古いマウスの整備 [旧式パソコン]
古いマウスの整備を行った。
件のマウスはSANWA SUPPLY製の「COMFORT MOUSE」。
このマウスは約30年前に販売された、PC-9801シリーズ用のマウスである。
先日、私は2年ほど前に手に入れてその後放置状態だった“PC-9821Xa”を整備していた。
整備と言っても電源を入れると難無く動作したため、目視で点検して筐体の内外や各部品を掃除しただけだ。
だが、内蔵の540MBハードディスクからWindowz95が起動したところ、マウスカーソルが左と上方向には動くが、右と下方向に動かない。
マウスのボールを外してエンコーダの軸を直接指で動かすと動作に問題は無いので、ボールとエンコーダの軸の機械的な動作に問題がある事がわかった。
現在販売されるマウスのほとんど全部が光学式という、1秒間に数百枚の写真を撮ってその内容を比較する事でマウスの動きをパソコンに伝える物なのだが、光学式が普及する前はボール式という、鉄球にロータリーエンコーダの軸を接触させて上下左右の移動量をパソコンに伝える物が主流だった。
今回私が手持ちのPC-9801対応マウスから選んだSANWA SUPPLY製の「COMFORT MOUSE」も、当然にボール式のマウスである。
ちなみにこのマウスの製品情報は2022年8月現在、いまだに存在する。
コンフォートマウス(ライトグレー) MA-401NE
https://www.sanwa.co.jp/product/syohin?code=MA-401NE
では、何故一方向にしかボールの動作が伝わらないのか。
私はエンコーダにボールを押し付けるローラーと、エンコーダの軸の動きが悪い事がこの現象を起こしていると推測した。
そこで早速分解。
各軸受けを観察すると、ローラーの軸にゴミが多く絡んでいる事に気付いた。
私はそれを先をつぶしたつまようじで取り除き、シリコンオイルで延ばしたプラスチック用グリスを軸に塗布した。
続いてエンコーダの軸受け4ヶ所も同様に注油。
赤丸内の軸受けに適切な油を注す。
再びボールを取り付け、平面で上面カバーの無いマウスを操作してみる。
するとエンコーダが上下左右の動きに追随している事を確認出来た。
そして元通りに組み立て、実機で動作を確認すると正常にマウスカーソルの操作が出来るようになった。
光学式マウスは買ってから壊れるまで整備など不要な非常に優れたマウスで、動きが悪くなったらマウスの底面に開いた穴のセンサー部に付いたゴミを取り除くだけでいい。
しかしボール式のマウスは、時々エンコーダの軸やボールに付着したゴミを掃除しないと誤動作を起こす。
しかも今回のように各軸受けの動作抵抗が大きくても問題が起きるから、その都度整備しなければならない。
そういう意味では面倒なマウスだが、私はこの機械動作のマウスが好きだ。
巷にはUSB接続の光学式マウスをPC-9801シリーズに接続するためのコンバータも売られているが。
私は4個ほどPC-9801用のマウスを持っているので、これらを整備しながら使おうと思っている。
参考:
3ボタンマウス
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-08-09-1