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Better Portable Graphics [ソフトウェア]

去年辺りからBPG(Better Portable Graphics)という、Jpegに代わる新しい画像フォーマットの話題がちらほら見かけるようになった。

現在デジカメで写真を撮ると、ほとんどの場合Jpeg圧縮でファイルに保存される。
Webで使われる画像ファイルも9割がJpeg。残りはPNGかGIFかBMP。

ところが近年、画像ファイルがあまりにも多く使われるためにネットワークのトラフィックやサーバーのストレージスペースがかなり圧迫されていて、関係者を悩ませる種の一つになっているそうな。
そこでGoogleが「WebP」という新しいフォーマットを開発する動きになったりしているのだが、近年新しく策定された動画用圧縮規格であるH.265(HEVC)のサブセットとして開発された、BPGという画像用フォーマットに注目が集まり出している。

このBPG、Jpegと比べるとファイルサイズが十分の一で同等の画質を保てるそうで。
恐らく高圧縮フォーマットでありがちな、画質を上げていくと容量が増えた割りに画質は低いまま、という副作用が存在すると思う。しかし通常Webで使われるJpeg画像自体がかなり画質が悪いので、そのレベルまで情報量を落とした場合にはファイルサイズがJpegの十分の一という驚異的な圧縮率になるのだと思う。


bpg_vs_jpg.png
BPGとJPGの比較。この画像ではJpegに対し1/5という圧縮率になって、画質もはっきりとした劣化がわかる。
まあ圧縮の条件もあるだろう(使い方がよくわかってない)し、画像によって得手不得手もあるのだと思う。


さて、このように素晴らしい性能を見せる画像圧縮フォーマット、BPGであるが、今時そんな数キロバイト単位のデータ量削減がどれほど影響するのか、という意見も出ている。
実際日本の光回線の速度は1ギガbpsに達し、10Kbyteも1Mbyteも光回線で送るなら体感ではまったく変わらない、一瞬でダウンロードが終わる。
携帯用の無線ネットワークも、かつての3G以前と違ってLTE対応端末ならば解像度の高い写真をサクサクやり取り出来るから、FacebookやTwitterやブログなんかにアップロードするのも躊躇無くやれる。

でも良く考えて欲しい。
そのような行為をする人は、“日本だけ”でもどれほど居るのか。
スマホの普及に伴いWebコンテンツのリッチ度が上がり、そのために増えたデータ転送量は5年前と比べても10倍以上増えているのだ。
またクラウドストレージが普及し、自前の端末にはデータを置かず、まるでローカルストレージのようにネット経由でデータをやりとりする事が普通になりつつある。これらのデータの中には日頃スマホで撮り溜めた写真が、かなりの割合で含まれるのだ。iPhoneを使う人の場合なら自動的にクラウドにデータのバックアップを作るから、これはもう相当な量になるのである。


そんなわけで、Jpegと同等の画質でデータ量を十分の一にまで削減出来るBPG。
どれほど普及するかは、まだまだ未知数であるが。
かつて私がMP3という当時ドマイナーな音楽圧縮フォーマットを楽しんでいる間、現在のような普及度を見せるなど夢にも思わなかったように、気が付いたら世界標準になっているという可能性はゼロではない。

普及の鍵は主要なハードとソフトが採用するか否かにかかっている。
具体的には、ハードならデジカメと携帯電話(スマホ)。当然PCも含まれる。
ソフトウエアでは主にブラウザ。Windows10はなにやら標準でH.265に対応するからBPGも採用されるのではないかという話もある。後は画像を加工するソフト、要はフォトショップ等が対応する必要もある。

これらが全てBPGに正式対応し、標準画像フォーマットとして推奨されたならば。
BPGがJpegを駆逐し、世界標準になる可能性は十分にあるのだと思う。


BPG Image format
http://bellard.org/bpg/

BPG用のSusie plug-in ifbpg
https://github.com/256bai/ifbpg


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