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RYZEN 1600X搭載パソコンの性能(ほんの一部だけ) [ハードウェア]

RYZEN 1600Xで組んだパソコンに無事Windowz7のインストールが出来たので、今回は軽く性能検証を行ってみる。

検証に用いたパソコンの構成は以下の通り。

CPU RYZEN 1600X
マザーボード ASUS PRIME B350-PLUS
メインメモリ Corsair CMK32GX4M2A2400C14 (16GB x 2)
ストレージ  ADATA XPG SX8000 256GB (NVMe、M.2)
ビデオカード MSI GeForce 1050Ti 4GB LP
電源装置   玄人志向 KRPW-PT600W/92+ Rev2.0
OS  Windowz7 Professional SP1 x64
UEFI BIOS及び各種ドライバは2017年05月28日時点で最新のもの
UEFI BIOSで省電力設定OFF、Windowzの電力設定はバランス


というわけで、以下はオーバークロック等一切無し(CPU 3.6Ghz、メモリ 2133Mhz)と、オーバークロック時(CPU 3.9Ghz、メモリ 2400Mhz)での比較。

最初は消費電力。計測にはワットメーター使用し、アイドル時の最小消費電力とCINEBENCH中の最大消費電力を計測した。

アイドル中とCINEBENCH中の消費電力比較
アイドルCINEBENCH
Normal21W105W
Over Crock24W167W


アイドル時の消費電力は予想外に少なかった。Windowzの省電力機能が効いているのだろうか。

CINEBENCH中の消費電力は定格の場合大体予想通りだったが、オーバークロック時の消費電力は予想以上だった。たった300Mhz増やしただけで1.5倍以上。これでは常用出来たとしても、特別に処理能力を上げたい時以外は定格で使いたくなる。


次はCINEBENCHのスコア。
CINEBENCHはRYZENがIntel製CPUに対し最も有利なスコアを出せるベンチマークの一つで、今回は絶対性能がどうかというよりオーバークロックによるスコアと消費電力の変化を確認するためだけに行った。

1600x_Cine.png

良くわからないが、グラフでは3.9GhzのRYZEN 1600Xが一番速いようだ。
定格動作とオーバークロック時の差は、クロック差を考えても少なすぎる気がする。

スコアそのものに関しては他の同じCINEBENCHの結果と比べると若干低いが、これは電源プロファイルの違いか、メモリのクロックが低い事が理由だと推測する。


次はCINEBENCH中のVRMの温度。

CINEBENCH中のVRMの温度比較
Normal45℃
Over Crock45℃


これは計る意味が無かった。恐らくCINEBENCHが数分と短時間で終わってしまうため、温度上昇が有意な変化量に達する前にCPUが省電力モードになってしまうためだろう。


最後はCPUとはあまり関係が無いが、NVMe SSDの速度と温度について。
なお、コントローラチップには熱拡散と放射冷却機能がある放熱フィルム「クールスタッフ」を貼っている。
速度の計測は定番のCristal Disk Mark、温度は普通にサーミスタの温度計で。

Disk Markの結果は以下のスクリーンショットの通り。

SSD_Score.png

速度についてはおおむね満足。体感ではよくわからないが。

しかし問題は温度だ。
ベンチマークを始めて1分かそこらで60℃近くまで上がる。そしてベンチが終了するとアイドル状態に移行して大体51℃。さらに数分間なにもアクセスが発生しなければ省電力モードになって40℃台前半まで下がる。ある情報サイトでのテストでは65℃以上で安全装置が働き、コントローラの処理速度が落ちて遅くなるようだ。

SX8000_ondo.jpg

恐らく温度が上がりすぎれば読み書きにエラーが発生し、最悪SSDのコントローラがハングアップする事もあり得る。そうなるとWindowzもブルースクリーンが出て落ちる可能性が高いので、 XPG SX8000の熱問題はクールスタッフ貼り付けではなく別の冷却方法を考えて対策しなければならない。

実の所、後継機種か別バージョンか、XPG SX8000にはヒートシンクが追加されたモデルが最近追加されている。
きっと消費者からトラブルの報告が多かったために対策をしたのだろう。


というわけで、性能検証とは名ばかりの簡単な計測はこれで終わり。
RYZENの性能についてまともな検証をやっているところはいくらでもあるので、気になる方はそちらを参照していただきたい。

この検証で出た事実は、やはりRYZENは動作周波数の低い省電力モード時の消費電力は極めて少ないが、定格での動作でも動作周波数が上がるとかなり消費電力が多いという事だ。したがってTDPの低さはフルパワーで動作する時間が短い場合での数値であり、数時間に渡って全力運転するような場合にはTDPで示されたよりもワンランク上の冷却能力が求められ、消費電力についてもこれに応じて上がるので電源も相応の物が必要になるという事だ。

また今回私が行った検証で他のサイトの検証と違うところは、私の環境が省電力を意識した構成になっているところだ。実際パソコン関係の有名情報サイトでの検証は、CPUが同じ1600Xであっても、CPU以外にも高性能な部品を使っているためかアイドルで40W以上、CINEBENCH中で120W以上の消費電力を記録しているものが少なくない。
だから私のように中途半端な構成が狙いの方には参考になると思う。


オーバークロックについては、UEFI BIOSの自動設定によるお手軽オーバークロックがどの程度か調べた記事を見た事が無いので、これはこれで一つの情報として価値があると思いたい。

正直なところ、個人的には1.5倍の消費電力と引き換えの結果がたった300Mhzのオーバークロックならばあまり価値はないと思う。
ただ、自動ではなく人力で設定を詰めていけばもっと低い消費電力に出来るかもしれないし、或いは4Ghz以上のクロックが狙える気がしなくもない。

CPUだけでなくメモリについても同様で、やろうと思えばDDR4 2666くらいなら動いてくれそうな気はするが、電圧を盛ってまでメモリのオーバークロックをしたくないというのが本音である。気が向いたらその内に挑戦するかもしれないが、電圧を盛らなければならないのならばとりあえずDDR4 2400で動けば満足なので、適当に遊んだ後に今の状態へ戻すだろう。

ヘタレと言われてしまえばそれまでだが、私は平時の能力が一定水準を超えていればピーク性能よりも安定性を重視するので、RYZEN 1600Xほどの性能ならば無理せず定格で使いたいと思う。



高速転送と安定性が魅力。最新3D NAND MLC採用NVMe SSD、ADATA「XPG SX8000」
http://www.gdm.or.jp/review/2016/1112/185053



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