SMRなハードディスク、ST8000DM004を試す [ハードディスク]
私はこれまで、従来型の記録方式(CMR)を使ったハードディスクに拘って利用して来た。
昨年もWD製の8TBハードディスクを買ったが、これもCMRだ。
しかし、Seagate製の8TBハードディスク“バラクーダ”は破格の13,800円とあまりに安い。
そこで安さに釣られて、ついに買ってしまった。
買ったモノの型番はST8000DM004。当然にSMRという記録方式だ。
ハードディスク購入後、私が最初に行う作業は全セクタへのゼロライト。
この作業は近年の大容量ハードディスクでは非常に多くの時間がかかるのでやりたくないのだが、慣らし運転と初期不良を発見する意味合いで時間に余裕があれば必ず行う事にしている。
ゼロライトは以前WD製“Data Lifeguard Diagnostic for Windows”を使っていたが、現在はTxBENCHを使用している。
そして作業するハードディスクをSATA-USBコンバータで接続し、ゼロライトを実行。
実行中は作業終了の時間が目安として表示されるが、実行直後は約11時間であった。
しかし実際には、全セクタのゼロライトには14時間48分かかった。ハードディスクは周速度が速い外周から書き込まれて周速度の遅い内周へとヘッドが移動していくので、最初と最後で書き込み速度が大きく違うからだ。
このゼロライトの速度に関しては、8TBで5400r.p.m.のハードディスクとしては普通か?
まあ如何にSMRといえども同じ0のデータを書き続けるのだから、CMRのハードディスクと大きな違いが無いのも当然と言えば当然だと言える。
ゼロライトが終わると、次はNTFSでフォーマットして“Clistal Disk info”を使ってステータスの確認。
ここで不良セクタ等が発生していないか、確認をする。
結果はこんな感じでまったく問題無し。
S.M.A.R.T. の情報は確実とは言えないが、とりあえずこれで一安心だ。
一安心したところで今回このハードディスクを買った目的を実行。
具体的には個人的なデータを保存している、WD製8TBのバックアップだ。
このWD製ハードディスクには現在約3TBのデータが書き込まれていて、ファイル数は約26万個。
ファイルサイズは小さなもので1KBにも満たないテキストファイルから、大きなものは10GBを超えるアーカイブファイルまで色々ある。
これを、いつもバックアップ時に使う“robocopy”コマンドでミラーリングコピーする。
なおrobocopyを実行している間は基本放置だが、気になるので時々コマンドプロンプト画面を眺めてみると以下の事がわかった。
・比較的大きなファイル(数百MB単位以上)は概ね150MB/s程度の書き込み速度を維持する。
・ファイルサイズが数MB以下の小さいファイルを連続して書き込むと、目に見えて速度が落ちる。
・1KB未満のファイルの書き込みに数秒~十数秒を要する事が度々起きる。
・1KB未満のファイルを複数書き込んだ後に、度々書き込み動作の停止が数秒~十数秒起きる。
ついでに音と発熱も見てみると
・基本的に音はかなり静か。ただ、たまに異常なヘッドの動きを想像させる異音を発するのが怖い。
・発熱は極めて少ない。(室温20℃前後で最高43℃)
という事で、サイズの小さなファイルの連続・不連続な書き込みが大量に発生すると、極端な速度低下が起きる事がはっきりした。
この事はSMR方式の書き込みについて知った時から予想出来た事であり、また各方面でもそれを証明する情報が多数出ていたが、今回の事で私自身も経験する事となった。
サイズの小さなファイルを多数書き込む事はCMR方式であってもかなり速度が落ちるものだが、SMRのそれは短時間ではあるものの書き込みが度々完全に停止している状態になる所が大きな違いだ。
以下、今回のバックアップに関連するデータ。
バックアップ開始時間:19:40
バックアップ終了時間:02:55 (robocopyのログによる)
バックアップに要した時間:7時間15分
書き込みファイル数:266,338
書き込みフォルダ数: 25,568
総書き込み容量 :3,191,096,180,736 バイト (約2.9TB)
つづく。
ST8000DM004を試すその2
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-16
参考:過去私の書いたSMRに関する記事
https://17inch.blog.ss-blog.jp/search/?keyword=SMR
昨年もWD製の8TBハードディスクを買ったが、これもCMRだ。
しかし、Seagate製の8TBハードディスク“バラクーダ”は破格の13,800円とあまりに安い。
そこで安さに釣られて、ついに買ってしまった。
買ったモノの型番はST8000DM004。当然にSMRという記録方式だ。
ハードディスク購入後、私が最初に行う作業は全セクタへのゼロライト。
この作業は近年の大容量ハードディスクでは非常に多くの時間がかかるのでやりたくないのだが、慣らし運転と初期不良を発見する意味合いで時間に余裕があれば必ず行う事にしている。
ゼロライトは以前WD製“Data Lifeguard Diagnostic for Windows”を使っていたが、現在はTxBENCHを使用している。
そして作業するハードディスクをSATA-USBコンバータで接続し、ゼロライトを実行。
実行中は作業終了の時間が目安として表示されるが、実行直後は約11時間であった。
しかし実際には、全セクタのゼロライトには14時間48分かかった。ハードディスクは周速度が速い外周から書き込まれて周速度の遅い内周へとヘッドが移動していくので、最初と最後で書き込み速度が大きく違うからだ。
このゼロライトの速度に関しては、8TBで5400r.p.m.のハードディスクとしては普通か?
まあ如何にSMRといえども同じ0のデータを書き続けるのだから、CMRのハードディスクと大きな違いが無いのも当然と言えば当然だと言える。
ゼロライトが終わると、次はNTFSでフォーマットして“Clistal Disk info”を使ってステータスの確認。
ここで不良セクタ等が発生していないか、確認をする。
結果はこんな感じでまったく問題無し。
S.M.A.R.T. の情報は確実とは言えないが、とりあえずこれで一安心だ。
一安心したところで今回このハードディスクを買った目的を実行。
具体的には個人的なデータを保存している、WD製8TBのバックアップだ。
このWD製ハードディスクには現在約3TBのデータが書き込まれていて、ファイル数は約26万個。
ファイルサイズは小さなもので1KBにも満たないテキストファイルから、大きなものは10GBを超えるアーカイブファイルまで色々ある。
これを、いつもバックアップ時に使う“robocopy”コマンドでミラーリングコピーする。
なおrobocopyを実行している間は基本放置だが、気になるので時々コマンドプロンプト画面を眺めてみると以下の事がわかった。
・比較的大きなファイル(数百MB単位以上)は概ね150MB/s程度の書き込み速度を維持する。
・ファイルサイズが数MB以下の小さいファイルを連続して書き込むと、目に見えて速度が落ちる。
・1KB未満のファイルの書き込みに数秒~十数秒を要する事が度々起きる。
・1KB未満のファイルを複数書き込んだ後に、度々書き込み動作の停止が数秒~十数秒起きる。
ついでに音と発熱も見てみると
・基本的に音はかなり静か。ただ、たまに異常なヘッドの動きを想像させる異音を発するのが怖い。
・発熱は極めて少ない。(室温20℃前後で最高43℃)
という事で、サイズの小さなファイルの連続・不連続な書き込みが大量に発生すると、極端な速度低下が起きる事がはっきりした。
この事はSMR方式の書き込みについて知った時から予想出来た事であり、また各方面でもそれを証明する情報が多数出ていたが、今回の事で私自身も経験する事となった。
サイズの小さなファイルを多数書き込む事はCMR方式であってもかなり速度が落ちるものだが、SMRのそれは短時間ではあるものの書き込みが度々完全に停止している状態になる所が大きな違いだ。
以下、今回のバックアップに関連するデータ。
バックアップ開始時間:19:40
バックアップ終了時間:02:55 (robocopyのログによる)
バックアップに要した時間:7時間15分
書き込みファイル数:266,338
書き込みフォルダ数: 25,568
総書き込み容量 :3,191,096,180,736 バイト (約2.9TB)
つづく。
ST8000DM004を試すその2
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-16
参考:過去私の書いたSMRに関する記事
https://17inch.blog.ss-blog.jp/search/?keyword=SMR
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