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ついに15nmか [ハードウェア]

東芝とSanDiskが15nmプロセスのMLCフラッシュメモリーを発表した。
今年の4月末から量産開始だそうだ。

通常半導体の製造プロセスが微小化されるという事はうれしい情報である。特にCPUなどは微細化=高性能化なので、一般に歓迎されるニュースだ。

しかしフラッシュメモリーの場合は話が変わってくる。
容量当たりの値段は安くなるが、引き換えに信頼性と寿命は損なわれるからだ。
以前フラッシュメモリーについて色々調べていた時見つけた、東芝の研究者がフラッシュメモリーのデータ保持寿命について書いた記事にはこういう事が書かれている。

「NANDフラッシュメモリは、書換えを多数回行うとデータ保持を担うトンネル酸化皮膜が劣化し、データ保持寿命が短くなる」

この現象はプロセスが微細化するほど容易に起きるようになる事は常識で、現在主流の20nmクラスではメモリセル単体での書換え可能な回数は1000回程度と言われている。そこで様々な対策でこの問題を隠蔽しているがそれも限度があり、実際に製品となったUSBメモリーやSSD等の寿命短縮という現象を招いているのが現実だ。

そして今回の15nm。
プロセスの微細化によりメモリセル自体は現在の東芝製NANDフラッシュである19nmプロセスの製品より小さくなっているはずである。メモリセルの縮小は蓄えられる電子の数を減らし、酸化皮膜の面積を縮小させる。そうなると当然、メモリセルの寿命は短くなる。もちろん酸化皮膜の改良などは行われているはずだが、それでも寿命は短くなるのだ。いや、少なくとも今までの製品ではそうなってきた。

東芝は今回発表したチップだけでなくTLCのチップや新型の自社製コントローラーも今四半期中の量産開始を計画しているらしい。TLCチップはセル当たりに保存できる情報がMLCの2倍になるためより信頼性も寿命も落ちる。また新型のコントローラーもその性能次第でかなり信頼性と寿命に影響が出るだけに、気になる所だ。
まぁ何もかもは実際に製品を使ってみなければわからない事。
どうなるのか楽しみだなぁ。

世界初、15nmプロセスを用いたNAND型フラッシュメモリの量産について
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2014_04/pr_j2302.htm
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