2%強、上下にツブれる液晶ディスプレイ [ハードウェア]
今日、このようなニュースを見つけて、少し衝撃を受けた。
「イラストや製図に使えない」──とあるEIZO製モニターの仕様で物議
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2402/06/news088_2.html
詳細はリンク先の記事を読んでいただくとして、内容の要点はこうだ。
・液晶パネルの画素が正方形ではなく、上下に潰れた長方形である
・これによりアスペクト比が実際と異なり、図形や画像が上下に短く表示される
・このようなディスプレイが複数あって、EIZO製以外にいくつか存在する
以上の事から、図形や画像の縦横比が実際の物とディスプレイに表示された物で違うと困る用途では使い物にならない、と。
ちなみにメーカー側はこのような製品を作った理由をこのように述べている。
“インターネット閲覧、文書作成、動画視聴など、一般的な用途においては、特に影響はないと思われます。”
まあ、確かにそうだと思う。
画素の比率は0.254mm×0.248mmと、縦が2%強短いだけだ。
なので、事務用途でワードやエクセル、パワーポイントなどを使う場合や、Webや動画などの閲覧では上下に2%程度ツブれている事に気付く人などいないと思う。
だが。
図面やイラストなどを描いたり、写真を扱う人の場合は大問題だ。
画面で見ている物とディスプレイ以外に出力した物が同一ではないのだから。
ちなみにこの長方形画素のメリットは、ディスプレイがコンパクトになる事だという。
??????
たった2%程度上下に短くなって、それがメリット??????
例えば私が今使っている32インチのディスプレイは表示領域が上下で394mmなのだが、2%短くなると386mm。
32インチでたったの8mm短くなるだけだ。
そして槍玉に上がっているEIZOの製品は22.5インチなので、精々5mm程度短くなるだけだろう。
画面のサイズが上下で5mm短くなって、それで「コンパクトになってうれしい!」と思う人は誰も居ないと思う。
これは恐らく、コストダウンの結果でしかない。
理由はわからないが、長方形画素のパネルは正方形の物よりかなり安いのだと思う。
消費者をバカにするにも程がある。
これからディスプレイ装置を買う人は、長方形画素の製品を買わないように注意した方が良いだろう。
磁気コアメモリ [ハードウェア]
ヤフオクで「磁気コアメモリ」というブツの出品をミツケタ。
「磁気コアメモリ」。
この単語を理解出来るのは、過去にソレ系の専門教育を受けた者か、或いは個人でそういった情報を集めている変態しか居ない。
ちなみに私は“前者”である。
「磁気コアメモリ」といっても、ソレは色々ある。
これらは主にメインフレームで使用されたモノであり、それら全てに共通するのは「記憶素子がフェライトコア」であるという事。
ちなみにデータを読むと記憶素子に保存されたデータが消える「破壊読み出し」という性質を持つので、都度元のデータを書き戻す動作が必要になる。
この辺りは現在主流の主記憶装置である「DRAM」に共通する。
それはさておき、そんな「磁気コアメモリ」はタタミ一畳の面積でたったの1KB(キロバイト)という時代もあったが。
ヤフオクに出品されたモノはかなり後期の製品で、TDK製のECC付き4KB製品と思われる物であり、大きさも写真から判断すると20cm×30cm程度の大きさに収まっているように見える。
なお、磁気コアメモリは1bitに対しフェライトコアが一つ必要なので、1kbの記憶容量を実現するには1024個の磁気コアが必要で、これらすべてに電線を3本ずつ通す必要がある。
なので、磁気コアメモリの製造方法を想像すると。
手作業、しかない、と思う。
気の遠くなる作業だ。
おそらく、当時1kbの磁気コアメモリの単価は数十万円を下らないのではないだろうか。
まぁそんなくだらない妄想を巡らせた私は、半導体メモリ全盛の今、思う。
こんな時代もあったのだなァ、と。
私が磁気コアメモリについて学んだ時には、すでにソレを使うコンピュータなど存在しなかったと思うが。
当時、実物を拝見させてもらった時は驚いたものだ。
かつてそんなモノが当たり前だった事に。
また、その頃はコンピュータの出力装置も今とはまったく違っていて、それはニキシー管による数値表示だけとか、或いは紙テープやパンチカードだったり、タイプライタをコンピュータにつないだようなプリンターだったりした。
ブラウン管を利用した出力装置もあったが、白或いは緑の単色表示で、文字等のキャラクター表示しか出来ない、或いは特定の点や線を描画するだけとか。
補助記憶装置もパンチカードや紙テープ以外に磁気ドラム記憶装置なんてモノもあって、磁気ディスク記憶装置≒ハードディスクも人間一人で移動できないほど大きくて重い“装置”だったり。
これらの情報もうろ覚えなのでどこまで正確かわからないが、大雑把にはあっていると思う。
なお、この時代の主記憶装置は、今と比べると異次元と言えるほど遅い。
はず。
信号の周波数からして精々Khzであるはずで、今なら1秒かからない計算もヘタをすると数日必要なレベルだ。
だがそれでも、手計算とは比較にならないほど高速なわけで。
機械式の計算機と比べた場合は、場合によって負ける事もあるかもしれないが・・・
とまあ、そんなワケで。
色々と妄想が膨らむ磁気コアメモリ。
貴方もお一つ、如何?
「磁気コアメモリ」。
この単語を理解出来るのは、過去にソレ系の専門教育を受けた者か、或いは個人でそういった情報を集めている変態しか居ない。
ちなみに私は“前者”である。
「磁気コアメモリ」といっても、ソレは色々ある。
これらは主にメインフレームで使用されたモノであり、それら全てに共通するのは「記憶素子がフェライトコア」であるという事。
ちなみにデータを読むと記憶素子に保存されたデータが消える「破壊読み出し」という性質を持つので、都度元のデータを書き戻す動作が必要になる。
この辺りは現在主流の主記憶装置である「DRAM」に共通する。
それはさておき、そんな「磁気コアメモリ」はタタミ一畳の面積でたったの1KB(キロバイト)という時代もあったが。
ヤフオクに出品されたモノはかなり後期の製品で、TDK製のECC付き4KB製品と思われる物であり、大きさも写真から判断すると20cm×30cm程度の大きさに収まっているように見える。
なお、磁気コアメモリは1bitに対しフェライトコアが一つ必要なので、1kbの記憶容量を実現するには1024個の磁気コアが必要で、これらすべてに電線を3本ずつ通す必要がある。
なので、磁気コアメモリの製造方法を想像すると。
手作業、しかない、と思う。
気の遠くなる作業だ。
おそらく、当時1kbの磁気コアメモリの単価は数十万円を下らないのではないだろうか。
まぁそんなくだらない妄想を巡らせた私は、半導体メモリ全盛の今、思う。
こんな時代もあったのだなァ、と。
私が磁気コアメモリについて学んだ時には、すでにソレを使うコンピュータなど存在しなかったと思うが。
当時、実物を拝見させてもらった時は驚いたものだ。
かつてそんなモノが当たり前だった事に。
また、その頃はコンピュータの出力装置も今とはまったく違っていて、それはニキシー管による数値表示だけとか、或いは紙テープやパンチカードだったり、タイプライタをコンピュータにつないだようなプリンターだったりした。
ブラウン管を利用した出力装置もあったが、白或いは緑の単色表示で、文字等のキャラクター表示しか出来ない、或いは特定の点や線を描画するだけとか。
補助記憶装置もパンチカードや紙テープ以外に磁気ドラム記憶装置なんてモノもあって、磁気ディスク記憶装置≒ハードディスクも人間一人で移動できないほど大きくて重い“装置”だったり。
これらの情報もうろ覚えなのでどこまで正確かわからないが、大雑把にはあっていると思う。
なお、この時代の主記憶装置は、今と比べると異次元と言えるほど遅い。
はず。
信号の周波数からして精々Khzであるはずで、今なら1秒かからない計算もヘタをすると数日必要なレベルだ。
だがそれでも、手計算とは比較にならないほど高速なわけで。
機械式の計算機と比べた場合は、場合によって負ける事もあるかもしれないが・・・
とまあ、そんなワケで。
色々と妄想が膨らむ磁気コアメモリ。
貴方もお一つ、如何?
安価だがそれ以上の価値がある椅子 [ハードウェア]
私が自宅でパソコンを使う時に座る椅子の、表皮の合成皮革(PVC製)が破れ始めた。
そこで新しく椅子を買う事にしたのだが。
色々調べて選んだのは以下の製品。
Dowinx クラシックLS-6688シリーズ
https://dowinx.jp/products/ls-6658
買った値段は¥16,880。
この手の椅子としては比較的安価な、ローエンド製品である。
この製品を選んだ理由は以下の要素を満たしていたから。
1. バケットシート風のデザインである事。
2. オットマン付きのリクライニング機能がある事。
3. 椅子の表皮がPVCでなく布(ファブリック素材)である事。
4. 座面を支える機構にコイルスプリングを使っている事。
5. 値段が¥20,000以下である事。
まあ、1と2に関しては私の趣味の問題。とはいえ、1に関しては実際に座ると幅が広すぎてバケットシート風のホールド感などまったく無く、一定以上の肥満体形でなければその恩恵は得られないと思う。
3は今までの椅子がPVC製の合成皮革を使っていたからで、これが経年劣化で破れた事が理由。
4については座り心地の問題だが、ウレタンの下が即板になっている椅子が私の腰に悪い影響を与えているという事実に基く。
5は単純に、消耗品の椅子に対して支払う限度額を決めていたから。モノによっては100年使える椅子もあるかもしれないが、私の抱える事情でそんなモノは不要。よってコストパフォーマンスを最大にする事が絶対条件であるからだ。
さて、注文した椅子が届いたので組み立ててみると。
以前の椅子と比べて圧倒的に安い作りなのが目に付く。
これまで使っていた椅子は定価 39,800円程度の物であり、基本骨格の作りはもとより、オットマンの支持部に「リニアブッシュ」というボールベアリングが回転用軸受けに対し直動軸受けのベアリングが使われていた。
しかし“Dowinx 6658”は単に樹脂製レールの安い支持部である事からその作りの違いがわかる。
実際組み立てている最中にも「これでいいのか!?」と思える作りの、良く言えば生産コスト優先の単純化が目立つ。
だが一方で、安かろう悪かろう、と言い切れない良さもある。
例えば5本ある脚部。
今まで使っていた椅子は金属製の頑固な作りだったが、“Dowinx 6658”は樹脂製の組み立て式。
しかもかなり安っぽい。
これで大丈夫なのかと不安になるほど粗末な作りだが。
一方で椅子として重要な座面の作りは凝っていて、分厚い作りの中にベッドにも使われるコイルスプリングが内蔵されている。
もうこれだけで他の安っぽい所は「壊れなければオッケー」となる。
少なくとも、安いとはいえ最低限のモノは備えているという事だ。
次いで思ったのは、背もたれの角度調整が少しやりにくい事。
これまでの椅子はレバー操作が単にバネの押し戻しだったのが、レバー操作がロック解除で角度調整の後にロックというものになった。
その調整機構を見て思ったが、これは明らかにコストダウン要素である。
とはいえ、これまでの椅子に慣れていただけの所もある。
作りが安いというのも、背もたれの角度調整の頻度を考えると大した問題ではない。
次に、この椅子の特徴的な要素について。
先ほども書いたが、座面の厚みは伊達ではない。
内蔵のコイルスプリングが絶妙な硬さで、これまでの“スポンジの下が板”の椅子と比べて座り疲れが起きにくい。
値段が一桁違う高級品はコレを座面の形状設計に加えて表皮の材質とウレタンスポンジの厚みと固さだけで実現しているのだろうが。
そういう意味では他の安い作りを許容出来るだけの要素だと言える。
次に全体的な形状。
見た目の問題ではなく、座った時に尻と背中をどういう風に支えるかが椅子として重要なワケで、この形状も私にとっては良く出来ている点である。
これに貢献しているのが腰部に後付けする振動パッド。
振動の機能は単にUSBの5V給電で振動するだけなので、ほとんど無意味。
しかし、腰の支持という点では十分な機能を持っていて、振動機能は無視して良い。
ちなみに“ヘッドレスト”も後付け部品として付属するが、私にはまったく意味がなかった。
そして特徴というほどのモノではないが、リクライニング機能とオットマン。
これが全然ダメ。
言葉で伝え辛いが、とにかくダメ。
オットマンは引き出しにくい上に出る量も少なく、私の体形ではふくらはぎの上側に当たるという、以前の椅子のようにふくらはぎからアキレス腱にかけて支持するオットマンと比べて存在そのもをを否定出来るほど悪い。
リクライニングも170度と謳われているが実際は135度が良い所で、以前の椅子の方はほとんど水平にまで倒れるのと比べてリクライニング機能は存在しないに等しい。
まあ、リクライニングは最悪無くても良いので許容出来る事ではあるが。
水平近くまで倒して、オットマンを使って仮眠したい人は絶対にこの製品を選ぶべきではない。
という事で。
私にとっては良い買い物だったが。
安い分得るものもあれば捨てざるを得ない点もある椅子である事は間違いない。
だが一方でコストパフォーマンスが非常に良い事を認める作りである事も事実。
メーカ-の謡うように、初心者向けの安い製品かもしれないが。
同レベルの製品の中では、確実に良い部類であると私は思った。
そこで新しく椅子を買う事にしたのだが。
色々調べて選んだのは以下の製品。
Dowinx クラシックLS-6688シリーズ
https://dowinx.jp/products/ls-6658
買った値段は¥16,880。
この手の椅子としては比較的安価な、ローエンド製品である。
この製品を選んだ理由は以下の要素を満たしていたから。
1. バケットシート風のデザインである事。
2. オットマン付きのリクライニング機能がある事。
3. 椅子の表皮がPVCでなく布(ファブリック素材)である事。
4. 座面を支える機構にコイルスプリングを使っている事。
5. 値段が¥20,000以下である事。
まあ、1と2に関しては私の趣味の問題。とはいえ、1に関しては実際に座ると幅が広すぎてバケットシート風のホールド感などまったく無く、一定以上の肥満体形でなければその恩恵は得られないと思う。
3は今までの椅子がPVC製の合成皮革を使っていたからで、これが経年劣化で破れた事が理由。
4については座り心地の問題だが、ウレタンの下が即板になっている椅子が私の腰に悪い影響を与えているという事実に基く。
5は単純に、消耗品の椅子に対して支払う限度額を決めていたから。モノによっては100年使える椅子もあるかもしれないが、私の抱える事情でそんなモノは不要。よってコストパフォーマンスを最大にする事が絶対条件であるからだ。
さて、注文した椅子が届いたので組み立ててみると。
以前の椅子と比べて圧倒的に安い作りなのが目に付く。
これまで使っていた椅子は定価 39,800円程度の物であり、基本骨格の作りはもとより、オットマンの支持部に「リニアブッシュ」というボールベアリングが回転用軸受けに対し直動軸受けのベアリングが使われていた。
しかし“Dowinx 6658”は単に樹脂製レールの安い支持部である事からその作りの違いがわかる。
実際組み立てている最中にも「これでいいのか!?」と思える作りの、良く言えば生産コスト優先の単純化が目立つ。
だが一方で、安かろう悪かろう、と言い切れない良さもある。
例えば5本ある脚部。
今まで使っていた椅子は金属製の頑固な作りだったが、“Dowinx 6658”は樹脂製の組み立て式。
しかもかなり安っぽい。
これで大丈夫なのかと不安になるほど粗末な作りだが。
一方で椅子として重要な座面の作りは凝っていて、分厚い作りの中にベッドにも使われるコイルスプリングが内蔵されている。
もうこれだけで他の安っぽい所は「壊れなければオッケー」となる。
少なくとも、安いとはいえ最低限のモノは備えているという事だ。
次いで思ったのは、背もたれの角度調整が少しやりにくい事。
これまでの椅子はレバー操作が単にバネの押し戻しだったのが、レバー操作がロック解除で角度調整の後にロックというものになった。
その調整機構を見て思ったが、これは明らかにコストダウン要素である。
とはいえ、これまでの椅子に慣れていただけの所もある。
作りが安いというのも、背もたれの角度調整の頻度を考えると大した問題ではない。
次に、この椅子の特徴的な要素について。
先ほども書いたが、座面の厚みは伊達ではない。
内蔵のコイルスプリングが絶妙な硬さで、これまでの“スポンジの下が板”の椅子と比べて座り疲れが起きにくい。
値段が一桁違う高級品はコレを座面の形状設計に加えて表皮の材質とウレタンスポンジの厚みと固さだけで実現しているのだろうが。
そういう意味では他の安い作りを許容出来るだけの要素だと言える。
次に全体的な形状。
見た目の問題ではなく、座った時に尻と背中をどういう風に支えるかが椅子として重要なワケで、この形状も私にとっては良く出来ている点である。
これに貢献しているのが腰部に後付けする振動パッド。
振動の機能は単にUSBの5V給電で振動するだけなので、ほとんど無意味。
しかし、腰の支持という点では十分な機能を持っていて、振動機能は無視して良い。
ちなみに“ヘッドレスト”も後付け部品として付属するが、私にはまったく意味がなかった。
そして特徴というほどのモノではないが、リクライニング機能とオットマン。
これが全然ダメ。
言葉で伝え辛いが、とにかくダメ。
オットマンは引き出しにくい上に出る量も少なく、私の体形ではふくらはぎの上側に当たるという、以前の椅子のようにふくらはぎからアキレス腱にかけて支持するオットマンと比べて存在そのもをを否定出来るほど悪い。
リクライニングも170度と謳われているが実際は135度が良い所で、以前の椅子の方はほとんど水平にまで倒れるのと比べてリクライニング機能は存在しないに等しい。
まあ、リクライニングは最悪無くても良いので許容出来る事ではあるが。
水平近くまで倒して、オットマンを使って仮眠したい人は絶対にこの製品を選ぶべきではない。
という事で。
私にとっては良い買い物だったが。
安い分得るものもあれば捨てざるを得ない点もある椅子である事は間違いない。
だが一方でコストパフォーマンスが非常に良い事を認める作りである事も事実。
メーカ-の謡うように、初心者向けの安い製品かもしれないが。
同レベルの製品の中では、確実に良い部類であると私は思った。
プリンターのインクが切れたら、プリンターを買い替えろ! [ハードウェア]
先日、手頃な静電プリンターを探していた。
ネットで見つけたのは、ブラザーのHL-L2330Dという機種。
ノジマオンラインで¥7,902 という値段だった。
私はこの値段を見て、いくらなんでも安すぎると思った。
そこで、交換用のトナーを調べると。
同じノジマオンラインで¥9,099という価格。
プリンター本体よりもインクの方が高いじゃない!
まあ、ランニングコストを考えると、インクを使い切ったらプリンター本体を買い替えた方が安い、というのは割と昔からよくある話だが。
こういうのはもうやめて欲しいなァ。
ネットで見つけたのは、ブラザーのHL-L2330Dという機種。
ノジマオンラインで¥7,902 という値段だった。
私はこの値段を見て、いくらなんでも安すぎると思った。
そこで、交換用のトナーを調べると。
同じノジマオンラインで¥9,099という価格。
プリンター本体よりもインクの方が高いじゃない!
まあ、ランニングコストを考えると、インクを使い切ったらプリンター本体を買い替えた方が安い、というのは割と昔からよくある話だが。
こういうのはもうやめて欲しいなァ。
SATAケーブルに注意しろ!! [ハードウェア]
ここ数日の間、整理前のファイル一時置き場に使っているハードディスクが調子悪い。
どのように調子が悪いのかというと、初めの頃はエクスプローラでフォルダを開いているといつのまにかウインドウが閉じている事があった。
ただ、再度エクスプローラを開くと問題なく当該のフォルダを開けるため、私自身が無意識に閉じている事もよくあるので気にしなかったのだが。
数日の間にその頻度が上がって、ある時ファイルの書き込みが途中でいきなり止まるという事が起きた。
ファイルの書き込みが止まった時、再度書き込むと問題なく終わってハッシュを比較するとファイルの同一性を確認出来たが、さすがにおかしいと思って“CristalDiskInfo”でS.M.A.R.T.の情報を調べると。
・・・どこも悪くない。
通常、ファイルの書き込みが止まるとなれば大抵セクタエラーが発生していて、S.M.A.R.T.の記録には「セクタ代替処理発生回数」「代替処理保留中のセクタ数」「回復不能セクタ数」の3つの内どれか一つ、或いは複数の項目に“1”以上の数値が書かれているが、今回の場合は全てゼロ。
一体何が悪いのかと探してみると、「UltraDMA CRCエラー数」という項目が他のハードディスクは0に対し、問題のハードディスクは“97471”という、非常に大きな数値である事に気付いた。
“CristalDiskInfo”による、問題が起きたハードディスクのS.M.A.R.T.の情報。
「UltraDMA CRCエラー」がカウントされているという事は、データの送受信で修復不可能なエラーが発生しているという事だ。
エクスプローラのウインドウが勝手に閉じる現象も、信号のエラーによってWindowsがハードディスクを見失い、再度接続を試みるという動作で起きたに違いない。
少なくともWindowsのシステムログにはその痕跡が多数記録されていたので、エクスプローラを開いていない時も繰り返し起きていたという事になる。
さて、問題の内容が確認出来たところで、次は問題の解決だ。
今回の場合、私はこれまでの経験からSATAケーブルの不良を最初に疑った。
単にハードディスクの調子が悪いと考えた場合、他にも
・CPU又はメインメモリの不良
・CPUやメモリ、或いはシステムバスのオーバークロックが原因で動作が不安定
・SATAコントローラや周辺回路の不良
・ATX電源の相性が悪い、或いは故障
・SATA電源コネクタの接触不良など
・ハードディスク自体の故障
という原因も考えられるが、パソコンの状態と問題の内容からこれらは無いと判断。
そこで私はパソコンのケースを開けて、SATAケーブルを交換する事にした。
問題を起こしていると思われるSATAケーブルはSATA規格がまだSATA2の頃のIntel製SSDに付属していた物で、Amphenol製のコネクタが使われている事もあって信頼性は高いと思い使い続けていたが、さすがに10年以上経つと劣化が進むようだ。
取り外した問題のSATAケーブル。Amphenol製のコネクタが使われている高級品。
とにかくケーブルを交換した後は、それまでの不調が嘘であるかのように調子が良くなった。
そして、その後何度か「UltraDMA CRCエラー」がカウントされているか確認したが“97471”から増える事は無く、問題は完全に解決したと判断した。
SATAケーブルの不良はほとんどがコネクタの劣化による接触不良だと思うが、最悪の場合端子の接触部が溶けてディスク側も壊れてしまう事がある(そういうトラブルで動かなくなったパソコンを修理した経験がある)ので、あまり甘く見ない方が良い。
コネクタの端子は大気中の塵や化学物質と湿気などが原因で酸化したり硫化したり汚損したりするので、特にそのような原因が多い環境では注意した方が良いのだが、私の場合年に3~4回はケース内の掃除をしているし、室内の環境もかなり良い方なので油断があったようだ。
なんにせよ今回は問題の程度が軽く、SATAケーブルの交換で済んで良かった。
これからのディスプレイケーブル選び [ハードウェア]
パソコン用ディスプレイとの接続に使うケーブルが、かつて主流だったアナログVGA及びDVIからDisplayPort・HDMIに変わってしばらく経つ。
2010年代は過渡期として、大抵のディスプレイにDVIとアナログVGAの端子が備わっていたのだが、ここ数年に発売されたディスプレイにはこれらの端子が無くDisplayPortとHDMI端子だけの物が主流となったのだ。
というワケで、私は過去にDisplayPortとHDMI用のケーブルを一通り揃えたのだが。
やはりここ数年に新しく出た規格によって、古い規格のケーブルが使えなくなるという事態になってしまった。
しかし、規格が更新された事で何が何に対応するのかがわかり辛い。
そこで非常に簡単にではあるが、DisplayPortとHDMIの規格と、それに対応するケーブルについてまとめようと思う。
まずはHDMIから。
HDMIは元々DVI規格をAV用途向けに規格を拡張し、ケーブルを使いやすく改良したもの。
おかげでパソコン用途でも使え、しかも安いのがいい。
ケーブルを選ぶ際は、フルHDまでなら“HDMI 1.2対応”のケーブル。
最近利用者が増えているWQHD(2.5K?)なら“HDMI 1.4対応”以上。
4K対応なら“HDMI 2.0対応”、8K対応なら“HDMI 2.1対応”のケーブルを使えば良い。
次。DisplayPort。
DisplayPortは最初からコンピュータ用として設計されているので、性能と信頼性がHDMIよりも高い。
しかし、その代わりになにもかもが高価になってしまった。
という事で、8K使いたければ1.4対応のケーブルを買っておけばOK。
4Kまでで良ければ1.2でOK、というところか。
昨年策定された2.1に至ってはケーブルが2種類とか消費者をバカにしているとしか思えない。
設計者からすれば用途毎に使い分けする事でコストダウンできると思っているのだろうが。
それにしても、今回のディスプレイ用ケーブルや、以前ネタにしたUSB用ケーブルは種類が増えすぎだ。
昔は用途毎にケーブルの種類が違うという面倒はあったが、同じ用途で使える使えないが出る事は無かった。
それが今やコネクタ形状が同じで接続も可能なのに、使ってみたらダメでした、という例があまりにも多すぎる。
一体どちらが消費者にとって利便性が良いのか?
私は前者だと思う。
VESA、最新の「DisplayPort 2.1」仕様を公開
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2210/26/news059.html
PC用ディスプレイのインターフェイス
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2016-12-19
2010年代は過渡期として、大抵のディスプレイにDVIとアナログVGAの端子が備わっていたのだが、ここ数年に発売されたディスプレイにはこれらの端子が無くDisplayPortとHDMI端子だけの物が主流となったのだ。
というワケで、私は過去にDisplayPortとHDMI用のケーブルを一通り揃えたのだが。
やはりここ数年に新しく出た規格によって、古い規格のケーブルが使えなくなるという事態になってしまった。
しかし、規格が更新された事で何が何に対応するのかがわかり辛い。
そこで非常に簡単にではあるが、DisplayPortとHDMIの規格と、それに対応するケーブルについてまとめようと思う。
まずはHDMIから。
規格 | 解像度/周波数 | その他 |
~1.2x | 2K/60Hz | 1.2よりPC出力に対応 |
1.3~1.4 | 4K/30Hz | Adobe RGBなど広色域に対応 |
2.0 | 4K/60Hz | HDRに対応 |
2.1 | 8K/60Hz | - |
HDMIは元々DVI規格をAV用途向けに規格を拡張し、ケーブルを使いやすく改良したもの。
おかげでパソコン用途でも使え、しかも安いのがいい。
ケーブルを選ぶ際は、フルHDまでなら“HDMI 1.2対応”のケーブル。
最近利用者が増えているWQHD(2.5K?)なら“HDMI 1.4対応”以上。
4K対応なら“HDMI 2.0対応”、8K対応なら“HDMI 2.1対応”のケーブルを使えば良い。
次。DisplayPort。
DisplayPortは最初からコンピュータ用として設計されているので、性能と信頼性がHDMIよりも高い。
しかし、その代わりになにもかもが高価になってしまった。
規格 | 解像度/周波数 | その他 |
~1.1x | 4K/30Hz | - |
1.2x | 4K/75Hz | 広色域・Adaptive-Syncのサポート |
1.3 | 8K/30Hz | HDR対応、USB-Type-Cサポート |
1.4x | 8K/60Hz | - |
2.x | 16K/60Hz | USB4対応、ケーブルはDP40とDP80の2種 |
という事で、8K使いたければ1.4対応のケーブルを買っておけばOK。
4Kまでで良ければ1.2でOK、というところか。
昨年策定された2.1に至ってはケーブルが2種類とか消費者をバカにしているとしか思えない。
設計者からすれば用途毎に使い分けする事でコストダウンできると思っているのだろうが。
それにしても、今回のディスプレイ用ケーブルや、以前ネタにしたUSB用ケーブルは種類が増えすぎだ。
昔は用途毎にケーブルの種類が違うという面倒はあったが、同じ用途で使える使えないが出る事は無かった。
それが今やコネクタ形状が同じで接続も可能なのに、使ってみたらダメでした、という例があまりにも多すぎる。
一体どちらが消費者にとって利便性が良いのか?
私は前者だと思う。
VESA、最新の「DisplayPort 2.1」仕様を公開
https://eetimes.itmedia.co.jp/ee/articles/2210/26/news059.html
PC用ディスプレイのインターフェイス
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2016-12-19
続・12VHPWRコネクタについて [ハードウェア]
12VHPWRコネクタについて新たな情報を得た。
なんでも提唱者のIntelが、12VHPWRコネクタの端子を設計しなおしたそうだ。
以下、情報を得たサイトの記事からの引用。
インテルは現在、12+4ピンATX 12VHPWR電源コネクタのオスコネクタのデザイン更新に取り組んでいます。この再設計は、コネクタの接続と保持を強化し、不適切な嵌合や保持による潜在的な火災の危険性を低減することを目的としています。
このオスコネクターは、既存のデバイスで使用されているメスコネクターと完全に互換性があります。主な変更点は、コネクターピンの接合部を従来の「3ディンプル」から「プッシュスプリング」タイプに変更したことです。これにより、ケーブルの曲げ伸ばしに耐える耐久性が大幅に向上し、接触が弱くなり断線しにくくなりました。
この設計変更により、コネクタの構造的完全性と安定性が向上し、接続不良による電気火災のリスクが低減されます。この設計変更により、インテルは、幅広い機器において、電源コネクタの安全で信頼性の高い性能を保証します。
以上。
要は設計に不備があったので直したと。
でも問題の原因は利用者にあるから!悪いのは利用者だから!
という事らしい。
まあ修正前と後の絵を見たが、これはこれで別の所が問題になると思う。
設計しなおされた端子の図。右側が新しい物だが、この作りだと接触不良は防げても端子そのものがかなり発熱しそうで怖いし、数回の抜き差しで簡単にユルくなるような気がする。
なので、私なら今までの物を使う。
さて、どうなることやら。
参考:
12VHPWRコネクタについて
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2023-03-07
引用元:
Intel Preps Improved Design for 12+4 Pin ATX 12VHPWR Power Connector for Enhanced Safety
https://www.guru3d.com/news-story/intel-preps-improved-design-for-124-pin-atx-12vhpwr-power-connector-for-enhanced-safety.html
なんでも提唱者のIntelが、12VHPWRコネクタの端子を設計しなおしたそうだ。
以下、情報を得たサイトの記事からの引用。
インテルは現在、12+4ピンATX 12VHPWR電源コネクタのオスコネクタのデザイン更新に取り組んでいます。この再設計は、コネクタの接続と保持を強化し、不適切な嵌合や保持による潜在的な火災の危険性を低減することを目的としています。
このオスコネクターは、既存のデバイスで使用されているメスコネクターと完全に互換性があります。主な変更点は、コネクターピンの接合部を従来の「3ディンプル」から「プッシュスプリング」タイプに変更したことです。これにより、ケーブルの曲げ伸ばしに耐える耐久性が大幅に向上し、接触が弱くなり断線しにくくなりました。
この設計変更により、コネクタの構造的完全性と安定性が向上し、接続不良による電気火災のリスクが低減されます。この設計変更により、インテルは、幅広い機器において、電源コネクタの安全で信頼性の高い性能を保証します。
以上。
要は設計に不備があったので直したと。
でも問題の原因は利用者にあるから!悪いのは利用者だから!
という事らしい。
まあ修正前と後の絵を見たが、これはこれで別の所が問題になると思う。
設計しなおされた端子の図。右側が新しい物だが、この作りだと接触不良は防げても端子そのものがかなり発熱しそうで怖いし、数回の抜き差しで簡単にユルくなるような気がする。
なので、私なら今までの物を使う。
さて、どうなることやら。
参考:
12VHPWRコネクタについて
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2023-03-07
引用元:
Intel Preps Improved Design for 12+4 Pin ATX 12VHPWR Power Connector for Enhanced Safety
https://www.guru3d.com/news-story/intel-preps-improved-design-for-124-pin-atx-12vhpwr-power-connector-for-enhanced-safety.html
12VHPWRコネクタについて [ハードウェア]
久しぶりのブログ記事は、12VHPWRコネクタについて書こうと思う。
年が明けてもう2ヵ月以上経った今、この話はとっくに賞味期限が切れているとは思うが。
昨年12月の頭にはこの記事を書き終わって投稿するつもりが諸般の事情で不可能となったのだが、この件に関しては特に、書きかけのままで終わりたくはないと思ったので、今になって改めて記事の足りない部分を書き足し、必要な部分は大幅に書き直してブログに上げる事にした。
なお、昨年11月に私が調べた時点で米国のコネクタメーカー「Amphenol」のサイトには12VHPWRのコネクタに関する情報が出ていたため、図面を含むこれらの情報は記事を書く上で大変参考になった。
興味のある方は「Amphenol」のサイトを訪れてみてほしいと思うし、さらに情報が欲しければ製品名「Minitek Pwr CEM-5 PCIe Connector」で検索してみるのも良い。
以下、その記事。
GeForce RTX 4090搭載ビデオカードの12VHPWRコネクタ焼損事故多発で有名になった12VHPWRコネクタ。
NVIDIAの調査ではビデオカード付属の「PCIe電源コネクタから12VHPWRコネクタに変換するケーブル」に問題があるとか、利用者がコネクタをしっかり奥まで差し込まない事が原因であるというような結果らしいが。
実際には12VHPWRコネクタの設計そのものに“も”問題があると、私は考えている。
今回記事を書くための資料として買った、CORSAIR製 PCIe-12VHPWR変換ケーブルのコネクタ部の写真。ピンボケはご容赦願いたい。
12VHPWRコネクタの抱える問題
まずは問題となったビデオカード付属のPCIe→12VHPWR変換ケーブルの問題点を並べる。
1.変換ケーブルの12VHPWRコネクタが12VHPWR規格の仕様に準拠していない。
当初この根拠は私の知識と経験だけであったが、その後以下の記事が掲載されて証明された。
PCI-SIG、12VHPWRコネクタに関してメンバー企業に注意を喚起
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20221202-2527419/
一言でいえば「コネクタの品質が悪い」のであり、これは端子の作りや材質も含まれる。
特に端子に関しては材料に銅合金を使う以上、合金の組成や熱処理、加工方法や完成品の
寸法精度、メッキなど全てに問題があったとしてもおかしくはない。
2.コネクタとケーブルの接合方法が基盤への半田付けという事に問題がある。
この問題は先述の1に関係するが、昨今のビデオカード形状に絡んでケーブルの取り回しが
しにくい原因となって、コネクタに本来ありえない負荷がかかって端子の接触不良を誘発する
可能性を高める。
3.コネクタの大きさに対してケーブルが太すぎ、コネクタへの負荷荷重が大きい。
この問題は2に絡む問題であり、2と同様に接触不良を誘発する原因だと私は考えている。
次は12VHPWRコネクタの規格に関する問題。
1.コネクタが小さくて操作しにくいため、中途半端な挿入になりやすい。
これについては説明不要と思うが、この問題はPCIe規格の電源コネクタも同じかさらに悪い。
この問題はビデオカード側の設計も絡むので、一概にそうとも言えないのかもしれない。
ただし、コネクタの接続操作とは無関係だが、コネクタを小さく作るには端子の小型化が
避けられないため、端子の接点容量が小さくなるという問題の原因にはなり得る。
2.コネクタの接点容量が足りない。
規格上最大600Wに対応する12VHPWRコネクタは、12本のピンで600Wを賄う。
これは端子のピン一本当たり8A以上の電流が流れる事を意味する。
今回問題になったRTX 4090は最大400W程度の消費電力で、ピン一本で5.5A以上。
しかも複数の端子で電流を流す場合、全ての端子が同じ電気抵抗で接続されているわけでは
ないので、流れる電流は端子毎に違う。従って12本の内には6A以上流れる端子もあるだろう。
そもそも端子と接続する電線の断面積と比べて1/4以下の断面積しかないピンで、接点部分の
接触も4カ所とはいえ全て点接触という事も考えるとコネクタの端子は相当に発熱するはず。
この発熱が約200℃まで耐えるポリイミド樹脂製コネクタハウジングの強度を落とさない範囲で
あれば良いが、もし超えた場合ケーブルによる負荷荷重で端子の位置がズレるとさらに発熱し、
最悪短絡する事もあり得る。(熱はビデオカード基盤やケーブルなどに逃げるが、それも限度がある。)
また、端子の発熱は一定以上になると端子のバネ特性を失わせる。
バネ特性を失った端子は当然に接触不良を起こし、発熱増加→焼損、となる。
ちなみに普通は規格に準拠した高品質なコネクタなど、自作パソコンの部品には使わない。
だからなおさら安全係数を十分に取った設計に変更すべきだ。
ちなみにAmphenol製の12VHPWRコネクタは端子一本当たり9.5A!流せる事になっている。
ああ、恐ろしい。
3.コネクタの強度そのものが足りない。
あれだけ小さなコネクタなので、多少温度が上がっただけでコネクタハウジングの強度や剛性が
足りなくなって変形してしまう可能性も考えられる。
変形すれば当然にピンの接触に影響が出て、以下略。
注意深い者ならば、ビデオカードの取付け時に電源ケーブルの取り回しに細心の注意を払い、
コネクタに余計な力がかからないような取り回しをしたり、ケーブルをビデオカードのコネクタ
以外の物で固定・・・例えばケーブルを止めるためのステーを追加するなどしてこれにケーブル
の荷重のほとんどを負わせて、コネクタには一切荷重がかからないようにする。
だが多くの場合、まったく気を使わないか、気を使っているつもりで実際は考えているようには
なっていない事が普通だ。
だから、コネクタハウジングも端子同様安全係数を大幅に取った設計が必要だと私は思う。
昨今はビデオカード用のケーブルも太く、本数が多なって、重く、硬くなる傾向が強い。
この問題は気付いていない人がほとんどだと思うが、設計者はこれを意識して設計すべきだ。
番外。
パソコンの内部に使われる電源用コネクタの中には、品質が悪い物がかなり多い。
中にはコネクタを接続する時にコネクタハウジングからピンが抜けてしまう物があり、これが単に接触不良で電流が流れないだけならば良いのだが、中途半端に抜けて接触自体はあるような場合、これが原因で焼損が起きる事がある。
また、ピンが抜けない場合でもオスとメスのピンが平行に挿入されない場合があって、これが端子の変形を招いて接触不良を起こし、発熱から焼損に至る場合もある。
さらに、ハウジングの材質や精度などが悪く、コネクタ自体が壊れた事も経験している。
電気はとても怖いものだ。
パソコンが壊れるだけならばまだ良いが、これが火事になって家が全焼、ともなればどうだろうか。
(まあコネクタハウジングやケーブルの被覆のほとんどは焼損しても炎が出ない自己消火性のある樹脂が使われているから、火事になる事はまず無いとは思うが・・・絶対にそうならない、とは言えないし、条件次第とはいえ実際に炎が出る事も無いわけではないので)
関係者全てに言いたい。
この問題を甘く見るな、と。
参考:
続・12VHPWRコネクタについて
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2023-03-14
グラボの電源コネクターが変わる? 大電力に対応する新規格「12VHPWR」
https://ascii.jp/elem/000/004/088/4088881/
Intel ATX 3.0 16-pin Power Connector for PCIe Gen5 is Smart, Has Four Power-Delivery Variants
https://www.techpowerup.com/292563/intel-atx-3-0-16-pin-power-connector-for-pcie-gen5-is-smart-has-four-power-delivery-variants
PCIe Gen5 "12VHPWR" Connector to Deliver Up to 600 Watts of Power for Next-Generation Graphics Cards
https://www.techpowerup.com/287682/pcie-gen5-12vhpwr-connector-to-deliver-up-to-600-watts-of-power-for-next-generation-graphics-cards
Minitek Pwr CEM-5 PCIe Connector System
https://www.amphenol-cs.com/product-series/minitek-pwr-cem-5-pcie.html
Amphenol FCI Minitek Pwr CEM-5 PCIe コネクタシステム
https://www.mouser.jp/new/amphenol/amphenol-minitek-cem-5-pcie-connector-system/
年が明けてもう2ヵ月以上経った今、この話はとっくに賞味期限が切れているとは思うが。
昨年12月の頭にはこの記事を書き終わって投稿するつもりが諸般の事情で不可能となったのだが、この件に関しては特に、書きかけのままで終わりたくはないと思ったので、今になって改めて記事の足りない部分を書き足し、必要な部分は大幅に書き直してブログに上げる事にした。
なお、昨年11月に私が調べた時点で米国のコネクタメーカー「Amphenol」のサイトには12VHPWRのコネクタに関する情報が出ていたため、図面を含むこれらの情報は記事を書く上で大変参考になった。
興味のある方は「Amphenol」のサイトを訪れてみてほしいと思うし、さらに情報が欲しければ製品名「Minitek Pwr CEM-5 PCIe Connector」で検索してみるのも良い。
以下、その記事。
GeForce RTX 4090搭載ビデオカードの12VHPWRコネクタ焼損事故多発で有名になった12VHPWRコネクタ。
NVIDIAの調査ではビデオカード付属の「PCIe電源コネクタから12VHPWRコネクタに変換するケーブル」に問題があるとか、利用者がコネクタをしっかり奥まで差し込まない事が原因であるというような結果らしいが。
実際には12VHPWRコネクタの設計そのものに“も”問題があると、私は考えている。
今回記事を書くための資料として買った、CORSAIR製 PCIe-12VHPWR変換ケーブルのコネクタ部の写真。ピンボケはご容赦願いたい。
12VHPWRコネクタの抱える問題
まずは問題となったビデオカード付属のPCIe→12VHPWR変換ケーブルの問題点を並べる。
1.変換ケーブルの12VHPWRコネクタが12VHPWR規格の仕様に準拠していない。
当初この根拠は私の知識と経験だけであったが、その後以下の記事が掲載されて証明された。
PCI-SIG、12VHPWRコネクタに関してメンバー企業に注意を喚起
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20221202-2527419/
一言でいえば「コネクタの品質が悪い」のであり、これは端子の作りや材質も含まれる。
特に端子に関しては材料に銅合金を使う以上、合金の組成や熱処理、加工方法や完成品の
寸法精度、メッキなど全てに問題があったとしてもおかしくはない。
2.コネクタとケーブルの接合方法が基盤への半田付けという事に問題がある。
この問題は先述の1に関係するが、昨今のビデオカード形状に絡んでケーブルの取り回しが
しにくい原因となって、コネクタに本来ありえない負荷がかかって端子の接触不良を誘発する
可能性を高める。
3.コネクタの大きさに対してケーブルが太すぎ、コネクタへの負荷荷重が大きい。
この問題は2に絡む問題であり、2と同様に接触不良を誘発する原因だと私は考えている。
次は12VHPWRコネクタの規格に関する問題。
1.コネクタが小さくて操作しにくいため、中途半端な挿入になりやすい。
これについては説明不要と思うが、この問題はPCIe規格の電源コネクタも同じかさらに悪い。
この問題はビデオカード側の設計も絡むので、一概にそうとも言えないのかもしれない。
ただし、コネクタの接続操作とは無関係だが、コネクタを小さく作るには端子の小型化が
避けられないため、端子の接点容量が小さくなるという問題の原因にはなり得る。
2.コネクタの接点容量が足りない。
規格上最大600Wに対応する12VHPWRコネクタは、12本のピンで600Wを賄う。
これは端子のピン一本当たり8A以上の電流が流れる事を意味する。
今回問題になったRTX 4090は最大400W程度の消費電力で、ピン一本で5.5A以上。
しかも複数の端子で電流を流す場合、全ての端子が同じ電気抵抗で接続されているわけでは
ないので、流れる電流は端子毎に違う。従って12本の内には6A以上流れる端子もあるだろう。
そもそも端子と接続する電線の断面積と比べて1/4以下の断面積しかないピンで、接点部分の
接触も4カ所とはいえ全て点接触という事も考えるとコネクタの端子は相当に発熱するはず。
この発熱が約200℃まで耐えるポリイミド樹脂製コネクタハウジングの強度を落とさない範囲で
あれば良いが、もし超えた場合ケーブルによる負荷荷重で端子の位置がズレるとさらに発熱し、
最悪短絡する事もあり得る。(熱はビデオカード基盤やケーブルなどに逃げるが、それも限度がある。)
また、端子の発熱は一定以上になると端子のバネ特性を失わせる。
バネ特性を失った端子は当然に接触不良を起こし、発熱増加→焼損、となる。
ちなみに普通は規格に準拠した高品質なコネクタなど、自作パソコンの部品には使わない。
だからなおさら安全係数を十分に取った設計に変更すべきだ。
ちなみにAmphenol製の12VHPWRコネクタは端子一本当たり9.5A!流せる事になっている。
ああ、恐ろしい。
3.コネクタの強度そのものが足りない。
あれだけ小さなコネクタなので、多少温度が上がっただけでコネクタハウジングの強度や剛性が
足りなくなって変形してしまう可能性も考えられる。
変形すれば当然にピンの接触に影響が出て、以下略。
注意深い者ならば、ビデオカードの取付け時に電源ケーブルの取り回しに細心の注意を払い、
コネクタに余計な力がかからないような取り回しをしたり、ケーブルをビデオカードのコネクタ
以外の物で固定・・・例えばケーブルを止めるためのステーを追加するなどしてこれにケーブル
の荷重のほとんどを負わせて、コネクタには一切荷重がかからないようにする。
だが多くの場合、まったく気を使わないか、気を使っているつもりで実際は考えているようには
なっていない事が普通だ。
だから、コネクタハウジングも端子同様安全係数を大幅に取った設計が必要だと私は思う。
昨今はビデオカード用のケーブルも太く、本数が多なって、重く、硬くなる傾向が強い。
この問題は気付いていない人がほとんどだと思うが、設計者はこれを意識して設計すべきだ。
番外。
パソコンの内部に使われる電源用コネクタの中には、品質が悪い物がかなり多い。
中にはコネクタを接続する時にコネクタハウジングからピンが抜けてしまう物があり、これが単に接触不良で電流が流れないだけならば良いのだが、中途半端に抜けて接触自体はあるような場合、これが原因で焼損が起きる事がある。
また、ピンが抜けない場合でもオスとメスのピンが平行に挿入されない場合があって、これが端子の変形を招いて接触不良を起こし、発熱から焼損に至る場合もある。
さらに、ハウジングの材質や精度などが悪く、コネクタ自体が壊れた事も経験している。
電気はとても怖いものだ。
パソコンが壊れるだけならばまだ良いが、これが火事になって家が全焼、ともなればどうだろうか。
(まあコネクタハウジングやケーブルの被覆のほとんどは焼損しても炎が出ない自己消火性のある樹脂が使われているから、火事になる事はまず無いとは思うが・・・絶対にそうならない、とは言えないし、条件次第とはいえ実際に炎が出る事も無いわけではないので)
関係者全てに言いたい。
この問題を甘く見るな、と。
参考:
続・12VHPWRコネクタについて
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2023-03-14
グラボの電源コネクターが変わる? 大電力に対応する新規格「12VHPWR」
https://ascii.jp/elem/000/004/088/4088881/
Intel ATX 3.0 16-pin Power Connector for PCIe Gen5 is Smart, Has Four Power-Delivery Variants
https://www.techpowerup.com/292563/intel-atx-3-0-16-pin-power-connector-for-pcie-gen5-is-smart-has-four-power-delivery-variants
PCIe Gen5 "12VHPWR" Connector to Deliver Up to 600 Watts of Power for Next-Generation Graphics Cards
https://www.techpowerup.com/287682/pcie-gen5-12vhpwr-connector-to-deliver-up-to-600-watts-of-power-for-next-generation-graphics-cards
Minitek Pwr CEM-5 PCIe Connector System
https://www.amphenol-cs.com/product-series/minitek-pwr-cem-5-pcie.html
Amphenol FCI Minitek Pwr CEM-5 PCIe コネクタシステム
https://www.mouser.jp/new/amphenol/amphenol-minitek-cem-5-pcie-connector-system/
メモリとSSDが安いのにパソコンの価格は下がらない [ハードウェア]
半導体メモリ大手の先行指標、Micronの営業損益が赤字に転落
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1467737.html
まあ、この記事を見るまでもなく知られた話だが。
DRAMとNAND Flashの製品は、急激な需要の低下によって世界的インフレと円安やサプライチェーンの乱れによる輸入品の高価格化の中、安値を維持し続けている。
自作パソコン業界の中だけで見ると、CPUとマザーボードが昨年よりかなり値上がりしているのに対し、メインメモリとSSDは逆に安くなっているほどだ。
かつてはメインメモリとSSDが完成品パソコンの製造コストに占める割合は大きく、DRAMとNAND Flashの価格が下がるとパソコンの値段も下がったものだが。
今はDRAMとNAND Flashが安いのに、逆に値上がりしている始末。
そのうえDRAMとNAND Flashが安いと言っても円安などの影響でそれほど安いとはいえない。
さらに言うと、メインメモリがDDR4からDDR5に切り替わっていく過渡期であるために、メモリモジュールの価格はDDR5の場合DDR4よりも割高であり、そういう意味でもメインメモリは安いとは言えない。
とはいえ、NAND Flashの価格下落は主に大容量なSSDに対し目に見える影響が出てはいる。
これらの製品がまだ高価だった頃と比べると、確実に買いやすい値段まで下がっているのだ。
というワケで、今は新たにパソコンを買う時ではない。
どうしても必要な場合を除いて。
その代わり大容量なSSDは若干買いやすくなった。
今後、円が今年の年初並み(115円程度)とまではいわなくとも、せめて120円程度まで戻れば、この状況も変わるだろうが。
来年中に130円よりも円高になる可能性は低い。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1467737.html
まあ、この記事を見るまでもなく知られた話だが。
DRAMとNAND Flashの製品は、急激な需要の低下によって世界的インフレと円安やサプライチェーンの乱れによる輸入品の高価格化の中、安値を維持し続けている。
自作パソコン業界の中だけで見ると、CPUとマザーボードが昨年よりかなり値上がりしているのに対し、メインメモリとSSDは逆に安くなっているほどだ。
かつてはメインメモリとSSDが完成品パソコンの製造コストに占める割合は大きく、DRAMとNAND Flashの価格が下がるとパソコンの値段も下がったものだが。
今はDRAMとNAND Flashが安いのに、逆に値上がりしている始末。
そのうえDRAMとNAND Flashが安いと言っても円安などの影響でそれほど安いとはいえない。
さらに言うと、メインメモリがDDR4からDDR5に切り替わっていく過渡期であるために、メモリモジュールの価格はDDR5の場合DDR4よりも割高であり、そういう意味でもメインメモリは安いとは言えない。
とはいえ、NAND Flashの価格下落は主に大容量なSSDに対し目に見える影響が出てはいる。
これらの製品がまだ高価だった頃と比べると、確実に買いやすい値段まで下がっているのだ。
というワケで、今は新たにパソコンを買う時ではない。
どうしても必要な場合を除いて。
その代わり大容量なSSDは若干買いやすくなった。
今後、円が今年の年初並み(115円程度)とまではいわなくとも、せめて120円程度まで戻れば、この状況も変わるだろうが。
来年中に130円よりも円高になる可能性は低い。
価格性能比で勝負のRadeon RX 7000シリーズ [ハードウェア]
結論から言おう。
先日販売開始された、AMDの「Radeon RX 7000 シリーズ」は、競合の「GeForce RTX 4000シリーズ」と比較して価格性能比に優れる。
その性能差はハイエンドの「Radeon RX 7900 XTX」と「GeForce RTX 4090」との比較で平均10%未満であり、価格は2/3以下だ。
絶対性能では相変わらずGeForceには及ばないRadeonだが、ここ数年は競争力を持つと言えるほどに進歩している。
しかもGeForce RTX 4090と比較出来るほど高性能な物まで出せるとは。
私はGeForce RTX 4090が出た時、これでまたAMDは性能競争で突き放されたと思ったものだ。
さて。
話は変わるが、昨今のビデオカードについて思う事があるので書きたい。
一つ目は高性能化について。
まだ3Dゲームが新しかった頃、具体的には20年以上前、当時はゲームの中に3Dの物体が“リアルに”描画され、それがリアルタイムで動く事が新鮮であり、感動したものだ。
当時のビデオカードは最初ヒートシンクすらなく、その後ヒートシンクが付くようになったが、それも非常に小型のものであり、拡張カードスロットを二つ分も占有するなどありえない事だった。
だが現在、時代は大きく変わった。
一つはリアルさの基準が変わって、より実物に近い表現を追及するようになった事。
昔はかなりデフォルメされた物でも十分“リアル”に感じたが。
今では実写に近いものが普通になり、さらにリアルタイムレイトレーシングまで導入される始末。
簡単に言うと昔と今の違いは、セル画アニメと実写映画の違いと思えばいい。
そして20年前から約十五年間はその過渡期であった、と言える。
結果として20年以上前と比べてビデオカードの演算性能は数百倍から千倍以上と大きく上がり、消費電力も最大で100倍以上となった。
この変化を可能としたのが半導体の微細化で、リアルさを追求するために必要な計算能力を持つトランジスタの集合体を、パソコンにふつうに収まる規模の大規模集積回路として製造出来るようになった事がブレイクスルーになったというワケだ。
ただし、その代償としてビデオカードの製造原価が上がる事になった。
これに関連して進んだビデオカードの価格高騰が、もう一つの思う事だ。
チップ面積はほとんど変わらないのに微細化が進んだ結果の製造原価上昇と共に、消費電力の増大により増えた熱の処理のためヒートシンクは年々大型化している。
専門の情報サイトでレビュー記事を見るとわかるが、基盤面積に対しヒートシンクの大きさと複雑な構造が目に付く。
このヒートシンクとファン及びカバー類だけで、ちょっとした値段になるのは誰にでも想像出来るだろう。
また消費電力の増大にともなう電力供給。
これも20年以上前の簡素な電源回路と比べて大幅な原価上昇要因と言える。
これに必要な設計の手間と部品点数の多さが原価を押し上げているのだ。
それに加えてデバイスドライバの開発コストも上がっている事も無視出来ない。
3D対応黎明期は1.44MBのフロッピーディスク1~2枚だったドライバの容量が、2000年頃にはフロッピーディスクによる供給が無理なほど容量が増えてCD-ROMによる供給が当たり前になり、今やCD-ROMにも収まり切れないほど大きくなっているのだから。
ちなみにビデオメモリは原価としてあまり変わっていないかもしれない。
例えばS3のViRGEが出た頃(1995年)のDRAMは1MB当たり1500円ほど、当時はハイエンドで4MBが主流だった。
今はDDR5 16GBで9000円程度、1GBあたり560円として12GBで6720円。まあ大体同じくらいと思う。
VRAM専用メモリは一般のメインメモリとは違う値段なので単純な比較は出来ないが、大雑把には合っているだろう。
ということで、昔はハイエンドで5万円前後という基準があったが。
今では10万円前後が基準でも仕方がない、そのうえ2022年現在は日本とアメリカの経済格差に加えて円安の影響でさらに倍、というのが現実という事になる。
まあGeForce RTX 4090などは20万円どころかその倍近い値段だが。
あれはハイエンドのさらに上、という位置付けでプレミアムが付いているから製造原価がどうこういうものではない。
1ドル70円台の時代が懐かしい・・・あの頃ならRTX 4090は日本円でいくらになっただろうか。
参考
レビュー AMD Radeon RX 7900 XTX
https://www.4gamer.net/games/660/G066019/20221212075/
「Radeon RX 7900」の性能をチェック!チップレットでどこまで進化したのか?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1462794.html
先日販売開始された、AMDの「Radeon RX 7000 シリーズ」は、競合の「GeForce RTX 4000シリーズ」と比較して価格性能比に優れる。
その性能差はハイエンドの「Radeon RX 7900 XTX」と「GeForce RTX 4090」との比較で平均10%未満であり、価格は2/3以下だ。
絶対性能では相変わらずGeForceには及ばないRadeonだが、ここ数年は競争力を持つと言えるほどに進歩している。
しかもGeForce RTX 4090と比較出来るほど高性能な物まで出せるとは。
私はGeForce RTX 4090が出た時、これでまたAMDは性能競争で突き放されたと思ったものだ。
さて。
話は変わるが、昨今のビデオカードについて思う事があるので書きたい。
一つ目は高性能化について。
まだ3Dゲームが新しかった頃、具体的には20年以上前、当時はゲームの中に3Dの物体が“リアルに”描画され、それがリアルタイムで動く事が新鮮であり、感動したものだ。
当時のビデオカードは最初ヒートシンクすらなく、その後ヒートシンクが付くようになったが、それも非常に小型のものであり、拡張カードスロットを二つ分も占有するなどありえない事だった。
だが現在、時代は大きく変わった。
一つはリアルさの基準が変わって、より実物に近い表現を追及するようになった事。
昔はかなりデフォルメされた物でも十分“リアル”に感じたが。
今では実写に近いものが普通になり、さらにリアルタイムレイトレーシングまで導入される始末。
簡単に言うと昔と今の違いは、セル画アニメと実写映画の違いと思えばいい。
そして20年前から約十五年間はその過渡期であった、と言える。
結果として20年以上前と比べてビデオカードの演算性能は数百倍から千倍以上と大きく上がり、消費電力も最大で100倍以上となった。
この変化を可能としたのが半導体の微細化で、リアルさを追求するために必要な計算能力を持つトランジスタの集合体を、パソコンにふつうに収まる規模の大規模集積回路として製造出来るようになった事がブレイクスルーになったというワケだ。
ただし、その代償としてビデオカードの製造原価が上がる事になった。
これに関連して進んだビデオカードの価格高騰が、もう一つの思う事だ。
チップ面積はほとんど変わらないのに微細化が進んだ結果の製造原価上昇と共に、消費電力の増大により増えた熱の処理のためヒートシンクは年々大型化している。
専門の情報サイトでレビュー記事を見るとわかるが、基盤面積に対しヒートシンクの大きさと複雑な構造が目に付く。
このヒートシンクとファン及びカバー類だけで、ちょっとした値段になるのは誰にでも想像出来るだろう。
また消費電力の増大にともなう電力供給。
これも20年以上前の簡素な電源回路と比べて大幅な原価上昇要因と言える。
これに必要な設計の手間と部品点数の多さが原価を押し上げているのだ。
それに加えてデバイスドライバの開発コストも上がっている事も無視出来ない。
3D対応黎明期は1.44MBのフロッピーディスク1~2枚だったドライバの容量が、2000年頃にはフロッピーディスクによる供給が無理なほど容量が増えてCD-ROMによる供給が当たり前になり、今やCD-ROMにも収まり切れないほど大きくなっているのだから。
ちなみにビデオメモリは原価としてあまり変わっていないかもしれない。
例えばS3のViRGEが出た頃(1995年)のDRAMは1MB当たり1500円ほど、当時はハイエンドで4MBが主流だった。
今はDDR5 16GBで9000円程度、1GBあたり560円として12GBで6720円。まあ大体同じくらいと思う。
VRAM専用メモリは一般のメインメモリとは違う値段なので単純な比較は出来ないが、大雑把には合っているだろう。
ということで、昔はハイエンドで5万円前後という基準があったが。
今では10万円前後が基準でも仕方がない、そのうえ2022年現在は日本とアメリカの経済格差に加えて円安の影響でさらに倍、というのが現実という事になる。
まあGeForce RTX 4090などは20万円どころかその倍近い値段だが。
あれはハイエンドのさらに上、という位置付けでプレミアムが付いているから製造原価がどうこういうものではない。
1ドル70円台の時代が懐かしい・・・あの頃ならRTX 4090は日本円でいくらになっただろうか。
参考
レビュー AMD Radeon RX 7900 XTX
https://www.4gamer.net/games/660/G066019/20221212075/
「Radeon RX 7900」の性能をチェック!チップレットでどこまで進化したのか?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1462794.html
NVIDIAのGeForce RTXは故障率が異様に高いらしい? [ハードウェア]
知人に「PhotoshopでAIを使いたいから良いハード知らないか」と聞かれた。
「PhotoshopでAI」というのは初耳だったが、私はGPUをアクセラレータに使えばいい、と答える。
すると何がいいのか聞かれるので、とりあえずGeForceがいいと現行機種を紹介したが。
お遊びでやるには高価すぎるというので、ではヤフオクで中古を探すか、となった。
だが、ヤフオクで見るとやたらと怪しげな出品が多い。
色々調べてみると、
ディスプレイ出力は一見正常でもゲームなどを動かすと落ちる
という壊れ方が非常に多いという事が判明した。
それも、情報の多さからかなりの確率で起きるらしい。
特に多いのがRTX 2000系。
これらは動作保証をうたう出品でも高確率で「ゲームだと落ちる」故障品に当たるようだ。
これでは中古などとても買う気にはならない。
なので私は彼にRTX3050の新品を買う事を提案した。
彼が受け入れるかはわからないが、落し所としては悪くないはずだ。
それにしても、現在のNVIDIAはこの故障問題で一部の人からかなり恨まれているらしい。
そういえば先日記事にしたRTX 4090が燃えるなんてのもあった。
NVIDIAのビデオカードは性能に関しては凄いが、商品としての品質は最低であるようだ。
GeForce RTX 4090は電源コネクタが燃えるらしい [ハードウェア]
NVIDIAのフラッグシップGPU“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードが、電源コネクタの焼損によって壊れてしまう事態が多発しているらしい。
色々調べてみると、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには“12VHPWR”という規格のコネクタが用いられており、このコネクタに問題があるようだ。
この“12VHPWR”という規格、実は今年(2022年)になってから出たばかりの規格で、採用しているATX電源は私が知る限り存在しない。
という事は既存のATX電源にあるビデオカード用の電源コネクタと“12VHPWR”の変換ケーブルが必要になるわけで、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには標準でこの変換ケーブルが付属している。
この変換ケーブルのコネクタが燃えるようだ。
ところで問題の焦点となっている“12VHPWR”だが、コネクタを見ると12の接点を持つコネクタである事がわかるが、このコネクタで最大600Wの電力供給が可能という規格らしい。
だが12Vで600Wというと50Aである。
50A!
この大電流に耐えるコネクタは、設計にしろ製造にしろ簡単ではない。
(大きくてゴツいので良ければ簡単かもしれないが)
件のコネクタは50Aを6対のピンで流すので、ピン一本当たり約8A。
“GeForce RTX 4090”は公称で450W程度の消費電力であるというから、その場合は37.5A、ピン当たり約6A。
しかし写真を見る限り電気を受け取るピンは1~1.2mm角程度の太さしかなく、ケーブル側の雌端子(コネクタ形状は雄)は指でつまむような感じで接触する構造であるはずなので、ここの接触抵抗が不揃いだと抵抗が少ないピンに電流が集中して発熱するか、抵抗が大きいピンの発熱がそれを上回るかするはずで、その発熱がコネクタの樹脂(普通は摂氏200度以上まで耐えるポリアミド樹脂製)を焼損させてしまうと。
こうなると当然金属製の端子(一般にりん青銅にスズメッキ)も熱による接触圧の低下に加えて表面が酸化したりコネクタの燃えカスが付いたりで電流が流れにくくなるので(以下略
何故こんなに脆弱なコネクタなのかと言えば答えは一つしかない。
それは
「抜き差しが固いとビデオカードやPCI-Expressコネクタが壊れてしまうから。」
という事でギリギリの設計(設計者の脳内では十分な余裕がある事にされてしまっている)に落ち着いた“12VHPWRコネクタ”だが、こうした部品は現在ほとんどすべてが中国製なので品質は推して知るべしだ。
特に中国製の部品は製造にしろ材料にしろ、品質のバラツキが多いのでこうなったのではないかと思う。
え?メーカーがしっかり品質管理しているからそんな事は無い?
いや、あるからこういう事になっているのだ。
過去にもこうした事例は枚挙に暇がない事は、少し調べればわかる事だ。
問題になっていない例は、発注している元がよほど厳格に品質検査をしているか、品質が落ちる事を計算に入れて超過剰スペックで生産しているか、或いは“そもそも品質など問わない”場合に限られる。(と、私は勝手に想像している)
よって件の変換ケーブルも、設計に余裕が無さ過ぎてそういう問題を吸収出来なかったのではないかと思う。
昨今はATX電源でもケーブルをコネクタで付け外しが出来る製品が多いが。
私はこの仕様に大反対である。
理由は、一般的にあの手のコネクタはアンフェノールやモレックス製の最高級品でも決して少なくない電気抵抗がある事を知っているし、コネクタそのものの信頼性も様々な条件で限りなくゼロになる事を経験(何度泣かされたか)しているからだ。
USB PDも、あの小さなコネクタで最大240W(48V 5A)の新規格が出ているが、こうした問題が出る可能性が高まってしまっている。
これらの問題は今後も要注意である。
色々調べてみると、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには“12VHPWR”という規格のコネクタが用いられており、このコネクタに問題があるようだ。
この“12VHPWR”という規格、実は今年(2022年)になってから出たばかりの規格で、採用しているATX電源は私が知る限り存在しない。
という事は既存のATX電源にあるビデオカード用の電源コネクタと“12VHPWR”の変換ケーブルが必要になるわけで、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには標準でこの変換ケーブルが付属している。
この変換ケーブルのコネクタが燃えるようだ。
ところで問題の焦点となっている“12VHPWR”だが、コネクタを見ると12の接点を持つコネクタである事がわかるが、このコネクタで最大600Wの電力供給が可能という規格らしい。
だが12Vで600Wというと50Aである。
50A!
この大電流に耐えるコネクタは、設計にしろ製造にしろ簡単ではない。
(大きくてゴツいので良ければ簡単かもしれないが)
件のコネクタは50Aを6対のピンで流すので、ピン一本当たり約8A。
“GeForce RTX 4090”は公称で450W程度の消費電力であるというから、その場合は37.5A、ピン当たり約6A。
しかし写真を見る限り電気を受け取るピンは1~1.2mm角程度の太さしかなく、ケーブル側の雌端子(コネクタ形状は雄)は指でつまむような感じで接触する構造であるはずなので、ここの接触抵抗が不揃いだと抵抗が少ないピンに電流が集中して発熱するか、抵抗が大きいピンの発熱がそれを上回るかするはずで、その発熱がコネクタの樹脂(普通は摂氏200度以上まで耐えるポリアミド樹脂製)を焼損させてしまうと。
こうなると当然金属製の端子(一般にりん青銅にスズメッキ)も熱による接触圧の低下に加えて表面が酸化したりコネクタの燃えカスが付いたりで電流が流れにくくなるので(以下略
何故こんなに脆弱なコネクタなのかと言えば答えは一つしかない。
それは
「抜き差しが固いとビデオカードやPCI-Expressコネクタが壊れてしまうから。」
という事でギリギリの設計(設計者の脳内では十分な余裕がある事にされてしまっている)に落ち着いた“12VHPWRコネクタ”だが、こうした部品は現在ほとんどすべてが中国製なので品質は推して知るべしだ。
特に中国製の部品は製造にしろ材料にしろ、品質のバラツキが多いのでこうなったのではないかと思う。
え?メーカーがしっかり品質管理しているからそんな事は無い?
いや、あるからこういう事になっているのだ。
過去にもこうした事例は枚挙に暇がない事は、少し調べればわかる事だ。
問題になっていない例は、発注している元がよほど厳格に品質検査をしているか、品質が落ちる事を計算に入れて超過剰スペックで生産しているか、或いは“そもそも品質など問わない”場合に限られる。(と、私は勝手に想像している)
よって件の変換ケーブルも、設計に余裕が無さ過ぎてそういう問題を吸収出来なかったのではないかと思う。
昨今はATX電源でもケーブルをコネクタで付け外しが出来る製品が多いが。
私はこの仕様に大反対である。
理由は、一般的にあの手のコネクタはアンフェノールやモレックス製の最高級品でも決して少なくない電気抵抗がある事を知っているし、コネクタそのものの信頼性も様々な条件で限りなくゼロになる事を経験(何度泣かされたか)しているからだ。
USB PDも、あの小さなコネクタで最大240W(48V 5A)の新規格が出ているが、こうした問題が出る可能性が高まってしまっている。
これらの問題は今後も要注意である。
純中国製ビデオカード その2 [ハードウェア]
私は以前、こんな記事を書いた。
純中国製ビデオカード
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2022-04-03
あれから半年経った今日、こんな記事を見つけた。
中国製GPU「MTT S10」を搭載したビデオカードが登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1444679.html
このビデオカードは以前書いた記事のネタになった「MTT S60」というチップのローエンド品で、「MTT S10」というチップを搭載するエントリー向けモデルだという。
私は、その性能は恐らくIntelのセレロン内蔵GPU並みと想像する。
要は廉価でディスプレイ装置を4枚とか6枚とか使いたい人に向けた製品である。
だが、それにも関わらず販売価格は800人民元(約1万6,000円)というから驚きだ。
この程度ならば精々200人民元(約3,980円)だろう。
まあ、この商品を掲載しているサイトも、まじめに売るつもりなどないのかもしれない。
純中国製ビデオカード
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2022-04-03
あれから半年経った今日、こんな記事を見つけた。
中国製GPU「MTT S10」を搭載したビデオカードが登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1444679.html
このビデオカードは以前書いた記事のネタになった「MTT S60」というチップのローエンド品で、「MTT S10」というチップを搭載するエントリー向けモデルだという。
私は、その性能は恐らくIntelのセレロン内蔵GPU並みと想像する。
要は廉価でディスプレイ装置を4枚とか6枚とか使いたい人に向けた製品である。
だが、それにも関わらず販売価格は800人民元(約1万6,000円)というから驚きだ。
この程度ならば精々200人民元(約3,980円)だろう。
まあ、この商品を掲載しているサイトも、まじめに売るつもりなどないのかもしれない。
約25年ぶりに出たIntelのdGPU [ハードウェア]
Intelから、約25年ぶりにdGPUが出た。
その名も“Intel Arc”。
今回このネタを記事に書く事にした理由は、大手PC情報サイトにベンチマークの結果が掲載されるようになったからだ。
以前よりリーク情報や個人の情報サイトなどで出ていた情報ではあるが。
そして記事を読んで思った結論を言えば、AMDやNVIDIAの同等製品と比較するとまだまだ厳しい。
こう言わざるを得ない。
推測ではあるが、こうなった理由は二つある。
一つ目は誰でも予想できると思うが、Intelがゲーム向け高性能GPUの開発に慣れていない事だ。
これまでもIntelはdGPUを視野に入れたGPUの開発は続けていたが、その間出てきた製品は業務向けのアクセラレータなどであり、ゲーム用ではなかった事からもゲーム向けに性能を出すためのノウハウはほとんど無いのではと思う。
そして二つ目。
これは製造の問題だ。
Intel Arkは元々Intelの工場で製造する前提の設計だった。
が、Intelの最先端製造プロセスは何年も開発に失敗し続けて、Intel Arkを製造するどころではなくなってしまった。
そこで急遽TSMCに製造委託する事になったため、本来の性能を出し切れていない可能性があると私は思う。
なお、TSMCでの製造が決まった背景には株主への忖度がある事はいうまでもない。
ちなみに約25年前にIntelが出したdGPUは“i740”という。
これは発表当時期待が大きすぎてハイエンド向けの超高性能チップになるという話が出るほどだったが、元々そこまで高性能を目指していたわけではなく、そのうえ開発の遅れもあって実際に製品が出た時には他社製品の高性能化が進んで時代遅れのローエンド製品にまで落ちぶれていた。
その後Intelはi740をチップセット内蔵グラフィックスとして使い、dGPU市場から完全に撤退したという過去が有る。
というワケで、今回も短期間で撤退になりそうな雰囲気はあるが。
AMDとNVIDIA2強による寡占状態が気に入らない私としては、是非他社に負けない高性能GPUを出してほしいと思っている。
あたらしいひかりでぃすく [ハードウェア]
米Folio Photonics という会社が、新しい光ディスクを発表したらしい。
光ディスクは滅びぬ。1TBあたり5ドル未満の光ストレージ技術
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1437606.html
記録容量は一枚 1TBの容量を持つディスクを10枚束ねたカートリッジを使い、ドライブ1台当たり10TBの容量となる。
製品の投入は2024年を予定しており、コストは1TBあたり5ドル未満、将来は1ドル未満を目指すという事だ。
しかしこの手の大容量光ディスクは、以前から数多発表されては消えていった。
今回もそうなるんじゃないかと思う。
また、ディスクの寿命は100年という事だが。
100年後にはドライブ本体が無いのではなかろうか。
ディスクだけ残っても、読み取る機械が無いのでは意味が無い。
ちなみに現在最も記録容量が多い光ディスクはブルーレイディスクの4層で、128GB記録出来る。
ソニーではこの4層ブルーレイディスクを12枚収めたカートリッジをアーカイブ用として売っている。
このカートリッジを使うデバイスはこちら。
SONY オプティカルディスク・アーカイブ
https://www.sony.jp/oda/
ここのWebページを見ると、主に放送局や大学で使われているらしいが。
個人的にはあらゆる面でハードディスクの方が良いように思う。
故障に関してはバックアップや冗長性を持たせるなどして対処すればいい。
まあ、米Folio Photonics が開発したモノも、イメージ的にはソニーのコレと同じという事だ。
なので、ディスクカートリッジは1TB当たり1ドルまで下がったとしても、肝心のドライブはかなり高価になるのではないか。
なんにせよ一般の消費者には無縁の話かもしれない。
参考:
4層BD-R (128GB)
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-09-19-1
ハードディスクの寿命を考える2022版 [ハードウェア]
ハードディスクを買う事はクジ引きに似ている。
何故ならハードディスクの故障は個体差が大きく、買ってすぐに壊れる物があれば10年以上使いっぱなしでも壊れない物もあるからだ。
私は信頼性重視で出来る限り長く使える物を選ぶが、その根拠となる情報は以下のWeb記事を参考にする事にしている。
Hard Drive Reliability
https://www.backblaze.com/b2/hard-drive-test-data.html
このWebページは私が過去にも何度か参考にした“Backblaze”という企業が公表する、自社のデータセンターで使われている万単位のハードディスクの故障率をメーカーや機種毎に集計したデータが書かれている。
最新のデータは2022年第2四半期の記事だが、この中の表を見ると相変わらずSeagateのハードディスクの故障率が突出して高く、HGST/WDCのハードディスクが極めて故障しにくい事がわかる。
他には東芝のハードディスクも使われているが、モノによって大きな差がある。しかしサンプルが少ない事を考慮しても大半が非常に高い故障率であるので、これらの機種は信頼性が低いのかもしれない。
とはいえ、おおまかな傾向としてはHGST/WDCが最上でSeagateが最低である事に変わりはないと思う。
さて、こうした情報を踏まえて言える事は一つ。
それは「ハードディスクが壊れるのは運次第」であるという事。
この“運”とは、自分が買った個体がどれだけ長く使えるか、というのは“買った時点で決まっている”事を言う。
そして、Backblaze社の出した統計はハズレを引く確率を示しているという事を理解しなければならない。
何もSeagateが最もハズレを引く確率が高いからと言って、HGST製との差は四半期ごとの故障率を見ても1~2%の差でしかない。
従って大抵の人はどちらのメーカーでも差を感じないはずだ。
しかも、メーカーや機種だけでなく製造ロットの当たり外れもある事を考えると、Seagateでなければ安全とはとても言えない。
以上の事から、普通にデスクトップパソコンなどで使う場合にはどのメーカーのどんな機種を買っても大した違いは無い、と言えるかもしれない。
だが仮に1%の違いでもハズレを引く可能性を下げたければHGSTを選ぶという選択は間違いではない。
実際の所、ハードディスクの寿命は使用環境による影響が非常に大きい。
特に熱とアクセス頻度はその影響が大きく、これは私の経験でも証明されている。
もちろん、取り扱いが雑で動作中のハードディスクに振動や衝撃を与えるような事は論外だが。
いずれにせよ、ハードディスクはどんなに注意深く扱っていても、壊れる時には壊れる。
取り扱いの工夫で長持ちさせる事は可能だが、データの保全を最優先したいのであれば冗長化やバックアップという手段は必ずやっておいた方がいいだろう。
参考
Hard Drive Life Expectancy
https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-life-expectancy/
HDDの寿命を予測する、6年後に何%が生き残るのか?
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2208/01/news120.html
何故ならハードディスクの故障は個体差が大きく、買ってすぐに壊れる物があれば10年以上使いっぱなしでも壊れない物もあるからだ。
私は信頼性重視で出来る限り長く使える物を選ぶが、その根拠となる情報は以下のWeb記事を参考にする事にしている。
Hard Drive Reliability
https://www.backblaze.com/b2/hard-drive-test-data.html
このWebページは私が過去にも何度か参考にした“Backblaze”という企業が公表する、自社のデータセンターで使われている万単位のハードディスクの故障率をメーカーや機種毎に集計したデータが書かれている。
最新のデータは2022年第2四半期の記事だが、この中の表を見ると相変わらずSeagateのハードディスクの故障率が突出して高く、HGST/WDCのハードディスクが極めて故障しにくい事がわかる。
他には東芝のハードディスクも使われているが、モノによって大きな差がある。しかしサンプルが少ない事を考慮しても大半が非常に高い故障率であるので、これらの機種は信頼性が低いのかもしれない。
とはいえ、おおまかな傾向としてはHGST/WDCが最上でSeagateが最低である事に変わりはないと思う。
さて、こうした情報を踏まえて言える事は一つ。
それは「ハードディスクが壊れるのは運次第」であるという事。
この“運”とは、自分が買った個体がどれだけ長く使えるか、というのは“買った時点で決まっている”事を言う。
そして、Backblaze社の出した統計はハズレを引く確率を示しているという事を理解しなければならない。
何もSeagateが最もハズレを引く確率が高いからと言って、HGST製との差は四半期ごとの故障率を見ても1~2%の差でしかない。
従って大抵の人はどちらのメーカーでも差を感じないはずだ。
しかも、メーカーや機種だけでなく製造ロットの当たり外れもある事を考えると、Seagateでなければ安全とはとても言えない。
以上の事から、普通にデスクトップパソコンなどで使う場合にはどのメーカーのどんな機種を買っても大した違いは無い、と言えるかもしれない。
だが仮に1%の違いでもハズレを引く可能性を下げたければHGSTを選ぶという選択は間違いではない。
実際の所、ハードディスクの寿命は使用環境による影響が非常に大きい。
特に熱とアクセス頻度はその影響が大きく、これは私の経験でも証明されている。
もちろん、取り扱いが雑で動作中のハードディスクに振動や衝撃を与えるような事は論外だが。
いずれにせよ、ハードディスクはどんなに注意深く扱っていても、壊れる時には壊れる。
取り扱いの工夫で長持ちさせる事は可能だが、データの保全を最優先したいのであれば冗長化やバックアップという手段は必ずやっておいた方がいいだろう。
参考
Hard Drive Life Expectancy
https://www.backblaze.com/blog/hard-drive-life-expectancy/
HDDの寿命を予測する、6年後に何%が生き残るのか?
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2208/01/news120.html
純中国製ビデオカード [ハードウェア]
一昨日「兆芯」の話題を記事に書いたが、ネタとなった記事を掲載するPC Watchに同日こんな記事が出ていた事を今日になって発見した。
DirectX対応の中国製デスクトップGPU「MTT S60」。LoLやCS:Goもプレイ可
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1399356.html
中国ではスマートフォン向けのSoCが開発されていて、その中には当然GPUが含まれる。
という事はデスクトップパソコン用のGPUを作る技術は最低限持っている事になるので、実際に開発したのが「MTT S60」というわけだ。
その「MTT S60」に使われるGPUコアは「蘇提」といい、記事中に書かれたスペックをまとめるとこんな感じになっている。
アーキテクチャ | 第一世代 MUSA |
製造プロセス | 12nm |
MUSAコア数 | 2,048 |
単精度浮動小数点 | 6T FLOPS |
フィルレート | 192G Pixel/s |
メモリ | LPDDR4x 8GB |
これらのスペックに加えて、近年必須となってきた様々なハードウェアアクセラレータを搭載する。
これらには「AIアクセラレータ」「物理エンジン」が含まれており、「H.264/H.265/AV1」のエンコード・デコード機能も持つ。
実際のところ初物というまだまだ開発の余地が残るものだし、スペック的には12nmでの製造という事もあってAMDやNVIDIAの最先端GPUには遠く及ばないものであるが。
中国製の部品は「安価で性能が良い」事と、「非常に大量に供給される」という良い点を持つ。
これはビデオメモリに比較的低速だが安価なLPDDR4xが用いられている事からも想像出来る。
絶対性能では敵わなくとも、12nmで最も電力効率が高い設計と動作周波数で用いれば、数に物を言わせてそれなりの高性能を得る事も不可能ではないと私は考えている。
ましてやゲーム用のGPUともなれば、デバイスドライバの作り方次第でゲームのフレームレートをスペック以上に引き上げる事も不可能ではない。
もちろん、その場合引き換えに多少の画質低下を伴うが、この問題はゲームに支障が無い程度に抑える事は可能なはずだ。
その結果が“フルHD解像度の環境下において、eスポーツゲームに耐えうる性能を実現”という主張につながってくるのだと思う。(とはいえ中国企業の言う事なのでかなり盛った話かもしれないが)
日本人の多くが中国が持つコンピュータに関連する技術を侮っていると思うが、これは見方によって変わる。
中国が劣るのは自国内に最先端の製造技術を持たないため、TSMCなどに外注しない限り最先端技術を駆使したハイエンドチップの設計が出来ないというだけ。
そこそこ高性能な製品を枯れた1~2世代前の微細化技術で製造するノウハウは世界トップクラスであり、またこうしたそこそこの高性能を最大限引き出して利用する技術とノウハウは世界一だと思った方がいい。
実際それで中国製スマートフォンのシェアは世界一だし、ドローンなどでも世界一の技術を持っている。
非常に安価ではあるが、いくつか不足があり、しかし実用上大きな問題にはならない。
こうした“モノ”に対する需要は大きい。
IT化された生活用品はもとより、軍事用の兵器などでもこれは同様だ。
さらに、最先端技術の獲得には非常に貪欲であり、世界各地の大学や研究室でも中国人は大活躍している。
したがって、いつか純中国製のビデオカードがAMDやNVIDIAを上回る性能を持ち、世界を席巻する未来も十分に可能性がある。
まあ、10年前とは状況が違うので、そう易々とその座を得ることは叶わないと思うが。
半導体不足はまだまだ続く [ハードウェア]
まず、記事タイトルに関する内容を書く前に一つ。
後で読み返すと確実に気分を害する記事のいくつかを削除した。
つまらない事は早く忘れる事にする。
さて、気を取り直して。
昨今のコロナ騒ぎを発端に始まった半導体不足問題。
この問題、今では原因となる要素が非常に多くかつ複雑な様相を呈して来たため、どうやらまだ当分続くようだ。
なにしろ国家間の覇権争いや各地で起きている様々な紛争が絡んで、半導体の製造に必要なエネルギーや原材料の調達にも影響が出ているのだから。
そのうえ自動車のEV化、ブロックチェーンに関する諸事情、情報化社会のさらなる高度化なども絡み、さらに気候変動の影響で経済や生産活動に滞りが散見される有様。
こうした現在のあまりに混沌とした世情は、1999年に来ると言われた世紀末が今から始まるのではないかと思うほどだ。
202x年、世界は馬〇の暴挙に飲み込まれた!
なんて具合に。
それから、世界的な物価高により拍車をかけているのがエネルギー問題で、太陽光だ、風力だ、EVだ、と騒いでいる事が完全に裏目になっている。
やるのは良いのだが、あまりにも視野狭窄かつ近視眼的な再生可能エネルギーの普及促進は、人類にとって毒にしかなっていない。
どんな薬も、効き目を期待して多く飲むと毒になるのと同じだ。
ちなみに、一時期話題になった味の素の“Abfフィルム”の問題は、素材である“Abfフィルム”よりも、これを使って基盤を生産する方が間に合っていないのだそうだ。
台湾にあるそうした基板生産を行っている企業は、その影響もあって株価が3倍になったとか。
そして、足りないのはパソコンやスマートフォン向けの最先端半導体よりも、20nmクラス以下の最先端ではない半導体の方が圧倒的だそうで、TSMCが熊本に20~28nmの製造工場を建てるのも、そういう背景があるそうだ。
まあそんなワケで、半導体といっても分野が広く、CPUやSoCなどの論理回路を集積したものだけでなく、電源や電波などを制御するためのアナログ用の製品もあったりで、その時々の事情であっちが足りないかと思ったらこんどはこっちが、という風にもなっているらしい。
そんなこんなで半導体不足はまだ数年は続きそう、というのが私の感想。
パソコンの分野では新製品の発表が続いており、景気が良さそうな雰囲気ではあるが。
まだしばらく、パソコンは今までと同じかそれ以上に、半導体不足の影響を受けるのかもしれない。
米国との価格差は倍以上 [ハードウェア]
意外にも良心価格?Radeon RX 6500 XTが3万円台で各社から登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1381934.html
明日からRadeon RX 6500 XTの販売が始まるようだ。
以前より最新ゲームが遊べるローエンドビデオカードとしてパソコン関係情報サイトで話題になっていたが。
気になる価格は米国で199ドル。
それが日本国内での価格は約3万~3万円台後半となっている。
記事ではこの値付けについて「良心価格?」と書いており、その理由に
“昨今ビデオカード価格の高騰により、日本では推奨小売価格の2倍近くなっているパターンも少なくない”
と書かれている。
これが基準で良心価格というのは明らかに異常だ。(だから“?”が付いているのだと思うが)
要するに需要と供給のバランスによって高騰しているのだが、それでもアメリカでの販売価格の2倍が基準とは。
ちなみにアメリカ人は日本人の1.5倍の物を買う事が可能な平均収入がある。
それを考えれば倍以上の価格差といっても過言ではない。
今から5年ほど前、このクラスのビデオカードは1万~1万5千円程度で売られていたと思う。
ハイエンド製品ならば高値も良いが、ローエンド製品でこれでは・・・
構成部品を見ても本来はその程度のモノなので、現在の価格高騰が如何に異常かという事を強く実感せざるを得ない。
現在のナノインプリント・リソグラフィ [ハードウェア]
今から2年以上前、私はこんな記事を書いた。
ハンコで作る、東芝のNAND
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-05-01
元ネタになった記事では、「東芝メモリら4社連合、ナノインプリントでNANDを19年にも量産へ」という見出しが付いていたのだが。
今現在はこんな状況らしい。
キオクシア、キヤノン、大日本印刷、「ナノインプリント」を2025年にも実用化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC10DEC0Q1A910C2000000/
なんと当時の予定より6年遅れの“予定”であるという。
この技術、もう無理なんじゃないだろうか。
NANDの開発競争の激しさを考えると、さすがにもう時間切れだと感じる。
だが、今ここで諦めるのはダメだという事も理解出来る。
まるで蜃気楼のようなゴールを追い続けるという技術開発は、現在半導体製造で最重要技術とも言えるEUVリソグラフィでも起きた事。
まあ、本当にゴールまで辿り着ければ、という事なのだが。
こうなった以上、キオクシアは人身御供になってもらうしかない。
そして実用化までたどり着く事が出来れば。
その果実を最初に得る事が出来るのもまた、キオクシアになるのだ。
ハンコで作る、東芝のNAND
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-05-01
元ネタになった記事では、「東芝メモリら4社連合、ナノインプリントでNANDを19年にも量産へ」という見出しが付いていたのだが。
今現在はこんな状況らしい。
キオクシア、キヤノン、大日本印刷、「ナノインプリント」を2025年にも実用化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC10DEC0Q1A910C2000000/
なんと当時の予定より6年遅れの“予定”であるという。
この技術、もう無理なんじゃないだろうか。
NANDの開発競争の激しさを考えると、さすがにもう時間切れだと感じる。
だが、今ここで諦めるのはダメだという事も理解出来る。
まるで蜃気楼のようなゴールを追い続けるという技術開発は、現在半導体製造で最重要技術とも言えるEUVリソグラフィでも起きた事。
まあ、本当にゴールまで辿り着ければ、という事なのだが。
こうなった以上、キオクシアは人身御供になってもらうしかない。
そして実用化までたどり着く事が出来れば。
その果実を最初に得る事が出来るのもまた、キオクシアになるのだ。
これを買うならPS5を買う方が良い [ハードウェア]
こんな現実は受け入れられない。
ミドルレンジのビデオカードが7万円超えだと。
7万円のRX 6600 XTカードが売り切れ続出という現実
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2109/04/news038.html
マイニングバブルが発生する以前であればこのクラスの性能帯に属するビデオカードは2万円前後、高価な物でも3万円程度だったはずだ。
それが今や6~7万円もするとは。
これならば4~5万円で買えるPS5を買う方が良い。
もっとも、そのPS5も品不足で入手が非常に困難だが。
一体何時になったら価格が正常化されるのだろう。
世界のニュースを一通り眺めると、コロナ問題以外にも価格高騰の要因が多くてまだ数年はこのままなのではないかと思えてくる。
もちろん、その間に半導体の需要が減る可能性も考えられるが、この問題で利益を得ている者達はこの状況を出来るだけ長引かせようとするだろう。
要するに価格高騰のバブルが弾けない限り、この状況はずっと変わらないのだ。
ミドルレンジのビデオカードが7万円超えだと。
7万円のRX 6600 XTカードが売り切れ続出という現実
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2109/04/news038.html
マイニングバブルが発生する以前であればこのクラスの性能帯に属するビデオカードは2万円前後、高価な物でも3万円程度だったはずだ。
それが今や6~7万円もするとは。
これならば4~5万円で買えるPS5を買う方が良い。
もっとも、そのPS5も品不足で入手が非常に困難だが。
一体何時になったら価格が正常化されるのだろう。
世界のニュースを一通り眺めると、コロナ問題以外にも価格高騰の要因が多くてまだ数年はこのままなのではないかと思えてくる。
もちろん、その間に半導体の需要が減る可能性も考えられるが、この問題で利益を得ている者達はこの状況を出来るだけ長引かせようとするだろう。
要するに価格高騰のバブルが弾けない限り、この状況はずっと変わらないのだ。
3dfxは復活できない [ハードウェア]
一週間ほど前、ネット上ではこんなニュースが話題となっていた。
“3dfxが復活する”
と。
3dfx 復活
https://duckduckgo.com/?q=3dfx+%E5%BE%A9%E6%B4%BB&atb=v265-1&ia=web
情報の出所は「3dfx Interactive の公式アカウントを自称するTwitterアカウント」。
だが3dfxは20年ほど過去にNVIDIAによって買収され、消滅している。
また、その“公式Twitter”で開示された、復活にあたって投入される製品も理解出来なかった。
例えば“3dfx Voodoo 6 PCI”。
Voodoo 6はともかく、“PCI”は無い。
他にもスマーフォンなど、再スタートするには幅広いジャンルの製品展開はあまりにも信憑性が無い。
これらを見て私は「ああ、これは偽物だな」と思った。
そしてその後、実際にこのTwitterアカウントは消え、嘘が証明された。
ところで3dfxといえば、1990年代中盤から2000年頃まで一世を風靡していた、グラフィックチップを開発する伝説的な企業。
3dfxが開発し、1995年に初めて登場したVoodooという3D専用のビデオチップは、当時3D対応ビデオカード市場のシェアを瞬く間に奪い、専用のAPIである“Glide”は3Dゲーム業界の標準APIとしての地位を確立するまでとなる。
そして続くVoodoo2は、SLIというビデオカード2枚を連携させて画面描画を行うパソコンの歴史上初めての機構で他の追随を許さない高画質と高性能を発揮し、3dfxの地位をさらに盤石なものとした。
だがその後Micro$oftが開発した3D描画APIであるDirect 3Dが一定の完成度に達すると、ゲーム業界は対応するチップがより多いDirect 3Dを主軸に使い始めるようになってGrideは使われなくなっていく。
そして3dfxは製品開発の遅延と会社経営の失敗を経て衰退し、NVIDIAによる買収という形で消滅した。
そんな3dfxだが、私は3dfxの製品が好きで、Voodooを搭載したビデオカードも購入した。
以下は私が現在所有するVoodoo搭載のビデオカード。
・Voodoo Banshee
最初に買ったVoodoo搭載のビデオカードで、Diamond Multimedia Systemsの
「Monster Fusion」。
搭載するチップは「Voodoo Banshee」。
Voodoo Bansheeは3dfxが開発した中で初めてワンチップで2Dと3Dに対応したものである。
出た当時は高性能が大変話題となって大ヒット、それまで3dfxの製品に興味を持たなかった私を
3dfxファンにした製品。
・Voodoo3 3000
Voodoo3というチップを搭載する、2番目に買ったVoodoo搭載のビデオカード。
他社のハイエンドビデオチップよりも高性能で、これも大ヒットとなった。
しかしライバルの追い上げも厳しい中で販売開始が遅れ、3dfxには大きな痛手となる。
またこの製品以降3dfxは自社のビデオチップを外販する事をやめ、搭載するビデオカードを
自社だけで生産するようになって販路が細くなり、これも仇となって衰退を始める。
・Voodoo5 5500
3dfx最後の製品となった、VSA-100というチップを二つ搭載するビデオカード。
恐らくパソコン用ビデオカード市場で初めて、補助電源コネクタを装備したビデオカードである。
相変わらずGrideをメインとしたAPIで設計され、スペックの豪華さとは裏腹に時代遅れな仕様で
ライバルに一歩及ばない微妙な性能であり、またDirect 3Dへの対応もあまり良くなかった。
開発の遅れが長引いた事もあり売れ行きは非常に悪く、3dfxの命運に止めを刺す製品となった。
というわけで。
私は3dfxに復活して欲しいという願望を持っているが、もはや3dfxの魂はこの世から消え去っているのでそれは絶対にありえない。
結局のところ、3dfxとVoodooはパソコンによる3D描画がまだ発展途上の過渡期に出たから成功したのであって、今となっては古き良き時代の遺物なのである。
NVIDIAの勢いを止められるか!? Voodoo5 5500登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000616/hotrev65.htm
こんな時代もあった [ハードウェア]
最近私物の古いデバイスを整理しているのだが、それらに関する情報を調べていると必ずヒットするWebページが存在する。
それは「アキバPC Hotline」の、編集部員が秋葉原で見つけた新製品や調べた相場を毎週掲載しているものだ。
今回はその内の一つを紹介する。
お買い得価格情報(通信販売版)1998年1月19日号
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/980117/t_price.html
今見るとなにもかもが懐かしい。
当時は何度か秋葉原まで買い出しに行ったが、そういえばこんなものもあったと思い出す。
その中でまずCPUの値段に注目する。
当時発表されたばかりの、“AMD K6 266Mhz”が「59,800円」という予価で出ている。
私はその半年くらい前にMMX Pentium 166Mhzを2万円ほどで買って250Mhzくらいにオーバークロックして使っていたが、その頃は最上位のMMX Pentium 233Mhzは5万円以上していたし、出たばかりのPentium IIなどそれ以上していたはずで、とても手が出なかった覚えがある。
とはいえ、その時パソコン一台分組み立てるために部品を揃えたのだが、用意した30万円は全て使い切った。
他には書き込みの出来ない“CD-ROMドライブ”が一万円以上していたり、5inchのハードディスク“Big foot”が売られていたり。
また、21inchのCRTディスプレイが128,000円で出ていたりするが。
それから半年もしない内に10万を切って、飛びついて買った記憶もある。
ハードディスクを見ると、この1年ほど前は1GB=1万円と言われていたのがかなり安くなって、4.3GBで約28,000円とか。
現在では1GB当たりの単価は3円程度なので、20年以上という時の流れを強く感じる。
まあ、こんな感じで昔は部品の単価が今と比べて非常に高かった。
が、CPUの値段は今とそれほど変わらないように思える。
今回わざわざこんな昔話を引っ張り出したのも、最近のCPU価格が一時期と比べて随分高くなったと思っていたが、23年前は今とそれほど変わらなかったのだな、と思ったからだ。
ただ、当時と今では絶対的な差異がある。
それはローエンドのCPUをオーバークロックする事でハイエンドCPUの性能が得られた事。
先に書いたMMX Pentium 166Mhzも、値段が倍以上する最上位機種と同じ233Mhzで当たり前に動いた。
それが今では絶対に不可能なわけで。
そう思うと、何かつまらなくなったなァと思う。
BIOSTAR B550GTA のUEFI更新 [ハードウェア]
昨日、「BIOSTAR B550GTA」のUEFI更新を行った。
更新に使ったUEFIは「B55AG621.BST」というファイル名で、アップロード日が6月21日となっている物。
更新内容は“AGESA ComboAM4v2 PI 1.2.0.3b”を適用した、となっている。
AGESA ComboAM4v2 PI 1.2.0.3bの内容については、調べてみたが正しいと確認出来る情報をみつけられなかった。
だが未確認情報でCezanne(Ryzen 5000G APU)に対応するらしい。
B550GTAの場合今年2月に出たベータ版で対応済みだが、ビジネス向けのOEM製品であるProへの対応なのでリテールパッケージの5000Gとは別対応なのかもしれない。
後は少し前に問題になっていた、USBが不安定になる不具合が修正されているとか。
これもとっくにAMDから修正されたというアナウンスが出ていたはずだが。
まだ一部で残っていたのだろうか?
USBの問題はごく一部の人しか出ていなかったようなので、修正に漏れがあったのかもしれない。
以上、修正内容は微調整の域を出ない小変更のようなので、B550チップセットが出て約一年、漸く安定したと言えるようになったと思えた。
それからUEFIの更新を行うと毎回初期設定に戻されるので、今回も設定のやりなおし。
とはいえ、Ryzen 9 5950X にしてからオーバークロックなどの設定は一切やっていないので、マザーボードのブートロゴを出さない設定と、セキュアブート周りの設定を見直すだけだが。
B550GTAの場合、セキュアブートの設定はここ(燈色枠内のSecure Boot)から入る。
セキュアブートの設定はメーカーやマザーボードによって違うし、場合によってはUEFIのバージョンによっても変わる。
ボケボケのスクリーンショットを貼り付けたが、あくまでも参考である。
また、最近Windowz11のおかげで話題になった「TPM」の設定も確認。
これも項目名からしてモノによって違うので、使われているマザーボードが違うと毎回探す事になる。
B550GTAの場合は「Trusted Computing」という項目名。
B550GTAの場合TPMの設定は「Trusted Computing」という項目名になっている。
参考に、Asrockの「Fatal1ty AB350 Gaming-ITX」の場合は「AMD fTPM switch」となっていてまったく違う。
Fatal1ty AB350 Gaming-ITXのTPM設定項目名は「AMD fTPM switch」
項目自体もメニューのどこを見れば良いかメーカーやマザーボードによって全て違うので、非常にわかり辛い。
こういう所は標準規格みたいなものが出来て統一されると良いのだが。
パソコンの設定という物は、ディップスイッチでやっていた頃からメーカーや機種ごとに違う事が普通だったワケで。
これからも変わる事なくみんなバラバラなのだろう。
参考:
BIOSTAR B550GTA
https://www.biostar.com.tw/app/en/mb/introduction.php?S_ID=984
DELL Vostro15 3000(3500) の中身 [ハードウェア]
先日、知人に頼まれてノートパソコンの代理購入とセットアップを行った。
ブツは「DELL Vostro15 3000(3500)」。
ここ2年ほどの間はAMD製のAPUを使ったノートパソコンばかり扱って来たが、AMDが色々駄目になってしまったのでIntel製に転換。
CPUはTiger LakeのCore i3を選び、1TBのハードディスクを内蔵するHDDモデルを購入したため、メインストレージをSSDに交換し、ハードディスクはデータの倉庫としてそのまま使うという計画だ。
というワケで早速分解。
中身はこんな感じで、M.2 NVMeのSSDと2.5inchのハードディスク両方を使え、メインメモリはDIMMスロット2本に搭載と、私にとって理想的な構成だ。
写真ではHDDを取り外しているが、バッテリーの左側がHDD搭載スペースとなる。
メインメモリは元が4GBなので、4GB足して合計8GBとした。
現在SSDとHDDを両方搭載可能で、メインメモリも4GB~32GBまで自由に交換出来る機種はそう多くない。
今後誰かに頼まれた時は、このDELL Vostro15 3000(3500)を主に扱っていく事になりそうだ。
それにしても、初めて触ったTiger Lakeはなかなか具合がよろしい。
恐らくこの価格帯で買えるノートパソコンの中では最も高性能なのではなかろうか。
現在Intel製のサーバー・デスクトップ向けCPUは、AMD製CPUに対し非常に苦しい戦いをしているが。
モバイルPC向けCPUの方は当分安泰であるように思う。
ブツは「DELL Vostro15 3000(3500)」。
ここ2年ほどの間はAMD製のAPUを使ったノートパソコンばかり扱って来たが、AMDが色々駄目になってしまったのでIntel製に転換。
CPUはTiger LakeのCore i3を選び、1TBのハードディスクを内蔵するHDDモデルを購入したため、メインストレージをSSDに交換し、ハードディスクはデータの倉庫としてそのまま使うという計画だ。
というワケで早速分解。
中身はこんな感じで、M.2 NVMeのSSDと2.5inchのハードディスク両方を使え、メインメモリはDIMMスロット2本に搭載と、私にとって理想的な構成だ。
写真ではHDDを取り外しているが、バッテリーの左側がHDD搭載スペースとなる。
メインメモリは元が4GBなので、4GB足して合計8GBとした。
現在SSDとHDDを両方搭載可能で、メインメモリも4GB~32GBまで自由に交換出来る機種はそう多くない。
今後誰かに頼まれた時は、このDELL Vostro15 3000(3500)を主に扱っていく事になりそうだ。
それにしても、初めて触ったTiger Lakeはなかなか具合がよろしい。
恐らくこの価格帯で買えるノートパソコンの中では最も高性能なのではなかろうか。
現在Intel製のサーバー・デスクトップ向けCPUは、AMD製CPUに対し非常に苦しい戦いをしているが。
モバイルPC向けCPUの方は当分安泰であるように思う。
やっと新しい環境に移行した [ハードウェア]
数日前より、一か月以上放置だったRyzen 9 5950X の環境への移行作業を行っていたが、やっと“ほぼ終わり”という状態まで進んだ。
放置前の状態はWindowzの基本的なカスタマイズが終わった所だったので、後はケースの中身を新しい部品に入れ替え、ハードディスクを接続し、各種アプリケーションのインストールや関連付けの修正などをすればOKだったのだが。
作業量を考えるとかなりの時間がかかるため、作業が延び延びになっていたのだ。
そして作業を始めると、トラブルの連続。
ほとんどは自らの無知と経験不足や不注意が原因だが。
ケースにCPUとヒートシンクの付いたマザーボードを突っ込めば、巨大なヒートシンクが邪魔で外さないと作業が出来なかったり。
電源ユニットを交換して配線をすれば、一か月以上作業を放置していたおかげでプラグインのSATA用ケーブルを片付けた場所が思い出せなくて、発見するまで作業が一時間程度中断したり。
中でも、全ての部品を組み終わった後、Windowzを起動したら接続したハードディスク4台全てがエクスプローラに出てこなかった事が大きな問題だった。
ハードディスクの中を読む事が出来ないと、その後の作業が何一つ出来ないからだ。
そして色々調べた結果、原因はWindowzのオートマウント機能が「Disable」になっていた事だった。
一体何故、いつの間に、ストレージのオートマウントが「Disable」になったのか。
なんにせよ、最終的にコマンドプロンプトで確認した事で解決した。
この後「automount enable」して解決。
また、他にも一度行った関連付けが外されたり、以前の環境(当然Windowz10)で動作していた古いアプリケーションが動かなかったり、とにかく大小さまざまな問題が次から次へと出た。
まあ、こうしたトラブルはWindowz10になってからはよくある事なので、過去に経験した問題は解決した時に残したメモを見て解決し、そうでないものはあひる先生を頼ってネットの検索で解決方法を探ったが。
出来れば環境移行などもう二度とやりたくはない。
だがいつかまた、やらなければならない日は必ずやって来るのだ・・・
放置前の状態はWindowzの基本的なカスタマイズが終わった所だったので、後はケースの中身を新しい部品に入れ替え、ハードディスクを接続し、各種アプリケーションのインストールや関連付けの修正などをすればOKだったのだが。
作業量を考えるとかなりの時間がかかるため、作業が延び延びになっていたのだ。
そして作業を始めると、トラブルの連続。
ほとんどは自らの無知と経験不足や不注意が原因だが。
ケースにCPUとヒートシンクの付いたマザーボードを突っ込めば、巨大なヒートシンクが邪魔で外さないと作業が出来なかったり。
電源ユニットを交換して配線をすれば、一か月以上作業を放置していたおかげでプラグインのSATA用ケーブルを片付けた場所が思い出せなくて、発見するまで作業が一時間程度中断したり。
中でも、全ての部品を組み終わった後、Windowzを起動したら接続したハードディスク4台全てがエクスプローラに出てこなかった事が大きな問題だった。
ハードディスクの中を読む事が出来ないと、その後の作業が何一つ出来ないからだ。
そして色々調べた結果、原因はWindowzのオートマウント機能が「Disable」になっていた事だった。
一体何故、いつの間に、ストレージのオートマウントが「Disable」になったのか。
なんにせよ、最終的にコマンドプロンプトで確認した事で解決した。
この後「automount enable」して解決。
また、他にも一度行った関連付けが外されたり、以前の環境(当然Windowz10)で動作していた古いアプリケーションが動かなかったり、とにかく大小さまざまな問題が次から次へと出た。
まあ、こうしたトラブルはWindowz10になってからはよくある事なので、過去に経験した問題は解決した時に残したメモを見て解決し、そうでないものはあひる先生を頼ってネットの検索で解決方法を探ったが。
出来れば環境移行などもう二度とやりたくはない。
だがいつかまた、やらなければならない日は必ずやって来るのだ・・・
NVMeなハードディスクを妄想してみる。 [ハードウェア]
今日、こんな記事をみつけた。
「NVMeのHDD」爆誕か? そもそも現実的なのか?
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2103/31/news01.html
現在ハードディスクは一般的なパソコンにはほとんど搭載されておらず、一般の消費者向け用途はAV関係のレコーダ用か、パソコンであればUSBなどで外付けする、或いはデスクトップパソコンで筐体内に増設する用途しかない。
他にはNASや監視カメラ用などもあるが、どちらも先に挙げた用途の延長だ。
こうした中、業務用のサーバー用途のハードディスクjは需要増加の一途らしい。
何故ならデータセンターなどでは企業向けのサービスや一般消費者向けのサービスで、記録しておかなければならないデータの容量が増え続けているためだ。
こうした用途にも当然SSDが多く使われるが、より多くのデータを記録するためにはまだまだハードディスクの方が有利な状況なので、これからもハードディスクの容量が上がり続ける限りそのような“使い分け”は続いていくと思われる。
一方、3.5inchハードディスクのフォームファクタは30年以上変化せず、SCSIから発展したSASインターフェイスも15年以上続く。
今の所はそれでも過不足なく使えているが、ハードディスクのフォームファクタやインターフェイスも、色々と限界に来ているのだろう。
なので、そろそろ変えてもいいんじゃないか?という議論が起きても不思議ではない。
それが、「NVMe対応ハードディスク」という話に繋がって来る。
今一般の消費者にとって“NVMe”といえば即座に思いつくのがM.2フォームファクタのSSDだろう。
現在デスクトップからノートまで、唯一のストレージとして搭載されるのであれば本に挟む“しおり”みたいな大きさと形状の、M.2フォームファクタのSSDが一般的であるからだ。
だが、NVMeというのはそもそもが「PCI Express」規格のデータバスに直結出来るストレージインターフェイスの規格である。
要はSATAやSASに代わり、それまで
PCI → ATAやSCSI等のストレージインターフェイス → ストレージ
として来たものを
PCI → ストレージ
とするための規格である。
なので規格が策定された初期から今現在まで、ビデオカードが刺さっているPCI Express x16スロットに刺すタイプのSSDがずっと使われ続けている。
という事は?
ハードディスクはさすがにPCI Express x16スロットに直結というワケにはいかないので、SATAケーブルのようなケーブルを使ってPCI Express の配線を持ってきて、ハードディスクに接続するようになるだろう。
筐体に関しては今現在使われている3.5inchフォームファクタでも問題は無いと思うが。
もしかすると、より大容量を実現するために多少大型化した筐体が策定されるかもしれない。
というワケで、NVMeなハードディスクを妄想してみると、今使われているSATAやSASの3.5inchハードディスクと見た目は同じままにインターフェイスのみがPCI Expressになるんじゃないかと。
とはいえコネクタは当然に専用設計されると思うが。
まあいずれにしても、一般の消費者には無縁の話になりそうである。
「NVMeのHDD」爆誕か? そもそも現実的なのか?
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2103/31/news01.html
現在ハードディスクは一般的なパソコンにはほとんど搭載されておらず、一般の消費者向け用途はAV関係のレコーダ用か、パソコンであればUSBなどで外付けする、或いはデスクトップパソコンで筐体内に増設する用途しかない。
他にはNASや監視カメラ用などもあるが、どちらも先に挙げた用途の延長だ。
こうした中、業務用のサーバー用途のハードディスクjは需要増加の一途らしい。
何故ならデータセンターなどでは企業向けのサービスや一般消費者向けのサービスで、記録しておかなければならないデータの容量が増え続けているためだ。
こうした用途にも当然SSDが多く使われるが、より多くのデータを記録するためにはまだまだハードディスクの方が有利な状況なので、これからもハードディスクの容量が上がり続ける限りそのような“使い分け”は続いていくと思われる。
一方、3.5inchハードディスクのフォームファクタは30年以上変化せず、SCSIから発展したSASインターフェイスも15年以上続く。
今の所はそれでも過不足なく使えているが、ハードディスクのフォームファクタやインターフェイスも、色々と限界に来ているのだろう。
なので、そろそろ変えてもいいんじゃないか?という議論が起きても不思議ではない。
それが、「NVMe対応ハードディスク」という話に繋がって来る。
今一般の消費者にとって“NVMe”といえば即座に思いつくのがM.2フォームファクタのSSDだろう。
現在デスクトップからノートまで、唯一のストレージとして搭載されるのであれば本に挟む“しおり”みたいな大きさと形状の、M.2フォームファクタのSSDが一般的であるからだ。
だが、NVMeというのはそもそもが「PCI Express」規格のデータバスに直結出来るストレージインターフェイスの規格である。
要はSATAやSASに代わり、それまで
PCI → ATAやSCSI等のストレージインターフェイス → ストレージ
として来たものを
PCI → ストレージ
とするための規格である。
なので規格が策定された初期から今現在まで、ビデオカードが刺さっているPCI Express x16スロットに刺すタイプのSSDがずっと使われ続けている。
という事は?
ハードディスクはさすがにPCI Express x16スロットに直結というワケにはいかないので、SATAケーブルのようなケーブルを使ってPCI Express の配線を持ってきて、ハードディスクに接続するようになるだろう。
筐体に関しては今現在使われている3.5inchフォームファクタでも問題は無いと思うが。
もしかすると、より大容量を実現するために多少大型化した筐体が策定されるかもしれない。
というワケで、NVMeなハードディスクを妄想してみると、今使われているSATAやSASの3.5inchハードディスクと見た目は同じままにインターフェイスのみがPCI Expressになるんじゃないかと。
とはいえコネクタは当然に専用設計されると思うが。
まあいずれにしても、一般の消費者には無縁の話になりそうである。
AMDが第3世代EPYCを発表 [ハードウェア]
AMDが第3世代EPYCを発表した。
CPUのダイはRyzenと共通なので、これでよりRyzenにまわせるダイが増える可能性が減ったわけだ。
恐らくZen3の増産は絶望的で、需要が落ち着くまで何時でも誰でも買えるRyzen 5000シリーズにはならないだろう。
で、その第3世代EPYCだが、Zen4ベースまでの“つなぎ感”が漂う。
それもそのはずで、AMDも色々と手が回らない現状、Intelの自滅に助けられての躍進なのだ。
まあ、Zen4はたぶんZen3よりもすごいのだろう。
CPUのダイはRyzenと共通なので、これでよりRyzenにまわせるダイが増える可能性が減ったわけだ。
恐らくZen3の増産は絶望的で、需要が落ち着くまで何時でも誰でも買えるRyzen 5000シリーズにはならないだろう。
で、その第3世代EPYCだが、Zen4ベースまでの“つなぎ感”が漂う。
それもそのはずで、AMDも色々と手が回らない現状、Intelの自滅に助けられての躍進なのだ。
まあ、Zen4はたぶんZen3よりもすごいのだろう。
カセットテープの思い出話し [ハードウェア]
今日、カセットテープの発明者、Lou Ottens氏が逝去したというニュースがあちこちで報道された。
私は少年時代からカセットテープのお世話になり、音楽を聴くだけでなくパソコンのプログラムを記録する媒体としても使っていたので、このニュースにより色々と思い出す事となった。
カセットテープが出る前、音楽を磁気テープに記録するには、テープの幅と大体同じ長さの円筒の両端に円盤を取り付けたリールに対して直接磁気テープを巻く「オープンリール」という名前のものが使われていたらしい。
当然機材は大掛かりになり、テープを再生装置に取り付ける事も今からすると一仕事と言えるほどの手間で、一般家庭で普及するような代物ではない。
なので当時音声を記録する事は、仕事で使っているでもない限り非常に高い壁があったはずだ。
それがカセットテープの登場で劇的に簡単になったわけで、まさに世界を変えた大発明だったと思う。
その後手のひらに乗るコンパクトなカセットは、「WALKMAN」というこれも世界を変えた大発明を生み出す。
私も当然に飛び付いて買ったし、それが許される状況であれば外出時に持ち歩くことが当たり前になっていた。
それからパソコンを使うようになると、その頃すでにフロッピーディスクが普及していたにも関わらずカセットテープの出番は少なくなかった。
何故ならフロッピーディスクは当時まだ非常に高価な記録媒体で、5.25inchのフロッピーディスクはバラ売り無しの十枚で一万八千円という値段だったし、それを扱うためのフロッピーディスクドライブなど十万円以上したのだ。
なので、十枚で一万八千円のフロッピーディスクに手の出ない子供であった私は、安い音楽用のカセットテープ(とはいっても45分テープで400円前後だったが)で、パソコンを買う前から持っていた“ラジカセ”をパソコンにつないでプログラムの保存と読み込み(SaveとLoad)をしていた。
この保存と読み込みがまた大変で、データの転送は当然にシリアル転送、しかも300ビット/秒くらいだったから、30kb(キロバイト)程度のプログラムでも10分以上かかった。
しかも、たまにエラーで失敗するので、私は音量やイコライザをいじったり、ラジカセを分解して内部のボリュームをいじってエラーが出にくいところを探したりもした。
こんな事はパソコン用のカセットテープドライブを買えばもっとエラーが出にくく、調整も専用のボリュームが装備されているため楽だったはずだ。
しかし私のパソコンにはフロッピーディスクドライブが最初から付いていたのでそんなものに金を使う気も起きず、そうこうする内にフロッピーディスクのバラ売りをする店を見つけて一枚1500円くらいだったか?で買うようになったため、カセットテープの出番は少なくなっていき、その内にまったく使わなくなった。
まあそんな感じで、使っていたのは一年かそこらだったと思うが、カセットテープとパソコンという組み合わせには色々思い出がある。
そういえばテープが切れて修理したなんて事もあったなァ。
・・・最後に、Lou Ottens氏の冥福を祈って記事の終りとしよう。
合掌。
キーボードの掃除 [ハードウェア]
よし、キーボードの掃除をしよう。
そう思い立ったのは、最近キーボードの汚れが目立つ事が気になってきたから。
いつもは数ヶ月に一度、簡単に表面のホコリを払ったり中性洗剤を混ぜた水を使って拭き掃除をする程度なのだが。
今回は全部バラして大掃除だ。
かれこれ十年以上使い続けているが、キートップまでバラして清掃した事は無かったために内部のホコリの堆積も無視出来ないレベルになっていたのだ。
というワケで分解。
以下の写真はキーボードの基盤と外したキートップを並べたものだが、基盤を覆うキースイッチを固定する鉄板はかなり汚れが酷く、お見せする事にかなりの抵抗があったために清掃後のものとなる。
(ちなみにこのキーボードはFILCOのマジェスタッチ FKB108M/JB というシロモノ。)
ここまで分解すると清掃はかなりやりやすい。
今までスキマが狭く手が入らなかった場所の全てを掃除出来るからだ。
特に内部のホコリとキートップ側面の汚れは、組み立てられた状態では掃除がほぼ不可能。
バラさなくてもキートップは工具を使えば外せるので、ここまでする必要は無いかもしれないが。
まあとにかくこうして外せる部品を全部外した方がきれいに出来る事は間違いない。
その結果、以下のようになった。
上が掃除前、下が掃除後。
低解像度の写真ではわかりにくいかもしれないが、掃除する前はキートップ側面の汚れは目立ち、キーのスキマから見えるホコリも多くかなり汚い。
だが清掃後はよく使うキーのテカリ以外は新品に近いと思えるほどになった。
おかげで気分は晴れやか、ヘタクソなキーボード入力も清掃前より捗るというものだ。
まあそんなワケで、約二時間かけてキーボードを掃除した。
数百円~二千円台程度のキーボードならば、数年に一度買い替えた方が安上がりな作業だが。
このキーボードとはヘタをすれば一生の付き合いになるかもしれない。
そう思い立ったのは、最近キーボードの汚れが目立つ事が気になってきたから。
いつもは数ヶ月に一度、簡単に表面のホコリを払ったり中性洗剤を混ぜた水を使って拭き掃除をする程度なのだが。
今回は全部バラして大掃除だ。
かれこれ十年以上使い続けているが、キートップまでバラして清掃した事は無かったために内部のホコリの堆積も無視出来ないレベルになっていたのだ。
というワケで分解。
以下の写真はキーボードの基盤と外したキートップを並べたものだが、基盤を覆うキースイッチを固定する鉄板はかなり汚れが酷く、お見せする事にかなりの抵抗があったために清掃後のものとなる。
(ちなみにこのキーボードはFILCOのマジェスタッチ FKB108M/JB というシロモノ。)
ここまで分解すると清掃はかなりやりやすい。
今までスキマが狭く手が入らなかった場所の全てを掃除出来るからだ。
特に内部のホコリとキートップ側面の汚れは、組み立てられた状態では掃除がほぼ不可能。
バラさなくてもキートップは工具を使えば外せるので、ここまでする必要は無いかもしれないが。
まあとにかくこうして外せる部品を全部外した方がきれいに出来る事は間違いない。
その結果、以下のようになった。
上が掃除前、下が掃除後。
低解像度の写真ではわかりにくいかもしれないが、掃除する前はキートップ側面の汚れは目立ち、キーのスキマから見えるホコリも多くかなり汚い。
だが清掃後はよく使うキーのテカリ以外は新品に近いと思えるほどになった。
おかげで気分は晴れやか、ヘタクソなキーボード入力も清掃前より捗るというものだ。
まあそんなワケで、約二時間かけてキーボードを掃除した。
数百円~二千円台程度のキーボードならば、数年に一度買い替えた方が安上がりな作業だが。
このキーボードとはヘタをすれば一生の付き合いになるかもしれない。