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今DDR4メモリーを買うべきか、我慢すべきか [ハードウェア]

現在パソコン用メインメモリーは、DDR3よりDDR4に移行が進みつつある。

そんな中、今年になって日本国内のDDR4メモリーモジュールの価格が急激に下がった。
ネット上の情報を見ると価格の下落は、DRAMの相場が下がっている事に加えて円高が多少影響しているようである。

価格の具体例を挙げると、4GBのモジュールで2000~3000円、8GBで4000円前後、16GBで8000円前後となっている。
ここまで下がるとさすがに底値ではないかと感じ、Zenの登場を待っている私としては先にメモリーモジュールだけ買っておこうかという気になった。

だが少しだけ躊躇してしまうのだ。
その理由はDDR4メモリーの性能が、いまだにDDR3を超えたとは言えないためである。


以下はDDR2からDDR4まで、代表的な規格をまとめた表。

DDR_DRAM_k.png


DDR2からDDR3への移行期、DDR2はPC2-6400が主流で、DDR3はPC3-8500が主流だった。
それぞれの転送速度を比べると、PC2-6400は6.4GB/s、PC3-8500は8.533GB/s。これに対しDDR3の謳い文句は「DDR3はDDR2の2倍の速度」となっていて、主流規格同士の比較では事実と違う。ただ、DDR2で最も遅いPC2-4200との比較では正しい。
DDR4でも同じ事が起きていて、「DDR4はDDR3の2倍の速度」という主張がある一方で、主流同士の比較だとDDR3が12.8GB/sに対してDDR4は17.0GB/sであり、レイテンシ分の遅れを含めるとDDR3の方が速いケースもあって、PC3-12800とPC4-17000の実効転送速度は同等かDDR3の方に軍配が上がると思う。

これを裏付ける証拠は、ゲームのベンチマークでのメモリー転送速度比較がある。

DDR3vsDDR4.png
出所不明のベンチマークによる比較グラフ。Counter-Strikeというゲームで行ったものらしい。

実際のところ、DDR4が有利な大容量データの読み書きは、一般的なパソコンの使い方ではめったにない。一般のアプリケーションではメモリーに対する細切れの読み書きが頻繁に発生するわけで、そうなるとCPUが読み書きの命令を出してから実際にメモリーからデータの読み書きが始まるまでの時間差である“レイテンシー”の大きさが重要になって来る。


レイテンシーにはいくつかの種類があるが、主に4-4-4とか9-9-9などと3つの数字で表す事が多い。最も単純な表記はCL4やCL9といったCAS(Column Address Strobe latency)レイテンシーのみを表記したもので、CASという信号がメモリーモジュールに送られてから実際にデータの読み書きが行われるまでにかかる遅延時間をクロック数で表している。つまりCL9であればCAS信号が送られてからメモリークロックが9回進んだ時、やっと実際の読み書きが行われるという事である。

このレイテンシーはDDR3のPC3-12800が大体11-11-11辺りが普通で、DDR4のPC4-17000が15-15-15である。そしてバスクロックはPC3-12800の場合400Mhz(DDR800Mhz)、PC4-17000が533Mhz(DDR1066Mhz)。こうして考えると、PC3-12800に対しPC4-17000は単純計算で5%ほど、読み書き信号を送ってから実際に読み書きが始まるまでの遅延が長い事になる。

ただし一旦データの読み書きが始まればPC3-12800に対しPC4-17000の方が3割ほど速いので、ある閾値を境にDDR3かDDR4か、どちらかが速くどちらかが遅いという結果になるわけだ。


以上の事から、DDR4のメモリーモジュールは今の所クロックが低く、DDR3のPC3-12800モジュールに対し完全に速いと言い切れる性能を発揮するためには最低あと2段階くらい上の速度規格、DDR4-2666のチップを使った、PC4-21333規格のモジュールが必要だと思う。

そう考えると、半年は先のZenのために、今安いからと言ってPC4-19200辺りのモジュールに妥協して買ってしまおうか、それとも我慢すべきかなどと悩むのである。



参考:

ベンチマークテストで確認――DDR2
http://ascii.jp/elem/000/000/346/346445/



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