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16コアRyzenは今年夏 [ハードウェア]

今年夏にデスクトップPC用16コア/32スレッドのRYZENが投入されるという。

ウワサを知ってはいたが、ついにAMDから正式発表された。

しかし正直なところこんなに早く出るとは思わなかった。恐らくAMDは事前に準備をしていたものの、Intelの動向を見るためにあえて情報を隠し、RYZEN登場後のIntelがRYZENへの対抗方針がある程度出たタイミングでぶつけて来たのだと思う。


その16コアRYZENであるが、CPUの構成は8コアのダイを二つMCMでパッケージしたもの(或いは四つのダイの内合計16コアを殺した?)で、サーバー向けのCPUと同種の手法だがソケットは別となる。

そしてメモリチャネルが2倍の4chとなるために当然AM4とも違うソケットになり、既存のAM4プラットフォームに載せる事は出来ない。PCI-Expressのレーン数はCPUのダイが増えた分8コアのRYZENより多くなっている。具体的な数はここでは書かないが、いずれにせよメモリや周辺デバイスと接続するインターフェイスの帯域が増えた事により、ZENコアの持つ計算能力は8コア製品よりも効率よく引き出されると思われる。

これらの相乗効果により、Intel製のハイエンドプラットフォームに対抗するにふさわしいスペックを持つようになった事だけは確かだろう。(もちろんスペックだけでなくそのお値段も張り合う事に。)


過去にRYZEN7はIntelのハイエンドプラットフォームであるLGA2011系のシステムとの比較をし、同等以上の性能である事を証明して見せたが、Intelはこれに対し今年中盤までに12コアのCore i9 (Skylake-X)を出す事で対抗するというウワサ話が出ている。この話はIntelの正式発表ではないが、可能性としてはあり得ると思う。だがこの話がデマだったとすると、IntelのRYZEN対抗CPUは10コアのSkylake-Xという事になる。

このSkylake-Xの対抗が16コアRYZENなので、出てくるのが12コアだとしても、少なくとも今後1年程度は性能でIntelを上回る事になるのかもしれない。



それから同じタイミングで、これまで“Raven Ridge”と呼ばれていたGPU統合型のCPUであるAPUが、モバイル向けの「Ryzen Mobile」として今年の第3四半期に出ることが発表された。

主にノート型パソコン用SoCとして設定されているため、APU単体では自作市場には出てこない。だが、CPU組み込み済みのベアボーン(半完成パソコン)としてならば出回る可能性もゼロではないと思う。


統合されるGPUはウワサ通りVEGAと呼ばれるAMDの最新式GPUコアで、CPUコアの性能と共に今までほぼIntel一色だったノートパソコン市場のシェアを一定以上奪う事が出来るスペックである。ただし一般消費者向けのパソコン市場は、パソコンの処理能力がすでに飽和気味であり、一部のハイエンド市場でしか受け入れられない可能性は否定できず、AMDも現在の自作向けRYZENと同様、登場してからしばらくは高性能或いは高級なパソコンを必要とする消費者向けに少数を出荷するに留まる可能性が高いと予想する。

従って少なくとも1年、長ければ今後2年程度は、ノートパソコンに採用されるCPUのシェアはあまり動かないかもしれない。


他にもシェアの動きが長期間抑制される要因として、市場への影響力を駆使した絶大な政治力を持つIntelがどう動くかが問題だ。Intelの動き次第では、実際にパソコンとして組み立て、市場に供給する各メーカーへの採用が阻まれる可能性も少なくはない。(Intelは過去に他社のx86互換CPUを市場から排除するため違法行為を繰り返した過去があり、その結果現在AMDとVIA以外は廃業に追い込まれたりx86互換CPU事業から撤退している)

その辺りをAMDがどのように解決するのか、解決出来なければAMD製CPU全ての行く先に大きく影響するため心配だ。




AMD、16コア/32スレッドの「RYZEN Threadripper」を2017年夏に投入
http://news.mynavi.jp/news/2017/05/17/076/

FTC、反競争的なビジネス慣習でインテルを提訴
https://japan.cnet.com/article/20405496/

巨人Intelに挑め! ? 最終章:インテルとの法廷闘争、その裏側
http://news.mynavi.jp/series/amd_final/001/



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