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AMDのHBM搭載ハイエンドビデオカードは水冷 [ハードウェア]

先日、6/16の発表が予告されたAMDのHBM採用次期ハイエンドビデオカード。
これの冷却装置が水冷である事がわかった。

AMDのHBM搭載ハイエンドビデオカードは簡易水冷を採用
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/event/20150605_705604.html

記事によると、理由はこんな感じ。

・ハイエンドのため発熱が多い
・メモリーがGPUコアに非常に近いので、熱密度が上がっている
・空冷にすると短い基板長(175mm)のメリットを損なう大型のヒートシンクになる


最初の「ハイエンドのため発熱が多い」というのは私の解釈で、記事には直接このようには書いていない。が、ハイエンドのGPUは高性能の代償として消費電力が多く、発熱量も多い事が普通だ。

二番目の「熱密度」の問題は、これはとても大きいと思う。
何故なら、HBMの冷却が難しいからだ。通常、メモリーチップの冷却は実装される基板へ熱を逃がすことで成される。しかしHBMの場合はGPUという発熱源が近すぎてこれが出来ない。メモリーは温度が高過ぎるとCPUなどと同様にエラーを起こすので、これは非常にまずい問題だ。
解決するには熱輸送の速度を上げるしか無い。水冷という選択は、これを最も簡単に実現する手段である。

そして最後の基板長の問題。
HBMのおかげで基板の小型化が可能という事は、今までカードの大きさがネックになって諦めていた人にも買ってもらえる可能性、というメリットをもたらす。しかしヒートシンクがカードよりも大きかったらそのメリットが消えてしまう。
かといって小型のヒートシンクで効率よく冷やすには複雑な構造の高価なヒートシンクが必要になり、強制空冷のための風量も増やさなければならないのでファンノイズも大きくなってしまう。
従って空冷よりも水冷が現実的な選択肢となる。


というわけで。

私が先日HBMについて書いた記事では熱問題がすっぽり抜けてしまっていた。
この冷却の問題はヒートシンクのコストを押し上げる。今回の水冷が良い例だ。
これではせっかく基板などでコストダウンが出来てもまったく意味が無い。

また、水冷の場合にはラジエターの設置が問題になる。内蔵が難しい場合ケース外に出せば良いが、それはそれで問題が残る。何よりも今までハイエンドカードが搭載できる事を謳っていたキューブ型のような、省スペースケースへの搭載が難しくなってしまう。
強制空冷で処理するにも、今までのような簡易なヒートシンクをただ大型化させれば良いという選択難しくなってしまった。

この冷却の問題はGPUの消費電力を大幅に下げることが出来れば解決出来るが、代わりに性能を落としてしまってはHBMを使うメリットが損なわれてしまう。


さらに、記事ではGPUとHBMの高さが不揃いな事が問題である点も問題としている。
これもコスト上昇要因なので、CPU並みに大量生産でもされない限りカードを出荷するメーカーの頭を悩ます事になると思われる。


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