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Ryzen 9 3950XとNaviの詳細が発表される [CPU]


昨日(6/10)、12日より開催される「2019 Electronic Entertainment Expo.」(E3 2019)に先立ち独自イベントを開いて、16コアのRyzen「Ryzen 9 3950X」と新型GPU「Navi」につての詳細を発表した。

「Ryzen 9 3950X」は16コア32スレッドに到達。(以下略)
https://www.4gamer.net/games/446/G044684/20190610131/

西川善司の3DGE:次世代GPU「Radeon RX 5700」シリーズの秘密に迫る。(以下略)
https://www.4gamer.net/games/337/G033715/20190610139/


先月末のComputex 2019では12コアの「Ryzen 9 3900X」を発表したばかりのAMDが、わずか10日余り後の今、何故16コアの3950Xを発表したのだろうか。

私のように16コアの発表はもっと遅く、早くとも第4四半期に入ってから、或いはホリデーシーズン前の12月頭くらいに発表されると思っていた人は多いと思うが、これが裏切られた形になる。


16コアが出るとしてもかなり後だという予想は、CPUのダイを二つ載せる、8コアを超える第三世代Ryzenは出ないだろう、という予想と同じで生産数に限りのあるZen2が足りないという話が根拠の大部分を占める。

また、Socket AM4ではメモリバスが2チャネルまでという制限から8コアを超えるCPUコアの性能を生かしきれないのではないか、という予測も根拠の一つとなっている。(他にも現時点で一般向けに8コアを超えるCPUにどれほどの需要があるのか疑問もある)

しかしAMDは出してきた。16コアという前代未聞の一般向けCPUを。

見方によってはそれだけZen2コアのダイ生産が順調であるという裏付けにも取れるが、本当のところは関係者にしかわからない。

また、そもそもIntelに対抗出来るCPUが存在しない以上、今発表する意味はあまりないようにも感じられる。


それから価格について、749ドルという価格は一つ下である3900X(499ドル)の1.5倍。この値段を見てもIntelの16コアCPUと比べれば破格の安さであるが、一方で一般向けのCPUとしてはかなり高額だ。

この価格設定、日本では\84,800~\89,800程度(税抜き)になるだろうか。

安価なSocket AM4マザーボードで可能な限り高性能なパソコンが欲しい人の目にこれがどう映るのか。同じ16コアならばメモリが4チャネルの「Thredripper」の方が高性能になる事は確実。だが今の所Zen2のThredripperはいつ発表になるのかすらわからない。

これはZen2のThredripperを一応計画しつつも生産が足りなくて出せない事から、絶対的な需要が少ないと思われるThredripperをキャンセルしてZen2のダイをRomeとRyzenで分け合い、その結果わずかながら欠陥の無い8コアのダイに余裕が出たのではないかと想像出来る。

同じ16コアのThredripperを使う人には残念かもしれないが、Thredripperが必要な人にはまだ32コアが既存製品にあるから問題はないと考えているのか。

今はとにかくIntelに追いつかれる前に勢いを増してシェアを広げ、売り上げと利益を積み上げる事がAMDにとっては重要なので、価格も含めて今回の判断は正しいと私は思う。



そしてNavi。

ビデオカードに載るチップとしてはRadeon RX5700として発表されているが、このチップの詳細が正式に発表された。

この詳細の中でCompute Unit数や動作周波数などは今の所性能指標としてあまり意味が無い。

何故なら既存のVegaを使ったビデドカードのベンチマークスコアを基準に性能を予測する事が出来ないからだ。

なので性能的な事は実製品を使ったベンチマークで新たに基準を作らなければならない。


というわけで、ここではリアルタイムレイトレーシング機能についてだけ書く。


過去のAMDによる発表では、Naviはリアルタイムレイトレーシングに対応する、と明言されていたが、これがハードウェアによる実装か、それともソフトウェアによるものかまでは言及されなかった。

その後Playstation5がリアルタイムレイトレーシング対応という報があり、ハードウェア実装が期待されたが、今回の発表によってRX5700ではOpen CLによるソフトウェア実装である事が判明した。


今の所ハードウェアによるリアルタイムレイトレーシングは対応するアプリケーションがまだ少なく、ほとんどの人には意味が無いかもしれない。しかしこの事は少なからず売り上げに影響すると思う。もちろんGeForceよりも圧倒的に高性能かつ同等以下の消費電力であればほとんど関係がないだろうが。

この点については次のNaviで対応する、という事のようだ。

Playstation5は早くとも2020年末以降の発売なので、搭載されるNaviは第二世代以降のものになるだろう。だから、今回のRX5700が対応しないといっても話の筋は通る。

それにNVIDIAがハードウェアリアルタイムレイトレーシングを発表したのは2018年であり、Naviにこれを追加するには2年くらいの開発期間は必要だと思う。


このようにRX5700がリアルタイムレイトレーシングにハードウェアで対応しない事はガッカリな人も少なくないだろう。

とはいえ、実際それが大きく影響するような時代はまだ先だ。

ゲーム以外での用途では致命的かもしれないが、そういう用途はソフトウェアによるレイトレーシングがどれほどの性能かにもよる。

このように、スペックの詳細がはっきりしても未知数な部分が多いRadeon RX5700であるが。

あと一か月もすれば本当のところはどうなのか、わかるだろう。


他にはAPUの新型、Ryzen Gシリーズのデスクトップ版「Ryzen3 3200G」と「Ryzen5 3400G」の発表もあったようだが、こちらはZen+コアの改良版に既存製品と同じVega GPUコアの組み合わせなので、あまり話題性がない。

噂ではZen+コアの改良版が想像以上に高性能だという話があるが、実際の所はどうなのか。スペックを見る限りTDPは65Wと変わっていないが、確実に消費電力が上がっていそうだが。

こちらも第三世代Ryzenと同じく7月7日発売という話なので、詳しい事はそれからである。



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