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AMDによる最初の7nm CPUはTSMCで製造 [CPU]

AMDの7nmプロセスによるCPU製造の雲行きが怪しくなってきた。
予想していた事だが、Globalfoundries(以下GF)の7nmプロセス開発は上手く行っていないようで、AMDの7nmプロセスによるCPU製造は遅れている。

GFの7nmプロセスによるプロセッサ製造全体の話として、過去の情報では2018年6月現在、GPUである7nm VEGAのサンプル出荷が始まっているらしい。Radeonはそれ以前の情報で“Navi”がTSMCでの製造という情報があったのだが、VEGAの7nm版はGFでの製造である事は確定している。
ただしGFのArF液浸露光による7nm VEGAは生産数が極めて少ないと思われ、一般向けのビデオカードとして出回るのは何時になるのか不明で、ヘタをすると一般向けビデオカードの7nm VEGAが搭載された製品は幻となる可能性すらある。

これは現在の7nmは歩留まりが極めて悪い事が想像され、出荷が極少数でかつ単価の高いHPC向けの製品にとりあえず出す事で株価対策とするつもりなのだと思われる。要は事実上のペーパーローンチというやつだ。


一方でZen2の出荷はIntelとの競争激化により少なくともサーバー向け製品の遅延が許されない状況であり、そのためかGFでの製造が間に合わない場合のバックアップとして準備されたと思われるTSMCでの製造が実行されるようだ。


8月13日に第2世代Ryzen ThreadRipperが発売 AMD CPUロードマップ
http://ascii.jp/elem/000/001/721/1721348/


ネタ元のASCIIの記事にはこう書かれている。

“AMDのZen2、つまり7nm世代を利用したEPYCプロセッサーに関しては、GlobalfoundriesではなくTSMCで製造するということが明らかにされた。 ”


記事にはさらに“これまでのGlobalfoundriesの発表などを見る限り7nmも順調に立ち上がっているという話だった”とあるが、本当に順調ならばこんな事があり得るはずも無い。“順調”というのはAMD側の修正されたスケジュール上の話であり、実際にはかなり遅れが出ていて切羽詰った状況なのだろう。

そしてGFとTSMCでは同じ7nmといえどまったく別物の製造プロセスなので、回路の図面(論理設計)は同じでも製造のための設計(物理設計)はまったくの別モノになる。つまりTSMC製造のZen2と、GF製造のZen2は動作こそ同じであれど物理的に違うCPUとなるわけで、TSMCでの生産が始まる事がGFでの生産に対する後押しにはならない。

さらにTSMCの製造キャパシティは現在それほど余裕があるわけではないという記事をどこかで見かけた。よってTSMCで製造されるZen2コアは当初全てがEPYCに使用され、TSMC製のRyzen出荷はあったとしてもEPYCよりかなり遅れると思われる。


こうした理由から、もしかするとZen2コアのRyzenはGFでのEUVによる7nmプロセスが完成するまで待つ必要があり、7nm Ryzenの出荷は早くとも2020年以降になる可能性もあると私は予想する。

一方で楽観的な予想としてTSMC製のRyzen出荷はEPYCの出荷から数ヵ月以内に始まるという見方も出来るが、実際どうなるかはまったくわからない状況である事は間違いない。



次世代プロセスによる新型プロセッサ製品化の遅延
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-09-22

Zen+について
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01

AMDの7nmチップは2019年以降から
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-02-01

AMDの7nm製品は今年中に出るらしい
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-06-06




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