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Snapdragon 810 [ハードウェア]

巷では大絶賛のクアルコム製ハイエンドSoC、Snapdragon 810だが・・・
これは地雷臭プンプンである。

理由は製造プロセスが20nmというのが一つ。
この20nmというのはnVidiaやAMDがGPUを製造するためのプロセスとしてキャンセルしたもので、その理由を大雑把に言うと“出来が悪いから”。コストが高いわりに性能が出ない駄作という烙印が押されているのだ。
通常スマホを始めとする携帯デバイス向けのSoCには、同じ製造プロセスでも性能が悪い代わりに消費電力が少なく製造コストも安いものを使うため、駄作の20nmを使うデメリットはさほど影響しないという事なのかもしれないが。
しかし消費電力に関しては28nmとそう変わらないか、トランジスタを増やした分かえって多い可能性が高いと私は思う。

さらに2015年以降は3Dトランジスタになる16nmなSoCが出回る事を考えると、クアルコムは来年早々に新しいSoCを発表する可能性が高い。そうなったら従来のプレナー型トランジスタの20nmを使うSnapdragon 810の立場はどうなるのか。
考えるまでもない。

そんなSnapdragon 810だが、おそらく消費電力が多いのだろう、それに対する悪足掻きがまた微笑ましい。
Cortex A57/A53がそれぞれ4コアずつ搭載という、やっつけ仕事で消費電力の多さをカバーする。
要は計算量が少ない時はシンプルな構成で消費電力が少ないA53コアを使い、重い処理が必要になるとA57コアに切り替えるという「big.LITTLE」という構成。あの失敗作で有名なTegra 3で有名になったアレだ。
この考え方は過去の製品を振り返れば「思ったほど効果はない」というのが常識である。ベンチマークではどうか知らないが、様々なアプリを突っ込む一般ユーザーの携帯デバイスでこれが有効に働くとは、到底思えないし実際に機能している例は少ない。
まあ、こんな体たらくの駄作を、無知な一般消費者は「8(オクタ)コアだわーい」といって喜んでいるのだろう。実際には4コアずつ切り替えられるので8コアが同時に働く事はないのだが。彼らはかわいそうだが、生暖かい目で見守るしかないのである。


携帯端末は2年ほど前に28nmプロセスを使うSoCが登場した事で消費電力の問題がかなり改善し、それ以前の45nmや40nmを使うSoCと比べて大きな飛躍を果たした。しかしその後液晶モニターの高精細化によってSoCの消費電力が大幅に増加し、ハイエンド向けのSoCはまた消費電力の大きな壁にぶつかっている。
その壁を破るのは20nmプロセスのSoCのはずだったが、TSMCは20nmの開発に失敗した。おかげでいまだ28nmが主流となっているが、クアルコムは博打に出たのだと私は想像する。

ただまあ、最終製品としてSnapdragon 810を搭載した携帯端末がゴミかどうかはまた別問題。
今自分が持っているモノよりも魅力的に思えるのなら買い換えるのも良いだろう。

だが私は、16nmなSoCを搭載する製品が出回るまで待つことが賢い選択だと思う。

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