SSブログ

中国製SSDがダメなのは性能の問題ではない [SSD]


今日、こんな記事が目に止まった。

米中SSDの耐久対決、3カ月書き続けてついに決着。勝ったのは……
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1555006.html

この記事で比較しているのは以下の製品。

製品型番 記憶容量 総書込み容量
WD_BLACK SN850X 1TB (1000GB) 600TBW
HS-SSD-FUTIRE 1024G 1TB (1024GB) 1800TBW

※TBWとは、メーカーが保証する総書込み容量で、単位はTB(テラバイト)。


そして比較の方法は、SSDの耐久性を測るソフトウェアを使って延々と書込みと消去を繰り返し、NAND Flashの寿命などで書込みが出来なくなった時点で何TBの書込みが出来たのかを調べている。(記事中では速度の変化なども比較しているがここでは省く)

その結果は以下の記事からの抜粋の通りだ。

“1,000TBを超えたあたりで書き込み速度が大きく落ち込むとともに、公称の総書き込み容量に届かず健康状態が異常となったHS-SSD-FUTURE 1024Gと、公称の10倍の容量を書き込んでもまだピンピンしているWDS100T2X0E”
※WDS100T2X0EとはWD_BLACK SN850Xの事と思われる


この結果から得られる事は何か。

それは、中国メーカー製SSDは1800TBWという保証値すら達する事が出来ない低い信頼性であるのに対し、WD製SSDは600TBWと控えめな保障値に対し実際はその十倍でも問題が出ていないという事実。

何故このような違いが出るのか。

それは、中国製のあらゆる製品に言える事だが、利益の優先度が極めて高く、製品の信頼性など度外視しているという事だ。

特にNAND Flash という工業製品は、一般に工場から出荷される時にチップのランク付けが行われ、エラーが少なく他の検査結果も良い物がSSDに、中間のランクになった物は安価なSSDやSDカードなどに、その下になる物はUSBメモリなどというように使い分けがされる。

この検査は当然コストアップ要因になるため、中国製NAND Flashは検査の簡略化は当然の事、ランク付けもいいかげんでエラーが多くNAND Flashの寿命もチップ内のセルでかなりバラ付きがあるような物でもSSD用として使っていると思われる。

特に「NAND Flashの寿命がチップ内のセルでバラ付きが大きい」というのがSSDでは問題で、恐らくWD製のSSDに使われるKIOXIA製の物と比べて中国製の物は上級品の歩留まりがかなり悪い事も関係があるはず。

こうなると、中国メーカー製SSDは製品の寿命や信頼性にかなり大きなバラツキがあって当然であると思うし、今回テストされた製品などはそんな中から良い特性の選別品を利用したんじゃないかと邪推すらしたくなる。

中国から個人輸入で買い物をした人の中には経験がある人が居ると思うが、製品を10個買うとその中の2~3個とか、場合によってはそれ以上が不良品である事がある。

つまりそういう事なのだ。


以上の事から、中国製のNAND Flash製品、特にSSDを買ってはいけない。

まァ、そういう事を気にしない人が買う事を止めはしないが。


参考:

劣化するUSBメモリー
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2013-10-27

最近のSSD情勢その1
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2014-08-06

最近のSSD情勢その2
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2014-08-07

高温環境下でSSDのデータが数日で消える???
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-15

P/Eサイクル?
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-23

やはりQLCは避けるべき
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-01-11

QLC NAND のSSDについて考える
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2018-11-02-1


nice!(0)  コメント(0) 

磁気コアメモリ [ハードウェア]

ヤフオクで「磁気コアメモリ」というブツの出品をミツケタ。

「磁気コアメモリ」。

この単語を理解出来るのは、過去にソレ系の専門教育を受けた者か、或いは個人でそういった情報を集めている変態しか居ない。

ちなみに私は“前者”である。


「磁気コアメモリ」といっても、ソレは色々ある。

これらは主にメインフレームで使用されたモノであり、それら全てに共通するのは「記憶素子がフェライトコア」であるという事。

ちなみにデータを読むと記憶素子に保存されたデータが消える「破壊読み出し」という性質を持つので、都度元のデータを書き戻す動作が必要になる。

この辺りは現在主流の主記憶装置である「DRAM」に共通する。

それはさておき、そんな「磁気コアメモリ」はタタミ一畳の面積でたったの1KB(キロバイト)という時代もあったが。

ヤフオクに出品されたモノはかなり後期の製品で、TDK製のECC付き4KB製品と思われる物であり、大きさも写真から判断すると20cm×30cm程度の大きさに収まっているように見える。

なお、磁気コアメモリは1bitに対しフェライトコアが一つ必要なので、1kbの記憶容量を実現するには1024個の磁気コアが必要で、これらすべてに電線を3本ずつ通す必要がある。

なので、磁気コアメモリの製造方法を想像すると。

手作業、しかない、と思う。

気の遠くなる作業だ。

おそらく、当時1kbの磁気コアメモリの単価は数十万円を下らないのではないだろうか。


まぁそんなくだらない妄想を巡らせた私は、半導体メモリ全盛の今、思う。

こんな時代もあったのだなァ、と。

私が磁気コアメモリについて学んだ時には、すでにソレを使うコンピュータなど存在しなかったと思うが。

当時、実物を拝見させてもらった時は驚いたものだ。

かつてそんなモノが当たり前だった事に。

また、その頃はコンピュータの出力装置も今とはまったく違っていて、それはニキシー管による数値表示だけとか、或いは紙テープやパンチカードだったり、タイプライタをコンピュータにつないだようなプリンターだったりした。

ブラウン管を利用した出力装置もあったが、白或いは緑の単色表示で、文字等のキャラクター表示しか出来ない、或いは特定の点や線を描画するだけとか。

補助記憶装置もパンチカードや紙テープ以外に磁気ドラム記憶装置なんてモノもあって、磁気ディスク記憶装置≒ハードディスクも人間一人で移動できないほど大きくて重い“装置”だったり。

これらの情報もうろ覚えなのでどこまで正確かわからないが、大雑把にはあっていると思う。


なお、この時代の主記憶装置は、今と比べると異次元と言えるほど遅い。

はず。

信号の周波数からして精々Khzであるはずで、今なら1秒かからない計算もヘタをすると数日必要なレベルだ。

だがそれでも、手計算とは比較にならないほど高速なわけで。

機械式の計算機と比べた場合は、場合によって負ける事もあるかもしれないが・・・


とまあ、そんなワケで。

色々と妄想が膨らむ磁気コアメモリ。

貴方もお一つ、如何?


nice!(0)  コメント(0) 

歴史に残るMP3再生・エンコードソフト [ソフトウェア]

かつて、一部のパソコンマニアの間で一世を風靡したMP3。

しかし今、世間では“MP3”などという単語が使われる事など無い。

MP3が何なのか知らない人も少なくない現在、今でも私はMP3フォーマットの音楽ファイルを再生して聞いている。


そんな私が先日、MP3関連のプログラムファイルを整理していた所。

そういえばSCMPXが無いな!

と気付いた。

まあ、古いMOに保存されてはいるだろうが、この際なので検索してみる事にする。

SCMPXの検索
https://duckduckgo.com/?q=SCMPX&ia=web

すると検索結果の3番目にSCMPXの開発者が運営する本家のWebページが表示されたが、リンクをクリックすると表示されるのは開発履歴なので、ページ内のリンクからトップページに移動する必要がある。

そして20年ぶりくらいに見たそのWebページは、あの当時のままだった。

しかも、今でもフリーソフトの作成を行っているようだった。

これまで数多のMP3関係ページが消えていったが、まさか今でも活動しているとは思わなかった。


さて、件のSCMPXだが。

Download のリンクをクリックすると、あった!

だが配布が終了している!! 

しかも、Internet archive を見ると今年の11月6日に保存されたダウンロードページには、未公開のver.1.6のダウンロードリンクがあるのに、今日見た本家のダウンロードページからは削除されている!!!

そのうえ、Internet archive のリンクからはファイルが削除されているというメッセージが出るだけで1.6のダウンロードが出来ず、アドレス直打ちでもダメ。

作者がInternet archive に削除要請したのだろうか?

なんにせよ、もう手に入らないとなると非常に残念だ。


昔話になるが、かつて私がSCMPXを知る前は、“8Hz-mp3”というソフトウェアでエンコードしていた。

“8Hz-mp3” はMS-Dosで動かすソフトウェアなので、当時はWindows95のDos窓で実行していた。

しかも変換速度がMMX Pentium 233Mhz程度だと、4~5分の曲を変換するのに20~30分程度かかる。

あの頃はアルバム一枚分リップしたWaveファイルを、寝る前に変換をかけて朝起きたら出来上がっている、というような使い方をしていた。

その点SCMPXはGUIで簡単に出来て、しかも変換速度が10倍は速いため、非常に重宝したものだ。

そして、音質についても“8Hz-mp3”より良かったように思う。

しかし以前このブログの記事に書いた“CD2WAV32”が出ると、まったく使わなくなってしまった。

何故なら“CD2WAV32”はCDのリッピングから変換、ID3タグの編集まで非常に簡単に出来てしまうから。

“8Hz-mp3”やSCMPXだと、リッピング用のツールでCDをWaveファイルにして、それを各ソフトでエンコードし、その後ID3タグ編集ソフトで一曲ずつタグ編集という、非常に面倒極まりない、手間のかかる作業を強いられた。
※後にSCMPXを二十数年ぶりに使ってみたら、一曲ずつだがID3タグの編集が可能である事がわかり、当時はこの機能でタグ編集していたと思われる。すっかり忘れていたよ!

そして再生に関しても、SCMPXに代わりWinampを使うようになってからはお役御免に。

だったら不要ではないか、と思う事もあるが。

SCMPXが出た時、一つのソフトで再生とエンコードがGUIで可能という事、それ以前に出ていた類似のソフトよりもあらゆる面で優れていたという事もあり、非常に画期的だったのだ。

SCMPXは歴史に残るMP3再生・エンコードソフトと言っても過言ではないと思う。

それが、ほんのひと月前まではダウンロード出来ていたというのに、それを逃した事が悔やまれる。

・・・古いMOからVer.1.51を掘り出してくるか。


追記。

SCMPXが見つかった!
SCMPX.png

残っていて良かった。


さらに追記。

Windowz10 Pro x64 で正常に動作する事を確認。適当な.m3uファイルを食わせると普通にアルバム一枚が再生された。

SCMPX2.png

今見ても、このUIのデザインはセンスが良いと思う。


参考:

久々にMP3ファイルを作った
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-03-08

かつてSCMPXを配布していたWebサイト
https://ch3.azurewebsites.net/


nice!(0)  コメント(0)