Thinkpad R50再生計画① [Thinkpad]
知人から「Thinkpad R50 (以下R50)」の再生を依頼された。
知人曰く、「どうにかしてWindows7をインストールして使いたい」、との事。
このR50、型番は1829-7PJ、2003年10月製で、1400x1050と高解像度な液晶モニタを搭載する14インチノートパソコンである。加えてATIの“Mobility Radeon 7500”をビデオチップとして搭載している。
もしビデオチップが搭載されていなくチップセット内臓のビデオ機能であったなら、私は断固としてこの依頼を断っただろう。しかしビデオチップが搭載されている事でギリギリ実用ラインを超えていると判断、依頼を引き受けた。
というわけで再生計画を練る。
まずCPUだが、元のPentiumM 1.4GHzではなんとか動くレベル。最低でも2.0Ghzは欲しい。
これは手持ちにちょうど良いのがあるのでこれを使う。
そしてメモリ。元々256MB標準に対し512MB増設していて、合計768MBという容量だがまったく足りない。Windowz7で快適に使うなら最低でも2GBは必要だ。
しかしDDR3どころかDDR2でもないただのDDRで1GBのモジュールが2枚必要である。DDRの時代は1GBのモジュールというとほぼ最大容量のモジュールなので、ネットオークションでもどれだけ出回っているか。それに10年以上前の規格である。まあ探すしかないか。
ハードディスクは過去に元の40GB 4200rpmから160GB 5400rpmへ換装しているから、このままイケる。出来ればSSDにしたところだが、ハードディスクのインターフェイスがSATAではなくIDEなうえに、予算的に厳しいので見送る事にする。
後はWindowzの環境設定を可能な限りツメて軽量化を図ろう。
とまあそんな感じで、まずはたまたま手元にあったCPUを載せてみることにする。
この換装に使うCPUは「PentiumM 755」で 2Ghzのモノ。以前廃棄処分を依頼された壊れたノートPCから抜いてとっておいたものだ。
左が元のPentium M 1.4Ghz、右が交換したPentium M 755 2.0Ghz。
「PentiumM 755」は元の「Pentium M 1.4Ghz」と同じSocket479であり、物理的な互換性はある。しかし問題なのは、元のCPUは“Banias”というタイプであるのに対し、「PentiumM 755」は“Dothan”というタイプで新しい物なのだ。Baniasは130nmプロセスで製造されているが、Dothanは90nm。製造プロセスの縮小に伴い動作電圧が低くなっているので、電気的な互換性が怪しい。
しかしコア自体はほぼ同じなはずなので、チップセットやBIOS及びシステムボードの電圧回路が対応していれば動くはず。と、勝手に思って調べてみると、どうやらチップセットの“Intel 855PM”は対応しているようだ。ビデオ機能内蔵のIntel 855GMであったなら対応していないところだった。セーフ。
この写真はキーボードからパームレストまで一体の上面カバーを外し、CPUのヒートシンクも外した状態のR50。非常にきれいで程度が良い。あまり使っていないようだ。
が、使っていなくても時間と共に劣化が進むモノもある。それが以下の写真にある、“ヒートシンクに貼られたスポンジ製のパッキン”。
CPUのヒートシンク。ファンの風を漏らさないための、スポンジのパッキンが劣化してベトベトの何かに変わっている。
“ベトベトの何か”を除去してきれいになった。この除去作業だけでえらく時間がかかった。
“エプトシーラー”という特殊な発泡樹脂のパッキンを切って貼り付けた状態。この“エプトシーラー”は10年経ってもまったく劣化しない頼りになるヤツだ。
こんな感じで、CPU交換だけなら10分で終わる作業が1時間以上かかった。だがCPUを冷却するためのヒートシンクはメンテナンスしないワケにいかない。古いサーマルグリスの除去に加えてファン内部のホコリの除去と共に、このスポンジ製のパッキン交換は譲れない作業だ。
そしてCPUを交換し、電源を入れてBIOSの画面を写したのがこの写真。
あれ?CPU Speedが「???Mhz」になっている。
BIOSが対応していないのか?
それでもとりあえずWindowz Xpを起動させると、OSではしっかり2.0Ghzと認識されていた(スクリーンショットは無し)。
というわけで、今日はここまで。
Thinkpad R50再生計画② (完)
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-11-05
知人曰く、「どうにかしてWindows7をインストールして使いたい」、との事。
このR50、型番は1829-7PJ、2003年10月製で、1400x1050と高解像度な液晶モニタを搭載する14インチノートパソコンである。加えてATIの“Mobility Radeon 7500”をビデオチップとして搭載している。
もしビデオチップが搭載されていなくチップセット内臓のビデオ機能であったなら、私は断固としてこの依頼を断っただろう。しかしビデオチップが搭載されている事でギリギリ実用ラインを超えていると判断、依頼を引き受けた。
というわけで再生計画を練る。
まずCPUだが、元のPentiumM 1.4GHzではなんとか動くレベル。最低でも2.0Ghzは欲しい。
これは手持ちにちょうど良いのがあるのでこれを使う。
そしてメモリ。元々256MB標準に対し512MB増設していて、合計768MBという容量だがまったく足りない。Windowz7で快適に使うなら最低でも2GBは必要だ。
しかしDDR3どころかDDR2でもないただのDDRで1GBのモジュールが2枚必要である。DDRの時代は1GBのモジュールというとほぼ最大容量のモジュールなので、ネットオークションでもどれだけ出回っているか。それに10年以上前の規格である。まあ探すしかないか。
ハードディスクは過去に元の40GB 4200rpmから160GB 5400rpmへ換装しているから、このままイケる。出来ればSSDにしたところだが、ハードディスクのインターフェイスがSATAではなくIDEなうえに、予算的に厳しいので見送る事にする。
後はWindowzの環境設定を可能な限りツメて軽量化を図ろう。
とまあそんな感じで、まずはたまたま手元にあったCPUを載せてみることにする。
この換装に使うCPUは「PentiumM 755」で 2Ghzのモノ。以前廃棄処分を依頼された壊れたノートPCから抜いてとっておいたものだ。
左が元のPentium M 1.4Ghz、右が交換したPentium M 755 2.0Ghz。
「PentiumM 755」は元の「Pentium M 1.4Ghz」と同じSocket479であり、物理的な互換性はある。しかし問題なのは、元のCPUは“Banias”というタイプであるのに対し、「PentiumM 755」は“Dothan”というタイプで新しい物なのだ。Baniasは130nmプロセスで製造されているが、Dothanは90nm。製造プロセスの縮小に伴い動作電圧が低くなっているので、電気的な互換性が怪しい。
しかしコア自体はほぼ同じなはずなので、チップセットやBIOS及びシステムボードの電圧回路が対応していれば動くはず。と、勝手に思って調べてみると、どうやらチップセットの“Intel 855PM”は対応しているようだ。ビデオ機能内蔵のIntel 855GMであったなら対応していないところだった。セーフ。
この写真はキーボードからパームレストまで一体の上面カバーを外し、CPUのヒートシンクも外した状態のR50。非常にきれいで程度が良い。あまり使っていないようだ。
が、使っていなくても時間と共に劣化が進むモノもある。それが以下の写真にある、“ヒートシンクに貼られたスポンジ製のパッキン”。
CPUのヒートシンク。ファンの風を漏らさないための、スポンジのパッキンが劣化してベトベトの何かに変わっている。
“ベトベトの何か”を除去してきれいになった。この除去作業だけでえらく時間がかかった。
“エプトシーラー”という特殊な発泡樹脂のパッキンを切って貼り付けた状態。この“エプトシーラー”は10年経ってもまったく劣化しない頼りになるヤツだ。
こんな感じで、CPU交換だけなら10分で終わる作業が1時間以上かかった。だがCPUを冷却するためのヒートシンクはメンテナンスしないワケにいかない。古いサーマルグリスの除去に加えてファン内部のホコリの除去と共に、このスポンジ製のパッキン交換は譲れない作業だ。
そしてCPUを交換し、電源を入れてBIOSの画面を写したのがこの写真。
あれ?CPU Speedが「???Mhz」になっている。
BIOSが対応していないのか?
それでもとりあえずWindowz Xpを起動させると、OSではしっかり2.0Ghzと認識されていた(スクリーンショットは無し)。
というわけで、今日はここまで。
Thinkpad R50再生計画② (完)
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2016-11-05
コメント 0