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そういう状態に慣れてしまっていた [ハードウェア]

先日書いた記事の中で、私はこんな事を書いた。

「IntelがパソコンやサーバーのCPU市場をほぼ独占していた頃がそうであったように、一強の状態が世の中にとって良かった試しは一度もない。」

タイミングが良い事に、これを証明する一つの記事が出ているのを見つけたので紹介しよう。


大学のスパコン担当博士が「新時代を感じた」というAMD EPYCの利点とは
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1275406.html


この記事には沖縄県にある「沖縄科学技術大学院大学」の基幹コンピュータ“DE・I・GO”が、AMDのEPYC「Rome」を採用した例として紹介されている。

そして、“DE・I・GO”の管理を担当する博士へのインタビューも載っているのだが、その中にこのような発言があるのだ。

EPYCに乗り換えて、本当にびっくりしているんですよ。これまでの15年間は、ずっと同じメーカーのCPUを使っていて、新製品が出ても性能が少し上がるとか、機能でプラスアルファがあるとかと言った程度で、「やっぱりこんなものかな」と、そういう状態に慣れてしまっていたんですね。

Intelは事実上の市場独占を達成した後、競争が無い事を良い事に価格を釣り上げ、性能向上は滞り、結果消費者には不利益しかない状態を作り上げていた。

こんなIntelでもかつては、Pentium4の不振からCore2 Duoという名機を生み出し、その後現在まで続くCore iシリーズという出た当時画期的な性能向上を果たすCPUを作り上げた。

一方でAMDはCore2 Duoが出る前まで、性能競争においてIntelと一進一退の攻防を繰り広げるライバルであったが、Core2 Duo登場以降はジリジリと性能を引き離され、第二世代Core iシリーズである2000系(Core i7 2600Kなど)が出た時にはその差が決定的なものとなって競争相手とならないまで落ちぶれてしまった。

要はAMDの凋落がIntelの増長を許したわけだが、ZenシリーズによるAMDの反撃でその状況も終わった。

これにより何が起きたのかと言えば、CPUの性能が一気に2倍以上となり、しかも価格は2倍の性能にも関わらずそれ以前のIntel製と同じかそれ以下でしかなくなった。

そしてIntelはCPUの価格を半分にまで下げた。

これが何を意味するかは、考えるまでもない。

やはりライバル不在の環境は何もかもを腐らせる。

改めてそう思った。



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