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中古98サウンドカード相場の異常事態 [ハードウェア]

かつて、NEC製のPC-9801というパソコンが存在した。
それらの多くはビープ音(ピーとしか鳴らない)のサウンド出力機能しか持たず、ゲームサウンドや音楽作成でより良い音を求める要求に対しては、別途サウンドカードを購入して増設する必要があった。(後に型番が9821となってFM音源のサウンド機能は標準搭載された)

my_9801-86.jpg
当時私が購入した、FM6音+PSG3音+ドラム6音+PCM1音の拡張カード“PC-9801-86”、通称“86音源”

そんなPC-9801用サウンドカード(※Cバス用)の中古価格が高騰している。
現在、ヤフオクでの相場はPC-9801-86が5000円~10000円程度。
少し前は1円~500円程度だったと記憶しているのだが・・・

それにしても、もう20年以上も前のハードウエアの中古である。
当時は2万~4万程度していたPC-9801用サウンドカードではあるが、もはや使用環境は当時のハードウエアしか無く(現在新品は生産されていない)、ごく一部のマニア以外には用の無いシロモノ。それゆえマニアに行き渡った後の中古相場は数百円にまで下がっていたのだ。

ところが。
最近になってこのPC-9801用サウンドカードを、現在のWindowsパソコンにUSBで接続するためのハードウエアが現れた。

このハードウエア、名は「honet C86BOX」といって、ここ数日の関連Webニュースサイト等で話題になっていた。その所為でこのようなモノに興味を持つ人が増えたのだろうか。
それにしても、今更こんなものに金をかける物好きが居るものだ。

もしこれら「PC-9801用サウンドカード」を「honet C86BOX」で使いたいのなら、最低でも「honet C86BOX」+「86音源」で5万円程度は必要になる。それでどの程度の事が出来るのかといえば、昔の98用ゲームなどから抜いたサウンドデータを再生したり、86音源等用に作られた同人のサウンドデータを再生したり出来る程度。
他には自分でサウンドデータを作成するという使い道もあるが、今時FM音源+PCMの音源、しかも音質は良くも悪くも当時の古き良き時代のサウンド、という事でかなりの色物であり、趣味で好き勝手に遊ぶか、商用音源で使うのならレトロ調の音楽として使うなどのかなり限られた用途となる。

まあ使い道云々はいいとして、今まではゴミ同然だったモノが突然こんな値段になるという事に驚いた。
モノ自体にお宝的な要素はまったく無いだけに尚更だ。

まあ、こうしたPC-9801用音源の音楽を聴くのならソフトウエアでエミュレートする方法の方が一般的だし、私には実機とエミュレーターの音の違いはほとんどわからないので、単にレトロPCのサウンドが気になるというだけならエミュレーターで遊んでおけ、と言いたい。
(ただしドラムの音まで同一にするには実機のROMからWAVEデータを吸い出す必要があるので、そこまで再現性を求めるのなら9801の実機と86音源の実物が必要になる)

※Cバス
NEC製PC-9801(9821)の拡張バス規格。当初は汎用拡張スロットなどと呼ばれた。
後にCバス以外の規格、特にPCIバスもPC-9821に搭載されたが、Cバスも最後まで残された。


honet C86BOX
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20150404/ni_cc86box.html

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