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Intel製デスクトップ向け10nm CPUの情報 [CPU]


過去に明言は無くともIntelより事実上否定されていた、Intel製10nmプロセスによるデスクトップ向けCPUの出荷。

その大きな理由は、現在出荷が始まっているモバイル(ノートPC)向けの10nm CPU「Ice Lake」が、動作周波数において14nmプロセスで製造される「Comet Lake」よりも低い事から解るように、動作周波数の向上が見込めないからだと私は考えている。

デスクトップ版IceLakeは消えたらしい
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-06-12?1571203964

これによりIntelのデスクトップ向けCPUは、14nmの次に出る物が7nmによるCPUだという噂が大勢を占めていた。


ところが北森瓦版の記事によると、最近Intel自身によりこの噂がある意味否定され、デスクトップ版の10nm CPUは存在していて「2021年の遅い時期」という“発表か出荷かよくわからない時期”まで出ているらしい。※当初10nm CPU=Ice Lakeだった

Intel デスクトップ向け10nm CPU全キャンセルの噂を否定
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-9993.html

とはいえこれがIce Lakeである可能性は低く、新しく開発されたコアを持つCPUであると思う。

そして製造に使われる10nmプロセスも、現在のIce Lakeに使われている物とは違う製造プロセスになるに違いない。10nmプロセスは黒歴史としてIce Lake以降開発される事は無いと思っていたが・・・


そんなわけで、Intel製のデスクトップ向けハイエンドCPUは少なくとも2021年中まで14nmで製造される事にほぼ間違いはないが、2021年後半以降に10nmプロセスで製造されるCPUが出てくる可能性が出てきた。

しかしまだ2年先という気の長い話であり、Intelのデスクトップ向けCPUの足踏みは続きそうだ。


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「Ryzen 9 3900」と「Ryzen 5 3500X」が発表される [CPU]


10月9日の今日、AMDから「Ryzen 9 3900」と「Ryzen 5 3500X」が発表されたようだ。

これらは以前から噂されていたもので、前者が12コア24スレッド、後者は6コア6スレッドという仕様で、共にTDPが65Wである。


ただこれらの製品は、基本的に日本の自作市場には流通しない。

「Ryzen 9 3900」はパソコンメーカー向けの製品であり、「Ryzen 5 3500X」中国市場のみに出荷されるからだ。

とはいえ、どちらも極めて少数が輸入され、バルク品などが販売される可能性はある。


いずれにしてもほとんどの人には関係が無い製品になりそうだ。



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それでもIntelは2%しか減っていない [CPU]


Zen2コアの第三世代Ryzen発売以降、業界の一部ではRyzenの躍進がとても大きく取り上げられている。

消費者の一部では「Intel終わった」等という言葉まで出回る始末。

だが現実はまったく違う。

確かにAMDはIntelからシェアの一部を奪ったが、2019年上半期の半導体ベンダー売上高ランキングにはその現実がはっきりと表れている。


Intelとソニーは躍進、NVIDIAは激減した半導体企業の明暗。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1209420.html


ランキングに載っているのは15位以上(別の集計では10位以上)までだが、AMDなどその中にも入っていない。

トップは当然にIntelであり、多くのベンダーが二桁下落、一桁でも5%以上下落がほとんどの中、たったの2%(別集計では1.7%)しか減っていないのだ。


Intelの事業はCPUの販売以外からの収益もあるとはいえ、昨今のIT需要急減、Intelの製造プロセスにまつわるCPUの出荷減少、さらにAMDの躍進によるシェア減少。

これら全てのマイナス要因があってさえ、たったの2%減なのだ。

ただ売上金額が非常に大きいから、2%とはいえ減った金額はケタが違うのだが。


もしAMDによるシェア奪還がよく言われている10~15%程度であれば、単純にIntelの売上も10~15%減っていたとしてもおかしくはない。

が、実際にはAMDとは関係無いマイナス要因を含めて2%の減少だ。

AMDの躍進している市場が、如何に狭い範囲であるかが理解出来るだろう。

そしてその狭い市場に対するCPUの供給がまったく追い付いていないわけだ。


AMDの躍進は、Intelにとっては蚊が刺した程度の事でしかないのかもしれない。
(Zen2発売以降の集計はまだこれからだが)

AMDもっとガンバレ!!!


Ryzen 9 3950Xの発売は11月に延期か
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-09-23

後ろに記号を付けすぎ
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-09-11

AMDのシェアはまだとても小さい
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-08-22-1

Zen2に関する不具合修正されるも改善なお必要な状況
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04


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Ryzen 9 3950Xの発売は11月に延期か [CPU]


AMD、Ryzen 9 3950Xの発売を11月に延期
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1208754.html

まあ、いずれこうなる可能性はあった。

出荷の大半が非常に小さな市場でしかない自作PC市場であるにも関わらず、主に上位の製品が極端な品不足(つまりそれだけ商機を逸しているという事)

これはZen2を製造するTSMCのArF液浸露光による7nm製造プロセスが、それだけ高速に動作するCPUの製造に苦労していると共に、AMDに対する製造設備の割り当てが少なく、それだけ生産数も限られている事を意味する。

AMDのCPU製造が、APUとIOコントローラは14/12nmによるGFでの製造である事を考えると、なおさらTSMCでの製造に問題がある事が想像出来る。


TSMCの事情を考えても、この問題は楽観視出来ない。

TSMCの7nmプロセスに対する需要は非常に多く、最大の顧客であるAppleやそれに続くNVIDIAなどからの注文を考え合わせても、これ以上AMDの割り当てが増える事は考えにくい。

一方TSMC自身は製造設備を増やしたくても増やせない事情を抱える。

未確認だが、工場を建てても台湾国内の電力が足りないために工場を増やす事が出来ないようだ。

またさらに追い討ちを与えるように、GFによる訴訟問題も存在する。

裁判所の判断によっては、CPUの製造にブレーキがかかる可能性がある。


そんなわけで、AMDはIntel以上にCPU製造に関する状況が綱渡りである事がわかる。

来年はEUVによる新しい7nmプロセスで製造される「Zen3」が予定されているが。

もしかすると、来年夏頃と噂されるZen3の発表は半年程度遅れるかもしれない。

来年末までに販売が始まるかどうか微妙な気がする。


第4原発凍結、電子産業に打撃必至
https://www.ys-consulting.com.tw/news/50044.html

先端チップの製造が本当にTSMC独占になれば、半導体の発展は終焉する
https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00065/00116/


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AGESA Combo-AM4 の更新履歴 [CPU]


第三世代Ryzen (Matisse) 対応ファームウェア (AGESA Combo-AM4) の更新履歴
(更新内容は公式発表のものではなく、かつ意訳であり、内容が正しいという保証は一切無い。)

Combo-AM4 0.0.7.2   Picasoと、Matisseの一部機種をサポート
                ※PBO / SMTに部分的な問題がある

Combo-AM4 1.0.0.1   Matisseのサポート追加
                ※UEFIの設定でDRAMの電圧が正しく反映されない問題あり?

Combo-AM4 1.0.0.2   DDR4メモリモジュールのサポート改善
                ※UEFIの設定でDRAMの電圧が正しく反映されない問題あり?

Combo-AM4 1.0.0.3   Ryzen 9のパフォーマンス向上、DDR4-3000以上の互換性を修正
                ※コアブーストの問題有り

Combo-AM4 1.0.0.3a  コアブーストの問題を改善
                ※以降、MBのROM容量が32MBの場合み全ての機能をサポート

Combo-AM4 1.0.0.3ab  コアブーストの問題を改善、M.2 SSDの互換性問題を修正

Combo-AM4 1.0.0.3aba Destiny 2が動作しないバグの修正(仮)、システムの安定性向上
                ※PCIeの動作がPCIe 4.0からPCIe 2.0になってしまう問題あり

Combo-AM4 1.0.0.3abb Destiny 2が動作しないバグの修正、システムの安定性向上
                ※古いチップセットでPCIe 4.0が有効に出来ないよう修正

Combo-AM4 1.0.0.3abba 自動OCで公表値の最大動作周波数まで上がらない問題の修正

※Picasoとは Ryzen 3 3200G 及び Ryzen 5 3400G を指す。
※Matisseとは Zen2コアの Ryzen 3000 シリーズを指す。
※各アップデートでは他に細かな問題修正や設定の変更が含まれているはず。


参考:

New Firmware update Reportedly solves Ryzen 3000 boot issues Linux
https://www.guru3d.com/news-story/new-firmware-update-reportedly-solves-ryzen-3000-boot-issues-linux.html




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後ろに記号を付けすぎ [CPU]

現地時間の9月10日、AMDはAGESA 1.0.0.3ABBAのリリースとその詳細を発表した。

この“AGESA 1.0.0.3ABBA”は、Zen2の自動オーバークロックによる最大周波数がカタログ通りの数値に達しないという問題を解決するためのもので、すでに各マザーボードベンダーに配信されており、今後新しいUEFIに適用されていく事になる。


それにしても、AGESAのバージョン番号が変化しないまま後ろにAとかBの記号が多すぎる。

ただでさえ“1.0.0.3”などと細かく区切られているのだ。普通に1.0.0.4とかにならないのか?
(AGESA 1.0.0.3は1.0.0.3A→1.0.0.3AB→1.0.0.3ABA→1.0.0.3ABB→1.0.0.3ABBAと変化してきた)

どうせ新しいCPUが出た時には、二桁目どころか三桁目すら0のままなのだから。

こうまで後ろに記号が後付けされる理由は、やはりAGESAの改善が進んでいないとしか思えない。


なんにせよ、現時点でもまだUEFIの欠陥が十分に修正されてはいないのではないだろうか。

それに加え、Zen2の生産数も3800Xと3950Xの登場時期がずれ込んだ事などを考えると、一般に考えられているほどには生産も順調ではないと想像出来るし、最も需要が多いビデオ機能を内蔵するAPUは枯れたZen+コアだ。

OSやアプリケーションの最適化もまだまだな事まで考え合わせると、AMDがシェアをかつての記録である30%を超えるには、まだ多くの障壁が残っているように思う。

まあ、AMDがこの体たらくでは、Intelはいまだに14nm++を使い続けていても余裕だろう。


AMD AGESA 1.0.0.3ABBA Detailed, Fixes Zen2 Boost Issues
https://www.techpowerup.com/259080/amd-agesa-1-0-0-3abba-detailed-fixes-zen2-boost-issues

ABBA Dancing Queen
https://www.youtube.com/watch?v=xFrGuyw1V8s


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もし“CNFET”によるCPUが本当に実用化されたら [CPU]


MIT、カーボンナノチューブ半導体で16bit RISC-Vプロセッサを作成
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1204468.html


アメリカのマサチューセッツ工科大学が、カーボンナノチューブによるトランジスタ“CNFET”を利用したRISC-VのCPUを開発したという。

現在は実用化のための研究を行っているらしいが、これが実用化されると現在主流のシリコン半導体を使ったトランジスタによるCPUよりも10倍高速で、エネルギー効率も10倍(つまり速度が同じなら1/10の電力で動き、同じ電力ならば10倍速く動作するってことか?)という事らしい。

まあCPUはトランジスタによるスイッチだけで構成されているわけではないし、用途によってはCNFETでは都合が悪い回路もあるだろう。

そういうところも含めて、デスクトップパソコンやサーバー用のCPUに応用されるまではかなり時間がかかるというか、そういう方面では出来ない、或いはやっぱり実用化は無理でした、なんて事も有り得るか。


なんにせよ研究者達は5年以内に実用化するつもりのようなので、5年後にどんな姿になっているか非常に楽しみである。


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AMDのシェアはまだとても小さい [CPU]


かつて、AMDはCPUの市場シェア30%を超えた事もあった。

だがIntelによるパソコンを生産する企業への圧力や、訴訟による互換CPUの開発・販売阻止等の工作、そしてAMD自身による自滅と言える新製品の開発や営業方針の失敗等により、Ryzen登場の直前にはシェアが1%未満にまで落ち込んだ。
(かつていくつもあったx86互換CPUメーカーだったが、Intelの妨害工作で現在生き残る互換CPUメーカーは現在AMDとVIAの2社のみ)

Bulldozer系コアのCPU/APUを販売している時など、ハイエンドCPUの性能競争から手を引くと公式発表があったほどで、特にこの期間のAMDはどん底に落ち込んでいたのだ。もしPlaystationにAMDのカスタムAPUが採用されなければ、倒産もあったかもしれないほどだ。(その点でAMDのATI買収は先見の明があったと言える)


ところがRyzenの成功で、AMDは突如としてハイエンドCPUの性能競争に復活を果たす。

結果として2017年3月のRyzen発売から約2年半、Intelの最新CPU開発失敗もあって、現在は各分野でシェアを得ているようだ。

その内訳は以下の通り。

市場 シェア 時期
サーバー 3.4% 2019年6月末
一般用PC 14.7% 2019年6月
自作市場 68.8% 2019年7/8~7/14


表の通り、自作市場ではすでにIntelを超えるシェアを獲得しているようだが、その他はまったくダメだ。

サーバー市場は単に性能が良ければ採用されるという市場ではなく、ソフトウェアも含めたシステムの互換性や堅牢性などが重視されるため、これまでIntelがサーバー用x86CPU市場でほぼ100%のシェアを持つ事もあってなかなか浸透出来ていなかった。

だが64ものコアを持つZen2のRomeが発表されて以降、その流れが変わりつつある。

今はまだ3.4%に過ぎないシェアであるが、かつてのOpteronのように、Intelとサーバー市場を二分する勢力になる可能性があると思う。


そして利益率は低いがけっして手を抜いて欲しくないのが一般用PC。俗にコンシューマ市場と呼ばれる市場で勝てないのでは、私の腹の虫が治まらない。

何故なら、Intelによる市場の事実上の独占は、悪逆非道の行いが下地にあり、その非道な行いは現在も行われているからだ。

私はこの市場で、IntelとAMDが50%ずつシェアを持つのが正しいと思う。

だが現状はまだ15%弱に過ぎない。それも売れているパソコンを基準にしたらもっと低くなるだろう。

この分野では、AMDは製品の力はまだまだ弱い。(だから売れない)

今後に期待したい所だが、Intelもただ黙って見ているはずは無いわけで、予断を許さない状況だ。

まあ、2年後に30%のシェアが取れていれば大成功、ヘタをすると2年後には一桁かもしれない。


最後は自作市場。

ここでは破竹の勢いでシェアを伸ばし、海外市場、しかもZen2発売直後の集計ながら68.8%のシェア。

CPU市場全体からすると、自作市場など数%に過ぎない小さな市場ではあるが。

ここで売れているという意味は小さくは無い、と思いたい。

現在色々と問題が出ているが、幸いな事に自作市場ならではの寛容さがある。

単純な数字に出ない、Ryzenへの追い風になる事を期待する。

そして今後も私にとって魅力ある製品を作って欲しいし、そのうえでIntelと互角以上のシェア争いを続けて欲しいと思う。


AMD、サーバー用新製品をアピール-インテル製品より高性能うたう
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-08/PVW0B1DWLU6J01

AMD CPUが量販店市場でシェア68.6%
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1197213.html

「AMDプロセッサを採用しないよう、IntelがPCメーカーに圧力をかけた」
https://www.itmedia.co.jp/news/topics/amdintel.html

巨人Intelに挑め!
https://news.mynavi.jp/author/0001674/?page=6


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IntelのComet Lakeが発表される [CPU]


現地時間の21日、Intelの新しいモバイル向けCPU「Comet Lake」が発表された。

これがどのようなCPUか、大雑把に書くと

・14nmプロセスで製造
・CPUコアは最大で6コア
・動作周波数は最大で4.9Ghz
・GPUはUHD Graphics(EU数は最大24)
・TDPは最大25W~最低4.5Wまで

こんな感じで、先日発表されたIce LakeよりもCPUパワーが高い代わりにGPUが貧弱になっている。

ちなみにIce LakeはIPCこそ高いが動作周波数は最大で4.1Ghz、そしてコア数も最大4コアで、GPUのEU数は最大64だ。

いずれにせよ、ノートPCに搭載されるCPUとしては非常に省電力かつハイパワーなCPUで、Ryzenのモバイル向けが勝っているのはGPUの性能のみという、Bulldozerコア時代のAMDとIntelの構図に似た状況になっている。


それにしても何故、Intelは10nmプロセスの最新型CPUがあるのに、14nmの旧式コアを使ったCPUを新製品として出すのか。

考えられる理由は一つしかない。

それは、10nmプロセスでの需要を満たす数の生産が不可能だからだ。

よってIntelのCPUを搭載したノートパソコンは、Ice Lakeを搭載したパソコンは少数しか出回らず、Comet Lakeを搭載したパソコンが主力になるだろう。(Ice Lakeは株主を納得させるためだけに無理やり製品化されたとも言えるかもしれない)


要はIntelの7nmプロセスによるCPUが大量生産されるまで、14nmプロセスのCPUが主力であり続けるわけだが、それでもAMDはモバイル向けCPUでIntelに対抗出来る商品が現行のRyzenしかない。

モバイル向けCPU市場では来年予定されている「Renoir」が登場するまで、AMDの苦戦が続く事になるだろう。


参考:

Intel,「Comet Lake」版ノートPC向け第10世代Coreプロセッサ「Core i7-10710U」などを発表。
https://www.4gamer.net/games/449/G044964/20190819079/

Intel,Ice LakeことノートPC向け第10世代Coreプロセッサ計11製品のスペックを公開
https://www.4gamer.net/games/449/G044964/20190801042/


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結局、AMD製のCPUは良いのか、それともダメなのか? [CPU]


第三世代Ryzen、Ryzen 3000シリーズが自作市場に出て1ヶ月以上経つが、 未だ全ての問題が解決しておらず、その為一部で試行錯誤が繰り返され、新しいUEFIのアップデートが熱望されている。

私はRyzen 3000シリーズ登場以降、その性能を認めながらも消費電力の問題やメモリの相性問題等でトラブルが出やすい事に対しブログ内で苦言ばかり書いてきた。

とはいえ、現在使っているRyzen5 3600Xに何か問題があるのかというと、まったく問題は無い。

性能的にはそれまで使っていた1600Xと比較して概ね1割~4割ほど速くなったように思えるし、Windowz7で利用しているためにCPU内臓のUSBコントローラが利用出来ない事も、元々後付けのUSBコントローラ(Renesus製 μPD720201)を増設している上に4ポートハブも利用しているため、まったく問題になっていない。

Zen2_test3.png
CPU内蔵のUSBコントローラは、Windowz7用のドライバが無いために動作しない。

消費電力とそれに関係するCPUの挙動はWindowz7で利用しているからか問題が出ず、メモリの相性問題も元々DDR4-3200のオーバークロックメモリの電圧を1.35Vから1.25Vに下げて利用していたものがそのままでは起動しなかったものの、標準の1.35Vにした上でレイテンシの設定を若干緩めた(CL16→CL18)事で安定した。

また、最近Ryzen3 3200Gを買ってDeskmini A300のRyzen3 2200Gと交換してみたが、こちらはアーキテクチャがZen+から変化していないためにデバイスドライバこそ入れなおしが必要だったものの、以前と変わりなく快調に動作している。

こうした事から、性能と安定性について、私の環境ではほぼ問題が出ていない。


また、一昨年以降私が周囲に頼まれて組み立てたパソコンは20台近くに上るが、これらの全てがAMD製のシステムであり、これらにおいて特に私からのサポートが必要になったトラブルといえばWindowzに関する問題や、プリンタ等の外部デバイスの問題、ネットワークの問題等であり、これらは同じネットワーク内に存在するIntel製のシステムでも同様に起きていたことから、プラットフォームに依存するトラブルは起きていないと考えられる。

例外的にあると言えば、Windowz10の大型アップデート時にAPU用のグラフィックドライバの更新が必要になって(これをしないとWindowzが正常に起動出来ない)更新した位か。

しかしこの手の問題はIntel製のシステムでも同様に存在するため、どちらかがより安定しているという事にはならない。

それよりもむしろ、Intel製のシステムの方がデバイスドライバや各種ユーテリティソフトウェアの問題が毎月のように頻発しているので、それが無いAMDの方が楽に運用できている位だ。


AMDは一般的に初期トラブルが多く、デバイスドライバの完成度も低い印象がとても強い。

一方でIntelは初めて店頭に並んだその時から安定しているが、その後に色々トラブルが出やすい印象がある。

結局のところ、どちらも不安定な要素を抱えているという事だ。


そんなわけで、記事のタイトルに書いた「結局、AMD製のCPUは良いのか、それともダメなのか?」という問いに対する答えは「買うタイミングによって変わる」という答えになる。(これはIntelでも場合によっては同じ事で、過去に色々やらかしている。)

要するに初物は避けるべきで、半年~1年以上経って初期の問題が解消した後に買えば良い、という事だ。

だから、今すぐパソコンを新規に買う、或いは買い替えが必要という人は、AMD製のシステムに興味があればRyzen 2000系のCPUやAPUを搭載したメーカー製PCを買うか、或いは自分で組み立ててもいい。

特にエントリー向けのAPU群(Athlon 200GE系 ~ Ryzen5 3400G)は、これまでの実績から性能と安定性に関して自信をもってお勧めできる。

また、どうしてもZen2のRyzen 3000シリーズが欲しい人の場合は、ショップオリジナルのBTOと呼ばれる組立て完成品を買えば、トラブルで思うような結果が得られないという事は無いだろう。

事前の情報収集と、トラブルが起きた時に必要な知識やスキル、さらに簡単に諦めない根気を用意出来る人は、自力で組み立てるのも良い。


ちなみにノートPCの場合は全てがメーカー製となるため、ここに書いた事はほとんど無関係。

そもそも現時点でZen2のAPUが無いから、安定性については問題など出るはずも無い。

私はRyzen 5 2500Uのモバイルノート「Thinkpad A285」を触った事があるが、同世代のIntel製と比べてバッテリーの持ちが多少落ちる程度で、アプリケーションの反応速度が非常に良いため快適さはIntelよりも上かもしれない。



Ryzen 5 3600X アイドル時消費電力
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-21

Zen2はWindows7でも動くのか
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23

Zen2に関する不具合修正されるも改善なお必要な状況
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04
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EPYC Romeが正式に発表される [CPU]


AMDのZen2世代サーバー用CPU、EPYC Romeが正式発表された。

発表イベントでは、GoogleやTwitterの2社が、すでにEPYC Romeを使っていると発表。

大口採用する企業ではすでにEPYC Romeのシステムをテスト中であるようだ。


Zen2は一般向けのRyzenの場合ターゲットがあくまで自作市場であり、大小のトラブルが当たり前に起きている状況もあって、出荷数の少なさと共にあまり好調とは言えないように見える。

だが、AMDの本命はサーバー向けだ。

市場が極めて小さい自作向けはあくまでベンチマークでこれだけ高性能だとアピールする事で、一般の顧客や株主に注目してもらう事が狙いかもしれない。(そういう人達はそもそもPCの自作などしないし、自作ユーザーの阿鼻驚嘆などまったく興味が無い)

一方でサーバー向けは売れれば儲けが大きい。
また市場規模も自作向けとは比較にならないほど大きい。

すでに性能はIntel製のサーバー向けCPUを大きく上回る事が確定しているため、初期導入や運用コストを低く抑えながらもこれまで以上の性能が得られるEPYC Romeは、今後多くの企業で採用されるチャンスがあるだろう。

だからAMDとしてはRyzenよりもこちらが売れてくれないと困るわけだ。


まあそんなわけで、サーバー向けCPUとしては64コア128スレッドという前代未聞のスペックを持つEPYC Romeがついに販売開始と。

10年後くらいには、Ryzenも64コアになったりするのだろうか。


AMDのインテル対抗機EPYC RomeプロセッサーをGoogleとTwitterは早くも使用
https://jp.techcrunch.com/2019/08/09/2019-08-07-google-and-twitter-are-using-amds-new-epyc-rome-processors-in-their-datacenters/




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Zen2に関する不具合修正されるも改善なお必要な状況 [CPU]

AMDの最新CPU、Zen2コアを使った“Ryzen 3000シリーズ(省くAPU)”は発売当初からいくつかの不具合を持ち、せっかくの高性能に水を差す形のまま販売が続いている。

不具合の具体例は消費電力がAMDが当初発表していたよりも多い問題、そしてスペック通りの動作周波数に到達しにくい問題、その他にもメインメモリの相性問題等がある。

これらの問題は環境によってかなり出方が違う状況であり、私の場合にはASUSのPrime B350 PLUSとWindowz7の環境で3600Xはほぼ1600Xと同等の挙動を示し、動作周波数もスペック通りの数値を見せた事からCPU内蔵のUSBが利用出来ない事以外にほぼ問題は無い状況(ただしメインメモリが動作周波数こそ1600Xと同じ3200Mhzながらレイテンシと電圧の調整が必要)であった。


この件に対し情報収集を進めていると、大きな問題となるのは主にWindowz10の最新版、1903で利用する場合になる事が判明。

理由はZen2が新たに採用した電源制御機能である“Collaborative Power and Performance Control”(以降UEFI CPPC2)に拠るもので、1ms単位で電圧と動作周波数を調整する機能であるこのUEFI CPPC2の調整が不完全である事が問題を起していたようだ。

他のOSで問題が出ない理由はOS側がUEFI CPPC2に対応しないからで、その結果従来通りの挙動になったのだろう。

これに対する対策として、AMDは7月30日に新しいチップセットドライバを発表。

このチップセットドライバを導入する事で以前はどのような状況でも1ms単位で調整していたものを、アイドル時或いは低負荷時は今まで通り15ms単位の調整とする事で、不要な電圧上昇及び動作周波数の上昇を抑えるようにした。

その結果無駄な電力消費が抑えられ、発熱量も多少下がったようだ。


一方でUEFIの修正は続いているものの、芳しい状況ではない。

現在最新のAGESA 1.0.0.3ABA等1.0.0.3系はいくつか不具合があるようで、複数の問題が報告されている。

とりあえず安定しているのが1.0.0.2なので、絶対性能よりも安定性を重視する人は1.0.0.2までを適用したUEFIを利用した方が良いようだ。

性能を取るか、安定性を取るか。或いはその両方を求めて挑戦するか。

マザーボードメーカーの対応もまちまちであるため、製品の選択にも情報収集が必要な状況。

ちなみに私の使うPrime B350 PLUSの最新UEFI“5007”は、AGESA 1.0.0.2が適用されている。

GIGABYTEのようにいち早く最新のAGESAを適用したり、同じメーカーでも製品ごとに対応状況が違う事は、安定重視か新しいモノに挑戦する事を重視するのか、そういう違いがあるのかもしれない。


とまあそんな感じで、現在“Ryzen 3000シリーズ(省くAPU)”に関する状況は流動的かつ不安定である。

何もせずとも当たり前に最高性能を味わいたい人は、まだ当分様子見が良い。

またそうではなく、性能を引き出すための苦労がどれほど過酷でも構わないと思う人(知識とスキルがあれば大した問題でもない)は、現在の“Ryzen 3000シリーズ(省くAPU)”に挑戦すれば良い。


参考

第3世代Ryzen向けの新電源プラン、アイドル/低負荷時の問題が解消
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1199341.html

他、海外のいくつかの情報サイト(知りたい人は自分で検索してください)

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Zen2はWindows7でも動くのか [CPU]

Zen2_w7.png

先日、自ら製品を購入して試すまで、他人から得た情報を元にゴチャゴチャと考えた事をこのブログに書いて来たが、それも自分自身で“それ”を経験する事で“エアプ”からの脱却となった。

そしてテスト環境での検証をもってメインPCへZen2を移す決意を得た私は、この度それを行った。


テスト環境からZen2(Ryzen 5 3600X)を移植したメインPCの環境は以下の通り。


OS:Windowz7 Professional x64

CPU     :Ryzen 5 1600X (Ryzen 5 3600Xに交換)
CPUクーラー:Scythe SCASM-1000 (10年前に買った骨董品)
マザーボード:ASUS Prime B350 PLUS (UEFI ver. 5007)
メモリ   :DDR4 3200 8GB x4 (計32GB)
ビデオカード:AMD Radeon RX570
SSD     :ADATA XPG SX8000 256GB
他ストレージ:SSD 1台、HDD 3台、BD-RW 1台、USB HDD 1台
拡張カード :SATA3 (Asmedia)、USB3.0 (Renesas) 各1枚
電源    :PS-TR2-0500NPCGJP-G-V2


また、CPUの交換は以下の手順で行った。

1. パソコンを分解してCPUを交換
2. UEFIをCMOSクリア
3. メインメモリを1枚だけ取付け
4. パソコンを拡張カード以外元通り組立て
5. 電源を入れてUEFIの設定変更
6. メインメモリと拡張カードを全て取付け
7. Windowz7 起動


CPU交換後にWindowz7が起動すると、まずはデバイスドライバのインストールが始まる。

これはCPUの交換に伴ってCPUから出ているPCIeバスが別のものになるため、これに接続されている全てのデバイスを改めて認識し、デバイスドライバを当てる必要があるからだと推測する。

そして全てのデバイスが認識(一部例外あり)すると、再起動が促されるので再起動する。

再起動が終わると、デスクトップを見る限り元の環境とまったく変わらない画面が出迎えてくれた。


さて。

なんとか無事にWindowz7が起動したところで、まずはZen2のCPU内蔵デバイス各種が正しく認識されているか、デバイスマネージャを見てみた。

Zen2_test3.png

するとほとんどのデバイス(CPUの機能として提供される各種システムデバイスや、CPUから出ているPCIeなど)は従来のAMD製デバイスドライバやMicro$oft謹製の汎用ドライバによって認識されていたが、「ユニバーサル シリアル バス (USB) コントローラー」というものにデバイスドライバが当っていない。これは恐らく、「CPUに内蔵されているUSB 3.1 Gen1のコントローラ」だ。

他の「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」を見ると、「AMD USB3.1 eXtensible Host Controller」というモノが存在するが、これはB350チップセットのモノだ。

もしこの時点でZen2内蔵のUSBコントローラにUSBキーボードやマウスを接続していたとすれば、キーボードもマウスも認識されない。幸いにも、私はチップセット側のUSBポート(PS/2コネクタの上にあるUSB2.0)にキーボードとマウスを接続するので、その点に限ってはまったく問題にならなかった。


では、CPU直結のUSBポートは生きているのか、死んでいるのか?

試してみると、バックパネルの下図“3番”のUSB3.1 Gen1ポート4つが利用出来ない。
“4番”のUSB 3.1 Gen2ポート二つはB350チップセットからのもので、利用出来た。
当然現在キーボードとマウスが接続されている、11番のUSB2.0ポートも利用可能。

Zen2_test4.png
この図はPrime B350 PLUSのマニュアルより拝借した。

という事で、CPU内蔵のUSB3.1は利用出来なくなっていた。

ちなみにチップセットドライバはZen2対応の最新版 v1.07.07.0725を事前にインストール済み。
しかし、この時CPUは1600Xだった。
もしかすると、今なら前回インストールされなかったUSBドライバが入るのかもしれない。

そこで改めてチップセットドライバをインストールしてみると・・・やはりダメだった。

結論としてZen2をWindowz7で利用する場合、CPUから出ているUSB3.1にデバイスドライバが無く、CPU直結の4つのUSB3.1 Gen1ポートが利用出来ない。(何か他に利用出来るデバイスドライバがあれば良いのだが)

もしUSBポートが足りなければ、ハブで増やすか拡張カードで増設するしかないようだ。


次に私が確認したのはアイドル時の挙動を調べる事。

これはHWiNFOのリアルタイムでCPUの動作周波数を表示する機能を利用した。

調べ始めるとこれが意外にも、1600Xの時とほとんど変わらないように見える。

電源プランはWindowz7標準の「バランス(推奨)」のまま。

ブラウザでWebページを開くと一瞬MAXの4.4Ghzまで動作周波数が上がるが、すぐに2.2Ghzまで落ちてその後色々操作しても2.2Ghzから上がる事はほとんど無い。負荷が消えると即座にアイドル状態に戻っている証拠だ。

他にも普段利用するテキストエディタやペイント等色々試したが、無用な動作周波数の上昇は見られなかった。

Windowz10ではあれだけ激しく上下した動作周波数が、Windowz7では実に大人しい挙動を示すのだ。

一体これは何故なのか。理由はわからないが、これは歓迎出来る事だ。

Zen2_test5.png
Windowz7では最大ブースト時のコア電圧も1.45VとWindowz10の時(1.5V)より低い。
これはOSの違いというよりもマザーボード(AGESAのバージョン)が違う為なのか?


アイドル時の次は実作業時の挙動だ。

これは連続した負荷で動作周波数がどのように変化するのか、アイドル時と同様にHWiNFOで調べた。

まずSuper Piという円周率の計算速度を計測するベンチマークを試す。
これはプログラムが古く完全なシングルスレッドなので、6つあるコアの一つだけ4.4Ghz程度まで動作周波数が上がるが、他のコアは完全に2.2Ghz固定で、何故かいくつかのコアをたらいまわしするように負荷のかかるコアが変化していく。

これは最大まで動作周波数を上げた後、コアの温度が上がると温度が低いコアにスレッドを引き渡しているのか?

またこの変化は#2~#5のコアだけで行われていた事から、同一のCCX内だけで行われていると推測される。


Super Piの次は雑多なファイル4000個ほど(合計8.6GB)をWinRARでZip圧縮してみる。

この操作の場合負荷が全てのコアにかかるが、6コア全てが常にフルブーストというわけではなく、時々動作周波数が落ちるコアが1~2ほどあった。
また、6コア全てがブーストされている時の平均最大動作周波数は4.25Ghz程度で、4.2~4.3程度の振れ幅で6つのコアが動作していた。

完全なシングルスレッドであるSuper Piの時よりも、最大動作周波数は100Mhz以上低くなった事になる。


そして最後はWaifuと呼ばれる画像拡大ソフトで写真(1600x1920のjpegファイル)を2倍に拡大するテスト。

このテストでは6つのコアが常にフルブースト状態で、変換中常に4.1Ghz程度で動作周波数が変化していた。

All_core_boost.png

どうやら全てのコアを自動オーバークロックする場合、4.1Ghz近辺が上限であるようだ。

こうした挙動は、今時の多コアCPU全てに共通するのだろう。これよりも高い動作周波数を全てのコアで行うには、相応の冷却手段とUEFIやオーバークロックツールで電圧などを設定してあげなければならない。


というワケで、Windowz7を動作させた時のZen2(Ryzen 5 3600X)の挙動は、初代Zenの1600Xと大した違いを見出す事が出来なかった。

また前回の環境と大きく違うため消費電力の測定は行わなかったが、平均値は恐らく1600Xの時とほとんど変わらないと思われる。

ただ、7nmプロセスにも関わらずCPU単体の消費電力はHWiNFOによる測定で最大92.378Wと大きかった。これは80W程度だった1600Xよりもかなり高い。

これは最大で4.4Ghzという高い動作周波数でありながらコア電圧が1.45Vと高いままである事が原因と思われる。消費電力は電圧x電流で表され、CPUの動作周波数が上がれば電流は増えるため、周波数を上げながら消費電力を抑えるには電圧を下げるしかない。(他には電源を切れる回路を不要時は徹底して電源を切るクロックゲーティングという技術もあるが)

一方AMDのCPUに使われている半導体製造プロセスはIntel製と比べて低い周波数で限界に近付き、(Intel製も含め)昨今の微細化されたCPUのほとんどがそうであるように、それ以上動作周波数を上げようとすると二次曲線的に高い電圧を要求する。

このため、Ryzenは回路自体の効率は良くとも、動作周波数を上げていくとIntel製のCPUよりも激しく消費電力の上昇が発生しやすい。


それから最後の最後、メモリの動作周波数について。

やはり私の環境でも、初代Zenの1600Xの時よりも安定して動作する限界値が下がってしまった。

具体的には、今までメモリモジュール4本が1.25Vで3200Mhz動作していたのに、Zen2になってこれが不可能になってしまった事。

現在は安全マージンを多めに見て電圧は1.35Vで、さらにアクセスタイミングも16-18-18-18から20-20-20-20に落した上で、3200Mhzとしている。

この辺りはやはり、UEFIのアップデートを待つしかないだろう。


今回の結論としては、「ASUS Prime B350 PLUS(5007」と「Ryzen 5 3600X」の組み合わせでWindowz7を使う場合、「GIGABYTE AORUS B450 M」と「Ryzen 5 3600X」の組み合わせでWindowz10(19h1 1903)を使う場合と比べると挙動がかなり違うという事。

前者では1600Xと比べても違和感の無い挙動であったが、後者は現在ネット上で騒がれているような不可解な挙動によって消費電力が無駄に上がってしまっている。

この理由はOSの違いなのか、UEFIの違いなのか、それともAGESAのバージョンが違うためなのか、今の所判断が出来ない。

とはいえこれ以上この件で割く事が出来る時間も無いので、Windowz7のサポートが切れるまでこのまま行こうと思う。

その間に諸々の問題が解決される事を祈って。


参考

Ryzen 5 3600X アイドル時消費電力
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-21

Ryzen 7 3800Xが出たようだが・・・
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-12-1

Zen2はWindows7をサポートしない
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-10

Zen2はUEFIの完成度に問題アリ
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-09

各ニュースサイトのZen2レビュー記事を読んで
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-08


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Ryzen 5 3600X アイドル時消費電力 [CPU]


とりあえずZen2なCPUを買ってみたので、噂になっているアイドル時の消費電力や挙動を調べてみた。

環境

CPU Ryzen 5 3600X
MB Gigabyte B450 AORUS M (UEFI Ver. F40)
MEM Corsair CMK32GX4M2A2400C14R x2、計32GB (DDR4 2400)
SSD ADATA XPG SX6000 PRO 256GB
VGA Radeon HD8570 (R5 240相当)
電源 玄人志向 KRPW-PT600W/92+ REV2

OS Windowz 10 Pro x64 (19h1 10.0.18362.30)

電力プラン:Ryzen Balanced(デフォルト)

AMD チップセットドライバ v1.07.07.0725


以上のテスト環境でアイドル時の消費電力を調べると、以下の通りになった。

27W±1W(HWinfo起動時30W±2W)

というわけで、アイドル時の消費電力が40W~50Wを超えるという人は、何かそうなる理由があると思う。

Zen2_test1.jpg
テスト環境で消費電力の測定中。


また、アイドル時の動作周波数は2.2Ghzと1600Xと同じだった。だが、何か操作をすると瞬間的に最大動作周波数の4.4Ghzに達するところが違う。1600Xはある程度大きな負荷がかかった時だけ、動作周波数が上がるからだ。

Zen2_test2.png
ほんのちょっとした操作でも、複数のコアが4.4Ghzまで上昇する。

このために軽い動作のアプリケーションでも、1600Xよりも消費電力が高くなるようだ。

この辺りの挙動に関しては、Web上のパソコン関係情報サイトでの検証で見られたものと一致する。

要はCPUの省電力機能が上手く働いていないのだ。


これでは遊びでオーバークロックなどをしない、一般の客を主な客層とするパソコンメーカーはかなり採用しにくいと思う。(まあそれ以前にGPUを内蔵しないCPUはそういう向きにしか売れないかもしれないが)

そんなわけで、AMDは一日も早くこの問題を解決して欲しいと思う。


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Ryzen 7 3800Xが出たようだが・・・ [CPU]

今日はRyzen 7 3800Xの発売日。

だが、各方面の情報発信を見る限りまったく話題にもなっていない。


理由は何なのか。


一つはあまりに流通量が少ないからだと思う。

Ryzenが初めて登場した2年前は、CPUは比較的潤沢に出回ったと記憶している。

ところがZen2の場合はあっという間に売り切れが続出、手に入れる事が出来ない難民が多く出た。そしてその後も各店舗への入荷は極少数のようで、入荷しても即売り切れ、在庫が無い状態が続く。

これでは興味が失われても仕方が無い。


それからもう一つ、下位の3700Xとの差があまりに少ない事。

自動オーバークロックが効いていないベースクロックで300Mhzの差があるものの、自動オーバークロックによる最大周波数はたったの100Mhzしかない。

しかも最大で4.5Ghzと、そのままでも5Ghzまで回るCore i9 9900Kなどと比較してあまりにも低い。せめて4.7Ghzまで回ったのならば、と思う。

それでもRyzen 3000シリーズの中ではシングルスレッドの性能は一番高い事は間違いないが、性能の上昇に対して価格の差が大きいので注目が集まりにくいのだと思う。

まあ、たった100Mhzの差ではたかが知れている、と思われても仕方が無い状況だし、手動でのオーバークロックもあまりにマージンが無さ過ぎて遊べないという事もあるかもしれない。


三つ目。

従来のシステムからCPUのみ換装する需要の足枷となる、UEFIの対応状況の問題。

Socket AM4の売りである、CPUが世代交代してもマザーボードは長く使えるというAMDの主張が半ば崩れてしまっている。

だったらマザーボードも買え、という話も、X570を搭載するモノしか選択肢がなく、しかもハイエンドという事で飾りの多い非常に高価なモノしか無い。PCIe 4.0対応という目玉も言葉のみのインパクトしかなく、現実に立ち返るとその価値はあまりに希薄だ。


というワケで。

AMDの戦略は完全に裏目となりつつあるように、私には見える。

せめて店舗の在庫が十分にあれば、話は違ったかもしれないが。

ただそれでも、X570以前のチップセットに対するZen2の対応状況がここまでお粗末だと無意味か。


本当に、AMDには一刻も早く、この状況をなんとかして欲しいと思う。


参考;

Zen2はUEFIの完成度に問題アリ
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-09

各ニュースサイトのZen2レビュー記事を読んで
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-08


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Zen2はWindows7をサポートしない [CPU]


私は近々CPUをRyzen 3000シリーズに交換する予定だが、テストを兼ねて現在利用するWindowz7の環境を変えずにCPUを交換しようと思っている。

そこでRyzen 3000シリーズをサポートしたというAMDの最新チップセットドライバを調べると、どうやらAMDはZen2でWindowz7のサポートをしないようである。


Drivers and Software
https://www.amd.com/en/support/chipsets/amd-socket-am4/b350


上記ドライバのダウンロードページにあるサポート情報は、以下のようになっている。


Supports:

Windows 7/10 for
2nd Gen AMD Ryzen Desktop Processor
7th-Gen AMD A-Series Processors
AMD Ryzen Desktop Processor
AMD X470 Chipset
AMD X370 Chipset
AMD B450 Chipset
AMD B350 Chipset
AMD A320 Chipset

Windows 10 only for
3rd Gen AMD Ryzen Desktop Processor
2nd Gen AMD Ryzen Threadripper Processor
AMD Ryzen Threadripper Processor
AMD Ryzen Desktop Processor with Radeon Vega Graphics
AMD Ryzen Mobile Processor with Radeon Vega Graphics
AMD X399 Chipset
AMD X570 Chipset

This is an all-new chipset software installer with updated UI, optimized package size, package versioning unique to the chipset drivers, and improved installer performance.

Package Includes:

AMD Chipset Drivers
AMD Ryzen Power Plans (required for UEFI CPPC2 in WindowsR 10 May 2019 Update)


サポートリストに書かれている通り、Windowz7は「2nd Gen AMD Ryzen Desktop Processor」まで、チップセットもX570はサポートされていない。


という事で、SoCであるRyzenはチップセットドライバが無ければ標準ドライバで動く範囲の動作は可能かもしれないが、それ以外は動作保証が無いという事だ。

GPUを持たないために無理に動かせば動くかもしれないが、どのような挙動を示すかはやってみなければわからない。

まあ、実際に買って試してみればわかるだろう。



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Zen2はUEFIの完成度に問題アリ [CPU]


一昨日より売られているZen2コアを使った第三世代Ryzen 3000シリーズは、発売開始から三日目の今日までに世界中で多くのテストが行われた結果、全体的にはIntel製CPUを大幅に上回る性能を示した事でその存在価値を証明して見せた。

だが、このお祭り騒ぎの影響で世界的な品不足が続いている模様。

昨今の事情を鑑みると、元々準備された数が需要に対して少なかったと思われ、また現在TSMCでの製造は※歩留まり85%以上という話もあってこれだけ聞くと在庫はすぐに復活しそうだが、実際には生産ラインのキャパシティが少ないために焼け石に水状態だろう。

さらに追い討ちをかけるようにショップブランドPCの発売も始まって、リテールパッケージだけでなくバルクにも貴重なZen2が流れているので、部品で買う必要がある人以外は部品を買い集めて一台組むよりもショップブランドPCを買った方が手っ取り早いかもしれない。

※歩留まりは6コアダイを含んだものと思われ、高い動作周波数が見込める8コアの良品は需要を満たすには足りていないと思われる。また3900Xの要求する特性の6コアダイも、ArF液浸リソグラフィでは非常に限られた数しか採れない事は容易に想像出来る。


さて、このように性能に裏打ちされた人気を獲得したRyzen 3000シリーズだが、一部で思ったほど性能が上がらないという報告や、メモリの動作速度が出ない、或いは安定しない、という報告が散見される。

この原因はマザーボードのBIOS、現在の正しい呼び名はUEFI、に問題がある事が考えられる。

特に従来からある300番台と400番台のチップセットが使われているマザーボードの場合、AMDから提供されるUEFIのAGESA(AMD Generic Encapsulated System Architecture)と呼ばれるファームウェアのバージョンが、メーカーや機種によりまちまちである事が問題になる。

Zen2に対応するAGESAは“AGESA 0.0.7.2A”以降(ASUS PRIME B350-PLUSで確認)となっているが、Zen2対応の初期バージョンは完成度が低く一応動作するといった程度であるようで、最低限安定動作を望むのならば“AGESA 1.0.0.2”が適用されたUEFIにアップデートする必要があるようだ。(もちろんUEFI全体の完成度も関係するため、AGESAが古いからといって必ずしも安定しないとは限らないし、その逆もまたあり得る)

また、海外からの情報ではZen2の性能を引き出すには“AGESA 1.0.0.3”が必要だという情報もある。

その他消費電力の問題も含め、これらを解決するには今後のUEFIアップデートを待つ必要があると私は考えている。

ちなみに、AGESAは過去のバージョンに1.0.0.3よりも数字の大きいものが多く存在するが、これらは“AGESA 1.0.0.1よりも古いバージョン”であり、Zen2のサポートは無い。


というワケで、現在Ryzen 3000シリーズを使っていて色々苦労している方は、マザーボードのUEFIを最新のものにアップデートしてみる事が有力な解決策の一つであるようだ。

ただし注意したいのは、最新のUEFIが常に最良の選択とは限らない事。

場合によってはさらに不具合が増えたり、最悪電源が入らなくなる事もあり得る。

従って万が一の場合にリカバリ出来る準備や、完全に安定したと思われるタイミングまで待つなど、自衛が必要な事も忘れないようにしよう。


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各ニュースサイトのZen2レビュー記事を読んで [CPU]


7月7日に無事発売となったZen2。

ラインナップに一部欠損があるものの、遅れた3800Xは12日発売という事でギリギリOKといった感じだ。

そして発売解禁となった7日の内に、Web上にあるパソコン関係の各ニュースサイトには一斉にレビュー記事が掲載された。


シングルスレッドもインテル超え!第3世代Ryzenは遂にメインストリームの頂点に
https://ascii.jp/elem/000/001/891/1891699/

マルチで圧倒、Intelに互角以上の性能を備えた「Ryzen 9 3900X」「Ryzen 7 3700X」をテスト
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1907/07/news036.html

「Ryzen 9 3900X」と「Ryzen 7 3700X」を試す - 第3世代Ryzen+NAVI徹底攻略
https://news.mynavi.jp/article/20190707-854576/

第3世代Ryzenが驚異的性能でIntelを圧倒。Ryzen 9 3900X/Ryzen 7 3700Xレビュー
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1194631.html

「Ryzen 9 3900X」「Ryzen 7 3700X」レビュー。期待のZen 2は競合に迫るゲーム性能を有し,マルチコア性能では圧倒する
https://www.4gamer.net/games/446/G044684/20190705008/


これらの記事を一通り読んで思ったのは、計算能力についてはおおむね事前情報通りの性能だったという事。

3800Xがまだ出ていない事からゲームのベンチマークではCore i9 9900Kにやや遅れを取る面もあったが、3800Xが出る事でほぼ同等かやや上回る程度の性能を示す事だろう。


ただし、一つだけ事前情報よりも悪く感じた点がある。

それは消費電力の高さ。

省電力型の3700Xでさえ、場面によっては9900K並みの消費電力である。全体的に大きく下回っていたとはいえ、TDP65Wと言うには少しばかり消費電力が多めに感じた。

また、3900Xはほとんどの場面で9900Kを大きく上回る消費電力だ。
計算能力の上昇分を考えればよくこの程度に抑えたと言いたい所だが。

これらの理由は明白だ。昨今の微細化された製造プロセスによる半導体は、動作周波数が一定以上に上がると急激に消費電力が上がる傾向が強い。Intelの場合技術力でこれを5Ghz近辺まで押し上げているが、GFの14(12)nプロセスとTSMCの7nmプロセスは双方とも4Ghz~4.5Ghz以下に壁が存在する。

その結果がコレだ。

つまり今後AMDのCPUがIntelと対等に渡り合うためには、この動作周波数の壁をIntel同様に5Ghz近辺に、或いは今後の事を考えるとそれ以上にまで上げる必要がある。

そうしなければいくら微細化により平時の消費電力が下がっても、自動オーバークロックによるピーク時の動作周波数が上がらず、しかも無理に頑張れば消費電力が非常に残念な結果になるという事になる。

またCPU単体の消費電力以外にもX570を採用するマザーボードの消費電力の高さもあってさらに上積みされている。

これはアイドル時からピーク時まで、X470と比較して10~20W程度はありそうだ。

この消費電力の問題はUEFIやOSのパラメータ調整でまだ大きく変わる可能性が残っているが、そういった意味でも全体的に荒削りのまま製品を出荷してしまった、そんな印象を受けた。


というわけで、発売した瞬間からほとんどの面で完成度の高さを発揮するIntelと比べ、あちこち不具合を残したまま販売してしまうところがAMDらしいといえばAMDらしいが。

この事が一般の完成品パソコンメーカーに採用されにくい足枷になっている気がする。

自作界隈では自力でそのような不具合を克服する事も楽しみの一つとして受け入れられるが、一部のマニアを省いてほとんどの人はそんな不具合を持つ製品など不良品としか看做さないわけで、AMDの今後に不安を感じてしまう。

ただでさえCPUの供給能力が足枷になりやすいAMDで、これは痛い。

まあ性能についてはほぼIntelを超えた事が確実になった今、これからは製品の不安定な部分を出来るだけなくして欲しいと思う。


さあ、後は3800Xの登場でどうなるか。

今の所はギリギリゲーム用途でIntelの方に軍配が上がるが、3800Xが出ればAMD完勝となるのか。

乞うご期待、といったところか。



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Zen2発売を記念して [CPU]

日本国内は今日の夜7時から販売解禁となるZen2。

対象となるモデルは、下が6コアの3600から上は12コアの3900Xまで。
ついでにZen2ではないが、APUの3200Gと3500Gも同時に出る。

ただし未確認ではあるが、8コアの3800Xのみ遅れて12日から、という情報がある。


「Ryzen 9 3900X狙いならお早めに」(7/6)・・・複数ショップ店員談
http://www.gdm.or.jp/voices/2019/0706/311997


この遅れ、やはり8コアのダイが不足しているという事か。

その一方最上位の3900Xは6コアのダイ二個の構成なので、二つまでならば欠陥のあるコアを利用出来る事から予定通りと推測出来る。

また各モデルの人気も省電力モデルの3700Xと12コア以上のハイエンドに偏っており、中途半端な3800Xは不人気らしいので、それにかこつけて後回しにされたようにも思う。

まあいずれにせよ、今回のZen2発売はAMD側もかなり無理をして頑張ったのではないだろうか。


というわけで一部機種が遅れてはいるが、予定通りに発売開始という事で目出度い。

これを記念して、私が使っているWindowzのOEMロゴ(AMD公式画像から自作)を公開しようと思う。

RYZEN_logo.png

使いたいと思う人はロゴ画像を右クリックで保存し、ペイントなどでBMPに変換した後にしかるべき場所(参考のレジストリでは C:\Windows)へコピーしてから以下のレジストリを追加、パソコンを再起動して欲しい。※ファイル名は自由に付けて良いが、以下のレジストリのままとするならば「RYZEN_logo.bmp」とする事。

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\OEMInformation]
"Logo"="%windir%\\RYZEN_logo.bmp"
"Manufacturer"="AMD Corporation"
"Model"="Ryzen 3000シリーズ"
"SupportHours"="9:00 - 16:00"
"SupportPhone"="03-6479-1550"
"SupportURL"="http://www.amd.com/ja"

使い方は Windows Registry Editor Version 5.00 から "SupportURL"="http://www.amd.com/ja" までをテキストファイルにコピー&ペーストし、内容に関して必要な編集を施した後に保存、ファイル名を「oemlogo.reg」などと変更した後にダブルクリックでインストールする。


なお、「"Logo"=」以下の変数は自由に編集しても問題ない。

例えば "Model"="Ryzen 3000シリーズ" は 敬愛するAMD CEOの名前をいただいて "Model"="Lisa su" としても良い。

知識が不足している方は、WindowzのOEM Logoについて調べる事で理解出来るだろう。

oem_logo_w7.png
OEMロゴの設定例。画像はWindowz7だが、Windowz10でも同様に可能。

このような小細工はすでに非常に多くの方が行っていると思われるが、まだ知らない方もそれなりに居ると思う。

今回のZen2発売を機に新しくRyzenでパソコンを組む方、或いはRyzenのパソコンを新規に購入する方や、現在Ryzenのパソコンを使っている方でこのような小細工が好きな方は挑戦してみると良いかもしれない。


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開先KX-6000と中国 [CPU]

昨日、何か不自然にブログへのアクセスが増えていると思ったら、過去に書いた「開先KX-6000」の記事にアクセスが多い事が原因だった。

そこで「開先KX-6000」について検索すると、Web上のニュースサイトにコレが正式発表されたという記事が7月2日に出ていたのだった。

この正式発表された「開先KX-6000」、最も性能が高いもので「8コア 3Ghz」というスペック。IPCがどれほどかわからないが、VIAのEDENがベースとしたら同じスペックのCore i9の半分程度になるだろうか。

ただ、フルスクラッチの可能性も否定は出来ない。その辺りの情報を私は持っていないし、調べる気も起きないのでなんともいえないところだ。


ちなみにKX-6000の前、現行モデルとしてすでに市販されるKX-5000は、Lenovoなどによってこれを搭載するパソコンやサーバーが開発されている。今の所KX-5000を使った機種は中国国内から出る事は無いだろうが、もっと高性能なCPUが作られるようになればその内に日本でも中国製CPUのパソコンが売られるようになるのかもしれない。



その中国だが、昨日から今日にかけて以下のような記事を見つけた。


中国、新疆に入る外国人のスマホをマルウェアでスキャンか
https://japan.cnet.com/article/35139374/

ウイグル自治区を訪れる旅行者のスマホには監視用スパイアプリが強制的にインストールされていることが判明
https://gigazine.net/news/20190703-chinese-tourists-forced-install-malware/


ウイグルといえば民族弾圧と同化政策で現地の人達が酷く苦しめられているというイメージだが、どうやら外から入ってくる外国人に対しては強制でスマートフォンから情報を抜いている模様。

そもそも個人情報のカタマリであるスマートフォンを、犯罪者でもない旅行者からロックを解除した状態で押収するという事自体許されないと私は考えるが、それが法律として定められているのが中国という国。

人権は共産党の下にあり、人は共産党によって管理される事が中国の常識である。

この件はその一端にすぎないのだ。

とはいえ、今時のスマートフォンは例外なく個人情報が抜かれている。GAFAに代表される企業は、言ってみれば中国共産党の西洋版みたいなものだ。一般にそう思われないのは、顧客である利用者から反感を買うような事を可能な限り“見せない努力”が払われているからだろう。

そしてそもそもが消費者に直接あれしろこれしろと命令しなくても、彼らが自分の意思で支配者の望む行動を取る術を研究し続けている事もある。

まあ、私にとっては中国もGAFAも同じだ。


中国製x86互換CPU「開先KX-6000」の恐怖
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-09-21



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あと4日でZen2販売開始、一方Intelは… [CPU]


7月7日の販売開始まであと4日となったZen2。

実際どんなモノかは市場に出てからでないと解らないとはいえ、事前情報ではかなり期待が持てる。

特にハイエンドの性能競争ではIntelがモタモタしているおかげで、Intelが来年いっぱい14nmの10コアがハイエンドであるのに対してAMDのZen2は7nmの16コアであり、恐らく当分の間絶対的なアドバンテージを維持すると思われる。


とはいえ、AMDものんびり構えていられるわけではない。

今年末までに出回るはずのノートPC用10nm CPU“Ice Lake”に対して、AMDはまったく対抗する術が無い。という事は一般向けPC市場の半数以上を占めるノートPCの分野で、AMDのシェア獲得がままならない事を意味する。

現在徐々にノートPCにもRyzen搭載機種が増えてはいるが、シェアは1割にも満たないように見える。Ice Lakeの供給が潤沢であれば、こちらは当分の間これ以上シェアを伸ばす事が出来ない可能性が高い。さらにノートPC向けCPUの一部は、日本国内で大きなシェアを持つ液晶ディスプレイ一体型パソコンに搭載されている。

従って少なくとも、日本国内ではデスクトップ向けでもAMDのシェアが伸び悩む可能性が非常に高いと言える。


一方パソコン市場の精々1~2%くらいしかないと思われる自作市場では、現在Ryzen旋風が吹き荒れている。

7月7日以降はWindowz7のサポート切れに伴うパソコンの需要増に伴ってさらにIntelからAMDに乗り換える人が増えると予想され、AMDのシェアは広がっていくだろう。

だがそれでも、日本国内ではIntelのシェアをあと1割も奪えれば上等な気がする。それだけ日本人にIntelは信頼され、人気であるのだ。


このように製品の性能、販売力とも非常に強力なIntelは、現在品不足解消のため以前は不良品として廃棄していた“GPUが使えない”ダイをも製品として売り始め、CPUの増産を急いでいるという。

この件に関しては以下の記事が詳しい。


Ice Lakeは2019年中に量産開始 インテル CPUロードマップ
https://ascii.jp/elem/000/001/852/1852927/


この記事にあるように、現在のIntelは14nmでの増産を急ぐあまり歩留まりの低下でも悩まされていて、それでも商品の不足を補う努力を精力的に続けている。終わらないCPUの脆弱性と共に商品に色々問題を抱えている状態でありながら、AMDの何倍もCPUを売っているのだから大したものだ。

そして今後は現在抱える様々な問題を克服した新しい10nmプロセスと、そして2021年に出ると言われている7nmプロセスによる新しいCPUがIntelには控えている。

恐らく2021年にデスクトップ向けは10nmで、ノート向けが7nmで出るのだろう。

これらのCPUは現在のCoffee Lakeよりもかなり性能を上げて来る事は明白で、恐らくZen3ではまったく歯が立たない状況になると私は考えている。


2021年と言えば、順調に行けばDDR5に対応する新しいプラットフォームと共にZen4が出る時期だ。

もしIntelが1月に10nmのデスクトップ向けCPUを出したとすると、その時点でAMDはZen3で対抗する事になる。そして“順調に開発が進めば”7月頃にZen4が出て、もしZen4がZen2よりIPCを10%以上、動作周波数を5Ghz以上まで上げることが出来れば、Intelに対抗出来るかもしれない。

なんの根拠もない想像でしかないが、私はそう考えている。



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7nm版のRavenRidgeが出るという噂はガセだと思う [CPU]


今日より、何やらガセ臭いリーク情報が出回っているらしい。

内容は2019年内(具体的にはNavi発売後4ヵ月の11月頃)に7nmで作られたAPUが出るというもので、これがRavenRidgeのシュリンク版であるとのこと。


EXCLUSIVE: AMD’s Plans For 7nm Ryzen APUs
https://wccftech.com/exclusive-amds-plans-for-7nm-ryzen-apus/


この情報ソースでは11月の発売に懐疑的であり、1月のCESで発表という予測を立てている。そしてこの新型APUを「Raven Ridge 7nm Refresh」と呼んでいるが、このCPUはタイミング的に見て「Renoir」ではないだろうか?

この件に関して、参考に私が書いた過去の記事は以下。

12nmのRyzen APUが発表される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-01-07

Zen2世代のAPUは、GPUがNaviではないらしい
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-05-12-1


要するに“Piccaso”は今年1月7日に発表されているので、その一年後に“Renoir”が出たとしてもおかしくはない。

さらに一部では希望的観測として“Renoir”のGPUコアにNaviが搭載されるという意見があるが、実際にはVegaのままである可能性が極めて濃厚である。

すると一見してRavenRidgeのシュリンクに見える噂のAPUは、実は“Zen2+VegaのRenoir”がその正体であると言える。


まあ、普通に考えてすでにZen2のAPUが計画されている中で、途中に中途半端なRavenRidgeのシュリンク版など挟んで来るのはおかしいと思う。

噂のAPUはやはり、単に“Renoir”が予定通り出るという話をデタラメにいじって作り上げたものだと私は思う。



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デスクトップ版IceLakeは消えたらしい [CPU]

デスクトップ向けIce Lakeの出荷は絶望的 インテル CPUロードマップ
https://ascii.jp/elem/000/001/873/1873186/

上記リンク先記事のタイトル通り、デスクトップ版のIceLakeは完全に消えたようだ。

原因は現在開発中のIntel製 10nmプロセスの動作周波数が上がらないため。


現在の最先端半導体製造プロセスは、微細化が進む事で回路中の配線が極めて細くなっている。この結果配線抵抗が増えて信号の伝達が遅くなりがちで、この遅延は周波数が上がるほど深刻な影響となり、最大動作周波数の上限を下げる結果になっている。

また、電圧を上げて無理に周波数を上げようとしても、抵抗の大きな配線を流れる電流が増える事で消費電力ばかりが増え、その割に動作周波数の上限がほとんど上がらなくなる。

Intelの10nmプロセスはRyzenを製造するTSMCの7nmよりも配線ピッチが狭いので、この事が配線抵抗増大の一因となってIntelを苦しめる結果となったようだ。


こうした事からIntelのデスクトップ向けCPUは2021年まで14nmで製造され、その後新たに開発された7nmプロセスによりIceLakeに代わる微細化が進んだ新プロセッサを出すようだ。

つまり、2021年の7nmプロセスによるCPUが出るまで、IntelはAMDに対抗出来る多コア化されたCPUの製造が極めて困難になるという事だ。

私は過去にデスクトップ版のIceLakeが今年後半に出る事でZen2は3日天下なるかもしれないと思っていたが、3日天下どころかこの先1年半~2年程度はRyzenの天下になりそうである。


愛巣零苦
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-04-16

今年IntelのIcelakeはモバイル向けの省電力のみ
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-04-28



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Ryzen 9 3950XとNaviの詳細が発表される [CPU]


昨日(6/10)、12日より開催される「2019 Electronic Entertainment Expo.」(E3 2019)に先立ち独自イベントを開いて、16コアのRyzen「Ryzen 9 3950X」と新型GPU「Navi」につての詳細を発表した。

「Ryzen 9 3950X」は16コア32スレッドに到達。(以下略)
https://www.4gamer.net/games/446/G044684/20190610131/

西川善司の3DGE:次世代GPU「Radeon RX 5700」シリーズの秘密に迫る。(以下略)
https://www.4gamer.net/games/337/G033715/20190610139/


先月末のComputex 2019では12コアの「Ryzen 9 3900X」を発表したばかりのAMDが、わずか10日余り後の今、何故16コアの3950Xを発表したのだろうか。

私のように16コアの発表はもっと遅く、早くとも第4四半期に入ってから、或いはホリデーシーズン前の12月頭くらいに発表されると思っていた人は多いと思うが、これが裏切られた形になる。


16コアが出るとしてもかなり後だという予想は、CPUのダイを二つ載せる、8コアを超える第三世代Ryzenは出ないだろう、という予想と同じで生産数に限りのあるZen2が足りないという話が根拠の大部分を占める。

また、Socket AM4ではメモリバスが2チャネルまでという制限から8コアを超えるCPUコアの性能を生かしきれないのではないか、という予測も根拠の一つとなっている。(他にも現時点で一般向けに8コアを超えるCPUにどれほどの需要があるのか疑問もある)

しかしAMDは出してきた。16コアという前代未聞の一般向けCPUを。

見方によってはそれだけZen2コアのダイ生産が順調であるという裏付けにも取れるが、本当のところは関係者にしかわからない。

また、そもそもIntelに対抗出来るCPUが存在しない以上、今発表する意味はあまりないようにも感じられる。


それから価格について、749ドルという価格は一つ下である3900X(499ドル)の1.5倍。この値段を見てもIntelの16コアCPUと比べれば破格の安さであるが、一方で一般向けのCPUとしてはかなり高額だ。

この価格設定、日本では\84,800~\89,800程度(税抜き)になるだろうか。

安価なSocket AM4マザーボードで可能な限り高性能なパソコンが欲しい人の目にこれがどう映るのか。同じ16コアならばメモリが4チャネルの「Thredripper」の方が高性能になる事は確実。だが今の所Zen2のThredripperはいつ発表になるのかすらわからない。

これはZen2のThredripperを一応計画しつつも生産が足りなくて出せない事から、絶対的な需要が少ないと思われるThredripperをキャンセルしてZen2のダイをRomeとRyzenで分け合い、その結果わずかながら欠陥の無い8コアのダイに余裕が出たのではないかと想像出来る。

同じ16コアのThredripperを使う人には残念かもしれないが、Thredripperが必要な人にはまだ32コアが既存製品にあるから問題はないと考えているのか。

今はとにかくIntelに追いつかれる前に勢いを増してシェアを広げ、売り上げと利益を積み上げる事がAMDにとっては重要なので、価格も含めて今回の判断は正しいと私は思う。



そしてNavi。

ビデオカードに載るチップとしてはRadeon RX5700として発表されているが、このチップの詳細が正式に発表された。

この詳細の中でCompute Unit数や動作周波数などは今の所性能指標としてあまり意味が無い。

何故なら既存のVegaを使ったビデドカードのベンチマークスコアを基準に性能を予測する事が出来ないからだ。

なので性能的な事は実製品を使ったベンチマークで新たに基準を作らなければならない。


というわけで、ここではリアルタイムレイトレーシング機能についてだけ書く。


過去のAMDによる発表では、Naviはリアルタイムレイトレーシングに対応する、と明言されていたが、これがハードウェアによる実装か、それともソフトウェアによるものかまでは言及されなかった。

その後Playstation5がリアルタイムレイトレーシング対応という報があり、ハードウェア実装が期待されたが、今回の発表によってRX5700ではOpen CLによるソフトウェア実装である事が判明した。


今の所ハードウェアによるリアルタイムレイトレーシングは対応するアプリケーションがまだ少なく、ほとんどの人には意味が無いかもしれない。しかしこの事は少なからず売り上げに影響すると思う。もちろんGeForceよりも圧倒的に高性能かつ同等以下の消費電力であればほとんど関係がないだろうが。

この点については次のNaviで対応する、という事のようだ。

Playstation5は早くとも2020年末以降の発売なので、搭載されるNaviは第二世代以降のものになるだろう。だから、今回のRX5700が対応しないといっても話の筋は通る。

それにNVIDIAがハードウェアリアルタイムレイトレーシングを発表したのは2018年であり、Naviにこれを追加するには2年くらいの開発期間は必要だと思う。


このようにRX5700がリアルタイムレイトレーシングにハードウェアで対応しない事はガッカリな人も少なくないだろう。

とはいえ、実際それが大きく影響するような時代はまだ先だ。

ゲーム以外での用途では致命的かもしれないが、そういう用途はソフトウェアによるレイトレーシングがどれほどの性能かにもよる。

このように、スペックの詳細がはっきりしても未知数な部分が多いRadeon RX5700であるが。

あと一か月もすれば本当のところはどうなのか、わかるだろう。


他にはAPUの新型、Ryzen Gシリーズのデスクトップ版「Ryzen3 3200G」と「Ryzen5 3400G」の発表もあったようだが、こちらはZen+コアの改良版に既存製品と同じVega GPUコアの組み合わせなので、あまり話題性がない。

噂ではZen+コアの改良版が想像以上に高性能だという話があるが、実際の所はどうなのか。スペックを見る限りTDPは65Wと変わっていないが、確実に消費電力が上がっていそうだが。

こちらも第三世代Ryzenと同じく7月7日発売という話なので、詳しい事はそれからである。



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Zen2コアの新しいRyzenが正式発表される [CPU]


現在台湾で行われている「COMPUTEX TAIPEI 2019」において、AMDより次期Ryzenの正式な発表があった。

発表されたのはデスクトップ用のハイエンド製品3種で以下の通り。


Ryzen 7 3700X 8/16、3.6~4.4GHz、TDP65W、$329

Ryzen 7 3800X 8/16、3.9~4.5GHz、TDP105W、$399

Ryzen 9 3900X 12/24、3.8~4.6GHz、TDP105W、$499


ここで私の予想外、12コアのRyzen 9があった。

8コア以上は無い、と予想(とはいえ出る可能性は否定しなかったが)したものの、外れる結果に。


では、AMDは何故12コアをハイエンドのトップに持ってきたのか。

それは来年出ると噂されている、Intelの10コア製品の存在だろう。
(もしこれが無ければ12コアのRyzen9は出なかったと考えられる)

Comet Lake-S 10-Core Desktop CPUs Confirmed For Q1 2020 In Latest Intel Roadmap Leak
https://hothardware.com/news/comet-lake-s-10-core-cpus-confirmed-q1-2020-latest-leak

そして12コアという事はチップが2個パッケージに載るわけだが、内一つは1チップ8コアの内4つまで無効化したもの。或いは6コア品を二つという組み合わせも考えられるが、いずれにせよ8コア全てが良品ではない一部不良のダイを再利用するわけで、生産数が限られるという制約からある程度外れる事になる。

私の勝手な想像ではあるが、この二つの要因が主となって12コアRyzenをこのタイミングで出す事にしたのだろう。我々消費者の心理としては半端な12コアではなく16コアを出せ、となると思うが、このように必要に迫られた上での妥協と思える製品であるので、16コアは当分出る事は無いと思われる。


というわけで、後は実際のブツが何時出るかだが。

こちらは昨年出ていた情報通り7月7日の発売である。



また同日、AMDの新型GPU“NAVI”も発表された。

アーキテクチャはGCNの流れを汲むと思っていたが、RDNAという新しいアーキテクチャだそうだ。

これにより性能1.25倍、電力効率は1.5倍になるという。

これまでのAMD製GPUは性能の割りに消費電力が非常に多いという印象があるが、これでライバルのNVIDIA製GPUに並ぶ事が出来るだろうか。


さらにこのNAVIはPCIe 4.0にも対応する事から、Ryzen 3000番台の持つPCIe 4.0を活かせる数少ないデバイスの一つとなる。

一部でこのPCIe 4.0対応のために関連製品の消費電力増が問題になっているが、ハイエンド製品ではこの問題で増える数W程度の消費電力増は問題にならないかもしれない。

それにこのPCIe 4.0の消費電力増加はこれまで高速化した多くのバス規格がそうだったように、今後の改良で緩和されるだろう。


このNAVI、肝心の性能はRadeon RX 5700シリーズとNVIDIAのGeForce RTX 2070を比較した場合、Strange Bridgeというゲームでほぼ同等から10%上回る結果だという。

まあハイエンドグラフィックは私には関係が無いので、あまり関心は無いが。

消費電力が最大50W程度でGeForce GTX1050以上の製品が1万円程度で出たら、買うかもしれない。


参考:


【速報】AMD、新「Zen 2」アーキテクチャで12コアの「Ryzen 9 3900X」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1186695.html

AMD、NAVIこと「Radeon RX 5000」シリーズGPUを7月出荷
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1186723.html



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Intel製CPUの脆弱性「MDS」が発表される [CPU]

一昨日の5月14日(日本時間15日)、Intelを始めいくつかの機関よりIntel製CPUの新しい脆弱性が発表された。

この脆弱性は「MDS」と命名され、この脆弱性を利用したサイドチャネル攻撃も同時に発表されている。こちらは「ZombieLoad」「RIDL」「Fallout」などと命名され、この内最も危険度の高いものが「ZombieLoad」という事だ。


今回発表された「MDS」は、昨年1月に騒動となった「Meltdown」と「Spectre」同様、Intelのハイパースレッディングテクノロジーに関連する脆弱性であり、対象となるCPUは最新のものを含め過去10年間に製造販売されたIntel製CPU全てが含まれるという。

この件に関してIntel側の反応は鈍く、第8世代と第9世代のCore iシリーズ(8000系と9000系)はハードウエアレベルで対応していると発表しているが、脆弱性を発見したVU大学の見解とは食い違っている。(もしIntelの主張が本当ならば、何故Intelは第9世代のCore iシリーズに対応するマイクロコードのアップデートなどするのだろうか?)


VU ontdekt megalek in Intel-chips
https://www.nrc.nl/nieuws/2019/05/14/hackers-mikken-op-het-intel-hart-a3960208

上記リンクの記事には、MDSについてこのようにまとめている。(以下記事からの引用)

ニュースの要旨 :

・アムステルダムVU大学の研究者らは、すべてのIntelプロセッサに存在する広範なデータ
 侵害を発見しました。 これらのチップは全コンピュータとサーバーの80%以上にあります。

・火曜日の夜、IntelとVUはRIDL(Rogue In-Flight Data Load)の詳細を発表した。これは
 悪意のある当事者がコンピュータから「ほぼすべてのデータ」を盗むことを可能にする
 脆弱性である。 許可されていない人は、プロセッサが現在処理しているデータを閲覧する
 ことができます。

・この脆弱性は最新のものも含めて過去10年間のすべてのIntelプロセッサに存在します。
  ハッカーは、Web広告にコードを隠すことによってこの脆弱性を悪用することができます。


なお、今回の情報公開はすでにある程度対策の目処が立ってからなので、脆弱性に対応するアップデートがすでに用意され、一部は適用が終わっているようだ。

とはいえ、まだこれから配布する対策も多く、それらは順次アップデートされていく模様。

対象となるユーザーは慌てる事無く、今出来る事を粛々と進めていくべきだ。

Intelからは脆弱性の緩和策としてマイクロコードのアップデートも提示されているので、Windowzを使う人達はこれらを適用し、OSやアプリケーションの対策は各メーカーのアップデートが出たら必ずアップデートしよう。


追記

未確認だが、今回の問題“も”、Intelによる情報操作の痕跡が見られる。

Intelの発表はあくまで参考とし、それ以外の複数の情報源で詳細を確認した方が良い。


参考:

New Intel security flaws could slow some chips by nearly 20%
https://www.reuters.com/article/us-intel-cyber/new-intel-security-flaws-could-slow-some-chips-by-nearly-20-idUSKCN1SK2OD

RIDL and Fallout: MDS attacks
https://mdsattacks.com/

インテルCPUに重大バグZombieLoad発見、各社がパッチを相次いでリリース
https://jp.techcrunch.com/2019/05/15/2019-05-14-intel-chip-flaws-patches-released/

2011年以降のほぼすべてのIntel製プロセッサに影響する脆弱性「MDS」の存在が明らかに
https://gigazine.net/news/20190515-intel-mds-vulnerability-zombieload/

【要対策】Intelプロセッサの新たな脆弱性「MDS」とは?
https://www.gizmodo.jp/2019/05/mds-explanation.html

インテルのチップに新たな脆弱性--「Microarchitectural Data Sampling(MDS)」
https://japan.cnet.com/article/35136950/

Micro$oft マイクロコードのアップデート (Windowz10のみ)
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4093836/summary-of-intel-microcode-updates


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Zen2世代のAPUは、GPUがNaviではないらしい [CPU]


少々古い情報だが、とある方がWindowzのデバイスドライバに含まれるデバイスIDを探ったところ、来年予定されているZen2コアを使うAPURenoirは内蔵するGPUがNaviではなくVegaである事が判明している。

AMD Next-gen APU "Renoir" uses Vega graphics (GFX9)
https://www.reddit.com/r/Amd/comments/aemjjb/amd_nextgen_apu_renoir_uses_vega_graphics_gfx9/


まあNaviの出るタイミング的に、またAMDの抱える製造プロセスの問題からも、RenoirにNaviが組み合わされる事は微妙だと思っていたらその通りになっていたようだ。

この事は私が過去の記事に書いた、APUに組み合わされるGPUがIOチップに内蔵されるという考えの根拠にもなっているが、仮にIOが7nmであってもVegaの7nm版は存在するワケで、外付けGPUやPS5による実績で揉まれてNaviがある程度枯れたモノになるまで、APUとの組み合わせはVegaであってもまったく不思議ではない。

なによりも、APUともなればCPUとGPUのメモリ空間を共用するというHSAがある。
HSA自体は外付けGPUでも可能だが、CPUコアとGPUコアが直接内部バス(Ryzenの場合Infinity Fabric)で接続されるAPUはハードウェアで対応するというところが違う。その辺りの開発に、ハード・ソフトの両面で相応の時間が必要というのは容易に予想出来、それがAPUにNaviが使われる事のタイムラグに繋がっていると私は考えている。

とはいえ、HSA自体はすでに死に体であるようで、AMDのカタログでは初めてHSA完全対応したKaveri以降、HSAの宣伝文句が消えているが。


というワケで。

今年出るAPUのPicassoと、来年予定されているRenoirは、GPUがVegaであると。

Picassoのみ確定でRenoirはまだ確定とは言えないが、デバイスIDがすでにそうなっているという事は、ほぼ確定と言って間違いないと思う。





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少なくとも今、8コアを超えるRyzenはありえない [CPU]

いつの頃からかだろうか?

海外のサイトを中心に、8コアを超えるZen2コアを載せたRyzenという、普通に考えてありえないモデルのデマがリーク情報としてネット上に流れ続けている。

“Matisse”と呼ばれている第三世代Ryzenは、CPUコア単体のチップにIOとキャッシュメモリで構成されたチップの二つをパッケージされたものだが、8コアを超えるコアを載せるにはCPUのチップを二つ載せなければならない。

モデル Core/Thread Base/Boost TDP 価格
Ryzen 9 3850X 16/32 4.3/5.1GHz 135W $499
Ryzen 9 3800X 16/32 3.9/4.7GHz 125W $449
Ryzen 7 3700X 12/24 4.2/5.0GHz 105W $329
Ryzen 7 3700 12/24 3.8/4.6GHz 95W $299
Ryzen 5 3600X 8/16 4.0/4.8GHz 95W $229
Ryzen 5 3600 8/16 3.6/4.4GHz 65W $178
Ryzen 3 3300X 6/12 3.5/4.3GHz 65W $129
Ryzen 3 3300 6/12 3.2/4.0GHz 50W $99

リーク情報として出回っている、Matisseのラインナップ。フェイクなので騙されないように。

以前AMDから公表されたMatisseは、少しばかり変則的な位置にCPUチップが載せられていた関係で空いた場所にGPUが載るという噂も出たが、それは公式に否定されている。

だがCPUチップが載ることは否定されていないため、可能性はゼロではないかもしれない。


しかしAMDと、TSMCの7nmプロセスの現状を考えると、そのようなCPUはありえない。

根拠の一つは価格。
CPUチップ二個搭載で500ドル以下は無理があると思う。
ただでさえ原価の高いArFの7nmである。そのうえいくらダイ面積が小さい(約80m㎡)といっても高い動作周波数で回るチップを採るには条件が悪すぎるから、ハイエンド品に回せる数は限られる。
そうなると当然、原価は高くなる。だからありえない。

二つ目は単純に数が足りないという理由。
TSMCがAMDに回せる製造キャパシティはそれほど高くはない。さらにRomeには8個もダイを持っていかれるので、とにかく数が必要なRyzenに無駄に二個もチップを載せる余裕など無いはず。

三つ目はAMDが一般向けのRyzenよりもサーバー向けのEPYCを優先する方針を掲げているにも関わらず、Zen2コアのRomeを用いたEPYCの出荷が遅れている事。
当初Zen2のEPYCは、今年に入ってすぐ出るはずだった。だがいまだに出ておらず、最近発表されたAMDのロードマップでは2019年第3四半期に延期されている。
これは二つ目の「数が足りない」という理由の背景に当たる根拠で、EPYCのカタログスペックを満足出来るダイが思うように採れない事が想像できる。


一方Ryzenの場合は数が多く出るとはいえ需要はIntel製CPUと比べてそれほど多くも無い。少なくともEPYCと比べチップは1/8の数で一個のCPUが製造出来るし、TDPの制約がEPICよりもゆるいために多少素性の悪いチップでも間に合う。
だからEPYC用に一番良いチップを採ったら残りでRyzenを作れば良いわけで、全体的にあまり良くない出来のArF 7nm製造によるチップであっても、EPYCの出荷は遅れるが、Ryzenの出荷は予定通りイケる、という事になる。

ただし全体的に出来が悪いから、とても12~16コアのRyzenなど作る余裕など無いはずだ。
そして逆にArFな7nmの出来が良いのならば、EPYCは今頃すでに出荷が始まっている。


という事で、7月頃出荷予定のRyzen(Matisse)は、ハイエンドが8コアの3700X若しくは3800X。以下、現在の2000系Ryzenと同等のラインナップになるというのが私の予想だ。

そして最大5Ghz程度まで回すとすれば、すでに公表されている通り最大消費電力は約134WでTDPは100W以上、という事になるはず。ハイエンド以外の下位モデルは最大4Ghz程度までであれば65W前後のTDPに抑えられるだろう。

こうした数字を見ても、Zen2は7nmプロセスを使った割りにそんなに良いCPUではない。
もちろん現行のRyzenと比べれば格段に性能は向上するが、本来の7nmらしい性能になるにはEUVを使ったZen3を待つ必要があるだろう。

だがZen3が来たとしてもなお、16コアというのは少し考えにくいように思う。
来るとすればやはりThredripperとして出るのではないだろうか。



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今年IntelのIcelakeはモバイル向けの省電力のみ [CPU]

現在Intelは最先端の半導体製造プロセスの開発に失敗し、一方で現在生産する14nmのCPUや各種デバイスの生産が需要に対して足りず、少しばかり追い詰められた状況にある。

この影響によって一昨年には出るはずだった10nmプロセスのCPUは極めて限定的な、GPU無しのモバイル向けCPUが細々と行われているのみで、主力のモバイル向け及びデスクトップ向け、そして稼ぎ頭のサーバー向け全てで14nmによる代替品が出荷されている。

こうした中、上手くいけば今年秋頃には出るかもしれないと言われていたIcelake。
コレがもしかすると今年中に間に合わないかもしれない、というウワサまで出ていたが、日本時間で一昨日のIntelによる2019年第1四半期の決算報告により今年末のホリデーシーズンには出荷されるという事が発表された。

Intelの10nm製造「Ice Lake」プロセッサ製品、2019年末までに登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1182601.html

ただし、これはモバイル用の低電力バージョンである、型番末尾に“U”が付くCPUのみである。

結局、デスクトップとサーバー用のハイパフォーマンス向けIcelakeは今年中に間に合わないという事が確定した。


どうしてこんな事になってしまったのか。

理由は諸説あるが、外から見た限り、見込みが大甘で無理な設計を「可能」だと押し進めた結果の失敗と、失敗を認めて設計変更すべきところの判断が遅すぎた事が原因であるように思う。(EUVの遅れも多少影響しているかもしれない)

一方でTSMCなどの7nmプロセスは、既存の技術で可能な手堅い手法で設計した製造プロセスだった事が幸いし、ほぼ予定通りに製品の出荷が可能になっている。

こうした事実は、近年のIntelが如何に傲慢だったかを窺わせるものだ。


対してAMDはここ十数年間常に負け続けていた事が幸いしたのか、Intelがこのような体たらくである事にも助けられてシェアを伸ばす事に成功している。

ただし、過去Athlon64の時代には傲慢経営だったツケでどん底に落ちたという事もあるので油断は出来ない。

CPUの性能もZen2コアでやっとCore i9に追い付いたという状況。
ここで10nmのIcelakeが出ればまた一気に差が広がるので、AMDは「Intelに追い付いた!」などと喜んでいるヒマなど無い。

Intelが7nmのCPUを出す数年後にはIcelakeよりも性能が上がっている事は間違いないので、それに置いていかれない性能のCPUを開発しなければならないからだ。


まあとにかく、IntelのIcelakeがまたさらに遅れた事は、少なくともAMDに限って大きなチャンスである。

ここで売り上げを大きく伸ばして、新しいCPUの開発への投資を大幅に増やし、いつまでもIntelの対抗として高性能なCPUを出し続けていて欲しいと思う。


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PlayStation 5はZen2+Naviカスタム [CPU]


GIGAZINEの記事によると、PlayStation 5(以下PS5)はZen2+Naviカスタムを搭載するという事が明らかとなった。

PlayStation 5は(以下略)
https://gigazine.net/news/20190417-playstation-5-first-details/

これまではほぼ確実と言われながらあくまで予想に過ぎなかった事が、ついに確実となったワケだ。


予想外だったのはリアルタイムレイトレーシングに対応するという事。

リアルタイムレイトレーシングの話そのものはNVIDIAのRTシリーズによってわりと最近有名になったが、PS5のリアルタイムレイトレーシングがそのタイミングで採用を決定したとは考えにくく、以前より決まっていた事なのだろう。


さて、PS5に搭載されるプロセッサについてだが。

私の勝手な想像では恐らくSoCとして設計されて、CPUは全ての用途で使いまわされるおなじみの8コアダイが使われ、GPUとIOを統合したダイと組み合わされてパッケージされるだろう。

そしてGDDRがSoCの直近に実装されて、その部分だけ見ればビデオカードのようなレイアウトになると思う。

メインメモリは当然にビデオメモリと共用されるが、メモリの共用による帯域制限の問題については、超大容量のキャッシュメモリで隠蔽する。

この用途のためにHBMをSoCパッケージに載せる事が考えられる。


なお、この構成は将来のAPUにも使われるかもしれない。

Next_APU.png

少なくとも5万円以上のハイエンドAPUとして売り出すのならば、可能性として有り得ると思う。

ただし既存のSocket AM4では絶対に無理で、メインメモリも最低限DDR5が必要。

というわけでAMDには是非、このようなAPUを出してもらいたい。



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