SATAケーブルに注意しろ!! [ハードウェア]
ここ数日の間、整理前のファイル一時置き場に使っているハードディスクが調子悪い。
どのように調子が悪いのかというと、初めの頃はエクスプローラでフォルダを開いているといつのまにかウインドウが閉じている事があった。
ただ、再度エクスプローラを開くと問題なく当該のフォルダを開けるため、私自身が無意識に閉じている事もよくあるので気にしなかったのだが。
数日の間にその頻度が上がって、ある時ファイルの書き込みが途中でいきなり止まるという事が起きた。
ファイルの書き込みが止まった時、再度書き込むと問題なく終わってハッシュを比較するとファイルの同一性を確認出来たが、さすがにおかしいと思って“CristalDiskInfo”でS.M.A.R.T.の情報を調べると。
・・・どこも悪くない。
通常、ファイルの書き込みが止まるとなれば大抵セクタエラーが発生していて、S.M.A.R.T.の記録には「セクタ代替処理発生回数」「代替処理保留中のセクタ数」「回復不能セクタ数」の3つの内どれか一つ、或いは複数の項目に“1”以上の数値が書かれているが、今回の場合は全てゼロ。
一体何が悪いのかと探してみると、「UltraDMA CRCエラー数」という項目が他のハードディスクは0に対し、問題のハードディスクは“97471”という、非常に大きな数値である事に気付いた。
“CristalDiskInfo”による、問題が起きたハードディスクのS.M.A.R.T.の情報。
「UltraDMA CRCエラー」がカウントされているという事は、データの送受信で修復不可能なエラーが発生しているという事だ。
エクスプローラのウインドウが勝手に閉じる現象も、信号のエラーによってWindowsがハードディスクを見失い、再度接続を試みるという動作で起きたに違いない。
少なくともWindowsのシステムログにはその痕跡が多数記録されていたので、エクスプローラを開いていない時も繰り返し起きていたという事になる。
さて、問題の内容が確認出来たところで、次は問題の解決だ。
今回の場合、私はこれまでの経験からSATAケーブルの不良を最初に疑った。
単にハードディスクの調子が悪いと考えた場合、他にも
・CPU又はメインメモリの不良
・CPUやメモリ、或いはシステムバスのオーバークロックが原因で動作が不安定
・SATAコントローラや周辺回路の不良
・ATX電源の相性が悪い、或いは故障
・SATA電源コネクタの接触不良など
・ハードディスク自体の故障
という原因も考えられるが、パソコンの状態と問題の内容からこれらは無いと判断。
そこで私はパソコンのケースを開けて、SATAケーブルを交換する事にした。
問題を起こしていると思われるSATAケーブルはSATA規格がまだSATA2の頃のIntel製SSDに付属していた物で、Amphenol製のコネクタが使われている事もあって信頼性は高いと思い使い続けていたが、さすがに10年以上経つと劣化が進むようだ。
取り外した問題のSATAケーブル。Amphenol製のコネクタが使われている高級品。
とにかくケーブルを交換した後は、それまでの不調が嘘であるかのように調子が良くなった。
そして、その後何度か「UltraDMA CRCエラー」がカウントされているか確認したが“97471”から増える事は無く、問題は完全に解決したと判断した。
SATAケーブルの不良はほとんどがコネクタの劣化による接触不良だと思うが、最悪の場合端子の接触部が溶けてディスク側も壊れてしまう事がある(そういうトラブルで動かなくなったパソコンを修理した経験がある)ので、あまり甘く見ない方が良い。
コネクタの端子は大気中の塵や化学物質と湿気などが原因で酸化したり硫化したり汚損したりするので、特にそのような原因が多い環境では注意した方が良いのだが、私の場合年に3~4回はケース内の掃除をしているし、室内の環境もかなり良い方なので油断があったようだ。
なんにせよ今回は問題の程度が軽く、SATAケーブルの交換で済んで良かった。
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