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ALTOというパソコン [ハードウェア]


ジョブズがマッキントッシュのGUIデザインのもとにした伝説のXeroxマシン「Alto」が復元へ
http://gigazine.net/news/20160620-xerox-alto-restoration/

結構有名なコンピュータなので知っている人も多いと思うが、現在Appleが売っているGUIを持つパソコンの起源となる「ALTO」というコンピュータの記事が、GIGAZINEに出ていた。


1970年代前半に完成したこのコンピュータについて、私が過去に調べた限りではネット上に大した資料を見つける事ができず、8bitのCPUでハードディスクを持つ程度の事しか知らなかったのだが、このGIGAZINEの記事で結構詳細な内容を知る事が出来た。


それにしても驚くべき内容である。

今で言うCPUは存在せず、ALUという計算処理のICと、レジスタやメモリなど周辺回路による“CPUボード”的なもので全ての処理を行うとか。当然これは何枚もあるロジックボードの内の一枚で、ディスプレイ出力とかキーボードやマウスの入力、ハードディスク等のストレージへのアクセス、イーサネットによるネットワーク通信機能など、様々な機能が一枚の基板ごとに分割されている。
現在のほぼ全ての機能がワンチップになったパソコンと比較すと、とても感慨深い。

また、メインメモリーが512KBも登載されている事も驚きだ。(ただしこの機種は後期のメモリーが増強されたもの)
1980年代には日本でパソコンブームが興ったが、その頃のパソコンはメインメモリーが平均して64KBしか無かったことを考えると、その8倍のメモリーを登載していた事になる。とはいえALTOの場合大半がフレ-ムバッファとして使われていたようだが。

昔はコンピュータの数ある部品の中でもメインメモリーはかなり高価な部品だったが、ALTOの場合このメインメモリーに登載されたDRAMだけで当時数十万円したと思う。(10年以上後のパソコンである8801用の増設メモリーでも128KBで43,000円もした)

ちなみにALTO1台の値段は、部品代だけで1万ドルをちょっと超えるという話なので、当時の為替レート、大体1ドル260円くらいで計算すると、仮に11000ドルだった場合286万円!部品代の原価だけでこの値段。もし市販されていたら、一体いくらになったのだろうか。


開発したXEROXの社内で2000台ほど製作されて社内で活用されたとはいえ、試作機で終わり、その驚くべき先進性のある機能を味わう事が出来たのは当時の社員だけという非常にもったいない事になっているALTO。

以下のリンクでは当時のALTOに関する日本のテレビ放送番組を観る事が出来る。
今から40年以上前にGUIを持ち、コピー&ペーストなんかも出来たパソコンがあった事実は、ただ驚くばかりである。

The ALTO Computer 1974 - Video
http://www.maniacworld.com/alto-computer-video.html


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