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GeForce RTX 4090は電源コネクタが燃えるらしい [ハードウェア]

NVIDIAのフラッグシップGPU“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードが、電源コネクタの焼損によって壊れてしまう事態が多発しているらしい。

色々調べてみると、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには“12VHPWR”という規格のコネクタが用いられており、このコネクタに問題があるようだ。

この“12VHPWR”という規格、実は今年(2022年)になってから出たばかりの規格で、採用しているATX電源は私が知る限り存在しない。

という事は既存のATX電源にあるビデオカード用の電源コネクタと“12VHPWR”の変換ケーブルが必要になるわけで、“GeForce RTX 4090”を搭載したビデオカードには標準でこの変換ケーブルが付属している。

この変換ケーブルのコネクタが燃えるようだ。


ところで問題の焦点となっている“12VHPWR”だが、コネクタを見ると12の接点を持つコネクタである事がわかるが、このコネクタで最大600Wの電力供給が可能という規格らしい。

だが12Vで600Wというと50Aである。

50A!

この大電流に耐えるコネクタは、設計にしろ製造にしろ簡単ではない。
(大きくてゴツいので良ければ簡単かもしれないが)

件のコネクタは50Aを6対のピンで流すので、ピン一本当たり約8A。

“GeForce RTX 4090”は公称で450W程度の消費電力であるというから、その場合は37.5A、ピン当たり約6A。

しかし写真を見る限り電気を受け取るピンは1~1.2mm角程度の太さしかなく、ケーブル側の雌端子(コネクタ形状は雄)は指でつまむような感じで接触する構造であるはずなので、ここの接触抵抗が不揃いだと抵抗が少ないピンに電流が集中して発熱するか、抵抗が大きいピンの発熱がそれを上回るかするはずで、その発熱がコネクタの樹脂(普通は摂氏200度以上まで耐えるポリアミド樹脂製)を焼損させてしまうと。

こうなると当然金属製の端子(一般にりん青銅にスズメッキ)も熱による接触圧の低下に加えて表面が酸化したりコネクタの燃えカスが付いたりで電流が流れにくくなるので(以下略


何故こんなに脆弱なコネクタなのかと言えば答えは一つしかない。

それは

「抜き差しが固いとビデオカードやPCI-Expressコネクタが壊れてしまうから。」


という事でギリギリの設計(設計者の脳内では十分な余裕がある事にされてしまっている)に落ち着いた“12VHPWRコネクタ”だが、こうした部品は現在ほとんどすべてが中国製なので品質は推して知るべしだ。

特に中国製の部品は製造にしろ材料にしろ、品質のバラツキが多いのでこうなったのではないかと思う。

え?メーカーがしっかり品質管理しているからそんな事は無い?

いや、あるからこういう事になっているのだ。

過去にもこうした事例は枚挙に暇がない事は、少し調べればわかる事だ。

問題になっていない例は、発注している元がよほど厳格に品質検査をしているか、品質が落ちる事を計算に入れて超過剰スペックで生産しているか、或いは“そもそも品質など問わない”場合に限られる。(と、私は勝手に想像している)

よって件の変換ケーブルも、設計に余裕が無さ過ぎてそういう問題を吸収出来なかったのではないかと思う。


昨今はATX電源でもケーブルをコネクタで付け外しが出来る製品が多いが。

私はこの仕様に大反対である。

理由は、一般的にあの手のコネクタはアンフェノールやモレックス製の最高級品でも決して少なくない電気抵抗がある事を知っているし、コネクタそのものの信頼性も様々な条件で限りなくゼロになる事を経験(何度泣かされたか)しているからだ。

USB PDも、あの小さなコネクタで最大240W(48V 5A)の新規格が出ているが、こうした問題が出る可能性が高まってしまっている。

これらの問題は今後も要注意である。


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