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PC不要論とは [ハードウェア]

「なぜ今さらPCを買うのかと思う。」

この言葉は昨年11月、ロンドンで行われたiPad Proの発売に合わせて開催された特別イベントの中で、AppleのCEOであるティム・クック氏が発言した言葉だ。

もちろんこれはiPad Proを売るための煽り文句でしかないのだが、スマートフォンやタブレットといった携帯端末が全盛の今、多くのメディアや「エライ人達」が似たような“PC不要論”をバラ撒いている。


今後はパソコンが不要になるのか?

この事は多くの場所で議論されているが、多くの場合「PCは不要にはならない」という結論が出ている。
何よりもPC不要論を謳う当のApple自身が、いまだにMachintoshを売り続けているではないか。本当にiPadがあればPCなど要らないというのなら、いますぐMachintoshの販売をやめるべきだ。

だが実際に多くの人達にとって一般的なデスクトップやノート型のパソコンが不要である事も事実である。


では何故このように意見が分かれるのか?
その理由は個人の価値観やコンピュータの使い道にあるように思う。

そして何故使い道が分かれるのかといえば、それはハードウェア上の制約や自由度の問題になるだろう。


例えばデータの処理能力。CPUパワー、メモリーの速度と搭載量、ストレージの速度と搭載量、グラフィック処理能力。どれを取っても携帯端末はデスクトップパソコンに届くレベルではないし、来年以降携帯端末の能力が上がってもデスクトップパソコンの能力はさらに向上しているから、この差が無くなることはありえない。

他には扱える情報量の違いもある。
これは主にモニター面積の違いやキーボードやマウスに代表されるマンマシンインターフェイスの違いである。
もし扱える情報量を上げるためにiPad Proに外部モニタやキーボードなどを接続するのなら、逆に何故iPadを使わなくてはならないの?と疑問に思う。そんな事をするくらいならネットワークでデータを共有して、デスクトップパソコンで作ったデータをiPadで活用する方がはるかに効率が良いし、キーボードを接続したタブレットと一般的なノートパソコンのどこに違いがあるというのか、説明出来る人が居たら説明して欲しいと思う。

最後にソフトウェアの違いも挙げておこう。
携帯端末では、あまり複雑なソフトウエアは利用できない。理由は最初に挙げたハードウェア性能の違いと、二番目に上げたマンマシンインターフェイスの違いから要求される仕事も違うからだ。それは必然的にソフトウェアの設計に対する違いとなり、据え置きのパソコンで出来る事と携帯端末で出来る事の違いにも繋がって来る。
その違いは、開発されるソフトウェアの違いになって現れ、必然的にその端末で出来る事も違って来るのだ。


私個人の結論としては、携帯端末には携帯端末の、それ以外のパソコンにはそれ以外のパソコンにしかない魅力があるわけで、かつて“ノートがデスクトップを駆逐する”という「デスクトップPC不要論」が流行した時と同じように、実際にはそれぞれの利点を生かす使い方がされるようになって住み分けが進むと思う。

要は普通のパソコンが要らない人はスマートフォンやタブレットだけ使えばいい。そうでない人は携帯端末以外に普通のパソコンも使う。という事だ。




「iPad Pro」登場でPC不要な時代が来るか
http://japan.zdnet.com/article/35074133/

ティム・クック氏の発言に関する記事の原文
http://www.telegraph.co.uk/technology/2016/01/21/apples-tim-cook-declares-the-end-of-the-pc-and-hints-at-new-medi/

以下原文から氏の言葉の抜粋

“I think if you're looking at a PC, why would you buy a PC anymore? No really, why would you buy one?”



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