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富岳とM1の共通点 [CPU]

昨日公表されたニュースによると、富士通の開発したスーパーコンピュータ“富岳”は、スーパーコンピュータの性能ランキングにおいて二期連続で4冠※を達成したという。
※「TOP500、HPCG、HPL-AI、Graph500」の4つで世界一位。


一方で先日Appleから発表された、Apple初の独自設計SoC“M1”はこれまでIntel MACに採用されたどのIntel製CPUよりも速く、しかも私の調べた限り既存のパソコン用CPUの中ではZen3を含めて最も消費電力当たりの性能が高いCPUである。

この二つ、“これまでに無かった圧倒的な高性能”という点で共通するが、この結果に対し大きな貢献を果たしている“ある仕様”も共通する。

それは“DRAMをCPUの直近に直付けしている”という点だ。

A64FX_M1.jpg
左が“富岳”のCPU「A64FX」、右はAppleのM1。

現在の一般的なパソコンやサーバーは、メインメモリを“モジュール”という部品として供給されていて、メイン基板にハンダ付けされた“カードエッジコネクタ”に差し込まれている。

mc_Jdie.jpg
メモリモジュール。写真はDDR4 SDRAMの物になる。

DDR_cec.jpg
一般にメモリスロットと呼ばれるカードエッジコネクタ。写真はDDR SDARMの物。

この場合メモリはCPUから一定以上離れた場所に接続される。

その結果メインメモリへのアクセスには大きな遅延が生じて、アクセス速度を上げる事は容易ではない。

一方富岳は32GBの超大容量キャッシュメモリとしてHBMが、M1の場合はメインメモリとして8GB又は16GBのLPDDRメモリが、CPU直近に搭載されている。

このようにCPUとメモリチップが近いと信号の到達時間も短いし、HBMやDDR-SDRAMはパラレルバスなので各配線で信号の到達する時間を合わせる事が容易になる上、距離が短いという事は配線の抵抗も少なくなるためより細い配線を高密度に配置する事も可能となり、一般にメモリモジュールを使うDRAMは64bitバスであるのに対して富岳のA64FXの場合HBMのバス幅512bit、M1はメインメモリ周りの仕様は不明(バス幅は32bitx4?)ながらCPUダイ直近のパッケージ上にLPDDRを搭載するために相当なアクセス速度と低レイテンシを実現していると思われる。

こうしたメモリ周りの仕様に合わせてCPUコアの設計と動作させるソフトウェアの最適化も当然に行われていると思われ、これによって今までのシステムに無い高い性能を実現している。


ちなみに同様の共通点はPS5にもあり、同じZen2コアを持つRyzen 3700Xなどと比べると処理速度はかなり違うと考えられる。

PS5のSoCとM1と比べた場合、その差が気になる所だが。

スペックはPS5の方が上なので、PS5の方が速いとは思う。


それにしてもHBMを搭載したAMDのAPUはまだなのか!

もう5年以上待っているのだが。

当時のAMDによると構想はあるらしいが、Appleに先を越されている場合ではないと思う。

HBMの生産はMicronも始めた事だし、調達やコストの問題も改善されているはずなのだがなぁ。


参考:

スーパーコンピュータ「富岳」TOP500、HPCG、HPL-AIにおいて2期連続の世界第1位を獲得
https://www.riken.jp/pr/news/2020/20201117_2/index.html

富岳は、主要なスパコンベンチのすべてで1位を獲得することが重要
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1289662.html

同じZen2 APUでもまったくの別物
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-03-20

AMDの“Zen”と、HBM
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-08

スーパーコンピューター「富岳」が世界一位になったらしい
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-06-23-1


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Ryzen5000について調べた [CPU]

私感だが、予想通り入手難になっているZen3ことRyzen 5000系 CPU。

6コアの5600Xは当初在庫を維持する店もあったが、海外でのレビューではかなり良い評価である事を受けてか、すぐに日本国内も品薄状態に。

今すぐ欲しいと思うほどの情熱と行動力がある人以外は、心にゆとりを持って来年まで待った方が良いだろう。


そんな中、国内では個人やPC関係情報誌のサイトなどでレビューの続報が上がり始めている。

そのレビューに関する要点は以下の通り。

1. 得手不得手はまだ残るものの、ほとんどの場合でIntel製CPUよりも大幅に速くなった
2. ゲームしかしない人は5600Xが最適解
3. 5800Xは3800Xと同様に性能は良いが扱い辛いCPU
4. メインメモリの問題が特定のマザーボードで出ている
5. TDPの枠内で使う分には消費電力が少なく熱問題も出ないが、そうでない場合は爆熱になった
6. 最大消費電力がZen2よりも上がっているので、マザーボード選びは注意が必要


1に関してはソフトウェア開発者がIntel製CPUに最適化されたコンパイラを使う限り、AMD製CPUは性能を100%発揮出来ない。

にも関わらずこの結果である。

もし全てのソフトウェアが多少なりともZen3にも最適化された場合、どうなるかは推して知るべしである。


2に関しては、5600Xが場合によって上位のCPUを上回る成績を出す事が根拠となっている。

この理由はTDPが低い分最大動作周波数を高く維持しやすいからだと私は想像する。

いずれにせよ、IPCと動作周波数両方が上がった結果、かなり化けたようである。


3は5800Xを狙っている人にとって大問題だ。

どうもスペックを満たすためにかなり無理をしているようで、消費電力が相応に多いらしい。

レビュー記事によっては16コアの5950Xよりも冷却性能の高いCPUクーラーが必要という評価である。

最大消費電力は5950Xの方が多いが、ダイ二つに負荷が分散する5950Xに対し5800Xはダイ一つに集中する事が問題となるようである。


4についてはZenが出て以降毎回同じ事の繰り返しで、AGESAの熟成不足は明白だ。

メモリコントローラ自体Zen2と同一とはいえ、マザーボードも合わせると条件が変わるのだろう。

これも毎度の事ながら、数ヶ月後にはAGESAの改良が進んで解決すると思われる。


5は3と根本が同じ問題で、CPUの性能を限界まで引き出そうとすると二次曲線的に消費電力が増える事に因る。

Zen3はZen2よりもオーバークロックの上限が明らかに上がっており、冷却さえ足りていれば5Ghzにまで届くという。

複数のコアが5Ghz前後まで上がれば相当な大電流が流れる事になり、5950Xの場合消費電力は200Wを超える事もあるらしい。

200W超ともなればかつてのFX-9590に匹敵し、発熱量もかなりのものになる。

CPUクーラーは“TDP~Wまで対応”と性能が表記されるが、昔と違い現在のTDPはCPUの最大消費電力ではない。

よってTDP表記に合わせたCPUクーラーでは冷却能力が足りなくなるし、CPUクーラーのTDP表記自体も根拠が無い事が普通であるため、5800X以上を使うのであれば最低でもTDP表記が200W以上の物を選び、可能であれば性能に関する評判を調べた上で何を使うか決めた方が良さそうである。


そして最後の6。

5の続きの話となるが、消費電力の上限が上がっているのであれば、マザーボードの電源回路もこれに応じた物が必要だ。

ここに来てB550搭載マザーボードが異常とも思える豪華なVRMである事の理由に繋がって来る。

恐らく、最低でもPhase数が4+2(Vcore / IO)のVRMを持つB550マザーボードであるが、5600Xを使う場合これもで足りる。

だが5800Xや5900X、或いは5950Xの場合、CPUの要求する電力によりVRMの許容電流ギリギリまで電流が流れると、動作が不安定になったり最悪VRMの焼損という事態にもなりかねない。

従って、5600X以外のZen3を使いたければ、マザーボードはCPUの要求する最大電流の2倍以上の容量を持つVRMかどうかを目安に選ぶべきだ。

具体的には5950Xの場合EDCという設定値が140Aとなっているため、この範囲内で使うのならVRMに使われるFETの最大電流が合計で280A以上あれば十分。

また、UEFIの設定を変更してもっと回すのなら、最大1.45Vで250Wと見積もって172A、余裕を見て350A~400A程度のVRMを持つマザーボードを選べば良い。

さらにオーバークロックの夢を追いたい人は、もっと多くの電流が流せるVRMを持つマザーボードを選ぶべきだ。

このVRMの最大電流はFETのスペックから割り出すが、その情報は以下のサイトで公表されている。

参考にして欲しい。


B550 VRM tier list
https://www.reddit.com/r/Amd/comments/hc3pcz/b550_vrm_tier_list/

※X570が載っているリストは許容出来る最大電流がリスト中に表記されている。
 B550のみのリストはFETがHiとLowを分けて書かれている場合、Low側を参照する事。

 例1:Prime B550-PLUSの場合、L(Lowの意)が「1L:SiRA12」となっているので
 データシートを見ると最大電流は25A、Phase数は8+2なので最大200Aとわかる。

 例2:Prime B550M-Aは、Lが「2L:SiRA12」でPhase数は4+2だが、
 2Lは恐らく1Phase当たりFET2個という意味なので最大200Aであると思う。

 当然だが、最大電流の余裕が多いほどVRMの発熱が減る事は覚えておくべきだ。


参考:

16コアCPUの頂点「Ryzen 9 5950X」とリーズナブルな「Ryzen 5 5600X」の実力
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1289129.html

「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 5 5600X」を加えすべてのRyzen 5000シリーズの実力を俯瞰する
https://ascii.jp/elem/000/004/034/4034108/






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Zen3販売解禁。 [CPU]


今日、日本時間午後7時をもって日本国内でのZen3販売が解禁された。

パソコンに関係する各ニュースサイトでもすでに簡単なレビュー記事が挙がっており、性能に関して先月AMDが発表した通りである事も確認した。

これで名実共にAMD製CPUがIntel製CPUの性能を完全に超えた事になる。


私の知る限り、21世紀に入ってからは初めての快挙だと思う。

これまでもAMD製CPUがIntel製のそれを打ち破る事は何度かあったが、それはこれまでのZenシリーズCPUがそうであったように特定の条件下の話で、一般的な用途においてあらゆる条件で比較するとIntel製CPUの方が良い性能を示す事が多く、これによってAMD製CPUは特定の人達を引き付けはしたものの、大多数はIntel製CPUを使う事となった。

もちろんIntel製CPUが売れた理由は性能だけでなく、ソフトウェアのサポートが非常に手厚い事や、同業他社をあらゆる方法で引きずり落とす悪徳商法による効果が大きい。

市場を支配する大企業に、AMDを含む同業他社はあらゆる面でIntelに後れを取る事となったのも無理のない話だ。

だがAMDは2008年以降約十年間に渡って反撃のため牙を磨き続けた。

Intelも2011年以降からの、AMDのあまりの凋落振りに気が緩んでいた事もある。

結果としてAMDは再起に成功し、それは市場シェアにも明確に表れている。


今日、この日は、AMD製CPUがIntel製CPUに完全勝利した記念すべき日だ。

そしてZen3はSocket AM4対応CPUの最後を飾るにふさわしい製品。

特に買い替えの必要性が無い私でも記念に買いたくなるのも止むを得まい。


さて、何を買おうか・・・



Ryzen 5000シリーズを試す
https://news.mynavi.jp/article/20201105-1457526

新しいCPUの王者、Zen 3となった「Ryzen 5000」シリーズをテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1286593.html

Ryzen 9 5900X Ryzen 7 5800X
https://www.4gamer.net/games/461/G046172/20201105003/


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Zen3とRocket Lake [CPU]

先日AMDからZen3採用のRyzen 5000シリーズが正式に発表され、発売日が11月5日という事が判明した。

私個人の感覚では思ったよりも早い発表である事から出荷数は限定的であり、発売されても買えない難民が溢れるのではないかと懸念している。

一方Intelも、同時期に来年早々に出荷予定のデスクトップ向けCPU「Rocket Lake」についての情報をリークして対抗。

これまでの情報と併せると14nmで製造され、中身はTiger Lakeと同じCPUコア+IGPUになるようだ。


性能に関しては、Zen3はかなり頑張っていると思う。

なにしろZen2から19%もIPCを向上させ、同時に最大動作周波数も最大で200Mhz上げる事で、シングルスレッド性能がついに既存のIntel製CPUを完全に上回ることに成功したからだ。

ただしこれはあまり喜べる状況ではなく、Rocket Lakeが出ればまたすぐに追い越される運命だ。

とはいえ大幅な性能向上を達成している事は間違いなく、Socket AM4対応CPUの最終アップデートとして満足出来る仕上がりとなっている。

後はUEFIのAGESAにバグが無いことを祈るばかりだ。


そしてもう一方のRocket Lakeは、14nmによる製造という事でこれ以上CPUコアを増やす事は難しいと思われ、シングルスレッドはWillow Cove系のコアによる大幅なIPC向上でZen3を追い越す事は確実と予想されるが、マルチスレッドでは相変わらずAMDの後塵を拝むことになるだろう。

また、消費電力も変わらず非常に高い水準だと考えられ、消費電力当たりの性能もZen3には及ばないだろう。

来年もゲームはIntel有利、それ以外はAMDが有利という構図に変化はないようだ。


参考記事:

AMD、Zen 3世代のRyzen 5000シリーズ発表 - 16コアのRyzen 9 5950Xなど4モデル
https://news.mynavi.jp/article/20201009-1387514/

AMD,Zen 3ベースの新型CPU「Ryzen Desktop 5000」シリーズを発表。次世代GPU「Radeon RX 6000」もチラ見せ
https://www.4gamer.net/games/461/G046172/20201008139/

Zen 3とRocket LakeでさらにヒートアップするAMD vs Intel
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1281903.html

デスクトップ向け第11世代Core「Rocket Lake」は2021年第1四半期に登場
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1281833.html


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TigerLakeの実力 [CPU]



先日IntelはTiger Lakeを正式に発表したが、上記リンク先の記事によるとそのリファレンスデザインのノートPCをテストしたところ、AMDの第三世代Zen APU “Renoir”を搭載するノートPCより平均2割程度高速だったらしい。

そして驚くべきことに、ゲームの描画性能でも“Renoir”を上回っている。

Xe GPUの性能初見! 第11世代Core搭載ノートをベンチマーク
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1277810.html


まあ、予想通りというかなんというか、これも当然の結果だと思う。

そのうえ今の所製造プロセスの躓きがあるにも関わらずこうした結果を出したわけで、Intelは今後さらに改良の速度を上げる可能性があるという事は簡単に想像出来る。

特にモバイル向けのCPUはこれからもIntelが強く、AMDは常に後塵を拝する事になるのではないだろうか。

だが、まだAMDに可能性が無いわけではない。

私は一AMDファンとして、今後の新しいAPUに期待している。



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AMDのシェアがノートパソコン市場で2割に達したという話 [CPU]

数日前の記事だが、AMDのシェアがノートパソコン市場で2割に達したそうだ。

AMD、ノート用CPUシェアも約2割に
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1270024.html

この結果はIntelの10nm及び7nm製造プロセス開発失敗による影響が大きいが、だとしてもIntel製CPUの代わりになるだけの価値がAMD製APUに無ければこうはならなかったと思う。


実際の所、AMD製APUのモバイル向け製品は特に消費電力の面でIntelに劣っていた過去がある。

現在出荷されている“Renoir”が、各パソコンメーカーからの引き合いが非常に強いという記事をどこかで目にした記憶があるが、そうなった理由の一つに消費電力の問題が解決しつつある事は間違いない。


いずれにせよ、昨年まで1割に届かなかったシェアが2割に達した事は快挙だ。

K6-2の時代とAthlon64の時代もこれに近い数字だったと記憶するが、それを思うと感慨深い。

ようやくあの頃のシェアまで回復したのかと。

ただIntelもこのまま黙って見ているだけのはずはない。

過去に色々汚い手段で互換CPUメーカーを廃業に追い込み、AMDの没落の一因を作ったように、法の網をかいくぐる“脱法的手段”で足を引っ張って来る可能性は高い。

またそれが無くとも、今後AMDの開発するAPUが、あらゆる面でIntelに負けない性能を保ち、製造プロセスの開発に滞りが出ない事がシェア拡大の最低条件になる。

AMDの未来は今までよりも明るい事は確かだが、今までよりもはるかに険しい道のりを歩かなければならなくなるだろう。


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Intel、7nmプロセスの開発が6か月遅延 [CPU]


米インテル、7ナノ技術開発が6カ月遅延
https://jp.reuters.com/article/intel-results-idJPKCN24O335


ロイターによると、Intelの7nm製造プロセスが予定より6か月もの開発遅れを生じているということだ。

これは10nmプロセス開発失敗の悪夢を思い出させる。

これはライバルの企業にとっては朗報かもしれないが、一般の消費者にとっては悲報だ。


まあAMDにとっては苦しい開発競争の中でかなり助かる事になるだろうが。

個人的には競争がゆるくなった時のことを心配してしまう。

開発競争の重圧によるストレスが緩和した場合、研究開発の場に居る人達にどのような影響があるかを思うと、数年後に出てくるAMD製CPUがまた競争力を失う事になるのではないかと、そう思うのだ。


さて。

Intelはこれからどういった手を打って来るのか。

このところ失態に次ぐ失態を重ねるIntelだが、失敗した後に出るCPUが傑作であるという過去もあるので、今では想像も付かない超高性能CPUを出す可能性はゼロではない。

未来を見据えた技術開発でも先行している事だし、来年以降どうなるのか楽しみである。



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AMD、デスクトップ用新型APUの発売を発表 [CPU]

AMDはデスクトップ向けの新型APUを、8月8日に日本国内で発売する事を発表した。
(モバイル向けは4月頃より搭載パソコンの販売が始まっている)

発表されたAPUは3種類で、税抜き価格は以下の通り。


モデル名 コア/スレッド 価格
Ryzen 3 4350G 4/8 19,980円
Ryzen 5 4650G 6/12 26,980円
Ryzen 7 4750G 8/16 39,980円



先日友人のパソコンを一台組む話しを記事に書いたが、これでやっと話が前に進む。

あとはどの程度の数が出回るのかが問題だ。


7/22 追記

今回の販売開始発表は基本的にOEM向けであり、新型APUが欲しければメーカー製の搭載パソコンを購入するしかないという事で、APU単体の流通量は極めて限られた数になると予想される。

リテールパッケージ版の発売は今の所何時になるか未定であり、OEM向けをバルク品で販売するという今回の措置が何時まで続くのかもはっきりしていない事に注意が必要である。


AMD、Zen 2コア採用のデスクトップ向けAPUを正式発表
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1266549.html


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AMDの新デスクトップ向けAPU“Renoir”はまだか [CPU]


現在友人からの依頼でパソコンを一台組み立てる算段をしているのだが。

タイミングがある意味悪く、逆にある意味良い状況。

何故ならば、AMDの新しいデスクトップ向けAPU“Renoir”がそろそろ出る頃だからだ。


まあ“Renoir”自体はすでにモバイル向けの製品を搭載したノートパソコンが出回っているが、AMDはCPUの販売シェアを随分Intelから奪っているとはいえ、まだまだ供給能力に問題があるのだ。


ブツに関してはとりあえずAPUを使う事が決まっていて、今の所はRyzen 5 3400Gが候補の筆頭だ。

しかしもし同等の価格で“Renoir”が買えるのならば当然に“Renoir”を選ぶ。

マザーボードの候補にはGIGABYTEのB450 Gaming Xを選んだが、UEFIの最新版はすでに“Renoir”に対応したものが出ているようで、こちらの方は心配ない。

もちろん、買った物が古いUEFIだった場合でも私の手持ちにある古いAPUを使う事でUEFIの更新が可能だ。


さて、今の所デスクトップ向け“Renoir”は7月21日という噂だが。

21日に出ても店頭に並ぶのは来月以降なんて事もあり得る。

まあとにかく出ないと話しが決まらないので、早く出て欲しい。


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Zen3コアのAPU“Cezanne”のGPUはVEGAであるらしい [CPU]


現在ごく一部のノートパソコンにのみ搭載されている、Zen2コアのAPU“Renoir”。

このAPUは現在AMD製GPUの主力“NAVI”を使わずにVEGAを搭載する事で一部の人たちをガッカリさせた。

そしてZen3コアを使う次のAPUはさすがにNAVIだろうと、ほとんどの人が予想している所に出た新しい情報。

それが、「“Cezanne”のGPUはVEGA」というものだ。


これはハードウェアの識別用ID(デバイスID)を調べて判明した情報。

情報の出所は過去にRenoir”のGPUがVEGAであるとTweetとした遠坂小町という方のTweetで、すでに海外の関連サイトを中心に大きな話題となっているようだ。

本件に関して検索した結果↓
https://duckduckgo.com/?q=Komachi+Cezanne+VEGA&ia=web

当然今回出た情報の根拠もデバイスIDであり、デバイスIDの出所が確かなものであれば今回の情報も事実となる。

実際の所はAMDからの正式な発表があるまで不明だが。


個人的には“Cezanne”のGPUがVEGAである事を歓迎したい。

何故なら、VEGAであれば「Fluid Motion」が使えるからである。

私にとってこの技術は、古い記録映像作品(主にモータースポーツ関係)を鑑賞する事にとても役立っている。

まあ最悪デスクトップパソコンでGCN以降のビデオカードを積めば良いのだが、それとこれは別問題。

特に映像鑑賞に使うパソコンはDeskmini A300のような小型の物を使いたいからだ。

なんにせよ、もし“Cezanne”のGPUがFluid Motionに対応すれば、だが、もうしばらくはFluid Motionを使いたいパソコンに困る事は無い、かもしれない。



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Zen3とB550及びA520について [CPU]


Zen3は今年中、早ければ十月末頃、遅くても年末には出るという話だが。

未だ噂の域を出ない情報として、発売を延期するという話が出ている。

AMDが突然にRyzen 3000XTシリーズを発表した事も気になる。

今の所は憶測に過ぎない情報が飛び交っているが、このところ事前に出てくる噂は事実である事も少なくない。

600系新チップセットの開発が芳しくないような話もあるし、実際500系チップセットも半年以上遅れてやっと出た事もあるので、やはりZen3の発売は来年以降に持ち越されるのだろうか。


こうした中、やっと日本での発売日が6月20日に決まったB550のマザーボード。

昨今の高い消費電力のCPUに対応させるため電源回路が強化されているとか、デスクトップ用マザーボードには一般に不要と思われるWi-Fiが標準装備されているとか、要らぬ飾りが増えただとか、色々な要素が混ざって販売価格が高騰している。

私としては一万五千円以下で買いたいと思うが、どうやら最低ラインがそれくらいであり、私が現在使っているPrime B350-plusの後継機種であるPrime B550-plus辺りでも17,980円位になるようだ。

たしかPrime B350-plusは13,800円で買ったはずだから、それより4,000円も高い。

狙っているのはBIOSTARのB550 GTAなのだが、同じくらいの値段になるのだろうか。


昨今の企業は価格低下が進んだ分野で高価格志向を打ち出す所が増えている。

消費者心理として、実際の価値がどれだけ高くても安い物は安物としか見ない傾向があるため、価値が低い商品が売れずに困っていたものを、値段を倍以上にしたら爆発的に売れるようになったという事例が少なくないそうだ。

だから、AMDもIntelより価格が安い事からブランドイメージが低く見られる事に懸念を抱いているはず。

従ってCPUの性能でIntelに負けない今、今後はあえて強気の価格設定にして来るだろう。

マザーボードの価格もこれに沿った価格設定になってもおかしくはない。


最後はA520について。

これまであまり話が出ていなかったA520だが、最近になって突然話が出たような印象を受ける。

A520は普及品の位置付けであり、一般にローエンドの製品に用いられるチップセットだ。

だから、高級志向の消費者が割合として多い自作市場では興味が持たれにくいのだろうか。

こちらはB550よりもさらに遅く、8月になってから製品が出回るそうだ。

普通にパソコンを使うだけの人はこれが一番合っているので、私としては早く出て欲しいのだが。

とはいえこれが本当に必要となるのはZen2コアのAPU、Ryzen 4000G系が出てから。

Ryzen 4000G系は7月という噂もあるので、タイミング的には合っているのかもしれない。




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Intel「Lakefield」正式発表 [CPU]


Intelが「Lakefield」を正式発表した。

この「Lakefield」、モノ的にはSoCだが今までのSoCとは大きく違う。

それはこれまで別チップをシステムボードに実装してきた機能までを一つのパッケージに収めている事。

これはメインメモリのDRAMをも含み、消費電力低減と動作速度向上という相反する性能向上を同時に実現する。


これを実現する技術が各チップを三次元積層する「Foveros 3D packaging technology」(以下Foveros)というものだ。

それは以下の図のように、最下層のパッケージ、その上に各種チップセット、CPU本体、DRAMの順で積み上げている。

Foveros_zu.jpg
Intelの公式資料より拝借。

このような構造であるため、CPUを挟むチップセットとDRAMはCPUの発熱の影響を強く受ける。

従ってFoverosは低消費電力製品向けの技術だと言える。

事実「Lakefield」はTDP 7Wの製品であり、主に小型のモバイルPCやタブレット等に向けたものだ。

だが、将来的にはより高いTDP(上限は精々25W程度だろうが)の製品にもFoverosは採用されていくと私は予想している。


参考:

CES 2019:インテルの3Dチップは、「3つの奇跡」を乗り越えて実用化に向かう
https://wired.jp/2019/01/10/intel-lakefield/

Lakefield正式発表!
https://ascii.jp/elem/000/004/015/4015985/



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販売が始まったComet Lake-S [CPU]

一昨日販売が始まった、第10世代Core iシリーズこと「Comet Lake-S」。

販売開始前に散々リークされた情報を見てきたが、パソコン関連情報サイトのいくつかで掲載されているレビュー記事を読む限り、実際に出たモノはそれ以上の物ではなかった。

良くも悪くも予想通りといったところか。


良い所は旧来の14nmプロセスでの製造にも関わらず消費電力の上昇がそれほどでもなく、コア数と動作周波数の上昇を達成している所だ。

正直な感想として、よくここまでやるものだと思う。


一方で悪い所は、それだけやっても前世代の第9世代Core iと大した違いが無い事だ。

それも仕方がない事で、動作周波数を上げれば発熱が増えるために最大性能を継続して維持出来ないから、温度が上がった場合に動作周波数を下げなければならないのだ。

しかし別の視点で見ると、十分な冷却さえ出来れば10コアで5.3Ghzを維持出来るという事。

まあ、最大ブースト時の消費電力を考えればあまりにも非現実的だが。


こんな感じなので、Ryzenとの性能差はほとんど変わらない。

相変わらずゲームでは高速だが、それも誤差の範囲でしかない。

シングルスレッドで僅差の勝利、マルチスレッドで大差の敗北。

この構図は10nmで製造される“Tiger Lake”が出てから、その時に出ているZen3と比較して変わるのだろうか。

今の所は微妙な感じだが、私の予想ではシングルもマルチもIntelが勝つと思う。

そしてそれをZen4が逆転するかどうか、という感じになるのではなかろうか。


なんにせよ、今回のComet Lake-S発売はIntel製システムが必要な人にとっては朗報だ。

ハイエンドでの勝負はともかく、ミドル以下ではまだIntelに分がある。

全体で見ればまだまだ、Intelが勝っているという印象は消えないのである。


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Ryzen 3 3100・3300Xがもうすぐ出るらしい [CPU]

GIGAZINEの記事によると、AMDが4コア/8スレッドの新しいZen2コアCPUを発表したという。

AMDが(中略)「Ryzen 3 3100」「Ryzen 3 3300X」を発表
https://gigazine.net/news/20200423-amd-ryzen-3-3100-3300x/


実際のところ現在販売されているZen2のデスクトップCPUは6コア以上であり、これは一般的なデスクトップ用CPUとしてはハイエンドに位置する性能である。

そのハイエンドCPUを必要とする消費者は、多くてもパソコン需要の2~3割が精々。

残りはミドル以下のもっと低い性能で十分だ。

なので、今回発表された4コア・8スレッドのZen2コアCPUを待っていた人は非常に多いと思う。

ただ、こうしたミドル以下のCPUを必要とする消費者は出来るだけ安くパソコンを手に入れたいので、普通はGPU内蔵のCPUを欲しがる。

だから本来ならAPUが適当なのだが、昨今のeスポーツ興隆という背景もあり、あえて別途GPUが必要な入門者向け製品としてこのようなCPUを出して来たのだと私は推測する。

販売開始は2020年5月との事なので、今から楽しみだ。


また、当初2019年末発売かと噂されていたB550チップセットもようやく発売されるようである。

もはや今更感が強いのだが、今でもB550を待っている人は多いだろう。

恐らくパソコンメーカーこそB550を必要としていると私は考えていて、B550の販売開始と共にAMD製システムのパソコンが今まで以上に普及する一助になるのではないかと思っている。

B550搭載マザーボードは2020年6月から出回るとの事で、こちらも注目である。


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同じZen2 APUでもまったくの別物 [CPU]

「PS5」は5.5GB/sで容量825GB SSDを内蔵。長いローディング画面と決別
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1241853.html

次世代ゲーム機「Xbox Series X」は並のゲーミングPCを超える性能に
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1241270.html


現行世代よりAMD製SoCを使うゲーム専用機の新型、PS5とXboxの仕様が明らかになった。

過去のPS4及びXboxはJagureコア8個とGCNコアのGPUを組み合わせたSoCだったが、同様の組み合わせだったパソコン用SoC“Kabini”系とまったく違う構造のカスタムチップで、単に使われているCPUとGPUのコアが同じという事以外に同一な点がほとんど無いものだった。

この事はZen2コアを用いるPS5とXboxも同じで、メインメモリがGDDR6である事も含めてパソコン用APU“Renoir”とは似て非なる物だと言える。

PlayStation 4のAPUアーキテクチャの秘密
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/621178.html


何故そこまで違う物になったのかと言えば、単純にゲームの開発側が要求する性能を得るために必要だからだ。

一般のパソコンと違いハードウェアの仕様であるPC/AT互換機としての制約も無いうえ、同一のスペックで数年間売る必要もある。

かつてのPlaystationシリーズが当時のパソコンをはるかに上回る性能を実現していたように、能力的に数年先を行く性能でなければならない理由もあるわけだ。

なので、現在すでに存在するハードウェアの流用とはいえ、そのボトルネックになっている部分を徹底的に取り去る事でハードウェアの性能を極限まで引き出すための改造が施されている。

一部でパソコン用APUがほとんどそのまま使われていると思う人も居るようだが、そんな事はあり得ないのだ。


もちろん、だったらパソコン用APUもPS5用に準じた仕様にすれば、という意見もある。

だがそれは不可能だ。

メインメモリのGDDR6一つ取ってもGDDR系のDRAMは一般のDDR系DRAMよりも高価である上、CPUにしろメモリモジュールにしろ、GDDRを使うにはソケットを用いた実装が不可能な仕様であるため、PS5やXboxのような作りは仕様が完全に決め打ちで生産出来るゲーム機位にしか出来ない荒業である。

その他のIO回りの実装も同様で、全てが専用設計であるからこそ可能な仕様。

汎用性が最も重視されるパソコンには決してマネが出来ない事だ。


ただ、将来的にはパソコンも現在問題となっているボトルネックの解消に向かって開発が進んでいる。

例えばメインメモリの遅さに対する要求にはCPUパッケージにHBMのような広帯域メモリを乗せるという事が考えられているし、最大のボトルネックになっているメインメモリとストレージの速度差も、その中間に位置する“ストレージクラスメモリ”という物が採用されようとしている。

さらにパソコンの場合はその汎用性がボトルネックになっているだけではなく、拡張という方向に利用可能だ。

例えばCPUも毎年新型が出るわけで、ゲーム機には出来ないCPUの交換が出来る。

ビデオカードにしても同様で、常に最新の超高性能ビデオカードが利用出来る。

デスクトップパソコンであれば消費電力の制約も少ないため、性能向上に関してはかなりの力技が可能という事もある。

まあ、ゲーム機の(様々な制約の中で)極限まで性能を追求したハードウエアは私でも羨ましいと思えるが、一方でハードウエアに一切手を入れる事が出来ない不自由さと引き換えなワケで、何を選ぶか考えれば人それぞれ、ゲームしかしないならばゲーム専用機を買えばいいし、他の用途があればパソコンを選べば良いのだ。


話が少しばかり明後日の方へ向いてしまった。

なんにしろ今回ネタにした記事の内容はとても興味深い。

PS5や新型Xboxが市販されたらもっと詳細な記事が出ると思うので、今から楽しみである。


追記

各社のゲーム機を比較している記事がGIGAZINEに掲載された。

大雑把な仕様の比較であるが、同世代のAMD製カスタムSocを使うPS5とXboxの違いがまた興味深い。

PlayStation 5とXbox Series XとNintendo Switchのスペックを比較してみるとこんな感じ
https://gigazine.net/news/20200319-playstation-5-xbox-series-x-nintendo-switch/

両者の違いを簡単に言えば、PS5は全体のバランスを重視した仕様であり、XboxはGPU周りに金を掛けた仕様である。

この程度でゲームの面白さに違いが出るとは思えないが、PS5はゲーム以外の広範な用途でも高い性能が出る設計、XboxはFPSのようなGPUの負荷が高いゲームに焦点を合わせた設計、という事になるのか?

そういう意味ではゲーム機としてはXboxの方が向いた仕様だと言える。

それにしても、AMDもパソコンやサーバー用CPUの開発をしながら、よくもまあ仕様の違うゲーム機のSocを二つを開発したものだ。

少ない開発費と限られた人員でここまで出来る事が、Intelなどと比べると驚きしかない。


参考:

PlayStation 5のスペック情報公開で可変周波数CPU&GPU搭載やNVMe SSDを後付け可能であることが判明
https://gigazine.net/news/20200319-playstation-5-hardware-specs/

自作PC初のソケット式SoC、Athlon 5350をテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/review/643659.html

PlayStation 4のAPUアーキテクチャの秘密
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/621178.html

ストレージクラスメモリ
https://eetimes.jp/ee/articles/1611/07/news049.html



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Zen2コアのAPU“Renoir”について [CPU]


数日前の事だが、AMDよりZen2コアのAPU“Renoir”が正式に発表され、その概要が明らかになった。

AMD、“Renoir”ことZen 2ベースAPU「Ryzen Mobile 4000シリーズ」の概要を明らかに
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1241266.html

以前私は、APUは12nmのまま、という一つの予想を持っていたが、7nmで製造されるという予想は出来なかった。

その理由はダイ面積。

Zen2のCPUであるRyzenシリーズの“Matisse”、そしてサーバー用CPUであるEPYC“Rome”は、歩留まりと生産数を向上させる事で生産コストを下げるためにCPUコアとIOを分離した。

この“チップレット”と呼ばれるCPUコアのダイサイズは約80m㎡で、IOチップレットのダイサイズは約130m㎡(Ryzenの場合)。

ウエハ上の欠陥が同じ量でも、ダイサイズが大きいと不良となるダイが多く出るが、ダイが小さければ良品のダイがより多く採れるからだ。

budomari.png
図は私が過去にダイサイズと歩留まりの関連性について書いた記事より


特にIOをGFの14nmで別ダイとした理由は、14nmから7nmにした所でIOの占める面積はあまり減らないという理由からだった。

なので、APUでも同じ考えを基にモノリシック(一つのダイで製造)ならば12nm、7nmならばチップレットだがコストの問題でこれは無理だろうと、私はそう考えたのだ。

ところがAMDは7nmでモノリシックとして来た。

何故それが可能になったかを考えたが、考えるまでもなく以下の二つが理由だと即座に結論した。


・TSMCの7N(ArF液浸露光7nmプロセス)が1年以上の改良によって歩留まりが向上した事

・APUとして必要なGPUコアとIOを入れても面積が許容出来る大きさに収まる事


前者は容易に想像出来る事だ。初めにZen2のダイを生産した時と今では当然に改良されていなければおかしい。

だが後者は想像出来なかった。

現在市販されているAPU“Picasso”はダイ面積が210m㎡もあるのだ。これが仮に2/3の大きさになったとしても140m㎡。Zen2コアの約80m㎡の倍近いわけで、この大きさが許容出来るとは思えなかったのだ。

しかし実際にAMDが出して来た“Renoir”は156m㎡。

これでも十分な歩留まりになるほど、現在のTSMC 7Nプロセスは改良が進んだというわけだ。

Renoir_die.jpg
TechPowerUpの記事より画像を拝借。“Renoir”のIO関連の面積は、ダイ面積の約半分を占める。
32nm時代の初代APU“Llanoでは多目に見積もっても2割程度しかない事を考えると、
USBやSATA等、機能が大幅に増えた事を割り引いてもIOの縮小が難しい事がわかる。


さて、製造に関する話はここまで。

次は性能に関わる部分について思った事を書く。

意外だったのがCPUのコア数。4コアのままかと思っていたら、まさかの8コア。

L3キャッシュは1/4の4MBに減らされているが、L3の削減による計算能力低下は最小限に抑えているだろうから性能は期待出来る。

動作周波数に関してもデスクトップ向けのRyzenと同様に向上しているが、それよりもIPCの向上による性能向上の方が割合としては大きい。

また、GPU部分も“Picasso”と比較して改良が進んでいて、GPUコアはこれまでと同じVEGAでCUが3つも減った代わりに動作周波数が25%向上。

これだけならばCU削減の影響が大きく性能低下を想像させるが、コア自体が改良されているため1.79TFLOPSというカタログスペックであり、これはRyzen 5 3400Gの1.76TFLOPSをわずかに上回る。

さらにメモリコントローラ周辺の改良でメモリ帯域が上がっているそうなので、アプリケーションを実行した際の性能はさらに上がる可能性も残されている。


総合的に見ると、前世代から大幅な性能向上を果たしながら電力消費の効率も上がっていて、少なくとも現在のIntel製システムに対して大幅に競争力が増した事がわかる。

ただし。

今後出る予定のIce lakeやComet Lakeと比べると見劣りする部分もある。

実際のところは全て出揃ってから同一条件で比較しないとわからないが、様々な面でデスクトップ向け同様にモバイル向けでもまだまだIntelに一日の長がある事は間違いないため、AMDのさらなる高性能CPUの登場に期待したい。

そしてデスクトップ向けの“Renoir”も早く出てほしい!

AMDが拡張版K10コアベースのAPU「Llano」を初公開
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/401443.html



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かつて見た光景は繰り返される [CPU]

今年春に出る予定のIntel製デスクトップ向けCPU、Core i7 10700Kの情報がリークされたという。

Core i7 10700KのTurbo時最高周波数は5.30GHzとなる
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10145.html


驚く事に最高動作周波数が5.3Ghzとか。

すでにこの情報、昨年に“Core i9 10900K”の情報としてあったようだが私は見逃していた。

ただまあ、昨年出たCore i9 9900KSがそうであったように、“あくまで動作周波数の上限”であり、その周波数は短時間で落ちるものらしい。

改良が進んでいるとはいえ14nmプロセスでこれほど回るのだから、それが例え一瞬であっても大したものだと思う。


それにしても最近のIntel製CPUへの風当たりは厳しい。

過去に色々あった事も考えるとある意味当然の事かもしれないが、それにしてもどうかと思うレベルだ。

私はたとえZen2より性能が低いとしても、これほどIntel製CPUをダメ認定は出来ない。

それでもAMDが油断出来ないほどの高性能だからだ。


このような光景はかつてのAMDと重なる。

IntelがPentium 4を主力にしていた頃、AMDはAthlon 64で絶対性能と消費電力当たりの性能の両面で勝っていたが、その後IntelがCore 2アーキテクチャのCPUを出し始めると立場は逆転。

そうなる前にはAMDがかなり強気な価格設定でCPUを売っていた事もあって、散々叩かれていたように思う。


・・・まあ、これ以上は何も言うまい。



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月刊 Intel 脆弱性 2020年1月号 [CPU]

近年「月刊 Intel 脆弱性」と呼ばれるようになった、Intel製品の脆弱性問題。

2020年最初の月も手を抜かずにしっかりやってくれている。
(脆弱性そのものは少なくとも半年以上前に発見され、発表が今月になっただけなのだが)


Intelのプロセッサ内蔵GPUに脆弱性、ドライバ/カーネル更新を推奨
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1229817.html

Intel製CPUに投機的実行機能にまたサイドチャネル脆弱性
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1231851.html

Intel製CPUの新たな脆弱性「L1Dエビクションサンプリング」
https://gigazine.net/news/20200128-l1d-eviction-sampling-cacheout/


なお「月刊 Intel 脆弱性」に関する情報がデータベース化されているサイトがないかと探したら、国内に存在したのでちょっと調べてみた。

JVN iPedia 脆弱性対策情報データベース
https://jvndb.jvn.jp/

この内CPUに関するものだけを抽出すると以下のようになった。


Intel:全548件中・・・一つ一つ確認するのは面倒でヤメた。

キーワードにCPUを追加すると7件、プロセッサを追加すると11件、計18件
(OSやアプリの問題を除外)

当然こんなに少ないワケがない、明らかに抜けているものがいくつも確認される。


ついでにAMDも調べるとこのような結果に。(こちらも抜けがあるように思う)

AMD:全61件中9件、数が少ないのでデータベース登録番号などを列挙。
(これもOSやアプリの問題を除外)

JVNDB-2018-003359 ※同CTS Labsの件
JVNDB-2018-003358 ※同CTS Labsの件
JVNDB-2018-003357 ※同CTS Labsの件
JVNDB-2018-003356 ※同CTS Labsの件
JVNDB-2018-003355 ※同CTS Labsの件
JVNDB-2018-003353 ※様々な疑惑が存在するCTS Labs発表の件
JVNDB-2018-001001 ※Meltdown及びSpectre
JVNDB-2017-002660
JVNDB-2017-001749 ※GPUの脆弱性で、Intelを始めNvidia等も含まれる


両者を比べて思うのは、Intelは性能向上やセキュリティ向上ための「Intel なんたらテクノロジー」に関連する脆弱性が目立つという事。

問題解決のための機能が逆に問題を増やしている格好だ。

性能向上の仕組みに関しても、Intelは昔からキャッシュの帯域向上とレイテンシ低減が得意でAMD製CPUに対し大きなアドバンテージになっていたが、こういう裏があったのか、などと勘ぐってしまう。

また、根本的な修正には設計を全面的にやりなおすべきと思える脆弱性も多い。

しかしこれまでIntelが行って来たのは対症療法的なパッチ当てに留まり、基本的な設計を24年以上前のPentium PRO(P6)から変更せず使い続けて来た。

海外ではこの状況に苦言を呈する方も居ると聞く。


その点AMDはこうした脆弱性がIntelと比較して少ない。

圧倒的シェアを誇るIntelが攻撃対象になりやすく、対するAMDはシェアが少なすぎて相手にされていないだけ、という意見があるが、これは盲目的なIntel信者が言う場合、重要な要素が無視されている事が問題だ。

その要素とは、AMDのCPUが度々完全な新設計となっている事実。

それに加え、1990年以降インターネットの普及と共に需要の増えたサーバー向けCPUの開発を始めたIntel同様、AMDもより利幅の大きいサーバー分野への進出を考えていたが、サーバー向けCPUと一般向けCPUを別々に開発する力が無かったために、AMDは一貫してサーバー向けに開発されたCPUを一般向けにも流用するという事を続けて来た。

この事が脆弱性に関する問題を重視した設計を促し、それが現在まで脆弱性が少ない結果を生んだのではないかと思う。(単にPentium世代以降のIntel製CPUのコピー品を作れなくなったから、という見方もあるが)


最後に、現在のIntel製CPUに脆弱性が多すぎる理由だが。

これは設計段階でセキュリティに関する問題を軽視していたとしか思えない。

いくつかの問題はかなり昔から把握していたはずだが、最後のP6アーキテクチャとなるはずだったPentium IIIの次はNetburst(Pentium 4)で、その後はIA-64を普及させてx86を捨てる計画だった事も絡んで、P6の持つ潜在的な脆弱性は対策する必要が無い、とでも考えていたのではなかろうか。

当時はまさかNetburstとIA-64が空振りになって、捨てたはずのP6をまた掘り返す事になるとは夢にも思っていなかったに違いない。

もしIntelがモバイル向けにPentium4の使用を諦めず、P6の焼き直しで作ったPentium Mが開発されていなかったら、現在のIntelはAMDと立場が逆だったかもしれないほどだ。

まあ、一般向けのPentium4とサーバー向けのItaniumがほとんど同時にコケたことが、脆弱性だらけのCore iアーキテクチャを一般向けからサーバー向けまで蔓延させ、このような惨状を生み出したと。(これもAMDがAthlon64とOpteronを開発していなかったらありえなかった事だ)

しかしそもそもの原因は1990年代の、IA-64とNetburstに係るIntelの傲慢な考えにあったと私は思う。


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“Renoir”は計画通り出荷されるだろう [CPU]


TSMCの7Nプロセスは、極めて順調らしい。

TSMC、5nmプロセス「N5」を2020年上半期に立ち上げ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1230985.html


リンク先の記事は7Nの先のコトについて書かれているが、同時に7Nの現況にも触れている。

記事中の情報と、それ以外の色々なコトを混ぜると、Zen2コアのAPU“Renoir”の出荷も計画通りに行われる事が想像できる。

何故なら、Zen2コアのRyzenを始めとするAMD製CPU群はすでに主立った顧客の元へ行き渡り、これ以降は生産量を削減出来る。(AMDの持つ市場の狭さゆえに。)

その空いた穴を埋めるのが“Renoir”だが、出荷当初はGFの12nmプロセスで製造される“Picasso”もあるワケで、即座に“Renoir”への需要がピークになるわけではない。

7Nが順調ならばその間にゆっくり“Renoir”の増産体制を整える事が出来るワケで、何も問題は無いワケだ。


まァ、8コアのZen2なAPUがデスクトップ向けに出るには少なくともまだ半年以上待つ必要があるワケだが。

出たらどうなるのか、非常に楽しみである。


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CES2020でRenoir正式発表 [CPU]

あけましておめでとうございます。このブログに訪れる皆様、本年もよろしくお願いいたします。


さて、今年もパソコン業界は大きく動く事がハッキリしている。

その原因の一つが今年新しく出るAMD及びIntelのモバイル向けCPUであり、CES2020でAMDの新しいAPU「Renoir」が正式発表されたというニュースが以下の記事。


AMDがノートPC向けの7nm設計・Zen 2アーキテクチャAPU「Ryzen Mobile 4000」シリーズを発表
https://gigazine.net/news/20200107-amd-ryzen-4000-mobile/


ついに7nmプロセスによるZen2コアのAPUが正式発表されたワケだ。

Zen2コアは現在最新のノートパソコンに搭載されるRyzen APUのZen+コアと比べ、浮動小数点演算性能が最大40%程度向上していて、同じ動作周波数ならば省電力性能も前世代を上回る。

またGPUコアはCU数が12から10へと減少するものの、メインメモリがDDR4-3200になり、最大動作周波数は1.4Ghzから1.75Ghzに上がっているために性能は多少向上していると思われ、また消費電力はゲームなどを動作させている時はこれまでと同等、そうでない時はこれまで以下の消費電力に収まると推測する。


こうした変化によって、少なくとも現行のIntel製モバイル向けCPU群に十分対抗出来る省電力性と、それを上回る計算能力を得たと思う。


そして肝心の中身だが、Renoir(ルノワール)と呼ばれるこのAPUは結局チップレット構成とはならなかった。

私は過去に

「もしZEN2のAPUが出るとしたら、私の予想では7nmのZEN2コアで製造されるCPUチップレットに、IOとGPUを統合したダイのチップレットが組み合わされると思う。」

「ミドル~ローエンドを担うAPUは12LPかその後継の12nmクラスのプロセスで、単一のダイで製造されると思う。」

という二つの予想を書いたが、これらはどちらも外れてしまった。

この予想の根拠にはTSMCのArF液浸7nmプロセスがあまりに高コストである事があったが、記事中の写真にある、リサおばさんが掲げるRyzen Mobile 4000シリーズのダイはパッと見で150m㎡程度。

これまでに出たZen2コアのCPUは歩留まりの問題から、約80m㎡のCPUダイとGF製14nmプロセスによるIOダイに分割されて製造された。

しかし歩留まりの問題が緩和されたのならば、約二倍の面積でもコスト的な問題が出ないのか。

いずれにせよ、ダイのコストが一定以下に収まるのであれば、チップレットに分割して非常に複雑な配線を強いられるパッケージに実装するよりも安価になるのは当然の事で、つまりはそういう事なのだろう。


また、CPU部は最大で8コア、定格が1.7~2.7Ghz、オーバークロックで最大4.2Ghzというスペックだが、直接の競合となるIntelのIce Lake U(Core i7-1068G7 )が定格2.3Ghz、ターボ4.1Ghzという事で、多少劣るが結構良い勝負に思える。

GPU部は先に書いた通り性能的に大きく上がっているとは思えない。
そしてCESでの発表ではRyzen 7 3700UよりもIntel(Iris Plus)の方が優れているとの事なだが、これが本当だとしてもRenoirの方が僅差で優っているのではないかと思う。

メインメモリは先にも書いた通りDDR4-3200に対応した。これだけでも従来より数%の性能向上になるが、一方でIce LakeはLPDDR4-3733 に対応する。この点でもIce Lakeはかなり性能を稼いでいると思うだけに、Renoirは対応していない事が残念だ。(2020/1/15訂正)AMDより後日の発表で、RenoirもLPDDR4に対応するとの説明があった。

以上、これまでのRyzen APUより大幅な性能向上を果たしているものの、まだIce Lakeには負けていると思われる。
LPDDR4に対応する事で、性能と省電力の両立が進むと思われ、これに加えて電力制御が進歩していれば、Intelのモバイル向けCPUに対し十分に対抗出来るかもしれない。


というワケで、早ければ今年春頃にはRenoirを搭載したノートパソコンが手に入るのだろうか。

私としてはAMDの新しいAPUを搭載したノートパソコンが、ノートパソコン市場でのIntelのシェアを今よりもっと切り崩す事を期待している。


参考:

【速報】AMD、ノート向けのRyzen 4000プロセッサを発表
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1227687.html

IntelがCESで新世代CPUの性能をアピール
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/1227566.html

少なくとも、今の所ZEN2のAPUは無い
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-01-14

Zen2世代のAPUは、GPUがNaviではないらしい
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-05-12-1

7nm版のRavenRidgeが出るという噂はガセだと思う
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-06-15



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B550及び600系チップセットと次のRyzen [CPU]


一昨日の北森瓦版によると、当初今年末頃と言われていたB550チップセットの市場投入が来年に延びたと書かれている。

また、次世代の600系チップセットについても書かれていて、こちらは来年末の登場らしい。

X670チップセットが来年末に登場する・・・らしい? 他B550の話
https://northwood.blog.fc2.com/blog-entry-10054.html


AMDは開発力の問題から、一般向けのSocket AM4用チップセットの開発を外部に委託している。

例外と言えるのがX570であり、これは恐らくPCIe 4.0への対応が外部委託では間に合わなかったからだと推測される。

B550の「PCIe 4.0対応」可否については、本来ならばX570と同様にB550も対応させるべき所であるが、マーケティングの理由からという言い訳の元、開発を委託されている台湾企業(多くの記事で“Xiangshuo"となっているが、実際は恐らくAsmedia)にPCIe 4.0に対応するチップセットを開発する技術がまだ無い事が本来の理由だと思われる。

従って、開発の遅れ自体もPCIe 4.0対応に難航している事が理由だと私は考えている。

この事から数か月後に予定されているというB550の発売に間に合わなければ、B550のPCIe 4.0対応はうわさだけで終わる事になるだろう。


それから、現在非常に狭い市場の中ではあるものの、極めて好調な売り上げを見せる第三世代Ryzenの後継として期待されている、Zen3コアのRyzenについて。

こちらも過去の予想通り来年のかなり遅い時期に発売されるようだ。

何故ならこれを裏付けるニュースとして、同時に発売されるはずの600系チップセットが来年末という予測が出ているからだ。

一部の人々はZen3の発売は来年夏以降だと考えているようだが、TSMCの7nm+が本格的に大量生産出来る時期は当初よりも遅れ気味であるようなので、様々な要素を勘案すればちょうど一年後位が最速の発売日になると思われる。

ただしチップセットが遅れる可能性は高いと思われるので、先にZen3が出て年が明けて以降にX670?辺りのチップセットが出るというパターンも考えられる。



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Ryzen 9 3950Xが発売された [CPU]


まあ、言うまでもなく今日はRyzen 9 3950Xの発売日。

一足早く販売が始まった北米では$749なので、為替レートを110円としても税抜き価格が82,390円なのに、国内の税抜き価格が89,800円というのはいささか高価すぎるように思う。

そして多くの人が予想した通り、大手でも一店舗10個程度と、販売店への入荷数は非常に少なかったようだ。

ただ、事前に海外から個人輸入している人が少なくなかった事もあって、初動はそれほど争奪戦の様相を呈す事も無かったとか。

争奪戦が思ったよりも激しくない理由は、本当にCPUパワーが欲しい人はThredripperに流れたという事もあるかもしれないが。(こちらの入荷数はもっと少なかったようだが)


いずれにせよ、初回入荷以降は入荷数が初回よりも少なくなるだろうから、より争奪戦が激しくなる可能性もある。

私はZen2の完成形であるZen3狙いで一時避難的に3600Xを買ったが。

約一年後に販売開始されると思われるZen3もこんなだったら、買う時期をさらに1年先延ばしにしても良いと思っている。

祭りに参加している人達には、ご苦労さん、としか言いようがない。


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ガッカリなAthlon 3000G [CPU]


以前書いた記事で期待を寄せた、AMDの新しいAPU「Atyhlon 3000G」。

型番が従来の3桁から4桁に変わったので、何か大きな変更でもあったかと思えば。

なんと現行機種のAthlon 200G系と中身はまったく同じ、GFの14LPで製造されたCPUだった。


4GHzオーバーが狙える!OC可能なAPU「Athlon 3000G」の実力とは
https://ascii.jp/elem/000/001/977/1977161/


この記事では定格で使用する限りほぼ「Athlon 240GE」と同じCPUで、違いはグラフィックコアが100Mhz高い1100Mhzである事と、倍率のロックが解除されてオーバークロックが可能である事の2点のみ、ということだ。

ならばオーバークロックした場合の性能向上は如何ほどか、と思えば、CPUコアが最大4Ghzまでオーバークロック出来てベンチマークの性能が1割程度上がっているらしい。

・・・まあ、安いCPUで遊べる、という以上の価値は無いワケだ。

以上の事から、これならAthlon 200GEを定格で使った方がマシ、というのが私の率直な感想である。


それにしてもこんな意味の薄いAPUでお茶を濁すのではなく、もっと戦略的に新しい製品を出す事は出来ないのか。

例えばAthlon 2x0GEをモバイル向けとして出さない(出す事が出来ない)事がとても惜しいと思う。

ビジネス向けの、Office関係アプリケーションやコミュニケーションツールが過不足なく動くノートパソコンの需要はかなりあると思うが、それにはRyzenなどオーバースペック過ぎると思うのだが。

それとも、Ryzen 3000系のAPUが現在モバイル向けでかなり出ているようだが、その程度でGFの製造ラインはひっ迫しているのか?

まさかMobile Athlon 2x0GEを搭載したノートパソコンを大量にバラ撒くと、Ryzen搭載のノートPCが売れなくなるとでも思っているのだろうか?


いずれにせよ、こういう所が様々な面で非常に苦しいAMDの現状を如実に表していると思う。

CPU業界の王者Intelと比較するのは酷かもしれないが、今後は製品の供給とソフトウェアのサポート(UEFIの問題やプログラム開発に関するもの)をIntel並みにとは言わないまでももう少しなんとかして欲しいと思うし、リマーク商法とも言うべき名前だけ変わって中身は変更なし、というのはやめるべきであるとも思う。

製品供給は実際に製品を生産するファウンダリ企業の都合もあるし、ソフトウェアのサポートはAMD内部の事情も色々あるのだろうが、今のままだと過去の繰り返しになりそうな気がして怖い。

まあ、私の頭程度では想像も付かない、苦しいながらも今後を見据えた深い考えがあっての現状であると思いたい。


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インテルが謝罪するほどCPUが足りない [CPU]


IntelがCPUの供給不足を謝罪。厳しい供給量は今後継続の見込み
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1220026.html


まあ、以前から言われている事をIntelが謝罪した、というワケだ。


一方のAMD。

このチャンスを活かせているとは到底思えない体たらくで、自作市場では一定の成功を収めているものの完成品のパソコンではIntelの牙城になんとか食い付く事に成功という程度、サーバーの分野ではまだこれから認知度を上げていこうという段階である。

個人的にはあと一年早くRyzenが出て、昨年暮れに今の状況であれば、とも思う。

だがFABを持たないAMDは、自社のCPUを売るために必要な供給をGFやTSMCに頼らざるを得ない。

また、それ以上にCPUは単にモノを売るだけでは済まない商品である。

具体的にはCPUの性能を引き出すためのソフトウェア群を、AMD自身がサポートして充実させなけらばならないが、この事がIntelと比較して極めて劣るため、重い足枷になっている。

良い例がAGESAと言われる、マザーボードに搭載されるファームウェアが極めて粗悪である現実だ。


こうした事は、以前はIntelの十分の一以下と言われた開発費とそれに伴う人材の薄さが大きな要因であることは明白で、AMDの場合ZenシリーズのCPUを売って稼いだ金でこれらを後追いで充実させるしか出来ないという現実が存在する。


AMDが好きな一消費者としては悔しい思いだが、これが現実であり、Intelが謝罪するほどCPUが足りないという現状に対してAMDも一役買ってしまっている事を証明している。

もしAMD製のCPUが、性能だけではなく信頼性と供給の側面でもIntelと同等であれば、Intelが供給量の問題について謝罪する事など無かっただろう。

今回の謝罪は、言ってみればそれだけIntelにはまだ余裕があるという事なのだ。


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Ryzen 9 3950Xの速報レビュー記事を読んで [CPU]


先日全コア5GhzのCore i9 9900KSが出たが、あれには多くの人が失望した事だろう。

全コア5Ghzが維持出来るのはたったの30秒ほどで、長時間高い負荷がかかる用途では通常の9900Kの方が高性能な場面すらあったためだ。

ただ瞬発力はあるため、処理の内容によっては9900Kよりも数%の能力向上があった。

だが実質的なプレミアムは、単に全コア5Ghzというカタログスペックだけ、というのが実情だ。


一方で発売時期が2か月も伸びたRyzen 9 3950X。

こちらは発売日に先立って早くもレビュー記事が出ていた。

メインストリーム最上位に君臨する「Ryzen 9 3950X」をテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1218408.html

Ryzen 9 3950Xの性能を評価する【速報レビュー】
https://news.mynavi.jp/article/20191114-923663/

【速報】Ryzen 9 3950Xを速攻ベンチマーク! ついにRyzenは9980XEをも食らう!
https://ascii.jp/elem/000/001/975/1975454/?topnew=1


各メディアの出した結論をまとめると、私が想像していたよりも消費電力が低く、かつシングルもマルチも3900Xより性能向上が見られるという事。

マルチはコア数が増えたのだから当然としても、シングルまでもが上がっているのはカタログデータ通りに動作周波数の上限が上がっているからなのだろう。

それにしても、ベンチマークの数値を見ると3900Xを買った人の多くが、3900Xを選んだ事を後悔するかもしれないと思った。

それほどに性能差が大きく、性能のわりに省電力であるのだ。

当然に、Intel製のCPUと比較した場合はIntelが可哀想になるほどで、今後はゲーム以外の用途でより多くの顧客がRyzenに流れる事になるかもしれない。


まあ、性能と消費電力に関しては2ヶ月間発売を延期しただけの事はあると思う。

その間にこの性能を実現可能な選別コアを、Romeのおこぼれの中からせっせと掻き集めていたワケだ。
(他にもAGESAのバージョンが上がるまで出せなかったという理由もあるが)

さあ、あとはThredripperがどんなモノに仕上がっているかだ。

なんにせよこれだけの性能を発揮するCPUがあれば、AMDはIntelが追い付いて来るまでの時間稼ぎが多少なりとも出来る事だろう。


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APUの躍進はまだ数年先か [CPU]

7nmベースのRyzen APU「Renoir」を2020年に発表 AMD CPUロードマップ
https://ascii.jp/elem/000/001/973/1973312/

今日、上記リンク先の記事を読んで思った。

AMDのシェア拡大は、事実上行き詰っていると。


理由は単純に言えば二つ。

一つはTSMCの7nmプロセスが「ダメ」という事。

何がダメかと言うと、それは性能と生産数だ。

とはいえこれはどうしようもない。

TSMCによる現在のArF液浸による7nmプロセスは、性能や量産よりも、7nmプロセスの商用化を最優先したモノだからだ。


二つ目は現在の一般向けCPUの需要は、ほとんどがCPUにビデオ機能を内蔵している事が前提だから。

これはIntelの提供する一般向けCPUが、一部の例外を省いて全てGPU内蔵である事が証明しているし、その背景には低コスト化の呪縛が必然であるからだ。

一方でAMDのGPU内蔵CPUであるAPUは、演算性能こそIntelに負けてはいないが、省電力機能という一面において圧倒的に劣っている。

また、すでにIntelが築き上げた、要塞にも等しいパソコン市場でAPUを売る事は非常に困難を伴う。

何か有効な武器があればまだしも、その武器たるAPUはいささか中途半端で、牙城を崩すには少々力不足である事は明白なのである。

実際に市場を見渡すと、今年に入ってRyzen APUを採用したノートパソコンは飛躍的にラインナップが充実している事が確認できるが、占める割合で言うと贔屓目に見ても一割程度。

売れている実数ではもう少しあるかもしれないが、そんなものは誤差でしかない。

さらにデスクトップパソコンでは皆無ともいえる。

旧世代のBulldozer系APUがわずかにあるくらいで、Ryzen APUはほとんどゼロだ。


こうした中望まれるのは、あらゆる面においてIntel製CPUと同等以上のメリットをもたらすAPUだ。

具体的には性能は今以上で、消費電力がIntelと同等以上に少なく、パソコンメーカーが欲しいと思う数を欲しいと思う期日に納品出来る生産規模を持つモノ。

それには7nmプロセスでの製造が欠かせないが、それが絶望的なのだ。

記事にもある通り、来年発表されるAPU“Renoir"は、Zen2の生産が終わったお下がりの生産ラインで製造される可能性が高い。

すると、モノも数も現在のMatisseと同じである事になる。

ならば、AMDのAPUが、大手メーカー製パソコンに大量に採用される事は考えられない。

採用されるとすれば、12LPで製造される旧世代の方が可能性が高いくらいだ。


そんなワケで。

AMDの戦いは、今後も厳しさを増すばかりになる事は確実だと思う。



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Zen2なThredripper 3970X [CPU]

昨日はR9 3950XとAthron 3000Gの発表について記事を書いたが、実は同時に新しいZen2のThredripperも発表されている事に、今日気が付いた。

AMD、第3世代Ryzen Threadripperの驚愕的なスペックを公開
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1216991.html


最上位の「3970X」は、32コア/64スレッドでベース3.7Ghz/ターボ4.5Ghzという驚異的なスペックで、お値段はたったの1999ドルだという。

マザーボードとセットで30万円程度で買えるのだろうか?


30万円といえば、私が初めてPC/AT互換機を、部品を買い集めて組み立てた時の予算だ。

当時はローエンドのメーカー製PC(もちろんATXの大きなタワー型だ)が20万円前後、ハイエンドは余裕で30万超えだったが、私は当時のパソコンが標準装備していたCD-ROMドライブではなく、どうしても“CD-Rドライブ”が欲しかった。

その頃CD-Rドライブは一般PC向けに市販されてからまだ2~3年と短く非常に高価で、6万~10万といった値段であり、しかもSCSIというインターフェイスを持つ物しか無かった。

結局ストレージはハードディスクとCD-Rドライブ双方をSCSIの物で揃えて、SCSIインターフェイスカードも入れると14万円ほどになったと思う。 (その代わりCPUはローエンドのMMX Pentium 166Mhzだったが。)

CPU以外の構成を考えると市販パソコンでは40万円を超える内容になり、30万程度で済んだ事で非常に安く買えたと喜んだものだ。


その頃の感覚がまだ少しばかり残る身としては、パソコンも随分安くなったものだと。(1式100万超えの時代も記憶にあるが、当時はまだ子供だったからなぁ)

まあ、当時は高価だが特別な道具としての価値があった(特にあの頃はCD-Rを持っている人など周囲には誰も居なかった)が、今では生活必需品であり、単なる耐久消費財に成り下がっている。

だから10万円でも高価だと思う位だ。


こうした時代になり、ハイエンドワークステーションというべき位置付けのRyzen Threadripperを使ったパソコンが、組み立てようと思えば30万程度(CPUは3960Xを想定)で完成してしまうという事が驚きだ。

いや、型落ちのThredripperならもっと安くなるだろうが、それは置いといて。

2~3年前にASCIIか何かで、自腹を切ってIntel製CPU(確か12コアくらい)を2個使った100万円超えのワークステーションを組み立てる記事を見た記憶があるが、記事のために自腹でそんなに高価なパソコンを組み立てたその人は、今回発表されたThredripperを見てどう感じるだろう。

今回発表されたThredripper 3970Xを1個で組み立てても、あれの半値以下で2倍の性能位にはなるのではなかろうか。

コンピュータの世界は日進月歩で陳腐化も激しいとはいえ、恐ろしいものだ。



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Ryzen 9 3950XとAthlon 3000G [CPU]

AMDより、9月発売の予定が延期されていた「Ryzen 9 3950X」の正式な発売日と、新しいローエンドAPU「Athlon 3000G」が発表された。

Ryzen 9 3950Xそのものについてはもはや語るべき事も無い、8コアのZen2を2個搭載した、史上最強の一般向けCPUだ。

発売日に関しては11月25日と、結局2か月遅れた事になる。

以前からこのブログに書いた通り、TSMCでのZen2生産はかなり厳しいのだろう。

まあ、販売が始まったところで3900X以上のレアアイテムになるに違いない。


それよりも私が注目したいのは「Athlon 3000G」だ。

予告も無く出たように思うのだが、私が知らなかっただけなのだろうか。


気になるのはその中身で、新設計のダイが使われているのかどうか。

私の予想では、Zen+の生産終了で空いたGLOBALFOUNDRIESの12nmラインで製造される、Zen+ベースのAPUではないかと思うのだが。

ただ一方で、従来のAthlon 200GEとまったく同じ設計のダイが、製造プロセスの改良で多少動作周波数の向上が可能になって出てきた、という可能性もある。

いずれにせよローエンドの底上げが可能になったワケで、これは非常に歓迎できる。

コイツが大量にメーカー製PCに採用されて、市販パソコンにおけるAMDのシェアが倍増する事を私は望む。


まあ、まずは自作向けの製品が出てからの話だ。

その内にPC関連情報サイトで検証記事も出る事だろう。


Ryzen 9 3950Xの発売は11月に延期か
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-09-23

AMD、49ドルでオーバークロック可能な「Athlon 3000G」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1216984.html

AMD、16コアの「Ryzen 9 3950X」を25日に発売
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1216974.html






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CPUはどうやってウエハから切り出されるのか [CPU]

私にとって昔から謎だった、CPUのウエハからの切り出し。

CPUのダイは厚さ1ミリも無いシリコンの板で製造されるため、そんなもの一体どうやって正確に切り分けられるのかと思っていた。

素人の想像では糸ノコを使うか、円盤状のカッターで切断するような感じで切り出す程度の事しか思い浮かばず、実際そんな事は圧力や振動等でウエハを割ってしまったり、切り出したチップが破損するのではないか?としか思えなかった。


そんなCPUのウエハからの切り出しについて、このような記事を見つけた事がキッカケで初めて知る事になった。

パナと日本IBMが半導体製造装置分野で協業
https://eetimes.jp/ee/articles/1910/16/news041.html


パナソニックが半導体製造装置を作っている事を知らなかった私は、この記事に興味を持った。
(パナですぐに思い浮かぶイメージは、屋内配線のコンセント類とTiG溶接機か…)

そして記事中の「プラズマダイサー」という見慣れない単語の意味を調べたのだ。(記事中にどのような工程か説明が無く、図中の絵や説明文からは穴を開ける工程のように感じられた)

するとこんな記事があった。

プラズマダイシング工法向けレーザーパターニング装置の受注開始
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1803/30/news043.html

この記事には直接の説明が書かれていないが、記事内容から察するにプラズマダイサーとはプラズマ放電を利用したシリコンウエハ切断装置の事らしい。

これについてさらに確証を得るため、「プラズマダイシング工法」について調べると、これはCPUではなくセンサーやメモリのダイを切り出す事に使われていると判明。

理由は他の半導体製品よりもウエハが薄く、他の方法だと私が心配したような事が起きるからであるようだった。


それからさらに調べると、半導体基板(ウエハ)の切断にはブレードダイシングとレーザーダイシングというものがあって、一般的にはブレードダイシングが用いられるという事がわかった。

ブレードダイシングは言葉通り刃物で切り分ける方法であるようで、その刃物とは当然ノコギリしかない。

もちろん、ノコギリとはいってもダイヤモンドの微細な粉末を刃に利用した、糸又は帯状か、もしくは円盤状のノコギリだろう。

そんな事を考えながら「ブレードダイシング」を調べるとこんな感じだった。


ブレードダイシング
https://duckduckgo.com/?q=%E3%83%96%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0&iax=images&ia=images

DuckDuckGoのあひる先生で検索した結果、円盤状のカッターを回転させて切断している写真が多くみられた。

どうやら私の想像と少し違っていて、一般的な半導体のウエハでは割れたり切り出したダイが破損する事は無いようだ。

このような工程を知らない素人である私には、過去に経験がある金属や木材の切断に使う糸(帯)ノコや丸ノコで板を切るイメージがあるために、非常に繊細な切断が要求されると思われるCPUのダイ切り出しにはそんな方法では無理があると思い込んでしまっていたようだ。

それに材料の切り出しで刃物の幅だけムダが出る事も、この場合材料が薄い事もあってV字状の刃先で溝を切るようにすればあまり問題にはならないようだ。

ただまあ、パナソニックの説明ではノコギリを使うとやはり微細な破損が必ず出るようで、それが問題になるような用途に限り、レーザーやプラズマといったモノを使った切断が必要になるようだ。

IoTデバイスに最適なプラズマダイシング、パナソニックが実証センターを開設
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1610/19/news052.html

レーザーやプラズマの場合熱で材料を蒸発させるため、刃物で削り取るように切断するよりは破損が出にくい事は理解出来る。


そんな感じで今回、長年の疑問が解けた。

私の場合ヘタに知識や経験があるおかげで、余計な心配事が出て判断を誤らせたようだ。

知っているつもりになっている事でも、実際には知らない事が多い。

日頃からそのような事を意識しているが、今回は改めて実感する事になった。


参考:

ダイシング
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0

ダイシング作業について
http://www.enzan.com/product/semiconductor/

糸ノコ・帯ノコ (刃が閉じた輪になっているモノ)
https://duckduckgo.com/?q=%E5%B8%AF%E3%83%8E%E3%82%B3&iax=images&ia=images

丸ノコ(円盤状ノコギリ)
https://duckduckgo.com/?q=%E4%B8%B8%E3%83%8E%E3%82%B3&iar=images&iax=images&ia=images


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第三世代Ryzenが足りない理由はコイツか [CPU]


発売以来流通量が少なく、品切れが多かった第三世代Ryzen。

発売が一週間遅れた8コアのRyzen 7 3800Xと、2か月延期となった16コアのRyzen 9 3950Xは、品不足を象徴していると言える。(3800Xはあまり売れていないようだが、これは売る気が無いと私は考えている)

生産数の少なさという問題があるZen2ではあるが、それでも一般の消費者に対する絶対的な需要はIntelのそれとはケタ違いに少ない。

だとすれば、一体何がRyzenの品不足に繋がったのか。

これにはRomeという64コアのサーバー用CPUが理由だと私は考えていたが、その行き先はこれまで知らなかった。


どこに大量のZen2が行っているのやら、と、そう思っていたのだが、今日見つけたこの記事に答えが出ていた。

世界最速! CPUだけで28PFLOSを実現するAMD Rome採用スパコン
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1213365.html


Romeだけで構成されているというこのスパコン、64コアのRomeがノード一つに付き2個使われていて、それが5848ノードというのだから、Zen2のチップが 8 x 2 x 5,848 = 93,568個も使われている事になる。

このスーパーコンピュータに使われているチップだけで9万個以上のRyzenが作れてしまうワケだ。

他にもこの手のスーパーコンピューターが作られているとしたら、それらにも大量のZen2が使われるわけで、Ryzenに回すチップが足りなくなるのも無理はない。


そんなわけで、私の勝手な想像だが、Romeの売れ行きが絶好調なおかげで起きているRyzenの品不足。

素性があまり良くないチップが使われる下位の製品はすでに潤沢と言える在庫があるようだが、この調子だと8コアのチップが二つ必要なRyzen 9 3950Xは、販売が始まっても12コアの3900X以上に流通量が少なく、争奪戦はより激しいものになる事だろうと予想する。

16コアのRyzenは12コアよりも需要が多いと思われるため、必要な人に十分行き渡るには相当な時間が必要になるに違いない。



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