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メモリとSSDが安いのにパソコンの価格は下がらない [ハードウェア]

半導体メモリ大手の先行指標、Micronの営業損益が赤字に転落
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1467737.html

まあ、この記事を見るまでもなく知られた話だが。

DRAMとNAND Flashの製品は、急激な需要の低下によって世界的インフレと円安やサプライチェーンの乱れによる輸入品の高価格化の中、安値を維持し続けている。

自作パソコン業界の中だけで見ると、CPUとマザーボードが昨年よりかなり値上がりしているのに対し、メインメモリとSSDは逆に安くなっているほどだ。


かつてはメインメモリとSSDが完成品パソコンの製造コストに占める割合は大きく、DRAMとNAND Flashの価格が下がるとパソコンの値段も下がったものだが。

今はDRAMとNAND Flashが安いのに、逆に値上がりしている始末。

そのうえDRAMとNAND Flashが安いと言っても円安などの影響でそれほど安いとはいえない。

さらに言うと、メインメモリがDDR4からDDR5に切り替わっていく過渡期であるために、メモリモジュールの価格はDDR5の場合DDR4よりも割高であり、そういう意味でもメインメモリは安いとは言えない。

とはいえ、NAND Flashの価格下落は主に大容量なSSDに対し目に見える影響が出てはいる。

これらの製品がまだ高価だった頃と比べると、確実に買いやすい値段まで下がっているのだ。


というワケで、今は新たにパソコンを買う時ではない。

どうしても必要な場合を除いて。

その代わり大容量なSSDは若干買いやすくなった。

今後、円が今年の年初並み(115円程度)とまではいわなくとも、せめて120円程度まで戻れば、この状況も変わるだろうが。

来年中に130円よりも円高になる可能性は低い。


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価格性能比で勝負のRadeon RX 7000シリーズ [ハードウェア]

結論から言おう。

先日販売開始された、AMDの「Radeon RX 7000 シリーズ」は、競合の「GeForce RTX 4000シリーズ」と比較して価格性能比に優れる。

その性能差はハイエンドの「Radeon RX 7900 XTX」と「GeForce RTX 4090」との比較で平均10%未満であり、価格は2/3以下だ。


絶対性能では相変わらずGeForceには及ばないRadeonだが、ここ数年は競争力を持つと言えるほどに進歩している。

しかもGeForce RTX 4090と比較出来るほど高性能な物まで出せるとは。

私はGeForce RTX 4090が出た時、これでまたAMDは性能競争で突き放されたと思ったものだ。


さて。

話は変わるが、昨今のビデオカードについて思う事があるので書きたい。

一つ目は高性能化について。

まだ3Dゲームが新しかった頃、具体的には20年以上前、当時はゲームの中に3Dの物体が“リアルに”描画され、それがリアルタイムで動く事が新鮮であり、感動したものだ。

当時のビデオカードは最初ヒートシンクすらなく、その後ヒートシンクが付くようになったが、それも非常に小型のものであり、拡張カードスロットを二つ分も占有するなどありえない事だった。

だが現在、時代は大きく変わった。

一つはリアルさの基準が変わって、より実物に近い表現を追及するようになった事。

昔はかなりデフォルメされた物でも十分“リアル”に感じたが。

今では実写に近いものが普通になり、さらにリアルタイムレイトレーシングまで導入される始末。

簡単に言うと昔と今の違いは、セル画アニメと実写映画の違いと思えばいい。

そして20年前から約十五年間はその過渡期であった、と言える。

結果として20年以上前と比べてビデオカードの演算性能は数百倍から千倍以上と大きく上がり、消費電力も最大で100倍以上となった。


この変化を可能としたのが半導体の微細化で、リアルさを追求するために必要な計算能力を持つトランジスタの集合体を、パソコンにふつうに収まる規模の大規模集積回路として製造出来るようになった事がブレイクスルーになったというワケだ。

ただし、その代償としてビデオカードの製造原価が上がる事になった。

これに関連して進んだビデオカードの価格高騰が、もう一つの思う事だ。

チップ面積はほとんど変わらないのに微細化が進んだ結果の製造原価上昇と共に、消費電力の増大により増えた熱の処理のためヒートシンクは年々大型化している。

専門の情報サイトでレビュー記事を見るとわかるが、基盤面積に対しヒートシンクの大きさと複雑な構造が目に付く。

このヒートシンクとファン及びカバー類だけで、ちょっとした値段になるのは誰にでも想像出来るだろう。

また消費電力の増大にともなう電力供給。

これも20年以上前の簡素な電源回路と比べて大幅な原価上昇要因と言える。

これに必要な設計の手間と部品点数の多さが原価を押し上げているのだ。

それに加えてデバイスドライバの開発コストも上がっている事も無視出来ない。

3D対応黎明期は1.44MBのフロッピーディスク1~2枚だったドライバの容量が、2000年頃にはフロッピーディスクによる供給が無理なほど容量が増えてCD-ROMによる供給が当たり前になり、今やCD-ROMにも収まり切れないほど大きくなっているのだから。

ちなみにビデオメモリは原価としてあまり変わっていないかもしれない。

例えばS3のViRGEが出た頃(1995年)のDRAMは1MB当たり1500円ほど、当時はハイエンドで4MBが主流だった。

今はDDR5 16GBで9000円程度、1GBあたり560円として12GBで6720円。まあ大体同じくらいと思う。

VRAM専用メモリは一般のメインメモリとは違う値段なので単純な比較は出来ないが、大雑把には合っているだろう。


ということで、昔はハイエンドで5万円前後という基準があったが。

今では10万円前後が基準でも仕方がない、そのうえ2022年現在は日本とアメリカの経済格差に加えて円安の影響でさらに倍、というのが現実という事になる。

まあGeForce RTX 4090などは20万円どころかその倍近い値段だが。

あれはハイエンドのさらに上、という位置付けでプレミアムが付いているから製造原価がどうこういうものではない。

1ドル70円台の時代が懐かしい・・・あの頃ならRTX 4090は日本円でいくらになっただろうか。


参考

レビュー AMD Radeon RX 7900 XTX
https://www.4gamer.net/games/660/G066019/20221212075/

「Radeon RX 7900」の性能をチェック!チップレットでどこまで進化したのか?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1462794.html


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