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「X86-S」アーキテクチャ [CPU]

少々古いニュースだが、現在インテルは16bitと32bitの機能を削った、64bitソフトウェアだけをサポートするアーキテクチャ「X86-S」の策定をしているらしい。

16bit/32bitサポートの“終息”でより高性能なCPUを
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2305/22/news123.html

Intel、新「X86-S」アーキテクチャで8086互換を切り捨て
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1502222.html


記事によると、この「X86-S」とやらはまだ正式に決まったわけではない。

が、いずれ正式に発表され、これに伴ってWindows OSもそれに倣う事になるだろう。


ただ救いなのは、32bitのサポートを「Compatibility Mode」として残すという。

これは恐らく、ソフトウェア的に32bitモードをエミュレートする機能になるのだろう。

互換性が完全であるかという不安は残るが、Windowz95の頃から使い続けているソフトウェアは動いてくれると思う。

しかし。

16bitのプログラムで書かれたソフトウェアは完全に切り捨てられる事になる。


ほとんど全部の人はいまさら16bit なソフトウェアなど使う機会すら無いだろう。

困るのは私のように長年利用してきた古いソフトウェアの中に16bitの物が含まれている人々だ。

もちろん替えが効くのであればMS-Dosの頃から存在する古いソフトウェアなど使う理由は無い。

だがしかし、替えが効かないからこそ私は使い続けているのだ。

なので、16bitのサポートが切れると非常に困る。


とはいえ、この「X86-S」がこの世に出るのはまだずっと先の事だろう。

そのうえOSまでが16bitのサポートを終了するのはもっと先になると思う。

その頃には、私はもうこの世を去っている可能性すらある。

また16bitのソフトウェアでたまに動かす物はフロッピーディスクで使う物がほとんどだ。

だから、必要ならばそれだけのために古いパソコンを維持すれば良い。

なので、事実上心配は無用なのかもしれない。




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今後のローエンドCPUの価格 [CPU]

私が初めて自作パソコンを組み立てたのは1997年9月の事。

当時は新品のデスクトップパソコンで一番安い物でも15万円前後はしていたと記憶している。

しかし、自分で部品を買って組み立てると同等スペックのパソコンが10万円以下だった。

ちなみにその時私が選んだCPUは、秋葉原の高架下の店でバルクで売られていたローエンドCPUのMMX Pentium 166Mhzで、確か1万8千円だったと思う。(当然だがオーバークロックして、バルクで4~5万円していたMMX Pentium 233Mhzと同じ動作周波数で使った)


その後ローエンドCPUは価格の下落が続き、2000年以降は5千円前後の時代が長く続いていた。

一番安い時はCeleronが3780円とかそんなものだった気がする。

現在は世界的なインフレと円安の影響があるにしても、最新のCeleronが7千円台で買える。

だがそういう時代はもうすぐ終わってしまうようだ。


この記事を読むとその理由をよく理解出来る。

消える100ドル未満のプロセッサ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/tidbit/1457501.html


記事の内容を要約すると以下の二つに絞られる。

一つはCPUの製造原価が上がっている事。

昨今のCPUはEUVリソグラフィを用いる製造プロセスに変わっているため、ウエハの製造原価がハネ上がっている。

しかも今後は複数のチップを一つのパッケージに乗せる“チップレット”とか“Foveros”が主流になるので、一個のチップ価格がダイ面積の削減で安くなったとしても複数のチップを載せるので相殺されるどころか逆に原価が上がり、さらにパッケージも複雑になってこれも原価を押し上げる要因になっている。

この二つの要因によって、今後は単純な原価が100ドル以上になるという話だ。

ただ、ローエンドCPUの場合選別落ちのチップを使うなどするので単純にそうとも言えない部分がある。

例えば“Core i”の名を付けられない選別落ちのダイを捨てずにローエンド製品に使うのであれば、原価計算が変わるという事も考えられるからだ。


そして二つ目。

昨今のOSとアプリケーションがとても重くなっているという事から、今までのように「作業内容が軽い用途ではCeleronで十分」という考えが通用しにくくなっている事。

たしかにCeleronのパソコンはWindows updateがとても重く、時間がかかる。

WordやExcelのファイルを開くにも、Celeronだと数秒から十数秒待たされる事がある。

この辺りは単にアプリケーションのプログラムがゴミという事なのだが、もう今の時点でそれが普通なのだ。

かつては限られたCPUの性能を如何に生かすか、というプログラム技術が必要な時代だったが、今は有り余るCPUパワーでゴミ同然の遅いプログラムを力で動かす時代という事だ。

なにしろWindowsのエクスプローラーはWindows95の時代の方がレスポンスが良いのはよく知られた話。

CPUの処理能力が1/1000の時代よりも、今のプログラムの方が遅いのである。

だから、CPUパワーが足りないと生産性が極度に落ちる、というワケだ。

すると性能が低すぎるCPUは売れなくなるので、ある程度コストをかけた高性能CPUがローエンドに収まると。


以上の事から、現在の為替レートで計算した場合、今後のローエンドCPUの価格は2万円前後にまで上がる可能性があると。

まあ実際には1万2千円~くらいになるとは思うが・・・

ただそれでも私が初めて自作した時よりは安いのか。

しかし当時はオーバークロックで場合によっては倍以上の性能に上げる事が出来た。

嗚呼、何か色々と喪失感を味わう事が多い時代だなァ・・・



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Ryzen 9 7590X、一か月で最速の座を明け渡す [CPU]

AMDのハイエンドCPU、Ryzen 9 7590Xが出て約一か月。

出た当時こそゲームではほぼ同等、それ以外の性能比較でIntelのCore i9-12900Kを大きく引き離し、最速の座に君臨したが。

数日前に出たCore i9-13900Kによって、あっさりと最速の座を明け渡す事になった。

一か月前Ryzen 9 7590Xが出時はこんな事になるんじゃないかと思っていたが、その通りになったわけだ。


ここからは、Ryzen 9 7590XとCore i9-13900Kの比較について私が印象的に感じた事を書こうと思う。

まずパソコン関係情報サイトのレビュー記事を読んで一番印象に残ったのは消費電力だ。

どちらもTDP(正しくは各CPUで違う記号だが)が120Wを超えている事と、最大消費電力が250Wを超えている。

一般家庭で使うCPUが、当たり前に250Wを消費するようになるとは。

1996年にPentium 200Mhzが出た時、TDP15Wという数字に「なんて消費電力が多いCPUなんだ!」と驚いたのが懐かしい。

250Wというと、その頃の自作パソコン向けのケースに付属する電源が250W前後だった。

それが今や、CPUだけで250Wだ。


次に印象に残ったのは、Ryzen 9 7590XとCore i9-13900Kにはそれぞれ得手不得手があるという事。

Core i9-13900Kが現時点で最速といっても、全ての比較項目で最速ではない。

主にコンテンツ制作用アプリケーションのベンチマークではRyzen 9 7590Xに負ける事が多いのだ。

これは16コアすべてがIntelで言うところのPコアであるRyzen 9 7590Xに対し、Core i9-13900KはPコアが8コアしかない事が関係しているのかもしれない。

ただし、この辺りはソフトウェア側がEコアを上手く使えていないだけ、という事も考えられるから、最適化が進めばこの分野でもRyzenを圧倒する可能性がある。

一方でゲーム用途ではCore i9-13900Kが圧倒的だ。

デスクトップパソコンではゲーム用途での性能が重視される事が多いので、Intelがここを徹底的に鍛え上げた事を感じさせる。

コンピューターゲームで賞金を狙うような人達にとって今後はIntel一択という事になるのかもしれない。


さて。

このような結果になった、今年のAMDとIntelによる性能競争。

来年以降がどうなるのか。

まあ私にはどちらが上かなどというのはもうどうでも良い事だ。

どっちもガンバレ!


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Zen4が正式発表されるが、相変わらずのAMDクオリティらしい [CPU]


今日、AMDの新しいRyzenが発表された。

このRyzenは7000シリーズの型番を与えられたデスクトップ向けの製品で、以前からZen4と呼ばれているものだ。

すでに日本国内のPC情報サイトなどではこの発表に関する記事が掲載されているが、これらの記事によると新しいRyzen 7000シリーズはこんな感じらしい。

・発売日は世界同時で9月27日。
・価格は7600Xが299ドル、7700Xが399ドル、7900Xが549ドル、7950Xが699ドル。
・全てのモデルでCPUクーラーは別売りになった。
・性能はIPCが平均13%向上、動作周波数が最大5.7Ghzで、アプリケーションは最大49%
 処理能力が上がる
・消費電力は下位2製品はTDPが105Wと6コアの製品が65Wから大幅にアップ、上位2製品に
 至っては 双方がTDP170Wとハネ上がっている。
・製造はTSMCのN5(5nm)。

以上。

性能の大幅アップは消費電力の増大と引き換えに動作周波数を引き上げた結果か。

ただ、UEFIの設定でTDPを下げる事も可能と思われるので、性能向上を控えめにすれば消費電力を下げる事は可能と思う。

それでも5000シリーズより2~3割の性能向上が見込めるようだが。


まあ、私個人の感想としてはAMDの苦しさを感じる。

理由は性能向上と引き換えるにはあまりにも多い消費電力。

5950XがTDP105Wに対して最大消費電力は140Wを超えるので、7950XであればTDP170Wなので最大消費電力は200Wを超えるかもしれない。

このようにZen4が従来105Wが上限だったTDPを大幅に超えた理由は、ゲーマーを中心に消費電力を上げてでも性能が欲しいという要望があったため、という事らしいが。

この後に出る予定の、IntelのRaptor Lakeを意識しているという説明があるとすればその方が納得出来る。

なんにせよ私は5950Xですら性能を持て余しているので、新製品を買うとするならまだ数年先になりそうだ。


なお、例によってAMDの新製品はしばらくの間ベータ版のまま売られる事になる模様。

過去にメインメモリの相性問題が必ずと言っていいほど出たが、今回もありそうだからだ。

その根拠は以下の二つのうわさである。

一つ目、現在CPU-Zのベンチマークを動かすと80%ほど進んだ所で止まってしまうらしい。

二つ目、UEFIの問題で販売開始が9月15日から9月27日に延期されたらしい。

さて、どうなることやら。



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AMDの“Mendocino” [CPU]

まァ、もう古いネタなのだが。

AMDは新たにローエンドモバイルPC向けのAPUを発表した。

その名も“Mendocino”。

“Mendocino”と言えば、かつて一世を風靡したCeleron 300Aの事。

もう20年以上前の話なので、AMDが使っても問題は無く、当時のブームに肖っての命名なのだろうか。


さて、私が興味を惹かれるのはコードネームだけではない。

具体的にはCPUコアとGPUコアの組み合わせで、CPUコアは今となっては時代遅れのZen2、一方でGPUコアは現在最新のRDNA2である。

これは何を意味するのか。

Zen2といえば歴史に残る高性能CPUコアではあるが、Zen4を控える今となっては明らかに時代遅れ。

しかもモバイル向けの省電力CPUコアという視点で見ても、登場した当時でさえ時代遅れの代物である。

一方でGPUコアのRDNA2は最新のアーキテクチャであり、性能と省電力のバランスが非常に優れている。

なので、なんとなくアンバランスな組み合わせに思える。


しかし私は、このようにも思う。

省電力性で劣る時代遅れのZen2コアも、省電力性という点に関しては当時のまま実装されるワケではないだろう。

そしてダイに占める面積が最先端のCPUコアよりも少なく、しかし性能的にはIntelの競合製品に劣るものではない、という利点がある。

さらにGPUに関しても、熟成の結果獲得した高性能と省電力のバランスを持つRDNA2である。

この組み合わせが、2022年以降の1~2年間でローエンド製品としてどうなのか、と言ったら。

十分に通用すると思う。


問題は価格であるが、現在のAthlonと同程度であれば価格対性能比でかなり上昇する。

なにしろ現在売られている7~10万円程度のノートパソコンの性能が、ローエンドの価格帯である5~6万円程度まで下りてくるのだ。

もしAMDの“Mendocino”が出たら、IntelのCeleronが持つシェアをかなり奪う可能性があると思う。

AMDにとっては利益の薄い商いになるかもしれないが、実需の8割はこうしたローエンド製品で十分という考えを持つ私には、数が出るのであれば馬鹿に出来ない大きな利益になると考えている。


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Zen4は統合GPUを持つ [CPU]

AMD製のCPUは、Zen4の世代でやっとCPU内蔵GPU(以下統合GPU)を持つ事になりそうだ。

これまでもAMDには“APU”というGPU内蔵CPUを2011年頃から売っていたが、今日に至るまでAPUはモバイルパソコン(要はノートパソコン)向けに設計された物をデスクトップ向けに転用していた。

この点が、自社のCPUを幅広く普及させるためにデスクトップ専用に設計されたCPUにも統合GPUを持たせていたIntelと大きく違う。

そして、AMDはこれまでデスクトップ向けに設計(これも厳密にはサーバ向けのCPUコアを転用)されたCPUには統合GPUを持たせなかった。


その理由は色々あるが、これも元をただせば“入れたかったけど出来なかった”

理由は製造プロセスの微細化が進まなくて、GPUを内蔵させるとダイが大きくなりすぎる=高額になって売れないとか、ただでさえ性能が低いCPUを少しでも良くしようと頑張った結果、動作周波数と消費電力の問題でGPUの内臓を諦めたとか、そんな消極的なものだ。

そしてRyzen登場以降、デスクトップ向けCPUはハイエンド市場に注力し、ハイエンド市場≒ゲーム用パソコンであればどうせ統合GPUなど使わずに個別のビデオカードを使う人がほとんどなので不要、という理由で統合GPUを入れて来なかった。

しかし、その選択は市場を狭くする。

事実Intel製のハイエンドCPUは統合GPUのみを使う人の方が圧倒的多数なのだ。


そして現在。AMDにとって、機は熟した。

製造プロセスの微細化はTSMCのおかげでIntelよりも進んで、ダイの大きさも様々な工夫で解決、CPUコアの性能もIntelとの競争力を十分持つに至った。

ブランドの浸透と確立も、かつてのほとんど誰も知らない上に知っている人には安かろう悪かろうの状態から脱却を果たした。

今では高性能≒AMDだし、一般の消費者に対してはまだまだだけれども、企業向けにはAMDの良さが広く浸透している。

まあ、ともかく製造面では統合GPUを載せる余裕が出来て、それをたくさん売るための市場も準備が出来たと。


というワケで、Zen4は統合GPUを持つ。

やっと。

そしてそのGPUはIOダイに統合されるそうだ。

CPUのダイがサーバ用と共用である以上、当然の事だと思うが。

なんにせよ私には都合が良い。

ゲームなどしないがCPUパワーはそれなりに欲しいという人はとても多く、私もその一人だからだ。

そういう人にとって、安くて高性能なパソコンを手に入れるには統合GPUを持つCPUが必須。

ところが、今まではAPUがその任を負っていたがこれは元々ノートパソコン用で、そっちが売れていればデスクトップ用になど回せる余裕などありはしない。(一応出回ってはいるが数が少なすぎる)

だがZen4からは、デスクトップ専用のCPUもAPUとなるのだ。

こうしてAMDは順調に市場のシェアを伸ばす事になる・・・かもしれない。


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中国製のx86互換CPUは性能的にまだまだ [CPU]


今日、ネット上のニュース記事をいくつか漁っているとこんな記事を発見した。


中国・兆芯製x86「KX-U6780A」が“Core i5級の性能”かどうか検証してみた
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1399623.html


私は以前、このシリーズのCPUに関する記事を書いた。

中国製x86互換CPU「開先KX-6000」の恐怖
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2018-09-21

記事の日付を見るともう3年半も前の事だ。

そして今日発見した記事によると、「開先KX-6000」シリーズは2019年に発売され、現在でも売られているらしい。

なお後継の「開先KX-7000」シリーズはまだ出ていないという。


さて、以前の情報によれば「開先KX-6000」の性能は“第7世代Core i5並み”であるはずだ。

だが私が書いた過去の記事でも、その主張は信憑性がないと思って

“もし本当だとすれば”

と書いている。

今回発見した記事では実際に「開先KX-6000」が乗ったマザーボードを購入してテストしているので、実際どうなのかがわかるはずだ。


記事による検証では比較対象に“第7世代Core i5”と同じコア・スレッド数の第8世代Core i3 を選んでいるが、比較のデータを見る限り思っていた以上に性能が低かった。

動作周波数が2.7Ghzと低い事もあるが、CINEBENCH R23ではシングルスレッドの性能は1/3、マルチスレッドはコア数が倍の8コアにも関わらず2/3強といったところで、この性能は同周波数のセレロン以下ではないかと思う。

まあこの数字は元となっているVIAのCPUを考えると納得するところではある。

そして他のテストでも大体が2割前後~半分以下の性能でしかなく、コアの設計が古いVIA製CPUからあまり進歩していないように思えた。


というワケで。

中国製のx86互換CPUは、今の所Windowz10がなんとか動くレベルでしかなく、実用性はWeb閲覧や軽い事務用途以外ほとんど無いという結論になった。

スマートフォン向けのSoCなどは中国製にかなり侵略されているが、x86互換CPUに関してはまだ当分安泰であるようだ。

だが、油断してはならない。

過去30年以上に渡って世界が油断した結果が今の状態なのだ。

気が付いたら水面下で中国に支配されていた。

そんな事にならないためにも、中国製の電子部品は極力不要な社会を作らなければならないと思う。



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焼け石に水 [CPU]

米AMDは昨日15日、Ryzenの新しい製品を正式に発表したようだ。

ラインナップの筆頭には、昨年から話題になっていたL3キャッシュが3倍の「Ryzen 7 5800X3D」が。

他は99ドルから299ドルまでの、ミドルレンジ以下の製品が全部で6種類。


私の正直な感想として、「Ryzen 7 5800X3D」以外に見るべき物は無い。

特に比較的低い価格帯へ投入された「Ryzen 3 4100」や「Ryzen 5 4600G」辺りなど、今更過ぎる上にあまりにも中途半端すぎる。

しかも円安の影響もあって、99ドルの「Ryzen 3 4100」では日本での税込み価格は2万円近い値付けになるだろう。

他のCPUも米ドルの数字の150~200倍弱程度になると思われるので、もしそうなったらより客足が遠退くのは間違いない。

そして唯一注目に値する「Ryzen 7 5800X3D」だが。

これも499ドルでは8万円程度になるだろうから、仮にIntelのCPUより性能が上になったとしても、買い替えの需要はほとんど見込めず、新規に組む人も多くがCore i9を選ぶような気がする。

そのうえこの後控えているZen4の事を考えると、今すぐ最高性能(しかもかなり微妙な)が欲しい人だけ買うかもしれない。

まあそれ以前に流通量が少なすぎて、幻のCPUになるような気もするが。


そんなワケで、最近値下げして8万円台にまで下がったRyzen 9 5950Xといい、こうしたシェア低下への対策はやらないよりはマシ程度の効果しか出ないと思う。

どうせやるなら半年早くやれよと言いたい。

そしてAMDのCPUはもう性能対価格の比がかなり悪いので、もっと安くしないと日本では売れないよ。

それでも自作向けはブランド価値を落とさないよう、高価格を維持する方が得かもしれないが。

いずれにせよ今回の新製品はZen4までの“つなぎ”に過ぎない。

既に十分な性能を持つパソコンを組み立て終えている人は、Zen4以降を待つ方が賢いのは間違いない。


これが今、本当のAMDの実力
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2022-02-22


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エムワンウルトラ! [CPU]

いやまさか、こんな事までするとは思わなかったよ、Apple。


Apple、M1 Maxのダイを2基連結したモンスターCPU「M1 Ultra」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1393817.html


M1 MAX でも十分にスゴイのに、それを二つワンパッケージにしたCPUを出すとは。

記事によると、CPU性能はCore i9-12900Kと比較して同じ消費電力で9割高く、GPU性能はGeForce RTX 3090と同程度らしい。

当然、最大性能時の消費電力も少ないため、電力効率は高い。

そして、このCPUはデスクトップ向けという事だ。

最大消費電力は恐らく200Wを軽く超えるため、ノートパソコンに載せる事は困難だと思われる。


この「M1 Ultra」に対し直接のライバルになり得るのは、Ryzen Threadripper にGeForce RTX 3090を載せたデスクトップワークステーションか。

消費電力は3倍以上になるだろうが。

この比較でx86系CPUのパソコンが唯一持てる長所があるとすれば、それはメインメモリの最大搭載量。

「M1 Ultra」はCPUパッケージに直接搭載されたDRAMが128GBあるが、増設は不可能。

一方でRyzen Threadripper の場合マザーボードにメモリスロットが8本あるから、そこへ64GBのモジュールを刺せば最大で512GBに出来る。

また、CPU性能を落としてRyzen 9 5950X で組むとすれば、それでも最大256GBまで搭載出来る。

だがメインメモリを128GB以上必要とする用途はかなり限られる。

したがって、デスクトップワークステーションが必要な需要の大部分を「M1 Ultra」はカバー出来るだろう。

ただし。

ソフトウェア等の作業環境が「M1 Ultra」に対応していればの話だが。


なんにせよ、このスペックは驚異的だ。

PC/AT互換機の規格や、ATXフォームファクタの縛りが無いAppleだからこそ可能だった荒業だが、別の視点で見れば現在のPC/AT互換機業界の考え方が古いだけ、とも言える。

私は7年ほど前にパッケージ上にメモリを載せたAPUの提案をしているが、AMD内部でもその当時すでにそのようなAPUを検討していたという。

なので、出そうと思えばもうとっくに出す事が可能であったはずだが。

彼らがこのまま現在の地位に胡坐をかいていると、不利益を被るのは我々一般の消費者だ。

10年近く続いたIntel一強時代の停滞が無ければ・・・と思うのは都合が良すぎるか。


AMDの“Zen”と、HBM
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-08

富岳とM1の共通点
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-11-18

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これが今、本当のAMDの実力 [CPU]


日本国内でAMD CPUの販売シェアが急速に低下、Intelの半分以下に
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1390186.html

まあ、こんなもんだろ、と。

特に日本は、AMDにとって不利な国民性や、購買力が低いにも関わらず米国よりも大幅に販売価格が高いなど、シェア拡大の足枷がある。

何よりも一番痛いのがAPUの不足で、低価格でコストパフォーマンスの高い領域の商品があまりにも少ない。

そのうえ一時期の熱が冷めて、CPUの性能もIntelより低いとなればこうなって当然だ。


とはいえ、サーバー分野の大躍進は今も続いているし、一般消費者にはブランドの認知が広がっている。

Zen4以降の出来と、販売戦略次第ではまだシェアを伸ばす事は可能だろう。


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AMDは日本市場を半ば見捨てている [CPU]

今日、最近新型コロナによる個人向けPC需要も落ち着きを見せ始めたので、価格ドットコムでノートパソコンがどうなっているか見たのだが。

AMDとIntelの最新CPU(APU)を搭載するノートパソコンに絞って比較したところ、約9割がTiger Lakeという有様。

AMDの旧機種を入れると多少マシになるが。

しかも、絶対性能はもちろん、コストパフォーマンス的に見ても圧倒的にTiger Lake搭載機種の方が良い。

少なくとも日本国内では、もうAMDを選ぶ理由は無いと思った。

あるとしたら一部の限られた用途か、頑なにAMD製CPUのパソコンを買い続ける覚悟を持った人だけだろう。


しかし、何故こうもAMD製APUを搭載したノートパソコンが少ないのか。

APUの生産量はそれほど変化していないと思うのだが。

そこで思いつく理由は一つ。

日本市場が儲からないから、という理由だ。


日本人の平均購買力は先進国の中でも底辺で、2020年の世界統計ではオマーンに次ぐ30位。

シンガポールの半分以下、アメリカの2/3でしかない。
(蛇足になるが、世界と比較して日本人の平均購買力が“急激に落ちた”主因は大幅かつ急激な円安である。もちろん、複合要因として切り離せない相対的な生産性低下や国内での個人所得が上がらないという理由もあるが)

それは当然物価にも反映されていて、「世界一生活費が高い国」と言われたのも今は昔。

そんな市場に製品を投入しても大した利益は期待出来ないのだ。

しかも、さらに進む円安+世界的なインフレにより、輸入品であるパソコンとその部品は輸入価格が大きく上昇。

中級以下の製品があまりにも高すぎると当然売れないから、売る側は利益を削るか、中級以下を捨てて利幅が大きい高額商品に注力するしかない。

Intelのように市場の支配力があり、大口の顧客を多数抱えて商品の供給責任が重いのであれば話は違うが、そういう意味では真逆のAMDは無理をして日本で商売する必要は微塵も無いのだ。


こうなると当然にパソコンメーカーもAMD製APU搭載ノートパソコンは日本向けの商品を減らすし、自作向けの部品もハイエンド製品が中心になって、比較的安価な、Intelで言うPentium ~ Core i5相当の製品は必要最小限の供給に留まるのだと思う。


なので、「AMDが欲しいのではなくパソコンが必要」という人は、もうAMD製のCPU(APU)を使ったパソコンを選ぶ理由がなくなってしまった。

少なくとも私は、これからのノートパソコンはIntel製CPUの機種を選ぶし、デスクトップパソコンを組み立てる場合も特に理由が無ければIntel製CPUを使って組む事になるだろう。

・・・まあ、自分用にはAMDを選ぶ“かも”しれないが。


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Alder Lake について [CPU]


昨日、IntelのAlder Lakeが正式に発表され、11月4日の発売日が予告された。

このAlder Lakeは、従来のx86系CPUには無い新しい構造を持つ。

それは「Big & Little」という、省電力コア(以降、Eコア)と高処理能力コア(以降、Pコア)を組み合わせた非対称マルチコアである。

Alder Lakeの場合、EコアにはATOM系のコアである“Gracemont”が、Pコアには“Golden Cove”が使われているのだが、同じBig & Little構成の一般的なArm系CPUと大きく違うのが「Intel Thread Director」という仕組みで、CPUの能力を出来るだけ効率的に引き出せるようにEコアとPコアへプログラムの処理=スレッドを割り当てるようになっている。

つまり、Arm系のようなEコアからPコアへの完全な切り替えではなく、EコアとPコア両方が協調して動作する。

その結果同じ16コアのCore i9-12900KとRyzen 9 5950Xを比較すると、ベンチマークのスコアはCore i9-12900Kが上回るという結果になるようである。

不思議なのは同じ16コアとはいえ、Core i9-12900Kの場合は半分がEコアなのに全てがPコアであるRyzen 9 5950Xを上回る事。


その原因はなんだろう?

いくらCore i9-12900KのIPCがRyzen 9 5950Xよりも上とはいえ、それはGolden CoveのPコアだけの話である。

16コア全てを使うマルチスレッド処理ならば、Eコアが足を引っ張ってCore i9-12900Kのスコアはもっと伸び悩むはず。

この問題に関する答えは、以下の記事にあった。

第12世代Core、PコアとEコアという2種類のCPUの組み合わせなのになぜRyzenより速い?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1361961.html


答えを一言で言えば、「Intel Thread Director」が優秀な仕事をしているから、となる。

全てのプログラムとデータがL1~L3キャッシュの中に収まってしまうのであれば話は変わるのかもしれないが、どのような処理であれCPUは全ての力を利用者が求める一定の処理だけに注ぎ込んでいる訳ではない。

なので、OSのスケジューラとCPUのスケジューラが協調してPコアが得意な処理は全てPコアに回して、それ以外をEコアで処理する、という事をやっているようだ。

また、3D画像処理や動画のエンコードなど、現在の浮動点少数演算は昔のように原始的な浮動小数点演算器が一つ一つバカ正直に計算しているわけではない。

一般にSIMD命令と呼ばれる、複雑な演算処理の答えを一発で出すハードウェアアクセラレータと言うべき命令処理回路を使う。

これをEコアにも持たせればPコアと同等の結果を出す事は簡単なワケで、恐らくそういう事なのだろう。


まァそんなワケで、史上最強のx86 CPUの座を奪還した? IntelのAlder Lake。

これに対するAMDのCPUはZen4となるのだが。

出るのは一年後くらいになるらしいので、その頃にはIntelも新しいCPUを出して来るに違いない。

AppleのM1の存在もあるし、この先CPUのパワー競争はどうなっていくのか興味深い。


参考:

Windows11とAlder LakeとDDR5メモリ
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2021-10-06


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M1 ProとM1 Maxに脱帽 [CPU]


かつてAMDが掲げた理想をAppleが実現した。

CPUもGPUも最高性能となったM1 ProとM1 Max、課題はアプリケーション対応
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1359506.html


まさにAPUの到達点。

設計思想が現在のx86と違う事がこのような結果を生んだのか。

なんにせよ、先を越されたという感じがする。


現在のCPUが持つ最大のボトルネックはメインメモリが遅い事。

この問題は世界中で最も多く使われるWindowsパソコン、PC/AT互換機共通の問題でもあり、かつ今のままでは永遠に解決不可能な問題でもある。

もちろん解決といっても“完全”には無理で、いくらか緩和する事が精々だが。

それでもCPUのパッケージ上にメインメモリを載せる事は、現在の技術で可能な答えの一つである事に違いはない。

可能であれば、現在3次キャッシュとして登載されるメモリをそのまま64GBにまで増量出来れば良いのだが。

これはAMDが来年早々にでも出荷するZen3+に使われている技術、「3D Chiplet Stacking Technology」を発展させて、現在たったの198MBであるものを桁違いに大容量化させなければならない。


なんにせよ、メモリ帯域が最大400GB/sともなればCPUにしろGPUにしろ遅いはずがない。

ましてやTSMCの5nmプロセスで製造され、トランジスタ数も大幅に増量されているのだ。

IntelとAMDはM1と同様の技術を導入するか、それに代わる技術を開発しない限り、今後永遠にApple製のCPUより遅いCPUしか開発出来ないだろう。


参考:

AMDの“Zen”と、HBM
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-08
富岳とM1の共通点
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-11-18



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パッケージ版Ryzen 5000Gが発表される [CPU]


Zen3コアを持つAPUは、現在ノートパソコン向けが先行して売られている。

一方でデスクトップ向けAPUはAthlonからRyzenまで、パッケージ版(いわゆるリテール版)が全て市場から消えて、日本国内はZen2コアを持つOEM向けのRyzen Pro 4000Gシリーズがバルクで少量単品販売されるのみ。

つまり、APUでパソコンを組み立てる方法がほとんど無い状況であり、今年夏に出ると言われて来たRyzen 5000Gが長く待たれて来た。

そんな中、昨日PC系情報サイト各所でRyzen 5000Gのレビュー記事が一斉に解禁され、発売日も正式に発表された。

8月6日19時発売! Zen 3採用APU(中略)先行レビュー
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2108/03/news156.html

Zen 3コアとなり、リテール版も用意された「Ryzen 7 5700G」(中略)をテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1341994.html

Ryzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gを試す(後略)
https://news.mynavi.jp/article/20210803-1938212/

Zen 3世代のAPU(中略)はPCパーツ高騰時代の救世主なのか?
https://ascii.jp/elem/000/004/064/4064768/

というワケで、8月6日に発売であるという事だ。

ただ残念な事に発売されるのはハイエンドモデルのみで、Ryzen 5700Gが5万1,800円、Ryzen 5600Gでも3万6,800円もする。

Athlonで組むならパソコン一台分の部品が買える値段である。

とにかく安くパソコンを組み立てたい人には、まだ当分IntelのCeleronやPentium、或いはCore i3などのお世話になるしかなさそうだ。


さて、肝心の性能については、レビュー記事を一通り見た限りRyzen Pro 4000Gシリーズから買い替えるほどではない。

性能が向上したのはCPUコアが1割~2割程度であり、GPUは微増でほぼ据え置きに等しい。

CPUコアの性能は確かに有意な差があるが、現在APUを使っていて今よりもCPU性能が欲しいのであればGPUコアを持たないRyzenの方が高性能なので、そちらを選ぶべきだと思う。

ただ、TDPが65W、最大消費電力が100W程度なので、小型パソコンで出来るだけ高性能が欲しければこれ以外に選択肢は無いわけで、そういう需要に対しては良い選択肢になるのだろう。


というワケで、ビデオカードを内蔵出来ない小型パソコンで最高性能が欲しければ唯一と言える選択肢のRyzen 5000Gシリーズ。

高性能の代償は価値に見合うか微妙に思えるほどの値段の高さであるが。

これが唯一の選択肢であり続ける限り、高値を受け入れるしかないだろう。

そしてRyzen 9 5950Xを使う私にはセカンドPC用の用途として魅力的ではあるが、そのような用途では4コアもあれば十分であり、APUの価格も1万円台半ば未満でないと納得出来ないため、現在使うRyzen 3 3200Gで良いや、となるのだった。

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日本では10年経っても作れない [CPU]


現在、最先端の半導体は国家安全保障の要である。

この最先端半導体の内、CPUなどに使われる一桁nmの微細加工技術には必ず必要になる装置が存在する。

それがEUV露光装置

7nmまではArF液浸露光という方法でEUV無しでも製造実績があるが、今後は製造コストの面でEUVの方が優位になる上、5nm以下の微細加工にはEUVが必須となる。


そんなEUV露光装置であるが、かつては日本がEUV露光装置開発の最先端を走っていたにも関わらず、開発に失敗。

唯一開発に成功し、現在製造しているのがオランダのASMLという企業で、このASMLの製造する露光装置はArF液浸であっても日本のニコンが製造する露光装置のシェア約6%に対し約94%(2019年出荷額予想)と大きく上回っている。

こうした背景から、今後日本の企業がEUV光装置を開発する事は不可能で、二桁、或いは三桁nmクラスで十分な製造プロセスに使われるEUVではない光を使うの露光装置を細々と開発するのがやっと、という現状が見える。(もちろん二桁nm以上の露光装置も無ければ最先端技術は成立しないため、そういう意味では重要だが)

そして、半導体の製造ではある意味日本を追い越していると言える中国は、半導体の製造を自国の技術だけで行うために国を挙げて日々研鑽している。

その内に材料や半導体製造装置など、日本の持つ優位な分野ですら追い越してしまうのではないかと思う。


アメリカVS中国の半導体開発競争で鍵を握るオランダ企業の精密機械とは?
https://gigazine.net/news/20210706-asml-photolithography-machine/


この記事には

「中国が同様の装置を自前で作るには少なくともあと10年はかかると考えられています。」

と書かれている。

私は思う。

中国ならば可能かもしれない。(失敗する可能性もあるが)

だが日本は無理。可能性すら存在しない。

何故なら、過去に存在した半導体関連のあらゆる国家プロジェクトは全て失敗しているし、もう何年も前にニコンもキヤノンもEUV露光装置の開発から完全に手を引いているからである。


追記:

記事を上げ忘れていたら、この件に関連する新しいGIGAZINEの記事が出ていた。

半導体製造業の復活を試みる日本の取り組みに対する海外メディアの評価とは?
https://gigazine.net/news/20210706-japan-semiconductor/

海外の評価も私と同じで、“ほとんど不可能”と書かれている。


参考:

半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1803/02/news039.html

半導体のEUV露光で高まる日本メーカーの存在感、普及はどこまで進む?
https://newswitch.jp/p/25417

半導体装置市場、報じられない地殻変動
https://biz-journal.jp/2019/11/post_126627.html

日本のEUV周辺技術開発企業「EIDEC」が解散 - 日本のEUVの研究協業が終焉
https://news.mynavi.jp/article/20190403-801385/



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Athlonが消えた [CPU]

今日、知人よりパソコンを一台組んで欲しいと依頼されたので、部品の調達をしようとネット通販の店をいくつか見て回ったのだが。

Athlonの在庫を持っている店がゼロ。

幸い手元に新品在庫が一つあったので事なきを得たが。


一方でバルクのRyzen APU(4750Gなど)は潤沢に在庫があるようだ。

また、GPUを持たないAMD製のCPUもまた、潤沢に在庫がある。

これは一体何を意味しているのか。

ちなみに同じダイを使うノートパソコン向けは、割と最近までAthlonが非常に少なかったが今は潤沢で、逆にそれまで多かったローエンドのRyzen 3 4350が消えて、中間グレードの3500や4500は多く出回っている。

ZenコアのAthlonはGLOBALFOUNDRIESの14nmプロセスで製造されているので、昨今の半導体不足の影響は比較的少ないと思うが。
※追記:一部のAthlon3000番台(SilverとかGoldと付く物)はCPUコアがZen+で、GFの12nmプロセスで製造されているらしい。

AMDはZenコアのCPUを売り始めた頃から、主にハイエンド製品を中心にした製品展開で利益率を上げる戦略を採っている。(それ以前も主にサーバー向けCPUに力を入れて利益率を上げようとしていたが、Bulldozer系のCPUを開発して失敗、6年以上の間、超ローエンド路線で細々と食い繋いでいた)

ローエンドCPU(APU)の種類や流通量が少ない理由がそれだが、ノートPCにAthlonを持って行かれて自作市場に流す余裕は無いという事か。

まあ何が理由であるにせよ、私にとって都合の悪い状況である事に違いはない。


とにかく今後Athlonが手に入らなければ、ローエンドCPUでデスクトップPCを組む場合にはIntel製のCPUを選ぶしかなくなる。

何しろ1万円程度で買えたローエンドのRyzen APUも、だいぶ前から流通が止まっているのだ。

まあ、今となってはそれも良いだろう。

以前のようにIntel製CPUを使えば良いだけだ。


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最近のAMDについて色々と [CPU]


今年4月末から、自作市場向けのRyzen 5000シリーズリテールパッケージの在庫が潤沢となった。

あれから一か月経つが、その状況に変わりは無い。

発売から半年近く、流通量が極めて少数で販売店の在庫も枯渇が続いていたのに、何故突然こうなったのか。

色々と想像は出来るが、本当の所はわからない。


なんにせよそのおかげで振り回されたのは、自作市場でRyzenのハイエンドCPUを求める消費者達だ。

私個人としては、こんな事態になるのであれば発売日をRocket Lakeと同じ今年3月にすれば良かったと思う。

ちなみに、せっかく在庫が潤沢になったにもかかわらず、Ryzen 5000シリーズの売れ行きはそれほど良くないように見える。

なにしろRyzen 3000シリーズと違ってもう値下がりが始まっているのだ。(5950Xだけはわずかに値上がりしているが、一部でポイントによる実質的な大幅値引きが始まっている)

・・・まあ、AMDに対するイメージが地に落ちたという事で、この件はこれ以上言うまい。
(知人に頼まれていたノートパソコンの調達も、AMDではなくIntelの物を選ぶ事に決めた。)


さて、次は技術的なお話し。

今日見つけたネット上での記事で、AMDの「3D Chiplet Technology」に関するものがある。

これはすでに「Lakefield」として製品化され市場に出ているIntelの「Foveros」と同様の考え方で、CPUやSoCに使われるダイをRyzenのように平面に並べるのではなく“上に積み重ねる”という技術であり、これからの主流になると思われる技術だ。

この技術が採用される背景には、今後製造プロセスの微細化が物理的に不可能になる事でトランジスタの密度を上げられなくなり、これ以上高性能化を進めるとCPUのダイが肥大化する事が避けられない、という事情がある。

ダイの肥大化は製造コストを上げる事になるが、ダイを機能ごとに分割して製造する事でコスト削減が可能だ。

AMDのRyzenに採用されているチップレット戦略というものは製造プロセスの微細化よりも回路規模の拡大が進んでしまったために採用されたが、平面に並べる事でダイ同士を接続する配線が長くなって信号の伝達に遅延が生じ、それが性能向上の足を引っ張るという問題を生んでいる。

だが、ダイを上に積み重ねる事が出来れば、ダイの肥大化と配線長の問題双方を解決出来るというワケだ。


AMDの場合、今年中に出るかもしれないZen3コアの新しいCPUに採用する見込みで、CPUコアの上に積み重ねるのはL3キャッシュのSRAMになる。

これは極めて無難な選択で、複雑な論理回路は熱で容易に動作不良を起こすが、回路の単純なSRAMであれば設計と製造の工夫でそれをある程度防ぐ事が可能だ。

Intelの「Lakefield」はAMDのそれとまったく違って、下に各種のIO機能を持つダイを置いて、上にCPUコアとGPU、メモリコントローラが置かれている。

このため、ハイパワーなCPUに使うと温度上昇でIO関係の動作が怪しくなる恐れがあると私は思うが、「Lakefield」は最初から省電力なモバイル向けCPUとして開発されており、QualcomのSocに対抗する製品という位置付けになっているため、そのような心配事はまったく無い。

このように同じ3Dパッケージ技術であっても、アプローチがまったく異なるのが興味深い。


なお、SRAMを積層して従来の3倍のL3を持つ新しいRyzenは、ゲームなどで既存のRyzenよりも15%ほど高い性能を見せるという事だ。(とはいえ、製造プロセスの改良が無ければ最大動作周波数は若干下がると予想する)

単純にL3が3倍に増えたからと言って全ての用途で15%も性能が上がるとは思えないが、複雑な計算が必要なゲームであればこのような結果になってもおかしくはない。

そういう意味では用途を選ぶCPUになりそうだが、問題は値段である。

この3D積層技術はまだ黎明期という事もあるので、当分は高付加価値の要求される製品にのみ採用されるのかもしれない。



AMD RyzenがIntelより優位な理由。プロセッサの競争軸を変えていく「3Dパッケージング技術」とは?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1328626.html

AMD、高速L3キャッシュでゲーム性能を15%向上させる3D積層技術
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1328426.html

AMDの「3D V-Cache」とは何か? TSMCのSoIC技術から正体を考察する
https://news.mynavi.jp/article/20210602-1898128/



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忙しくて手が付けられない [CPU]

Ryzen 9 5950Xを買って、もう何日経つのか。

バラックで組み立ててWindowz10のインストールまでやったものの、いまだそこから先に進んでいない。


理由は忙しいから。


今日も朝から出かけて夕方帰宅、その後また私用で出かけて帰ったのは10時過ぎ。

平日も夜は疲労と雑事の消化でパソコンどころじゃない。

この記事も寝る前の10分で書いている。


あれだけ望んだ5950Xの環境を堪能出来るのはいつになるのだろうか・・・・・・・・・・・・




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仮に組んでみた [CPU]


先日購入したRyzen 9 5950Xを仮に組んでみた。

このために新しく用意した部品は、CPUの他にマザーボードのB550GTAとヒートシンクの忍者五、それから電源にAntecのNE750 Goldの3つ。

5950x_c.jpg
仮組み状態のRyzen 9 5950Xシステム一式。ビデオカードは撮影の為に外している。

これらに加えてテスト用のメモリとビデオカードを適当に組み立てて、いつか使おうと買っておいた「PLEXTOR PX-512M9PGN+」を下してWindowz10をインストール。


しかし忍者五の大きさには閉口した。

この大きさと重さは色々と不安になるほどだ。何か対策をしなければ。

それからWindowz10を入れる前にB550GTAに対してUEFIのアップデートと設定を行ったが、この間CPUは省電力モードでは無いのかVRMの温度が非常に高くなっていた事が気になる。

ケースに入れた場合はVRM付近の冷却を考えて、追加のファンと導風板かなにかを設置したくなった。

5950x_d.jpg
組み立てた忍者五を横から撮影。
裏の端子類を覆うカバーと120mmのファンが当たるため、ファンを多少上に上げなければならなかった。


というワケでWindowz10のタスクマネージャを起動してスクリーンショットを取ったのが以下の画像。

5950x_tm.png

32個のCPUコアが認識されている絵は圧巻だ。

さて、これから環境構築しなければ・・・


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結局買いました [CPU]

こんな言葉がある。

「金を使ったら、また稼げばいい。」

当然、これは常日頃からコスト意識を持ち、無駄遣いを極力控えているという前提条件があってこそだが。


Ryzen9 5950Xの想定外の値上げで気を削がれるものの、通販の在庫があったため買ってしまった。

また、私はRyzen9 5950Xの購入に先立って数か月前からB550 チップセットのマザーボードやヒートシンクなどを購入している。

先行して他の部品を買う程度には楽しみにしていたのだ。

5950x_a.jpg
Ryzen9 5950Xとその他の部品。ヒートシンクの箱の、なんという大きさか!


実際の所 Ryzen9 5950Xなど買っても私には宝の持ち腐れだし、5nmプロセスで製造されるZen4やZen5が出ればZen3など完全に過去の物になるだろう。

約4年前のハイエンドだった4コア8スレッドのCore i7 7700Kよりも現在ローエンドのRyzen3 4350の方が高性能であるように、たった数年で10万円超えのCPUが現在のローエンド以下になってしまうかもしれない。

そんな可能性をいくら考えても意味は無いし、趣味で買う以上、どこまで行っても自己満足の世界でしかない。

5950x_b.jpg
Ryzen9 5950Xの箱と中身。コストダウンのためか、ローエンドCPUと同じ箱(ただし印刷は違う)が使われる。
そして本来ヒートシンクの入る部分にはボール紙の隙間埋めが…


というワケで。

元々割高なうえに値上げとなってバカバカしいと感じつつも、結局買いましたとさ。



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Ryzen 9 5950Xの在庫が復活したが [CPU]


今日何気なく価格.comを見ると、いくつかの店舗でRyzen 9 5950Xの在庫が復活していた。

が、初値が¥106,800だったのに、並行輸入でない物は全て11万円超え。

元々AMDの想定売価が800ドルなのに10万円以上の値付けがされていたのが、何故値上がりしているのか。

なんとなくバカバカしくなって買う気が失せるが、わずかに物欲が勝っているため金曜日までNTT-X Storeの在庫があれば買っても良いかと思う。


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良いニュースと悪いニュース [CPU]


今日は良いニュースを悪いニュースがあった。

良いニュースは、Zen3コアのAPU“Cezanne”のデスクトップ向けモデルが正式に発表された事。

ラインナップは4・6・8コアの3種にそれぞれ通常版と省電力版の2種の計6種類。

これらはビジネス向けのセキュリティ機能を持つPro版ではなく通常版だ。

過去にAMDはZen2コアのAPU“Renoir”を、パソコン需要の過半を占めるノート向けとデスクトップパソコンの最大市場であるビジネス向けに全てを振り向けた。

その結果ビジネス向けのPro版は大量に余って、日本国内ではバルク販売するという事態になっている。

なので今回Pro版ではなく通常版を先に出した事は、過去の失敗を反映したものと個人的に思いついたが。

単に供給量の少なさゆえに大手パソコンメーカーの注文数を満たせないのか、テレワークの影響でビジネス用デスクトップパソコンの需要が大幅に減ったからなのかもしれない。

なんにせよ通常版の方が自作向けマザーボードと相性が良いわけで、そういう需要に対しては朗報と言える。


そして悪いニュースだが。

当初リテールパッケージで出すという予告がAMD関係者からあったにも関わらず、デスクトップ向けの“Cezanne”は全てOEM向けになるという。

これはただでさえノート用の需要に対し供給が足りていない現状では仕方のない事かもしれないが、自分でパソコンを組み立てたい者にとっては絶望でしかない。

世界的な半導体不足の現状、AMDが自社のCPUのためにTSMCの生産枠をもっと確保したくても出来ない事は容易に想像出来るので、リテール販売の“Cezanne”が実現する可能性はとても低いだろう。

希望的観測をすると、今から半年程度後であれば出るかもしれないが。

コロナウイルスの問題が今年中にどうなるかは、ワクチンの接種が進みつつある今でも予測は出来ない。

コロナ以外にも様々な不安要因が世界には多く存在するので、それらの影響もある。

“Cezanne”のリテール販売は「出たらいいなあ」くらいに薄い期待で待つのが良いのかもしれない。



AMDがZen 3アーキテクチャ採用のデスクトップ向け新APU「Ryzen 5000G」シリーズを発表
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2104/14/news066.html

AMD、Zen 3アーキテクチャに刷新したGPU内蔵の「Ryzen 5000G」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1318466.html


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嗚呼、何故こうも嘘が多いのか [CPU]


今日こんなWebサイトを発見した。

【2021年最新版】AMD Ryzenについて調べてみたらすごかった
https://jp.ext.hp.com/directplus/cpu/ryzen/

現在パソコン市場でDELLと並ぶシェアを持つヒューレットパッカード(以下HP)の、Ryzenを紹介するサイトだ。

私はタイトルを読んで一体何をすごいと言っているのか気になったので見たのだが。


なんだこれは?


ツッコミどころが多すぎる。


たとえば記事中に“CPUの性能を決める「コア数」です。”とあるが。

これは性能を示す一要素に過ぎないため、まるでこれが全てであるかのような表現は間違っている。


そして次はマルチタスク。

記事中には“Youtubeでお気に入りの (中略) インターネットで調べる。”とあるが。

これはマルチタスクではない!!!


次。

“Ryzenは「高性能」なのに「低価格」を実現しています”

とあるが、2021年現在は別に低価格でもなんでもない。

少なくとも単品販売のRyzenは過去よりも大幅に値上がりしている。

まあその分パソコン製造会社に卸すバルクのCPUは値引きされているのだろう。

完成品のパソコンを買う人にとっては低価格なのかもしれない。


次。

ファブレスである事をメリットとしているが。

現在のAMDはファブレスである事が理由で商機を逃しまくっている事を何故隠すのか。

それに自社工場を持つ持たないは諸刃の剣であるので、一概になんとも言えないと思うのだが。

ちなみにIntelと三星はファブレスではないが大成功している。

話が矛盾するではないか。

まあ、過去AMDが倒産の危機を免れるためにファブレスになったのは事実だから、そういう意味では成功しているといえるが・・・


次。

記事には“BCNの記事によると(中略)インテル社を逆転しました。”とあるが。

これは自作市場で流通する単品販売のシェアで、実際に出回っているCPUの総数ではない。

完成品のパソコンを売ってるHPがこういうデータの流用をする事は間違っている。

ちなみにここで表示されているグラフでは、CPUの平均単価が2019年7月にはIntelと逆転している。

ひとつ前の説明で“低価格”と書いているのに矛盾しているではないか。


とまあそんなワケで、嘘だらけで最低最悪の記事を開陳してしまった日本HP。

・・・まあこれ以上は何も言うまい。



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この時のために流通を抑えていたのかと [CPU]


ここ数日になって突然、Ryzen 7 5800Xが潤沢に流通しているようだ。

思うに、Rocket Lake発売のタイミングで在庫を確保するため、これまであえて倉庫に積んでいたとしか思えない。


私は思う。

これはAMDのCPUが欲しい人に対する背任行為に等しい悪手であると。

製造上の理由と“マーケティング戦略”とやらのためには仕方のない事なのかもしれないが。

これまで出荷を絞っていたおかげで離れていった消費者は、もう戻らない。


だがそれ以上に、私が買うつもりのRyzen 9 5950Xが全然出て来ない事が不満だ。

これからはThreadripperやEPYCのために大量のCPUダイが必要になるため、5950Xは今のまま幻になるかもしれない。


店に行けば欲しい人が何時でも買える。

そうなるのは、Zen2のRyzen 9がそうであるように、Zen4のRyzenが出るまで無理なのかもしれない。



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Apple M1を上回る…と言えなくもない? [CPU]


「Ryzen 7 5800U」はApple M1を上回る性能で、Intel並みの長時間駆動を実現
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1315668.html


この記事のタイトルを見て違和感を覚える人はどれほど居るだろうか。

確かにベンチマークの結果は“一部”で上回っているが。


ちなみにRyzen 7 5800UとM1は、それぞれこんな感じで違う。


Ryzen 7 5800U
コア数:8
最大動作周波数:4.4GHz

M1
コア数:4+4(Big & Little)
最大動作周波数:3.2GHz


これで上回っているのは、ほぼマルチスレッド性能のみ。

内蔵GPUの性能などヘタをすると1/3以下なのだ。

しかも動画のエンコードなど、ハードウェアアクセラレータを持たない(或いはあっても貧弱)ため、M1と比べると比較にならないほど遅い。

また、マルチスレッド性能が高いというのはスペックを比べれば当たり前といえるもので、M1は実質4コアでしかも動作周波数も3Ghz程度に過ぎないのに対し、Ryzen 7 5800Uはコア数で倍、動作周波数も3割増しである。(とはいえ8コア全部フル回転だと多少下がるだろうが)


まあ、確かに浮動小数点演算をマルチスレッドでブン回すような処理をさせれば、間違いなく1番ではあるが。

それ以外が全敗なので勝った気になれない。

そう思うのは私だけだろうか。



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Rocket Lake-Sが発売 [CPU]


今日、ついにIntelのRocket Lake-Sが発売された。

ネット上の情報サイトではレビュー記事が解禁され、いくつか読んでみたが。

思ったほどの性能向上は無かったものの、多くのベンチマークで同じコア数のRyzenを上回る結果を残していた。

例えばCINEBENCH R23では、同じ8コア同士でCore i9-11900Kのシングルスレッドが1674という結果に対し、Ryzen 7 5800Xは1599という結果。

ちなみにマルチスレッドはRocket Lake-Sの完敗で、消費電力の多さが足を引っ張っていると思える結果となっていた。


他にも一通り見た感じ、一長一短はあれど、シングルスレッド性能がものを言う処理ではIntelの言葉通りにRyzenを上回っている印象で、逆にマルチスレッド性能が重視される処理ではRyzenに分があるように見えた。

この事は、いまだ多くのアプリケーションソフトウエアがマルチスレッドに最適化されていない現在、十分なアピールポイントとなり得る。

ましてや、Zen3のRyzenはあまりに流通量が少なく、事実上幻のCPU。

秋葉原ではRocket Lake-Sが出る数週間前ですでにIntelとAMDのシェアが逆転している事から、消費者はいくら高性能でも手に入らないCPUよりも手に入るCPUを買う事がはっきりしている。

待てる客より待てない客の方が圧倒的多数なのだ。


というワケで、14nmプロセスという周回遅れの製造プロセスにも関わらす、実用的な意味でRyzenを超える性能を実現したRocket Lake-Sは売れるだろう。

今までZen3なRyzenが欲しくて入手できる機会を待っていた消費者も、Rocket Lake-Sを買う者が多く出ると予想される。

また、大手パソコンメーカーもこれまで以上に積極的に採用する事は間違いない。


こうしてAMDは商機を逃がして、同時に顧客をも失う。

昔見た光景をまた繰り返すのか、AMD。



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停滞中 [CPU]

ここしばらくはこれといったネタが無い状態が続いている。

色々と忙しい事もあるが、PC業界も私の興味を引くネタがあまりないというのもある。

また、Zen3のCPUが手に入らない事も困る。

半導体不足でTSMCの製造が逼迫している事もあって、AMDのRyzenは“好評の割に思ったほど売れなかったZen2とZen2コアのAPU”は在庫がダブついているにも関わらず、今一番必要とされているZen3がまったく足りていないのだ。


ただまあ、今月は良い話題もまったく無いわけではない。

一つはZen3のAPU“Cezanne”を搭載したノートパソコンが、極めて少数ながら流通し始めている事。

そしてもう一つ、今月(2021年3月)末に、IntelのRocket Lake-Sが出荷される見込みだという事だ。


ちなみに現在の世界的半導体不足は、Intelにとってかなりの追い風になっているはずである。

何故ならAMDはTSMCに生産委託している関係で生産量を増やす事が非常に困難であるが、Intelは自社工場を持つうえに他社の半導体をほとんど作っていない。

恐らくIntelの工場への半導体製造依頼は以前よりも増えたかもしれないが、元々Intelの工場は諸事情で他社の半導体生産を受注しづらい状況にある。

なので、自分達のCPUを作るうえで障害になるものは、製造プロセスの開発に失敗し続けている事以外に存在しないのだ。

よって、14nmプロセスで生産されるRocket Lake-Sは、私の知り得ない理由が無い限り出荷開始と共に潤沢に流通するだろう。

しかもRocket Lake-Sはデスクトップ向けのCPUなので、OEM向けの需要もノートパソコン用CPUと違いそれほど多くは無い事から自作市場へ流される量も確保しやすいと思われ、さらにZen3と比較してIPCも優秀であるため消費電力が多めである事を許容出来れば8コア以下の需要に対し、入手性も含めてRyzenよりも相当有利だ思う。


というワケで、Zen3のAPUが載ったノートパソコンが欲しいなぁと思うと共に、Rocket Lake-Sがどんなモノか楽しみなので発売日が待ち遠しい今日この頃。

Zen3のAPUが載ったノートパソコンについてはAsusのゲーム用ハイエンドくらいしか今は買えないので、普通のが出るまで待つしか。

デスクトップ向けのZen3は・・・もう半ばあきらめている。


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Zen3 APU“Cezanne”がついに発表 [CPU]


現在開催されているCES 2021にて、ついにZen3 APU(以下Cezanne)が正式発表された。

これまでもリーク情報などを注視して来たが、これからやっと正しい情報が得られる。


AMD、Zen 3アーキテクチャ採用のモバイル向けCPU
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1299728.html


AMDの発表によるとCezanneはIntelのTiger Lakeより高速らしいが、私はほとんど同じか少し(或は大幅に)負けると思っている。

ただ現在のモバイル向けCPUの場合、パソコン本体の熱設計電力がどうなっているかによって同じ型番のCPUでもかなり性能差が出るため、単純な比較は難しいが・・・

まあ実際のところはどうなのか、モノが出た後に実物を使ったテストが証明してくれるだろう。


しかしそれよりも気になる事は、一年前に出たZen2 APU(以下Renoir)すら十分に出回っているとは言えない中でCezanneが出るという事。

RyzenやPS5が品薄である理由は「味の素」にあった
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2021-01-10

こんな事情も噂される中、需要を満たす十分な量を生産出来るのだろうか。

また、型番のリストを確認すると同じ5000番台のAPUであるにも関わらずZen2コアの物が混ざっていた。(該当するものは 5300U / 5500U / 5700U の3種)

こういう事はZen3が欲しくて買ったのに実はZen2だった、という事につながるのでダメだと思うのだが、そもそもパソコンを欲しがる顧客のほとんどがCPUの世代と性能の違いなど理解していないので問題ないのか。

だが私のように色々調べている消費者は、割合で言うと1割にも満たないが人数で言えば相当数居るし、その内の何割かは詳細に調べて間違う事は無いが、残りは間違えて買う可能性がある。

まあ、無知のまま気付かない方が幸せなのかもしれない。

とにかくCezanneが足りない分をRenoirのリネーム品であるLucienneで補うという事は、それほど供給が間に合っていないという事だ。

早ければ2月にCezanneを搭載したパソコンが出るという事だが、流通量は期待出来ないだろう。


最後に、デスクトップ向けのCezanneについて。

デスクトップ向けのCezanneは第二四半期に出るという事なので、早ければ4月中、遅ければ6月という事だ。

供給が間に合っていない状況が何時改善されるかによって実際に流通する時期や数が変わってくるため、これもあまり期待できないかもしれない。

ただ、今回はリテールパッケージで提供されるという話である。

デスクトップ版のRenoirは数少ない搭載製品を買うか、基本マザーボードと抱き合わせのバルク販売のものを買うかしかなく、ある意味幻のAPUになってしまった。

だがリテールパッケージで供給されれば自作派にとっては入手しやすくなるだろう。

とはいえ、出ても当分の間は品薄で入手難の時期が続くと予想される。


参考
Ryzen 5000Gシリーズに2つのコアが混在する理由 AMD CPUロードマップ
https://ascii.jp/elem/000/004/039/4039743/

AMD、Ryzen 5000 MobileやRDNA 2 Mobile、更に第3世代EPYCなど公開 - CES 2021
https://news.mynavi.jp/article/20210113-1641475/



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Rocket Lake-S のシングルスレッド性能は期待通りか [CPU]


あけましておめでとうございます。

今年もヨロシクお願いいたします。


という事で今年初のネタは、Intelより2021年第一四半期に発売される予定の“Rocket Lake-S”。

気になっていたのであひる先生にお尋ねすると、いくつかのサイトで“Rocket Lake-S”ことCore i9 11900Kのベンチマークスコアが掲載されていた。

Core i9 11900K Bench
https://duckduckgo.com/?q=Core+i9+11900K+Bench&ia=web

記事のタイトル通りこれらはリーク情報であり、正式なものではない。

だがシングルスレッドの性能がZen3を超える事は確実のようである。

一方でコア数は8コアが上限なので、マルチスレッドの性能は相変わらずZen3が最速だ。


ところで“Rocket Lake-S”のコア数が前モデルのComet Lake-Sよりも減った理由は、ダイサイズと消費電力(≒熱問題)の制約であろう。

いまだ14nmプロセスで製造されるIntel製デスクトップCPUは、これまでAMDに対抗するため最大4コアから6コア、8コア、10コアと増えて来たが、コアが増えれば当然にダイサイズが大きくなる。

そのためウエハ一枚から採れるダイの減少に加えて歩留まりの低下にも悩まされて来たし、同時に消費電力の増大にも悩まされて来た。

その一方で最大16コアのRyzenにはマルチスレッド性能で大差を付けられて、無理にコア数を増やしても到底対抗出来る状態ではない。

ならばいっその事最大8コアにしてダイサイズと14nmの消費電力問題を緩和※し、シングルスレッド性能が向上した新コアを採用する事で確実に勝てる分野でシェア確保をしようとするのは合理的な判断だ。
※14nmの消費電力問題とは、CPUは一般により縮小された製造プロセスのCPUよりもトランジスタの駆動電圧を下げる事が難しいために、動作周波数を上げていくと消費電力が大幅に増えてしまうという問題。CPUコアを減らせば単純に負荷が減るので、消費電力を削減出来る。

実際のところ、一般的なパソコンであれば8コアもあれば十分であり、販売数量の大半は8コア以下。

無理にAMDと同じ土俵で戦う意味は、現在のIntelにはまったく無いのである。

そして来年以降に出る10nmプロセスを使った新しいCPUは、最大16コア以上である事は確実。

経営に大きな余裕のあるIntelは、ハイエンド分野でAMD製CPUに勝つのはこの時でも遅くはない。


とまあそんなワケで、数ヶ月以内に出るであろう“Rocket Lake-S”は期待通りのシングルスレッド性能であり、ゲームなどのシングルスレッド性能が重要な分野で最速の座を奪還する事は確実である。


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Zen3がより扱いやすくなるアップデート [CPU]


Ryzen 5000、まだ本気を出していなかった。新しい最適化機能で性能をさらに引き上げ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1291044.html

まあ“ダメ人間の常套句”のような言葉が入っている記事の見出しはともかく、impressの記事によるとZen3の自動オーバークロック機能「Precision Boost Overdrive 2」(以降 PBO2)に関するアップデートがあり、負荷のかかっていないCPUコアの電圧を自動的に下げる事で消費電力を削減、これによって出る電力的・熱的余裕によって一部のコアをより高い周波数で動作させる事が可能になるようだ。


この機能はこれまでRyzenの弱点とされて来た低負荷時の消費電力をこれまでよりも減らすだけでなく、全体的な性能の底上げまで可能にする。

ただしUEFIのアップデートを行う必要があるために、「AGESA 1.1.8.0」を適用済みでない環境では利用出来ない。

また、機能を有効にするにはUEFIの設定を行う必要もある。(アップデートしただけで必ずONとは限らないため)

今後発売されるマザーボードやZen3のRyzenを搭載する完成品のパソコンは順次「AGESA 1.1.8.0」適用済みが出荷されるだろうが、適用済みでない物を買った場合には自力でUEFIのアップデートとPBO2の設定を変更しなければならない。

私としてはZen3のRyzen出荷に間に合わせるべき機能のアップデートだと思うが・・・

これもAMDらしいと言えばAMDらしい。


なんにせよ、この機能のおかげで性能と消費電力のバランスがより改善される事で、全てのZen3使いに大きな恩恵がある事は間違いない。

出来る事なら買った状態で使用者が何もせずともこの機能が使えれば良いが、Zen3を使う人はこの件に関してしばらくの間注意が必要だと思う。


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