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今後のローエンドCPUの価格 [CPU]

私が初めて自作パソコンを組み立てたのは1997年9月の事。

当時は新品のデスクトップパソコンで一番安い物でも15万円前後はしていたと記憶している。

しかし、自分で部品を買って組み立てると同等スペックのパソコンが10万円以下だった。

ちなみにその時私が選んだCPUは、秋葉原の高架下の店でバルクで売られていたローエンドCPUのMMX Pentium 166Mhzで、確か1万8千円だったと思う。(当然だがオーバークロックして、バルクで4~5万円していたMMX Pentium 233Mhzと同じ動作周波数で使った)


その後ローエンドCPUは価格の下落が続き、2000年以降は5千円前後の時代が長く続いていた。

一番安い時はCeleronが3780円とかそんなものだった気がする。

現在は世界的なインフレと円安の影響があるにしても、最新のCeleronが7千円台で買える。

だがそういう時代はもうすぐ終わってしまうようだ。


この記事を読むとその理由をよく理解出来る。

消える100ドル未満のプロセッサ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/tidbit/1457501.html


記事の内容を要約すると以下の二つに絞られる。

一つはCPUの製造原価が上がっている事。

昨今のCPUはEUVリソグラフィを用いる製造プロセスに変わっているため、ウエハの製造原価がハネ上がっている。

しかも今後は複数のチップを一つのパッケージに乗せる“チップレット”とか“Foveros”が主流になるので、一個のチップ価格がダイ面積の削減で安くなったとしても複数のチップを載せるので相殺されるどころか逆に原価が上がり、さらにパッケージも複雑になってこれも原価を押し上げる要因になっている。

この二つの要因によって、今後は単純な原価が100ドル以上になるという話だ。

ただ、ローエンドCPUの場合選別落ちのチップを使うなどするので単純にそうとも言えない部分がある。

例えば“Core i”の名を付けられない選別落ちのダイを捨てずにローエンド製品に使うのであれば、原価計算が変わるという事も考えられるからだ。


そして二つ目。

昨今のOSとアプリケーションがとても重くなっているという事から、今までのように「作業内容が軽い用途ではCeleronで十分」という考えが通用しにくくなっている事。

たしかにCeleronのパソコンはWindows updateがとても重く、時間がかかる。

WordやExcelのファイルを開くにも、Celeronだと数秒から十数秒待たされる事がある。

この辺りは単にアプリケーションのプログラムがゴミという事なのだが、もう今の時点でそれが普通なのだ。

かつては限られたCPUの性能を如何に生かすか、というプログラム技術が必要な時代だったが、今は有り余るCPUパワーでゴミ同然の遅いプログラムを力で動かす時代という事だ。

なにしろWindowsのエクスプローラーはWindows95の時代の方がレスポンスが良いのはよく知られた話。

CPUの処理能力が1/1000の時代よりも、今のプログラムの方が遅いのである。

だから、CPUパワーが足りないと生産性が極度に落ちる、というワケだ。

すると性能が低すぎるCPUは売れなくなるので、ある程度コストをかけた高性能CPUがローエンドに収まると。


以上の事から、現在の為替レートで計算した場合、今後のローエンドCPUの価格は2万円前後にまで上がる可能性があると。

まあ実際には1万2千円~くらいになるとは思うが・・・

ただそれでも私が初めて自作した時よりは安いのか。

しかし当時はオーバークロックで場合によっては倍以上の性能に上げる事が出来た。

嗚呼、何か色々と喪失感を味わう事が多い時代だなァ・・・



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