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P/Eサイクル? [ハードウェア]

最近気付いたのだが、シリコンパワー製SSDの広告に「3K P/EサイクルMLC採用」という言葉が存在する。
そこで「P/Eサイクル」とは何か調べた所、どうやら「Program/Erase cycles」の事らしく、要するに「Flashメモリーの書換え回数」の事だというのがわかった。
つまり別段新しい単語というわけでもなく、単に書換え回数を横文字にしただけ、というわけだ。
英文ならともかく、日本語なら「書換え回数」でいいじゃないか。こっちの方が1byte分文字数が少ないし。


しかし気になるのは、何故書換え回数などが広告に書かれるのかという事。3Kという事は3000回なわけだが、19/20nm世代のMLC NANDは大体こんなものなので、広告の言いたいであろう「3000回も書換え出来るので耐久性がある」という意味合いで受け取るには無理があると思うのだが。
それとも他のSSD、特に廉価なSSDは、選別落ちの書換え回数が1000回程度の粗悪品を使っているとでも言いたいのだろうか?

そもそも3000回という数字もセルレベルの話で、SSDとして使う場合には話が違って来る。
理由は、SSDの場合ウェアレベリングという機能が備わっていて、使用者がデータを書き込む回数より多く書き込み動作が発生しているからだ。事実19/20nm世代のNANDを使ったSSDでは総書き込み量(TBW)が36~72TBと公表されているものが多く、容量120GBの場合TBWが36TBで300回ほどしか書き換えが保証されていない。

さらにNAND Flashはその扱いによっても劣化速度が異なる。
極めて単純に言えば、書き込み速度を上げると著しく劣化が進む。
つまりセルの寿命を延ばそうと思うのなら、書き込み速度を落とせば良い。
逆に言えば現在のSSDの書き込み速度だと、3000回書換え出来るセルの寿命が実際には1000回以下になっていても不思議ではないという事だ。なので、「3K P/EサイクルMLC採用」と謳うSSDは、単にファームウエアの設定で書き込み速度を落としているだけの可能性もある。


というわけで。
NAND Flash のP/Eサイクル(書換え回数)という広告の表記は、SSDの寿命を比較する事に関してあまり意味が無い。
これは要するに、具体的な数字を出せば無知な消費者は簡単に騙す事が可能というわけだ。

今、SSDを選ぶ際には自分の使い方を考えて容量・速度・価格のバランスが良いと自分が思う製品を買えば間違いはない。少なくとも現在一般に流通するSSDに関してメーカー保証3年が標準となった今、寿命とデータの保全性は望めないのだから。
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