロータリーエンヂン=エンヂン本体が回るモノという認識が形成されている。
(一般常識としてロータリー=マツダの図式を覆すほどではないが)

え?何故唐突にこんなネタを出したのかって?

それは先日この記事を見たから。


いま再びマツダの水素ロータリーエンジンへの期待「REは水素燃料と相性が良いのか?」
https://motor-fan.jp/article/10016010


今、電気自動車に関する不都合な真実が改めて注目されつつあり、水素を燃料とした内燃機関が再び脚光を当てられているらしい。

ロータリーいいよね、ロータリー。

出た当時は往復運動が無い効率の良いエンヂンであり、夢のような未来を想像させたというロータリー。

無知な一般人が夢想した夢は、夢のまま終わってしまったが・・・

かつては世界中の自動車メーカーがこぞって実用化に向けた研究開発を行ったが、実用化して市販車に搭載したメーカーはドイツのNSUに日本のマツダとスズキ、そしてイギリスのノートンだけ。(スズキとノートンは二輪車に搭載して市販。Wikipediaではソ連製のロータリーの説明があるが知らん、試作車をそのまま市販したような有象無象も無視、他に航空機用や模型用も市販されているが一般的でないため除外する)

その内本当の意味で実用化した、と言えるのは事実上マツダだけで、しかもそのエンヂンで世界各地のレースに勝っている上にル・マン24時間耐久レースで総合優勝までしている。

それが今度は、20年以上前に開発していた水素ロータリーが再び注目を浴びているという。

私は、内燃機関こそが自動車の動力としてベストであると信じているが。(これはロマンとかいう曖昧なモノではない)

水素は太陽光発電で水を電気分解すれば大量生産&貯蔵も可能であるし、燃やしても水しか出ない。

電気自動車が抱える電池の生産・廃棄とリサイクルという、極めて重いエネルギー消費の足枷も無い。
(さらに言えばモーターや電気系統も一般の内燃機関より生産とリサイクルに多大なエネルギーが必要)

やっぱりこれからは水素エンジン(或いは現行内燃機関でも使えるゼロエミッション燃料)の時代だと、思いたい。


参考:

ロータリーエンジン (初期航空機)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3_(%E5%88%9D%E6%9C%9F%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

メゴラ
https://duckduckgo.com/?q=%E3%83%A1%E3%82%B4%E3%83%A9&iax=images&ia=images



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ハイブリッドとはなにかを考えさせられる [クルマ]

ポルシェ919 Hybrid。

私が知る限り、F1を含め世界で最も速いクルマ。

世界各地のサーキットでF1を凌ぐコースレコードを作り、ニュルブルクリンクでは35年間破られなかった6分12秒のコースレコードを一分近く上回る5分19秒の記録を打ち立てた。

ポルシェ919 Hybridが何故こんなに速いのかと言うと、一言で言えば加速の速さだ。(実際走っている映像を見ればわかる)

タイヤとシャシー、サスペンションなどは、最早どこのコンストラクターでも一定以上の水準を持ち、車体の速さ自体は大体同じレベル。

こうなったらどこで差をつけるかというと、頭文字Dではないが直線でもカーブでもない所しかない。

その“直線でもカーブでもない所”を構成する要素の一つが加速。(まあそれを可能にするには車体の・・・以下略)

最高速度まで達する時間が短ければ短いほど速く走れるなんて事は、子供でも理解出来る理だ。


では何故ポルシェ919 Hybridの加速が速いのかというと、それは電気モーターで一時的に駆動輪の力を増やす事が可能だから。

ポルシェ919 Hybridの場合レース仕様では最大500馬力、記録に挑戦する仕様では最大700馬力のエンジン出力に、300~400馬力くらい電気モーターで上乗せ可能らしい。

当然そのシステムにはハイブリッドの技術が使われている。

だが私は、ハイブリッドの回生システムを単純に「減速時のエネルギーを回収している」としか思っていなかった。

何故ならそれが一般論であるからだ。

だがそう考えると、ポルシェ919 Hybridの加速は説明が付かなかった。

理由は回生エネルギーが絶対的に不足するから。

私の常識では、減速時だけしか、回生エネルギーを得られなかったからだ。

しかし、ポルシェ919 Hybridの回生システムは排気ガスからも回生エネルギーを得ていた。

この事はレース関係の事情に詳しい人ならば常識の範疇だったに違いない。

だが、私は今まで知らなかった。


私のこれまでの常識で考えると、排気ガスのエネルギーを利用するシステムとしてはターボチャージャーしか思いつかない。

ターボは排気ガスの圧力をタービンの回転力に変換して、エンジンが吸入する空気の密度を大きくするシステムである。

一般的な、エンジンに空気を押し込むという表現は根本的に間違っている。

それはともかく、自然吸気エンジンのパワーアップを真剣に考えた事がある人には、排気ガスのエネルギーを再利用するという事はロスにしかならないというのが常識だ。

何故なら、排気ガスのエネルギーを再利用する事は燃焼室への反射波を生んで排気抵抗となり、4ストロークエンジンが排気ガスを燃焼室の外へ押し出す排気工程ではポンピングロスとなり得るし、排気工程で生まれる慣性で燃焼室の空気密度を下げて吸気を助けるはずが、燃焼室内のガスが少しでも多く残っていれば逆に燃焼室内と吸気管内の圧力差が減ってしまって混合気の充填効率を落としてしまうからだ。(故に自然吸気エンジンでの排気ガスのエネルギー利用は、電気デバイスの利用もしくは排気管の構造で反射波の発生サイクルを調整する事での、未燃焼ガスを燃焼室に押し戻す事を前提としていた、というかそれしか出来ないのだが)

だがもし、そのロスを上回る利得が得られるシステムが存在するとしたら、話はまったく違ってくる。

それがターボという過給システムだ。

ターボはエンジンが吸入する空気の密度を上げて酸素量を増やし、より多くの燃料を燃やす事を可能にする。

元々は航空機が数千メートルの高空を飛行する際、大気圧=空気の密度=酸素量の減少によってエンジンの出力が下がってしまう事に対する解決策であったが、大気圧が一定の場合燃料を燃やすために必要な酸素の量を増やす事が可能という点で、シリンダーの容積=排気量=エンジンの大きさを上げずともエンジンの出力を上げる事が可能な手段となったのだ。


このとき、タービンを回すために必要な力を、発電機を回す力に換算したらどれだけのエネルギーになるのか?

これを想像出来なかった自分が恥ずかしい。

そしてポルシェの技術者はそれをやった。

その結果は世界一速いクルマの誕生である。


実際の所、ポルシェ919 Hybridのエンジンはターボチャージャーを装備したエンジンなので、単純にタービンを回すエネルギーを発電機に・・・というシロモノではない。

もっと複雑で、ターボによる過給で生まれた余剰エネルギーを余すことなく発電機で回収して、電気エネルギーとして蓄え、それを効果的に加速に使えるよう緻密な制御がなされているはずである。

そして、これだけの技術があれば、一般公道を走るクルマにも使えたら・・・と思うのは当然の事。

だがそれは無理なのだ。

何故なら、一般公道を走るクルマが生み出す排気ガスのエネルギーはとても小さいから。(エンジンの設計次第では或いは・・・とも思うが)

一般に車重1トン前後のクルマが時速60km/h程度で巡行するために必要な馬力は精々十数馬力。

しかし、高速道路の走行まで考えて作られるエンジンでは、その十数馬力で消費されるエネルギーから排出されるわずかな排気ガスのエネルギーを回生システムとして有効活用するには無駄が多すぎる。

私が思うに、その程度では回生システムを駆動するためのエネルギーを上回る排気ガスのエネルギーが無い、という事だと思う。

ポルシェ919 Hybridの場合はエンジンの最大出力付近を維持する、サーキットでの走行だからこそ可能だったシステムと言えるだろう。

また、一般公道で多用される停止又は低速からの加速は非常にエネルギー効率が悪い。

ただでさえ効率が悪い事の繰り返しが多い一般の自動車運用で、排気ガスのエネルギーを再利用するなど、魔法(オマエは気に入らないから、カエルにでもなぁれ!と言うレベルの)でも使わなければ不可能だと思う。


というワケで。

この記事

内燃機関超基礎講座 | ポルシェが919ハイブリッドに2.0?V4直噴ターボを選んだ理由
https://motor-fan.jp/tech/10017617

を読んだ私は、正に目から鱗であった。

まあ、知っている人からすれば(以下略

こうして私は、ハイブリッドシステムの奥深さを学んだのであった。


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Uberも自動運転自動車の開発から撤退か [クルマ]

自動運転機能を持つ自動車は、2020年には実用化される。

そういう話しがあったのは何時の事か。

私は「不可能だ」と思ったが、今となってはそんな話も無かった事にされている。


そんな中、このようなニュースが。

Uber ATG売却報道など自動運転関連で注目ニュース相次ぐ
https://eetimes.jp/ee/articles/2012/01/news061.html

Uberは自動運転自動車の開発において先頭をゆく企業の一つで、Googelの次くらいに本格的な開発を始めた企業だったと思う。

当初から拙速な開発を私は問題視していて、実際に事故を起こし、その内の一つは歩行者を死亡させている。


結局の所、2020年現在の技術では極めて限定的な環境下でしか自動運転は出来ていない。

つまりはそういう事だ。

となれば、もうこれ以上の開発は不可能と思うのも当然だろう。

開発を続ける事自体に意味があるとしても、莫大な金を注ぎ込んでも投資を回収する目途が立たないからだ。

Uberが自動運転技術の開発部門の売却を検討するのも理解出来るというものだ。


私はこのブログで何度も繰り返し記事に書いているが、そもそも自動運転自動車で「万が一の時にはドライバーが対処する」というのはあまりにも非現実的でバカげた話である。

自動運転自動車はハンドルやブレーキ・アクセルなど、人が操作する機能があってはいけない乗り物なのだ。


それが実現出来ないのであれば、施設の構内や高速道路など、不測の事態が発生しにくい所に限った限定的な“運転補助”以上の機能を、自動車に持たせてはいけない。

そんな事もわからない人があまりにも多い事が現実だ。

この事は実際に問題が発生してからでないとルール作りもままならないという事は理解出来るが、記事中の“自動運転技術の進歩に伴って、十分な安全性の定義も改善されなければならない”という記述に関しても「やっとここまで話が進んだのか」というのが私の感想である。



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公道走行が可能な航空機 [クルマ]

昔から「空飛ぶ自動車」というモノは一部のクルマ好きにとって夢のクルマであり、SFの中でも数多く表現されたクルマである。

そうした「空飛ぶ自動車」で最も有名なのは「ブレードランナーのポリススピナー」だと私は思うが、アレは重力と慣性を自由に制御する技術が無ければ不可能だと断言する。

なので、過去から現在まで様々な「空飛ぶ自動車」が試作・開発されて来たが、それらは例外なく「道路を走れる航空機」でしかない。

「空飛ぶ自動車」がヨーロッパの公道を走る許可を取得
https://gigazine.net/news/20201029-dutch-flying-car-permitted-european-roads/

一体コレのどこが「空飛ぶ自動車」なのか、笑わせてくれるものだ。

ちなみに大きなファン二基を前後に取り付けた「空飛ぶバイク」も作られているが、アレはそのまま「人がまたがって操作出来るドローン」でしかない。

まあ、現在の人間が操れる技術では、その辺りが限界というものだ。



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トヨタは出るべきではなかった、2020 Le mans [クルマ]


トヨタのエントリーは、参加台数が少ない事から主催者に頼まれたのだろうか。

今年のル・マンは恒例の6月から延期されて9月になったが、エントリーリストを見るとLMP1がたったの5台、その内訳はワークスがトヨタの2台、プライベーターの2チームが2台/1台と寂しい内容だった。

これならばもうワークスなど不要で、プライベーターに花を持たせてあげれば、と思う。

だからトヨタは出るべきではなかった。


昨年も書いたが、こんな状況で勝ってもなんの価値も無い。

しかも2位がプライベーター。

Le mansの公式ページでもLMP1のニュースがトップに無い事から、トヨタ優勝への関心が無い事を想像させる。


まあ、おつかれさん。


2020年 ル・マン24時間 エントリーリスト
https://jp.motorsport.com/lemans/news/the-2020-le-mans-24-hours-entry-list-in-full/4808925/

リザルト
https://jp.motorsport.com/wec/results/2020/24-hours-of-le-mans-480556/?st=RACE


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21世紀のCVCC [クルマ]


なにやら知らぬ間に、F1ではかつてホンダが開発した「CVCC」みたいな技術が使われているらしい。

その名も「プレチャンバー」。日本語なら副燃焼室か?

そのプレチャンバーとやらを今回初めて知ったのが以下の記事。


F1の燃焼技術「プレチャンバー」をまさかマセラティが出してくるとは!
https://motor-fan.jp/tech/10015392


このプレチャンバー、発想はCVCCと同じで、極単純に言えば混合気を理想的な燃焼状態に近付ける事が目的。

ホンダ 副燃焼室付エンジンの開発がスタート
https://www.honda.co.jp/50years-history/challenge/1972introducingthecvcc/page04.html

ただ理想的な燃焼とはいっても、それは多くの要素が複雑に絡まる「条件」によって変わる。

CVCCは排ガス対策のために開発されたが、その後高出力化出来ずに消えた。

写真を見るとわかるが、CVCCはその構造上圧縮比を上げ辛く、しかも燃焼室が複雑なため熱効率の面でさらに悪い。

従ってピストンを押し下げる力(≒トルク)を上げ辛いのだ。


一方F1のプレチャンバーはスロットルを大きく開いた状態、高回転域のトルクを引き出す事に特化している。

構造上十分な量の混合気を高い圧力になるまで圧縮しないと、プレチャンバーは機能しないからだ。

その点マセラティは低中回転域を通常の点火装置で制御する事で、一般公道でも使えるエンジンに仕上げている。


ただし、その代償としてかなり複雑なコンピュータ制御が必要だ。

そしてこのエンジンのメンテナンスはパソコン無しには不可能。

もしどこか壊れて調子を崩したら、パソコンの診断プログラムでどこそこの部品をアセンブリ交換しろ、というやり方でしか直せないだろう。

単純な部品交換とパソコンによる調整だけで済む、という見方をするのなら簡単極まりないコトだが。

まあ部品交換も狭いトコにギッシリな今のクルマは大変な作業ではあるが・・・


クルマのエンジンは年々高度な制御技術の発展という後ろ盾によって、少ない燃料を効率よく燃やして、しかも排気ガスは触媒の助けもあるとはいえ窒素酸化物や一酸化炭素、燃料の燃え残りであるススなどの微粒子が新しい規制が出る度に少なくなっていく。

このプレチャンバーもそんな最先端技術のカタマリであり、この先も今では考えられない事が実用化されていくに違いない。



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EVは本当にエコなのか? [クルマ]

こんな記事がある。

「ChaoJi(チャオジ)」は超急速充電の世界統一規格となるのか
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2002/21/news006_3.html


この記事にはEVの充電規格を日本と中国で共同開発し、それを世界標準にするという話が書かれているが、その中で充電器に関する説明が含まれる。

以下、記事からの抜粋。


“最大出力は(中略)900kW(1500V、600A)(中略)ケーブルの中を液冷として、ガンのピンとなる部分の冷却(以下略)”

“ChaoJi急速充電器は液冷を採用しており、ラジエーターが必要になる。また最高出力が大きいことからキュービクル(高圧受電設備)も必要となり、かなり大型でかつ高価となることが予想される。”


以上。

抜き出した内容に関して要点をまとめると

1.充電器とEVの接続用ケーブルとコネクタは、液冷にしなければならないほど発熱する。

2.充電器本体も液冷であり、ラジエータが必要。

3.充電設備はかなり大掛かりなものになる。


こんなところか。

特に問題なのが充電用ケーブルとコネクタ。液冷にしなければならないほど発熱するのは、恐らく以下の理由によるものと推測する。
ケーブルの場合1500V/600Aという高圧・大電流を扱うケーブルは普通に考えればかなり太くて重いものになるはず。しかし、非力な一般人がそのような太くて固いケーブルと、重い充電コネクタを持ってクルマに接続するのは問題が多い。

そこでケーブルを細くて柔らかなものに、コネクタも端子を可能な限り小型化して、取り回しが良い物にする必要が出る。

私ならば、握力が10kg程度、ベンチプレスで20kg程度が限界の人でも問題が無い取り回し易さが必要だと考える。

すると当然に導体は細く、端子の接点面積も小さくなる。そして体積が減る事で放熱作用も減少する。だから能動的な冷却が必要になり、断面積が小さな流路でも十分な熱輸送が可能な液冷が必要になるという事だ。

すると当然、冷媒を圧送するポンプも必要になる。液冷するにはポンプを駆動する電力も必要なのだ。


また、充電器の電力損失も大きい。なにしろ液冷装置が必要なほど発熱するのだから。当然に液冷なのでラジエータが必要で、これは赤外線放射や自然対流に頼る受動的な空冷ではなく、ファンを使った強制空冷になる。だからファンを駆動するための電力も無駄となるわけだ。

恐らくこれは最近流行の炭化ケイ素等を使った、スイッチング抵抗がシリコン半導体よりも数桁低い半導体を使う高効率な電源を使ってもそれだけ発熱するという事。そして発熱は電力が熱に変換されるという事だから、その分電気が無駄になっているという事だ。

これらを考えると、EVの急速充電はかなり効率が悪いエネルギー補給方法だと言える。

実際どの程度電力が無駄になっているかはわからないが、大掛かりな冷却装置が必要な時点で少なく見積もっても充電器とケーブル・コネクタだけで1割は無駄になっていると思う。

そしてさらにEV内部の充電回路や電池の内部抵抗と化学反応による電力損失も考えれば、さらに電力が無駄に熱変換されている事は言うまでもない。


以上の事から、EVは充電だけでもかなり無駄に電気を捨てているという事がわかる。

一方でこの事実は一般にまったく知られていない。

EVに関連する記事のほぼ全てが、充電時の電力損失を記事中に書いていないからだ。

まあ、万に一つくらいの確率でそういう記事もある事はあるが、焼け石に水である。

以上の理由により私の考えでは、EVは内燃機関と比べてほとんどCo2排出量が変わらないか、ヘタすると逆に増えるのではないかと思う。

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EVに興味があるならこういう記事を読むべき [クルマ]


水素に未来はあるのか?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2002/01/news007.html

実に冷静に、現実を見ている。

この記事を読んでそう思った。


盲目的なEV万歳記事やそういった個人の意見は無数にあるが、このように現実を見据えた意見はなかなか無い。

無知な連中が諸手を挙げて大歓迎するEV普及の妄想だが、実際にはウソがあまりに多い事に気付いている人は少ない。


もし本気で環境問題を考えていて、その延長線上にEVという選択肢があるというのなら。

その選択肢を現実的なモノとするために、もっと現実を見るべきだ。



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摩擦に依らないブレーキ装置 [クルマ]

物理的接触のないブレーキ装置
https://motor-fan.jp/tech/10012073

このような記事があったので読んでみると、内容にガッカリ。

夢のある話ではあるが、制動に電力が必要な上熱問題がクリア出来ないのでは無意味だ。

とはいえ、研究として見る分にはおもしろいのでもっとやって欲しい。


そういえば昔、空を飛ぶクルマが映画などに出ているのを見て、子供心に思った事がある。

ブレーキや旋回はどうやっているのだろう、と。

実際、摩擦が空気しかない空中では、人間程度の重さでも速度や運動方向の制御が簡単ではない。

その一方で飛行機のように、一定以上の速度ならば何トンという重さの金属のカタマリですら空を飛ぶ事が出来る。

SFでは重力制御とか慣性制御という技術が実用化された世界があるが、クルマが空を飛ぶにはそれらを使うしか無いだろうと。

少なくとも、現在実用化されている空飛ぶクルマは「道路を走行出来る航空機」でしかない。


まあ、件の曙ブレーキの装置も、SFとしか思えないような技術が無ければ「実用的な物理的接触のないブレーキ装置」など作れはしないだろう。


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F1は誰のための競技なのか? [クルマ]


近年のF1は、レースというよりも単なるショーに見える。

実際の所、現在のF1は莫大な金の動くショービジネスになっている。


ドライバーもチームも、自分達を観客に見せる事でスポンサーから金をもらい、それをチームの運営資金にしている。

レース活動には莫大な金がかかるから、それは必要なことだ。

だが行過ぎれば手段が目的化するように、F1もまたそうなっているように見える。

そしてかつてのF1にあった、男達の汗と油にまみれたスピード競技のイメージなど今は無い。


私は20世紀のF1は好きだが、21世紀のF1は嫌いになった。

世界一速いドライバーを決める競技であるはずが、観客を如何に楽しませるかが目的のショーになったからだ。

主人公はドライバーであり、F1マシンであり、チームであるはずだ。

観客は単に非現実的な光景の一つとしてレースを観戦し、興奮するヤジウマでなければならない。

それが今や観客が主人公で、サーキットの中に居るドライバーもクルマも、まるでカゴの中で車輪を回すハムスターのようだ。

以下の記事は、それを象徴しているように思う。


F1成功への方程式は超高速マシンとスーパースター
https://jp.reuters.com/article/idJPWAOA9G3K8XPE197T



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自動運転レベル3はファンタジーに過ぎない [クルマ]


自動運転レベル3はファンタジーに過ぎない
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1906/18/news014.html

私もこの記事に賛成だ。
私の意見として同様の事は過去にこのブログで書いている。

「Uberの自動運転車で死亡事故」というニュースに思う
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21


一体誰が、「自動運転中に問題がある時は運転手が運転を引き継いで危機を回避する」などという戯言を言い出したのだろうか。

出来るものならやってみろ、と言いたい。


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トヨタ優勝おめでとう! Le Mans 24H 2019 [クルマ]

一昨日の日曜(2019/06/16)、日本時間午後10時に今年のル・マンは決勝のゴールを迎え、当然の結果としてトヨタのワンツーフィニッシュに終わった。

8号車が優勝、7号車が2位で、周回数は昨年より3周少ない385周だった。


私は衛星中継でリアルタイムにチェッカーフラッグを受ける優勝車・Toyota TS050 Hybrid 8号車がゴールする瞬間を見ていたが、やはりこの瞬間は良いものだ。色々と思う所はあれど、感動を禁じ得る事は出来なかった。

心から彼らと、彼らの戦いとその結果に対し、敬意と賞賛を送りたい。


ただし、昨年もそうだったが、この結果にはいささか疑問もある。

その疑問とは、トヨタにライバルと言える競争相手が存在しない事だ。

レースは結果が全て。とはいえ、世界でも長い歴史と伝統を誇る格式高い“Le Mans 24H”で優勝者として記録が残る事について、ライバル達との熾烈な競争の末に得た優勝との価値の差を考えると非常にがっかりしてしまうのだ。


こうした私の思う所についての根拠はこうだ。

まずここ5年間の優勝車の記録を比較するとこうなる。


開催年 優勝車 周回数 LMP1の参加台数
2015 Porsche 919 Hybrid 395周 13台(内トヨタ2台/Porsche 3台/Audi 3台)
2016 Porsche 919 Hybrid 384周 9台(内トヨタ2台/Porsche 2台/Audi 2台)
2017 Porsche 919 Hybrid 367周 6台(内トヨタ3台/Porsche 2台)
2018 Toyota TS050 Hybrid 388周 10台(内トヨタ2台)
2019 Toyota TS050 Hybrid 385周 8台(内トヨタ2台)

こうして並べてみると、2017年は3台エントリーしてかなり本気で勝ちに行ったトヨタに対し、2台に減ったポルシェと参加を見送ったアウディのやる気減退が対照的に見える。

この表から(もちろん予選と決勝の内容も考慮したうえで)読み取れる事は、2015年はポルシェとアウディが3台ずつエントリーするという2チームの激戦もあって周回数が伸びた一方、その後は様々な理由で周回数が落ち込み、2018年に至ってはトヨタのみワークス参加となって無理にスピードを上げる必要が無くなったトヨタは24時間で388周と2015年だったら表彰台にも上がれない余裕のペースで24時間を走り切り、さらに2019年は2018年よりもペースを落して3周少ない385周に留まっているという事。

耐久レースは綿密な計算の元に走行ペース(一周を何秒で走るか)とピット回数を決めて走るので、トラブルや他チームとの順位争い等でペース配分やピット回数(時間)などの変更が無い限り、結果は最初から計画された通りになる。

つまり、2019年のトヨタは計画的に遅く走る事で最大限にトラブルを回避し、確実に2台をワン・ツーフィニッシュさせる作戦を計画通りに完遂した事になる。

これは競争相手になる他チームが居ないからこそ出来る芸当と言える。何故なら、十分に競争力を持つ他チームが存在した場合、例え自分達のクルマが他よりも速く十分に信頼性が高いとしても、万が一を考えて必要なマージンを取る為にやはりギリギリの所で走らざるを得なくなるからだ。

またライバルが多ければ“首位争いとは別の所で、順位争いによりペースが落される”という事もある。
そのため、遅れを取り戻す為にペースアップが必要となり、その結果トラブル(クルマの故障や事故)に見舞われる例は非常に多い。
さらにチーム同士、そしてそれとは別にドライバー同士駆け引きなどもあって、不確定要素が激増するから尚更難しいレース展開を強いられる。(この事は終始1-2位を占め、他車との順位争いが発生しなかったトヨタにはまったく無縁の要素だったと言える。)

或いは1991年のマツダ 787Bのように、レース中盤以降作戦による追い上げでトップを走るメルセデスにプレッシャーを与えた結果、メルセデスは無理にペースを上げてクルマを壊し、優勝が確実と見られていたメルセデスを下したマツダの逆転優勝、というような逆転劇が起きる事もある。

このマツダ優勝の例にも見られるように競争力が一定の範囲にあるチーム同士の争いともなれば、クルマの性能を活かしてルーチンワークをこなせば自動的に優勝、などという事は有り得ない。


ちなみに2018年の1位トヨタと3位Rebellion Racingの周回差は12周、2019年は1位トヨタと3位SMP Racingの周回差は6周という結果からも、手の抜き様はかなり緻密に計算されている事を窺わせる。なにしろ昨年より3周分も遅く走っているにも関わらず、しかもレース中トップを走る7号車が2回も予定外のピットインで時間を浪費しているというのに、他チームに一度も抜かれる事無くワンツーフィニッシュなのだ。これで手抜きと言われない方がおかしい。

レギュレーションの変更(ハイブリッド車への各種規制)によって周回数に関する基準は変わるのだが、それ以上に参加車両の改良、そして競争相手が居ない事による無駄な加速の抑制とペース配分の最適化は24時間で可能な周回数を増やす結果に結びついてもおかしくはない。

こうした事を考え合わせると、2018年と2019年のトヨタはもっと速く走り、24時間で390周以上走れるだけの余力があったはずだ。
だが、トヨタは周回数を伸ばすどころか逆に落してきた。

当然これは不慮のトラブルを可能な限り排除するための対策でもあるだろうが、やはり何か釈然としないものが残る。


まあ、少なくとも今回の優勝という結果は本気で勝ちに行かねば到底成し得る事は出来ないし、勝つ為に24時間に渡って緻密に計算されたスケジュールをチーム一丸となって達成する事は相当なノウハウの積み重ねと労力が必要であり、歯車が一つ狂えば成しえない可能性を孕んでいる事を考えれば、誰にでも可能と言えるような生易しいものではけっして無い。

そういう意味では価値のある優勝、ル・マン2連覇ではあるのだが、だとしてもやはりこのレースを、そしてこのトヨタの優勝を、「微妙」と思わない人はどれだけ居るのだろうか。もうLMP2とGTEクラスのレースだけ見ていた方が遥かにおもしろかった位だ。

私はトヨタを尊敬するからこそ、こんなツマラナイレースをする位なら、トヨタは耐久レースの活動を休止してプライベーターに栄誉を譲れよ、と、本気で思っている。


2018年のル・マン24時間耐久レースに強い違和感
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21

1991年のル・マン24時間レース
https://ja.wikipedia.org/wiki/1991%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B324%E6%99%82%E9%96%93%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9

2015年のル・マン24時間レース
https://ja.wikipedia.org/wiki/2015%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B324%E6%99%82%E9%96%93%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9

2016年のル・マン24時間レース
https://ja.wikipedia.org/wiki/2016%E5%B9%B4%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B324%E6%99%82%E9%96%93%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B9

2017 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2017_24_Hours_of_Le_Mans

2018 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2018_24_Hours_of_Le_Mans

2019 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2019_24_Hours_of_Le_Mans

【ル・マン24時間 2019】日本時間22時スタート。1時間経過、
トヨタの2台は1-2フォーメーションでレースを支配
https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1190669.html


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ギャー!Le Mans 24 2019 [クルマ]

今年もLMP1クラスはTOYOTAのみワークス参加。

あー、もうダメだこりゃ。

衛星中継も観たが・・・

他チームまったく相手になってない。

TOYOTAの一人勝ち。つまらないし情けない。

ただ、昨今の事情を鑑みると、主催者から出場要請があった可能性も。

もしそうならTOYOTAを責める事は出来ない。


それはそうと、LMPクラスとGTEクラスのスピード差が。

昔からそうだったが、アレは怖い。

実際に速度の遅いクルマと同時に走ってみれば解るが、アレは本当に怖い。

怖いけどモタモタしてたら勝てないから、多少強引でも抜くしかない。でも事故ったら全てがパー。

まあ腕の見せ所ではあるが。(TV中継だがほとんどのコーナポストで青旗の乱舞はある意味異常)


TOYOTA二年連続総合優勝は金字塔ではあるが・・・(コレで優勝出来なかったら笑うしかない)

素直に喜べないなあ。


2018年のル・マン24時間耐久レースに強い違和感
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21

2019年ル・マン24時間レース:フルエントリーリスト
https://jp.motorsport.com/lemans/news/the-2019-le-mans-24-hours-entry-list-in-full/4372623/

ル・マン24時間耐久レース 歴代勝利者
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_24_Hours_of_Le_Mans_winners

2015 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2015_24_Hours_of_Le_Mans

2016 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2016_24_Hours_of_Le_Mans

2017 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2017_24_Hours_of_Le_Mans

2018 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2018_24_Hours_of_Le_Mans





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カルソニックというブランド名が消える [クルマ]


フィアット傘下の自動車部品メーカー「マニエッティ・マレッリ」(以下マレリ)が、カルソニックカンセイ(以下カルソニック)の親会社であるCKホールディングスに売却され、カルソニックと事業統合するという話だ。

このニュースについて調べると、この事業統合で製品のブランド名としてカルソニックの名前が消え、「マレリ」に統一されるという。

普通は買った側の「カルソニック」に統一すると思うのだが、世界的な知名度は圧倒的にマレリの方が高いのだから仕方が無い。


マレリといえば“マグネトー”。

私はマレリの事をほとんど知らなくて、そういうイメージしか無い。

昔のクルマやオートバイにマレリのマグネトーが付いていた事が非常に印象深くて、イメージが固定化しているのだろう。他にもマレリの電装部品を見た事はあるが、とにかくマグネトーの印象が強い。

また、主にヨーロッパのレース車両に多くロゴが描かれていた事も印象に残っている。


一方でカルソニックの方はもっと知らなかった。

知っている事は日産のスポンサーとしてレース活動を行っていた事くらいだ。

カルソニックと言ってイメージが浮かぶのは、ブルーのGT-Rにカルソニックのロゴをあしらったクルマ。日本国内のGT選手権に出場していたレース車両である。


この両社、自動車部品に関してかなり手広く扱っていて、エンジンや車体などの各機能を制御するコンピュータなども開発・販売しているらしい。いわゆる“車載コンピュータ”というヤツだ。

現代のクルマはコンピュータ化が進んで、“走るパソコン”と言っても過言ではない状況であり、そのうえ電動化や自動運転の事も考え合わせると両社の統合は必然かもしれない。

なにしろ最先端の技術は開発に人と金が無限に必要で、かつて様々な分野で雨後の竹の子の如く生まれた会社が、市場の成熟と共にほんの数社に統合されていったように、これまでは様々な障壁で世界中に分散していた自動車関係の会社も統合が進み、大きくならないと新製品の開発もままならなくなっていくのだろう。


ああ、カルソニックがマレリになってしまうのか…

どちらかといえば日本の企業であるカルソニックの方が身近に感じるが、これがマレリに名前を変えるとなると何か寂しさを感じてしまうのは私だけだろうか。



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自動運転に関する、自動車開発の現実的な方向転換 [クルマ]

レベル5の自動運転よりも現実的? “車内運転支援”
https://eetimes.jp/ee/articles/1904/15/news067.html

リンクの記事を読むと、自動運転に関する関係者達の考え方が変わってきたように感じる。

そもそも自動運転が可能と始めに判断した人達は、自動車の運転にあまりにも無知だった。

もちろん、人類が総力を挙げて開発に勤しめば、いつか完全な自動運転は可能だろう。

しかしそれには途方も無い金と時間が必要で、十年や二十年で出来るようなシロモノではない。

そして急ぎすぎれば必ず人を殺す(というかもう殺された人が何人も居る)。

それが、ようやく理解されはじめたのだと思う。


今後の自動運転は、極めて限られた条件の中でだけで可能な範囲の半自動運転が実用化され、開発が続けられていくと思う。(もちろん半自動運転中の事故と責任に関する法整備もセットで)

「2020年には自動運転を実用化する!」

などという愚者のたわごとは無かった事に(或いは後付けの理屈で正当化)され、より現実的な選択肢が選ばれていく。

そうでなければならないと思う。


当ブログの自動運転に関する記事
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=%E8%87%AA%E5%8B%95%E9%81%8B%E8%BB%A2

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トヨタのハイブリッド特許公開について [クルマ]

少し前の話だが、トヨタがハイブリッド自動車に関する特許を公開した。

公開、というのはもちろん、他社が無償で特許に関わる技術を利用出来るようにするという事だ。

となれば当然、トヨタと、競争相手である世界中の自動車製造会社との競争力の差がグッと縮まる事は言うまでもない。


こうした事に対し、トヨタを心配する声は非常に多い。
これまで独占して来た技術を公開するという事は、メシの種を部分的にとはいえ手放す事を意味する。

もっとわかり易く言えば、特許を公開した影響で売り上げや利益が大きく減るのではないか、という事だ。


この問題に対するある視点からの答えが、記事として出ている。


トヨタ ハイブリッド特許公開の真実
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/15/news014.html


この記事を要約すれば、トヨタは環境問題に対し世界中のクルマをどんどんハイブリッド化する事で積極的に問題解決したい、という理由でハイブリッドの特許を公開したという話だ。

そして特許の公開による不利益はあまり問題にならないという。
要は今現在の技術はいずれ陳腐化するものなので、その先を現在進行形で開発中であるトヨタの利益にはそれほど影響が無いという事だ。

この点に私は同意する。
さらに記事中にもあるが、単に技術を導入すれば簡単にクルマが作れるという事は有り得ない。

クルマはノウハウのかたまりと記事に書かれているがまさにその通りで、過去にEVが普及すれば家電メーカーでも部品を買って組み立てるだけでクルマが作れるなどという暴論が出ていたが、それは言っている者の無知をさらけ出しているだけの事だ。

この点に対してもトヨタは積極的にノウハウの提供までやるという。

もし利益がどうこう言うのならば、むしろこちらの方が問題である。


さて、ここまでトヨタが無償で特許を公開した理由を、トヨタ側の言葉(記事はトヨタの副社長へのインタビューを元に書かれている)で表した。

記事の筆者は、この背景に過去アメリカで起きたプリウスの暴走事故に対するリコール問題を挙げている。

過去の問題では、公聴会でトヨタ側の言葉を誰も信じてくれなかったそうだ。

だから、日頃の行いを良くする事で企業イメージを上げ、何か問題が起きた時でもトヨタ側の言葉を信用してもらえるようにしよう、という事らしい。


という事で、ここまでは記事に書かれている事。

ここからは私の考えを書く。


現在「環境問題に配慮したクルマという事になっているハイブリッド、プラグインハイブリッド、電気自動車」のシェアだが、実はそれほど多くはない。

シェアが大きくない、という事はそのカテゴリーでの売り上げが大きくないという事だ。

そしてハイブリッド等の技術は、クルマを開発・製造するための工程を複雑化し、常に新たな技術開発が必要という意味ではこれまでの内燃機関のみの自動車と比べてメーカーの負担が非常に重い。

わかり易い例えをすると、戦闘機の開発だ。
戦闘機の開発はすでにアメリカですら自分達だけで開発するのに荷が重く、同盟国から「共同開発」という手段で金をかき集めてやっと、「先日空自で墜落事故が起きたF35程度の戦闘機」が出来上がる、という難しさである。

自動車もすでに世界の環境規制が厳しくなる中、これに対応させるという必要性から電気モーターと電池を動力の一部又は全部にせざるを得なくなっている。

しかしそもそも100年以上の歴史を持つ内燃機関は、燃料のエネルギー密度の高さも相まって動力性能や使い勝手という「クルマとしての絶対条件」が電気モーターを使うクルマのそれを大きく上回る。
これを技術の進歩で解決するのは何十年後になるかわからないほど困難であり、これが普及を大きく妨げているのだ。

そして枯れた技術である内燃機関は、それほど技術を持たない自動車メーカーでもそれなりに使えるモノが作れてしまう。

トヨタにとってはむしろそういう「とりあえず使えるクルマが作れてしまう」メーカーこそが邪魔であり、ハイブリッドを自動車販売の標準とする事で開発のハードルを一気に上げた方が商機が大幅に増える、というのが私の見方だ。

トヨタがハイブリッドの技術を、世界中の自動車メーカーに、特許や技術だけでなく製造ノウハウまで与えるという。

この行動は世界の自動車開発のハードルを一気に上昇させる。
(実際ル・マンのハイブリッドレーシングカーがトヨタのみになった事がそれを証明している)

すると、技術開発で世界一のトヨタは、自動的に世界での自動車販売シェアを大幅に増やす事が可能になるだろう。

トヨタがハイブリッドの特許を公開するという事は、つまりそういう事なのである。


参考

トヨタ、HV技術特許を無償開放 2万件以上のコア技術を利用可能に
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1904/03/news113.html

2018年のル・マン24時間耐久レースに強い違和感
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-06-21


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自動運転どころかハイブリッドでコレだ [クルマ]


“走るパソコン”と言える、コンピュータ制御がクルマの多くの機能を支配する現在の自動車。

中にはスマートフォンかよ!と思える「Android搭載自動車」なんていうのまで出てくる始末。


そんな中、トヨタのハイブリッド車約243万台にリコールがかかった。


トヨタが世界で243万台リコール、HVシステム制御プログラム不適切
https://jp.reuters.com/article/toyota-recall-idJPKCN1MF0DO


ハイブリッド自動車の動力関係はコンピュータ制御され、プログラムに不備があれば燃料や電池の蓄電量が十分でも走る事が出来ない、という状況になり得る。

今回リコールの対象となった問題は、制御プログラムが不適切(つまりバグ持ち)なため、最悪の場合走行できなくなる可能性があるらしい。


自動運転よりはるかに単純なハイブリッドのプログラムでコレだ。

しかもこの問題は過去のリコールによる改善措置(2014年と2015年にそれぞれ違う車種で、問題の内容は今回と同様)が行われた車両でも起きる。

まるでWindowzのようではないか。


こんな調子でコンピュータ化が進む自動車の安全性は担保出来るのだろうか?

ましてこれからは自動運転やネットワーク接続など、さらなる不安要素が激増するのだ。

自動車関連のプログラム開発は要求されるモノが違うから難易度が高いだろうし、肥大化したシステムはプログラムの量も増えて、ただでさえピンキリのプログラマが大勢でプログラムを書く必要性が出てくるわけで、現場は相当なカオスになっているに違いないと想像するが、実際はどうなのだろう。(プログラムを外注に出したら外注先がさらに外注に出していた、なんてコトもあるくらいなのだが、そうなったらさらに危いコトになりそう)


・・・まあ、これからどうなるのか、酒でも飲みながらコトの成り行きを眺めていこうじゃないか。



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自動運転自動車の未来を考える [クルマ]

今日、こんな記事を見つけた。


自動運転車の事故を予感させる千葉の交通事故
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54288?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

見出しだけ読んでまた自動運転自動車の事故か?

と思って件の千葉県で起きたと言う事故について調べると、ほとんど情報が無い。

ネタ元と思われる記事は産経新聞のWeb記事で、それ以外の情報はほとんどが産経の記事からの引用であるようだった。

事故後に車が急発進 はねられ28歳男性死亡 千葉・印西
https://www.sankei.com/affairs/news/180929/afr1809290012-n1.html


まあ、自動運転のシステムがなんらかの原因で誤動作、というのは有り得ると思う。

しかしこの事故については事故を起したクルマの車種と、停車時の状況に対する情報がゼロなので、自動運転どころかEVとかハイブリッドなのかもわからないし、事故後の状況等一切不明である。

もし自動運転が誤動作したとしたら、最近のクルマは自動駐車機能が付いた車種があるので、それが誤動作した、という可能性はある。

しかし自動運転の機能がまったくない車種でも、運転者がメインスイッチを切らずに車外へ降りた場合にこのような事故は起こり得る。

事故原因に関わる情報が一切無い以上こうした想像しか出来ないので、事故原因は不明、としか言いようが無い。

それ以前に伊東氏の記事を読むと、事故を起したクルマが自動運転自動車という前提を元に書いているわけではない事がわかる。

将来来るであろう、自動運転が当たり前の世界では、この手の事故がきっと起こるだろうという予測の元、自動運転自動車が事故を起した場合の責任の所在についてや、このようなリスクへの対応を自動車メーカーやその他関係各所(自動車業界全体と国や役所など)がしっかり考え、準備が必要であるという事が書かれているのだ。


自動運転自動車の自動運転システムは、単純に自動車を安全に走らせる機能だけが充実していればOKというわけではない。

運転手が乗車していない状態でも勝手に走らせられる事が問題で、これへの対処が必要不可欠だ。

また、伊東氏の記事に書かれている通り、システムの故障が原因で誤動作した結果の事故による、損害に対する責任の所在を明確にしておく必要もある。

今回の記事のきっかけになった千葉県での事故が、もし自動運転の誤動作によるものだとしたら、現行の法では運転者か所有者に責任があるという事になると思う。だがシステムそのものに欠陥がある場合、運転者か所有者のみが責任を負うのは話がおかしいと思う。
そして、自動車を製造した会社に責任があるとしても、自動運転システムのコンピュータプログラムが外注だった場合、外注先のプログラム開発会社の責任はどうなるのか、とか、システムの目であり神経である各種センサーやセンサーからの信号を伝える配線網に使われる部品に問題があったとする場合、当然そのような部品も外注なので、そうした部品を製造する会社の責任はどうなるのか、という、責任の所在が複雑になる可能性もある。

さらにマルウェアに感染していた場合はどうなるのか、など、この問題は考え出したらキリが無い。


伊東氏の記事には、最後にこのような一文がある。


 “バラ色の夢の未来を考えるのと同時に、リスクとそれへの備えを、産業としてきちんと考え、早期から準備を進めることが重要だと思います。”


私もまったくその通りだと思うし、一般の消費者もこの問題に対する意識を持って国や業界に影響を与えるようになるべきだと思う。

そうでなければ、スマートフォンやIoT関係の各種デバイスのように、買う側が無知であるが故に売ったもの勝ちになり、問題への対処すら不十分なまま消費者が食い物にされるのが当たり前になるだろう。


参考:

テスラ・日産・ボルボ・GMの半自動運転システムの性能をコンシューマー・レポートが評価、求められる安全性とは?
https://gigazine.net/news/20181005-consumer-reports-automated-driving-systems-test/


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2018年のル・マン24時間耐久レースに強い違和感 [クルマ]

2018年のル・マン24時間耐久レースは、結果だけ見るとトヨタが初の総合優勝を果たした記念すべきレースだった。

私はこれを喜びたいという気持ちを一応は持っている。なにしろ日本車が総合優勝するのは1991年のマツダ以来2度目だし、日本を代表する自動車メーカーのトヨタがこれまで一度も優勝した事がない事実は不自然でさえあると思っていたからだ。


だが、今回のトヨタ初優勝を素直に喜べない気持ちが、喜びたい気持ちを遥かに上回っている。


今年のル・マンはかなり異常だ。

いや、ここ数年異常であったものが極まった、というべきかもしれない。

私はモータースポーツが好きで、私自身もレース参戦経験があるほどなのだが、レース引退後は隠居のジジイ的な状態で、外部の情報にほとんど興味を持てなくなった。だがしかし、それでも時折各方面のレースに関する情報を目にすると火が付き、ネットで情報を漁ることがある。


近年、ル・マンに違和感を感じ始めたのは何時からだっただろうか?
消えかかった断片的な記憶をかき集めると、レギュレーションにハイブリッド車両が追加された頃からだったように思う。

そしてその違和感を最も強く感じたのは2017年。あれ?ル・マンてこんなだったっけ?と思った。

違和感の最大要因は参加チームの内容。
最高峰のLMP1に、メーカーワークスがトヨタとポルシェしか居ない事だった。

しかもプライベーターを含めてたったの6台。内3台がトヨタという異常事態に、「ああ、ル・マンはもうダメだな」という感想が沸き起こった。

さらにワークスマシンを3台もエントリーする必勝体制のトヨタの、あまりに不甲斐ないレース内容。結果じゃない、あくまでレース内容だ。リタイヤの理由とか考えても、これまで勝てなかったトヨタはチームとして全然成長していない(というか劣化している?)と思った。

そしてさらに、トヨタ離脱による下位クラス(LMP2)のトップ激走と、修理で1時間以上もピットの中に居たポルシェの逆転優勝。

そのうえ完走した上位10台の内8台がLMP2で表彰台2位と3位もLMP2、というトンデモない事態に。

・・・ああ。こんな事ってあり得るのだろうか。

何かおかしいよ。


そして今年。2018年のル・マンも、去年と同様どころか、それ以上におかしい。

今年はなんとワークス参戦がトヨタのみ。

レギュレーション変更でLMP1クラスの参加台数は一気に10台まで増えたが、トヨタ以外の全てがプライベーターという内容に、ポルシェ離脱の理由もなんとなく理解出来る気がする。言葉にすれば「ここではもうやる事が無い」といったところか。

この10台の中、ハイブリッドはトヨタが走らせる2台のみであるが、今年のレギュレーションはハイブリッドが非常に不利な燃料規制が行われている。何故規制がハイブリッドに対し厳しくなったのかといえば、それは開発力(≒資金力)の差から来る競争力の差を平準化するためだ。

ハイブリッドのエンジンは開発力のある一部自動車メーカーにしか、競争力(解りやすく言えば馬力が高くて燃費が良く壊れないこと)のあるエンジンを作る能力が無い。環境問題の取り入れによって導入されたハイブリッドだが、ことレースとなると公平なルールとは言えなかったわけで、これがLMP1衰退の一因である事は間違いない。

そこで、ハイブリッドではない、安価で誰でも買える市販のレース用エンジンを使うプライベーターが、1台何億円(年間の維持費含む)もするハイブリッドエンジンを使う巨大自動車メーカーのチームと競争出来るようにレギュレーションの変更を繰り返した結果、こうなったわけだ。

だがそれによってか、自動車メーカーのワークスチームのほとんどが撤退して、残るはワガママお坊ちゃん率いる世界一金持ちのトヨタのみになってしまった。他のメーカーは厳しいレギュレーションに適合した、競争力のあるハイブリッドエンジン開発を継続する金も意義も失ってしまったからだ。(金は主に2014年のディーゼルショックによって。)

しかもいつのまにか、かつてメーカーワークスを退けて優勝するほどの力を持っていたプライベーター達も消えている。残るその他大勢の、ルール変更でなんとか競争力を得たチームとルール変更に合わせて急造されたクルマの組み合わせは、厳しいレギュレーションで競争力を減少させたトヨタにとってでさえ像と蟻のケンカであり、敵ではなかった。

そして当然のトヨタ総合優勝。

競争相手が自分達よりも遅いのだから、競争するまでもなく自動的に勝てるレースなのだ。 (トヨタが本気で競争するとどうなるかは昨年までの結果を見れば明らか)

コレって素直に喜べるのか。

私には、トヨタは一人でレースに出て、一人でゴールしたようにしか見えない。


もちろん、ル・マンがそんなに簡単ではない事を私は知っているし、LMP1に参戦するプライベーターのチームだって素人ではないしチームとしても強豪である事も知っている。だがそんな彼らが足元にも及ばないほど、トヨタは資金が潤沢で人もクルマも充実している上に経験も積んでいる(なにしろポルシェと対等に戦える力があるのだ)から、表向きはどのように見えたとしても今年のル・マンLMP1クラスは事実上トヨタだけが走っていたレースだったのだ。

これはポールトゥウインかつワンツーフィニッシュという結果から、そして後続との周回差が大きく開いている事からも理解出来ると思う。(というか、もう他のチームはトヨタに勝てないのわかっているから、最初から相手にしていなかっただろう。)


トヨタは始め、今年のル・マンに出るつもりが無かったという。だが世界耐久レースに参加する顔ぶれとポルシェの離脱は、トヨタのル・マン初優勝が約束されているようなものだった。

そしてこの状況でル・マンに出てしまうトヨタが情けない。

私個人としては、競争相手が居ないとわかった時点で出ることをやめて欲しかった。競争相手が存在しないレースで勝利したとしても、その勝利に価値など無いからだ。(まあ、無知で愚かな人々を喜ばせ、集金に利用する事は出来るだろうが)

地面に落ちたモチを拾って食う。これは、王者トヨタがするべきことではなかったはずだ。



参考:

List of 24 Hours of Le Mans winners
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_24_Hours_of_Le_Mans_winners

2015 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2015_24_Hours_of_Le_Mans

2016 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2016_24_Hours_of_Le_Mans

2017 24 Hours of Le Mans
https://en.wikipedia.org/wiki/2017_24_Hours_of_Le_Mans

ACO、トヨタ優位のEoTを認めるも、シーズン中の修正は「いつでも可能」
http://www.as-web.jp/sports-car/368969?all

ル・マン24時間のフルエントリー発表。(2017年)
http://www.as-web.jp/sports-car/121397?all

【順位結果】2017ル・マン24時間 決勝総合結果
http://www.as-web.jp/sports-car/133298

第86回ル・マン24時間レース エントリーリスト<LMP1&LMP2>
http://www.as-web.jp/sports-car/370401/2

【順位結果】2018ル・マン24時間 決勝結果
https://www.as-web.jp/sports-car/380946?all



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自動運転で、やっとこのような記事が出た [クルマ]

私のように、現在の自動運転の技術が幼稚な段階を脱していないと認識していた人は、私以外にも居ると思う。根拠も無く、ただ単に危ないとか信じられないと考えている人は論外であり、私と同じ考えを持っている人達には含まないので注意。

だが、ほとんどの人はそうは思っていなかったはずだ。

そのほとんどの人が持つ間違った認識を正す記事が、ロイターに掲載されていた。

技術も人も未熟な自動運転、ウーバーとテスラの事故で露呈
https://jp.reuters.com/article/self-driving-cars-idJPKCN1HC150

かつてここまではっきりと書いた記事は無かったと思う。

まあ、私が知らないだけであったのかもしれないが。

また同様の記事でも、根拠の無いカルト教団の主張のような、危機意識を煽るだけの読む価値の無い記事はたくさんあったかもしれない。


とにかく、やっとこういう記事が出たという事にほっとしている。

ただこのような記事が世の中にどの程度影響があるのかというと、ほとんど無いような気もするが。

自動運転の自動車について、浮かれた気分で色々考えていた人は、まだまだ知らない現実が多いということを認識して欲しいと思う。


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Uberの自動運転自動車事故続報 [クルマ]

2018年3月18日の22時頃に発生したとされる、Uberの自動運転自動車による道路横断者を轢いて死亡させた事故。

先日GIGAZINEにこの事故の車載カメラによる映像の記事が出ていた。


Uberの自動運転カーが(中略)、ドライバーの確認不足の疑いも
https://gigazine.net/news/20180322-uber-accicent-driver/


自動運転のテストをしているのに、“ドライバーの確認不足”とは一体なんなのか。

・・・記事では映像から抜き出した画像がいくつか紹介されていて、その画像と共にその時の状況の説明が付けられている。


写真や記事の説明などから、この事故は夜の暗い道路で起きた事がわかるが、道路を横断する人が最初に写っている画像を見る限り、地元警察の見解とする「人間が運転していたとしても、事故が避けられる状況ではなかったかもしれない」というようにはとても思えない。


その写真には走行車線の中央にまで移動した歩行者の靴がが白く写りこんでいるが、写真から推測されるおおよその距離は30m前後。
道路の外からこの位置にまで歩行者が移動する時間を考えると、「遅くとも歩行者が車道に侵入する直前まで」に発見出来ていれば十分に余裕をもって停止出来たはず。

計算すると以下のようになる。(事故を起したクルマは時速60Kmで走行)

・写真から推測される歩行者までの距離を30mと仮定
・路肩からセンターラインまで3mと仮定、発見時の歩行者位置は路肩から2mと仮定
・自転車を押して歩く歩行者のスピードを秒速1mと仮定
・時速60kmの自動車が1秒で移動する距離は16.67m

以上の数字から計算すると、路肩に入る時点で発見すれば50m以上手前からブレーキ操作が可能。
これは緊急のブレーキではなく、普通に減速して止まれる距離である。

現場は障害物の無い直線道路で見通しも良く、車道脇の植え込みに使うと思われる土が露出している帯状の部分にも視界を遮る障害物となるものは草一本生えていない。画像ではヘッドライトがロービームになっているが、通常このような場所ではハイビームにしなければならない。発見が遅れた一因はヘッドライトがロービームだった事が挙げられるが、画像には道路を照らす照明が画面奥に写っており、画像では暗くて見えない部分も肉眼では歩行者の影がはっきり認識できるはず。

これは私自身夜間の自動車運転経験が非常に多い事から、そうした経験上の判断である。


このような状況下では、本来ならば現在の自動運転自動車の車載カメラやレーダーでも十分余裕をもって認識できるはず。今回はそれが正常に働くとは限らない一例を示した。

ましてや、街路樹や電柱などといった障害物の陰から人や動物などが飛び出す場合でも、体の一部でも障害物からはみ出していれば人間の目にはそれがなんであるか、その一瞬後には何が起きるのか容易に予測できるが、現在の自動運転自動車のセンサーとコンピュータの組み合わせでそれが可能なのか疑問が残る。
こうした歩行者の認識が難しい状況に、夜間の暗さや雨天などの悪天候が加わったらどうなるのだろうか。

もうこうなったら人間にも自動運転のシステムの一部になるような機械を取り付ける必要があるかもしれない。


なお、この事故の責任の所在について議論が分かれているが、私は100%、Uberに責任があると思う。

自動運転車初の死亡事故、責任の所在が争点か
https://jp.reuters.com/article/uber-self-driving-legalrisk-idJPKBN1GY0G9


他記事

[ビデオ]: Uber自動運転車の死亡事故のときドライバーはよそ見をしていた
https://jp.techcrunch.com/2018/03/22/2018-03-21-video-the-driver-of-the-autonomous-uber-was-distracted-before-fatal-crash/

人と衝突しても相手がケガをしないように、自動運転自動車はボディをマシュマロで作るべきだ!



関連記事:

「Uberの自動運転車で死亡事故」というニュースに思う
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-03-21


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「Uberの自動運転車で死亡事故」というニュースに思う [クルマ]

今日、こんなニュースをネット上で見つけた。


Uberの自動運転車で死亡事故--公道試験を停止
https://japan.cnet.com/article/35116397/


過去にはテスラのクルマでも死亡事故が起きているが、それは運転手自身が命を失った事故だった。
しかし、今回Uberの自動運転自動車が起した事故は他人を巻き込んでの死亡事故で、自転車を押して道路を横断していた人を轢き殺してしまったというものだ。

昨今はいくつかの地域で、一般公道での実証試験が行われ、或いはこれから行われるという状態。
すでに始まっている試験運行ではその内に必ず起きると思っていたが、意外と早く起きたと思う。(あれだけ自信を持ってやっているのだから、もっとマシなモノが出来ていると思っていた)

事故を起したUberの試験は当然に中止となったが、他の現在進行中の試験もこの事故が発端となって中止や延期になるだろう。


こうした事故は、新しい技術が開発されれば必ず起きる類のものだ。

現在機械的な意味での安全性において極まりつつある自動車であるが、自動車が実用化されたばかりの頃は事故率が高く死亡事故も起きまくっていた事だろう。自動車ではないが、初期の飛行機だって落ちまくって死屍累々だったはずだ。そういった犠牲の上で技術が進歩していった結果、現在の安全性が高い乗り物へと進化したのである。


しかし自動運転の場合は少し事情が違う。

何故なら、自動車の自動運転の場合は既存のすでに安全性が確立した乗り物を、人の手を介さずに走行できるようにするというものであり、大衆の認識も既存の自動車との比較になるからだ。

しかも、自動運転のコンセプトで最も重要な要素が「機械は人間と違ってミスをしない」という前提での“安全性”である。要するに自動運転の自動車が普及すれば、交通事故が劇的に減るというワケだ。

そこへ来て今回の死亡事故。
自動運転自動車の存在意義を真っ向から否定する事故である。

私は常々、自動運転の実証試験は時期早尚だと思っていた。
極めて限られた条件での元ならばまだしも、一般に利用させるというのは論外だと。
何もかもが足りていないのに、多少の実験的運用が成功したからといって気が大きくなっている人が多すぎる。

しかも今回の事故は、運転席に人が乗っていたにも関わらず起きている。
事故を起した車両は万が一のために運転手が乗っていて、いつでも操作が出来るようにしていたのだ。
これは、自動運転されたクルマに運転手が乗っていても緊急回避のための引継ぎなど不可能である事を示している。あっと思ってからハンドルを握って自動運転を解除しても、その時にはもう事故の回避など出来ない。運転手が、クルマが勝手に走る事に慣れれば慣れるほど、危機に対する反応は鈍くなるのだ。


というわけで、日本国内でも予定されている実験は、実験の条件を厳しく設定して安全性を担保するか、現在よりも完成度の高い実験車両を完成させてから行って欲しいと思う。そんな悠長に構えていては何年後に実験できるかわかったものではない、という意見が多いと思うが、10年や20年遅れたって実験による巻き込まれ事故が起きない方が良いに決まっている。(実験の当事者が死ぬのは尊い犠牲として納得できるが)

実験に巻き込まれて死ぬなんて、私はゴメンだ。


参考:

完全自動運転のクルマは本当に可能なのか?
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-02-05

セレナの自動運転機能搭載車が発売される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-07-31

自動運転技術、未完のまま市場に出る恐れも
http://eetimes.jp/ee/articles/1510/20/news072.html

Uberの自動運転車によるサービスはなぜ中止に追い込まれたのか?
https://response.jp/article/2016/12/25/287550.html



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完全自動運転のクルマは本当に可能なのか? [クルマ]

何時の頃からか、人間が操作しなくても勝手に走ってくれる自動車が今にも実現するかのようなニュースがあちこちに現れ、そのおかげで「自動運転の自動車がもう間もなく出るかもしれない」という認識が大衆の常識となっている。

そして日本政府からは、それを後押しするように「2020年までに“ほぼ完全自動”なクルマを実用化させる」との発表も過去にあった。


また、巷では「識者」と呼ばれる?人達や、関連する業界(主に自動車とIT関係)の中からも2020年には出来る、という話が少なくないし、マスコミに至っては無責任な「自動運転があたりまえになる」というような煽り記事ばかりが目立つ。


だが、本当のところはどうなのか?


私はGoogleが自動運転の研究を始めたというニュースが出た頃から、完全自動運転の自動車が実用化するには非常に多くの、そして非常に高いハードルがある事を某言論サイトに何度も書き込んだが、そこでは私の書いたことを理解出来た者からの反応は皆無だった。
そして当初から※「道路そのものにも自動運転の機能を持たせる事が必要」という意見も持っていたが、そこまで考えられている意見を私以外に持つ人を見たことがほぼ無い。

※クルマが進入できる全ての道路や駐車場などに各種センサーと通信機能を持たせ、最低でも車載センサーの死角を無くし、道路の状態(路面状況や路上の障害物、道路外から進入する物体等)を他車と情報共有することが必要。それでも悪天候や積雪時などに対応する事は簡単ではない。

“ほぼ”というのは、その後私と同じ考えを持つ人が居ることを、国土交通省かどこかが発表した文書か何かで知ったからで、もちろんそれ以外でも当然にあるはずだが、少なくともこの件に関して、マスメディア上で確認はしていない。

私からすればそんな事は当然という思いだが、どうやらそこまで考えている人はあまり居ないらしい。

とはいえ、少なくとも昔から自動車の研究をしている人なら誰でも思い至る事だとは思うが。


あれから何年過ぎただろうか。

数日前GIGAZINで見つけた記事が、私の見込みの正しさを証明してくれている。


テスラ・モデルSのオートパイロットはなぜ停車中の消防車を避けきれなかったのか?
https://gigazine.net/news/20180129-why-tesla-autopilot-cannot-see-firetruck/


私はある一連の経験から、現在のセンサーを使った道路状況把握の限界がどの程度か感覚的に理解しているし、様々な組織が自動運転の実験成果を発表する度にそれが「極めて限定した条件での成果」だという事も理解しているが、こうした理解を妨げる、情報量の少ないミスリードを誘うかのような発表内容には常に辟易させられている。


まあ、GIGAZINEの記事を読めば解る人なら解るだろうが、ハンドルやペダル類の無い完全自動運転の自動車が普通に買える時代は、現時点では何時到来するのか予測する事が困難である事は間違いない。少なくとも現状を見る限り、2020年頃の市販車は現在のテスラみたいな、オートクルーズ+ハンドル操作に毛が生えた程度(運転中も完全手動運転と同様にハンドルを握って周辺への注意が必要)から脱却する事すら難しいのではないかと私は考えている。


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車載ARなど危険なだけ [クルマ]

AR表示がずれない世界初の車載ヘッドアップディスプレイ、コニカミノルタが開発
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1701/16/news040.html


まあ、実験としてなら許せる。

しかし、車載ARによる情報表示は危険なだけだ。

何故なら視界にARによる情報が表示されると、視線がその情報に集中する。これはわき見運転とまったく変わらない。
現在でも道路上の標識や広告、景色、或いは車内の計器など、わき見運転するじゃないか、という意見もあるかもしれない。しかしARによる表示はスピードメーターと違い必ずそこにあって同じように情報を表示するわけではないので、視認に時間がかかる。車外の道路標識などと比較した場合でも同様。
カンバンや広告などの場合は説明が難しいが、ARの場合のデメリットとしてはARによる情報表示が必ずしも安全性を考慮したものになる可能性は低いという事がある。特に文字情報や人目を引く形状や動きがあれば視線が集中しやすいし、何よりも道路上の状況を視認する事を邪魔するようなモノが出ないとも限らない。
規制で安全性の検査があれば話は変わるかもしれないが、そこはコンピュータとネットワークの世界の話なので、現在のコンピュータとネットワークの状況を見れば安全性の担保など不可能だろう。


ただ、可能性として自動運転車ならば活用の余地はあると思う。

しかしそれも完全自動運転が完成したならば、という前提である。


もし半自動運転で必要に応じて運転が搭乗者に任されるようになったとしたら、どのような事が起きるか。

一言で言えば事故の増加である。

普段からロクにハンドルを握らない者が、まともに運転など出来るはずが無い。

しかも自動運転中にいきなりコントロールが自動から手動になった場合、多くの人は運転の引継ぎが出来ずに危険な目に遭う事は間違いない。場合によってはそのまま事故になるか、周囲に危険を撒き散らしてとばっちりを受けた他の自動車が事故を起こすか、だ。


さらに車載ARも自動運転も、ハード・ソフト共にバグや故障が無い事が前提である。
なんらかの不具合が出た場合安全装置が働くように設計されると私は思うが、そうなるとも限らないし、安全装置が故障する場合だってある。その場合最後は人間の能力が全てを決める。が、自動運転車に乗る人のほとんどに期待出来る能力は皆無であろう。

いつか、その内に完全自動運転と車載ARが当たり前の時代が来るかもしれない。

しかし中途半端な状態で車載ARなど載せたなら、それは事故の原因を増やすようなものである。



セレナの自動運転機能搭載車が発売される [クルマ]

昨日書いた記事から、自動車つながりで今日は自動運転機能搭載自動車の話。


日産が自動運転機能を搭載したクルマを今年8月に発売する。

「自動運転機能」車を初投入 日産がミニバンを選んだ狙い
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1274032/

以下、元ネタの記事からの抜粋。


・日産自動車が、自動運転機能を搭載したミニバン「セレナ」を2016年8月下旬に発売する

・高速道路の単一車線を走り続ける場合にアクセル、ブレーキ、ステアリングを自動制御する

・運転手がハンドルから一定時間手を離すと警告が出るなどして自動運転は解除される


という事で、速度のみ維持するオートクルーズの自動化を、ブレーキとハンドル操作にまで拡張した感じのようだ。


自動運転については似たものとしてすでに高い実績のある技術が存在する。それは航空機の自動操縦装置や機体制御技術のフライ・バイ・ワイヤであり、フライ・バイ・ワイヤに関しては自動車であればドライブ・バイ・ワイヤとでも言うのか。

自動車の場合アクセルに関してはすでにアクセル・バイ・ワイヤが市販車に搭載されているし、ハンドルやブレーキにも自動駐車機能など一部自動運転機能として同様な装置が搭載されているが、要はこれらが航空機に搭載された技術と同等の完成度であれば機械的な信頼性は十分に思う。

しかし障害物が基本的に他の飛行物体(鳥とか飛行機、場合によって地形などもあるが)しか存在しない航空機と違い、地上を走る自動車は障害物だらけの道路を走る。しかもその障害物の一部(人や他の自動車など)は移動もするから、ある意味航空機よりもはるかに高度な周辺状況の確認及び運転操作の機能が必要だ。

なので、センサー技術とセンサーからの情報を分析・判断するソフトウェアの技術に非常に高度なものが必要になることに加え、車載コンピュータのハードウェアとしての信頼性も単に故障しにくいとかだけでなく熱や振動や各種汚染物質からの保護や耐性を持たせたものでなければならない。耐用年数も通常のパソコンよりはるかに長くなければならず、しかもコンピュータが故障した場合に安全性を確保する機能まで備える必要がある。

ちなみに、~・バイ・ワイヤというのは、操縦者の操作を機械的な伝達ではなく電気信号に変換してからコンピュータ制御を仲介させる事で、高度な補正機能と共に場合によっては操作の自動化をするものを指す。
自動車の場合故障した場合を考えて安全策としてハンドルとブレーキを機械的な直結を維持した上でモーターやアクチュエータなどによる操作を介在させると思われるが、モーターやアクチュエータが誤動作したら人力でそれに逆らう事には無理がある。航空機の場合は周辺に障害物がほとんど無いし、誤動作があっても操作系統が多重化されているので切り替えによるバックアップで難を凌げるかもしれないが、自動車の場合は恐らく即事故になる。


まあ機械的な故障ならば、故障を検知したら自動操作を物理的に停止する装置を自動運転とは独立した装置として取り付ければ良いかもしれない。だが、ソフトウェアのバグはどうか。過去の記事で何度も書いているが、ソフトウェアのバグを取りきるのは難しい。ましてやWiFiなどの無線通信で他のコンピュータと接続出来るのならば、機能的には問題の無いバグであっても外部からの操作を可能にするものであれば車載コンピュータを乗っ取り、誤動作させる事も可能である。

これはフィクションなどではなく、すでに自動運転機能を搭載した自動車を外部からリモートで動かす実験も行われ、それが可能である事が証明されているのだ。


自動車を開発・販売する各社は、現在必死になって自動運転の研究開発をしているが、コンピュータセキュリティの専門家にはセキュリティに関する開発が遅れているという指摘がされている。
現在自動運転車でなくても無線ネットワーク機能を持つコンピュータを搭載した自動車は数多く市販されているが、そのいくつかの機種では簡単に車載コンピュータを乗っ取る事が出来るという実験まで行われているので、同じシステムを搭載したものであればその全てが同様に乗っ取る事が可能と言うわけだ。

乗っ取られた結果がエアコンやワイパーの遠隔操作程度なら笑い話で済むかもしれない。
だが、自動運転車であれば外部から操縦して事故を起こす事が可能なので、自動運転車は犯罪やテロを計画する者にとっては非常に便利な道具となる。やろうと思えば運転手が不要な自動送迎車として使う事も可能であるので、犯罪やテロを成功させる障害が下がる事は確実だ。


走るパソコンとなっている現在の自動車は自動運転の機能を獲得するに至り、パソコンの抱える多くの問題までをも内包する事でそれが命の安全に直結する問題になった。
機械的なバグはある程度目に見えるのでバグ取りも比較的容易だが、コンピュータのソフトウェアはそうもいかない。

この問題に対して各社はどんな解答を出してくるのか。
8月末にも発売されるという、日産のセレナがどんなものか注目したい。



追記。

自動運転機能が完璧であっても、自動運転から手動に切り替わった時が一番危ない。
自動運転に慣れた人間の運転技術や危機管理能力は、全て手動のクルマに慣れた人より確実に落ちる。
その辺りの問題を、自動車メーカーや自動運転を推進する立場の人達はどう考えているのか。
完璧な自動運転でハンドルすら付いていない自動車を使用する事が前提というのなら話は違って来るが。
今後はそういう一面にも目を向ける必要があると思う。