ガッカリなAthlon 3000G [CPU]
以前書いた記事で期待を寄せた、AMDの新しいAPU「Atyhlon 3000G」。
型番が従来の3桁から4桁に変わったので、何か大きな変更でもあったかと思えば。
なんと現行機種のAthlon 200G系と中身はまったく同じ、GFの14LPで製造されたCPUだった。
4GHzオーバーが狙える!OC可能なAPU「Athlon 3000G」の実力とは
https://ascii.jp/elem/000/001/977/1977161/
この記事では定格で使用する限りほぼ「Athlon 240GE」と同じCPUで、違いはグラフィックコアが100Mhz高い1100Mhzである事と、倍率のロックが解除されてオーバークロックが可能である事の2点のみ、ということだ。
ならばオーバークロックした場合の性能向上は如何ほどか、と思えば、CPUコアが最大4Ghzまでオーバークロック出来てベンチマークの性能が1割程度上がっているらしい。
・・・まあ、安いCPUで遊べる、という以上の価値は無いワケだ。
以上の事から、これならAthlon 200GEを定格で使った方がマシ、というのが私の率直な感想である。
それにしてもこんな意味の薄いAPUでお茶を濁すのではなく、もっと戦略的に新しい製品を出す事は出来ないのか。
例えばAthlon 2x0GEをモバイル向けとして出さない(出す事が出来ない)事がとても惜しいと思う。
ビジネス向けの、Office関係アプリケーションやコミュニケーションツールが過不足なく動くノートパソコンの需要はかなりあると思うが、それにはRyzenなどオーバースペック過ぎると思うのだが。
それとも、Ryzen 3000系のAPUが現在モバイル向けでかなり出ているようだが、その程度でGFの製造ラインはひっ迫しているのか?
まさかMobile Athlon 2x0GEを搭載したノートパソコンを大量にバラ撒くと、Ryzen搭載のノートPCが売れなくなるとでも思っているのだろうか?
いずれにせよ、こういう所が様々な面で非常に苦しいAMDの現状を如実に表していると思う。
CPU業界の王者Intelと比較するのは酷かもしれないが、今後は製品の供給とソフトウェアのサポート(UEFIの問題やプログラム開発に関するもの)をIntel並みにとは言わないまでももう少しなんとかして欲しいと思うし、リマーク商法とも言うべき名前だけ変わって中身は変更なし、というのはやめるべきであるとも思う。
製品供給は実際に製品を生産するファウンダリ企業の都合もあるし、ソフトウェアのサポートはAMD内部の事情も色々あるのだろうが、今のままだと過去の繰り返しになりそうな気がして怖い。
まあ、私の頭程度では想像も付かない、苦しいながらも今後を見据えた深い考えがあっての現状であると思いたい。