実はCarizzoがすごかった事 [CPU]
私は過去にCarizzoについてあまり期待できないような予想を書いたが、これを間違いだったと認める。
先日正式に発表されたCarizzoは、単純に計算能力だけで言っても正常進化といえるだけの向上を果たしている。
Carizzoに使われるAMDの残念CPUコア、Bulldozer系の最終進化形であるExcavatorは、IPCで5%の性能向上だそうだ。
このIPC向上には同時実行命令数を1つ増やした事と、1次キャッシュを16KBから32KBへ拡張した結果の数字で、AMDも結構頑張っている様子が伺える。
そしてGPUコア。
基本スペックに変更はないが、コアが最新のVolcanic Islandsに変わってDirectX 12に対応し、H.265のハードウエアデコーダーを備えるようになった。
DirectX 12についてはWindows 10が標準で対応し、なおかつOSの基本的な画面描画に使われるので、Windows 10で行うあらゆる作業でCPUの負荷を抑えてくれるだろう。(もちろん、Windows 7やWindows 8.1でもDirectXによる描画支援は有効。 )
H.265については必要な環境がまだそれほど浸透していないが、今後ネットワークトラフックの対策でYoutubeなどの動画サイトやネットTVなどのオンデマンド動画配信で採用されていくと思われる。
CPUでH.265をデコードするのはかなりのパワーを必要とするので、これらを利用する人にとってはありがたい機能だと思う。
さて、基本性能が多少上がっているとはいえ現行のKaveriとはそう大差なく、主に新機能によるCPU負荷の低下でトータル性能を稼ぐという感じに仕上がっているCarrizoだが、タイトルに書いた、私がすごいと思った事はもちろんこの事ではない。
私がすごいと思ったのは、今までにない思い切った設計変更についてだ。
CarizzoはKaveriと同じ28nmの製造プロセスを使う。
だがここが盲点だった。
28nmは28nmでも、Kaveriとはかなり違う。
Carrizoは従来のCPUコアとGPUコアにメモリーコントローラーとPCI Express等の外部バスのみを統合したAPUから、従来は別チップだったサウスブリッジまでを統合した完全なSOCに変化した。
しかもSOCになってトランジスタ数が大幅に増えたにも関わらず、チップの大きさ(ダイ面積)がほとんど変わっていないというウルトラCまでやってのけている。
Kaveriと同じ28nmプロセスを使っているのに何故そのような事が可能になったかというと、CPU特有の性能重視の設計から、単体GPUやスマホ用SOCのようなトランジスタの実装密度重視のプロセス用に設計変更したから。
この変更によるデメリットは動作周波数が上げにくい事だと思われるが、設計の最適化や省電力化の工夫に加え、SOCとする事で動作周波数が高いデスクトップ用と共通ではなく、動作周波数が低いモバイル専用とした事も、このような手段が可能となった要素だと思われる。
この思い切りの良さが非常に好ましいが、代わりに失ったものを思うと少々複雑な心境だ。
あとは他にも私個人としてすごいと思った要素が色々詰まっているのだが、あまりここでそれらを書くのも面倒なので、気になる方は各メディアのCarizzoに関する記事を見て欲しい。
というわけで、このCarrizoは結局モバイル向けSOCになってしまった事で、デスクトップ用の提供は以前からわかっていたように可能性がまったくのゼロとなった。
このAPUを使いたければ、これを搭載するノートPCかモバイル用コンポーネントを組み込んだ小型PC(主に液晶モニタ一体型PCなど)を買うしかない。
そしてそのような用途である以上、デスクトップ向けのKaveriと比べた場合はかなり性能が低い。
デスクトップ派の私としては非常に残念であるが、逆にノートPCでAMDのチップを搭載している製品を選びたい人にとってはうれしい結果であると言えるのかもしれない。
先日正式に発表されたCarizzoは、単純に計算能力だけで言っても正常進化といえるだけの向上を果たしている。
Carizzoに使われるAMDの残念CPUコア、Bulldozer系の最終進化形であるExcavatorは、IPCで5%の性能向上だそうだ。
このIPC向上には同時実行命令数を1つ増やした事と、1次キャッシュを16KBから32KBへ拡張した結果の数字で、AMDも結構頑張っている様子が伺える。
そしてGPUコア。
基本スペックに変更はないが、コアが最新のVolcanic Islandsに変わってDirectX 12に対応し、H.265のハードウエアデコーダーを備えるようになった。
DirectX 12についてはWindows 10が標準で対応し、なおかつOSの基本的な画面描画に使われるので、Windows 10で行うあらゆる作業でCPUの負荷を抑えてくれるだろう。(もちろん、Windows 7やWindows 8.1でもDirectXによる描画支援は有効。 )
H.265については必要な環境がまだそれほど浸透していないが、今後ネットワークトラフックの対策でYoutubeなどの動画サイトやネットTVなどのオンデマンド動画配信で採用されていくと思われる。
CPUでH.265をデコードするのはかなりのパワーを必要とするので、これらを利用する人にとってはありがたい機能だと思う。
さて、基本性能が多少上がっているとはいえ現行のKaveriとはそう大差なく、主に新機能によるCPU負荷の低下でトータル性能を稼ぐという感じに仕上がっているCarrizoだが、タイトルに書いた、私がすごいと思った事はもちろんこの事ではない。
私がすごいと思ったのは、今までにない思い切った設計変更についてだ。
CarizzoはKaveriと同じ28nmの製造プロセスを使う。
だがここが盲点だった。
28nmは28nmでも、Kaveriとはかなり違う。
Carrizoは従来のCPUコアとGPUコアにメモリーコントローラーとPCI Express等の外部バスのみを統合したAPUから、従来は別チップだったサウスブリッジまでを統合した完全なSOCに変化した。
しかもSOCになってトランジスタ数が大幅に増えたにも関わらず、チップの大きさ(ダイ面積)がほとんど変わっていないというウルトラCまでやってのけている。
Kaveriと同じ28nmプロセスを使っているのに何故そのような事が可能になったかというと、CPU特有の性能重視の設計から、単体GPUやスマホ用SOCのようなトランジスタの実装密度重視のプロセス用に設計変更したから。
この変更によるデメリットは動作周波数が上げにくい事だと思われるが、設計の最適化や省電力化の工夫に加え、SOCとする事で動作周波数が高いデスクトップ用と共通ではなく、動作周波数が低いモバイル専用とした事も、このような手段が可能となった要素だと思われる。
この思い切りの良さが非常に好ましいが、代わりに失ったものを思うと少々複雑な心境だ。
あとは他にも私個人としてすごいと思った要素が色々詰まっているのだが、あまりここでそれらを書くのも面倒なので、気になる方は各メディアのCarizzoに関する記事を見て欲しい。
というわけで、このCarrizoは結局モバイル向けSOCになってしまった事で、デスクトップ用の提供は以前からわかっていたように可能性がまったくのゼロとなった。
このAPUを使いたければ、これを搭載するノートPCかモバイル用コンポーネントを組み込んだ小型PC(主に液晶モニタ一体型PCなど)を買うしかない。
そしてそのような用途である以上、デスクトップ向けのKaveriと比べた場合はかなり性能が低い。
デスクトップ派の私としては非常に残念であるが、逆にノートPCでAMDのチップを搭載している製品を選びたい人にとってはうれしい結果であると言えるのかもしれない。
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