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AMDは日本市場を半ば見捨てている [CPU]

今日、最近新型コロナによる個人向けPC需要も落ち着きを見せ始めたので、価格ドットコムでノートパソコンがどうなっているか見たのだが。

AMDとIntelの最新CPU(APU)を搭載するノートパソコンに絞って比較したところ、約9割がTiger Lakeという有様。

AMDの旧機種を入れると多少マシになるが。

しかも、絶対性能はもちろん、コストパフォーマンス的に見ても圧倒的にTiger Lake搭載機種の方が良い。

少なくとも日本国内では、もうAMDを選ぶ理由は無いと思った。

あるとしたら一部の限られた用途か、頑なにAMD製CPUのパソコンを買い続ける覚悟を持った人だけだろう。


しかし、何故こうもAMD製APUを搭載したノートパソコンが少ないのか。

APUの生産量はそれほど変化していないと思うのだが。

そこで思いつく理由は一つ。

日本市場が儲からないから、という理由だ。


日本人の平均購買力は先進国の中でも底辺で、2020年の世界統計ではオマーンに次ぐ30位。

シンガポールの半分以下、アメリカの2/3でしかない。
(蛇足になるが、世界と比較して日本人の平均購買力が“急激に落ちた”主因は大幅かつ急激な円安である。もちろん、複合要因として切り離せない相対的な生産性低下や国内での個人所得が上がらないという理由もあるが)

それは当然物価にも反映されていて、「世界一生活費が高い国」と言われたのも今は昔。

そんな市場に製品を投入しても大した利益は期待出来ないのだ。

しかも、さらに進む円安+世界的なインフレにより、輸入品であるパソコンとその部品は輸入価格が大きく上昇。

中級以下の製品があまりにも高すぎると当然売れないから、売る側は利益を削るか、中級以下を捨てて利幅が大きい高額商品に注力するしかない。

Intelのように市場の支配力があり、大口の顧客を多数抱えて商品の供給責任が重いのであれば話は違うが、そういう意味では真逆のAMDは無理をして日本で商売する必要は微塵も無いのだ。


こうなると当然にパソコンメーカーもAMD製APU搭載ノートパソコンは日本向けの商品を減らすし、自作向けの部品もハイエンド製品が中心になって、比較的安価な、Intelで言うPentium ~ Core i5相当の製品は必要最小限の供給に留まるのだと思う。


なので、「AMDが欲しいのではなくパソコンが必要」という人は、もうAMD製のCPU(APU)を使ったパソコンを選ぶ理由がなくなってしまった。

少なくとも私は、これからのノートパソコンはIntel製CPUの機種を選ぶし、デスクトップパソコンを組み立てる場合も特に理由が無ければIntel製CPUを使って組む事になるだろう。

・・・まあ、自分用にはAMDを選ぶ“かも”しれないが。


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HDDとSSDどちらが故障しにくいか? [SSD]


HDDとSSDどちらが故障しにくいか?

この質問に対する答えは、一般にSSDの方が故障しにくいという事になっている。

その根拠は機械的な動作がなく、かつては半永久的に壊れないと言われた電子部品のみで構成されているからだ。

しかし、その話はSSDを売りたい者達の都合によって歪められている。

SSDは使い方次第でHDDよりもはるかに故障しやすいし、SSDの電源回路やコントローラにつかわれている電子部品も短期間で故障する場合がある事が、事実として存在するからだ。


一方でHDDは、近年信頼性の向上が著しく、使用期間 3~4年の故障率が大幅に減っているらしい。


最新のHDD、故障しやすいのか?
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2111/04/news125.html


実際の所HDDにしろSSDにしろ、故障率は製品によって違うし、個体差も大きい。

また使用環境による差が著しく大きい事も、私自身の経験とHDDやSSDメーカー及び実際に運用している会社が発表している情報からも確認出来る。

なので、一概にどちらの方が故障しにくいとは言えない、というのが「HDDとSSDどちらが故障しにくいか?」という問いに対する本当の答えだ。


ちなみに、HDDとSSDに共通する「故障を誘発しやすい条件」というものがある。

その筆頭は「温度」。

温度が高いほど短期間で壊れる事は、HDDとSSDに共通する事実だ。

また、もう一つ「アクセスの頻度」というものがある。

これはHDDとSSDでは意味が違うが、HDDは複数のタスクを大量に処理しなければいけない場合、ヘッドの動きが激しくなって不良セクタの発生を誘発しやすくなる事が、私の経験として存在する。

この問題、単にヘッドが激しく動くのではなく「複数の読み書き要求が大量に」というところが要点で、例えばrobocopyでHDDまるごとバックアップという場合にはこれに該当しない。

該当するのは複数のアプリケーションから同時にアクセス要求が来ているとか、複数のアプリケーションをほとんど同時に起動させたりという行為である。

またバックグラウンドでWindows updateやなんらかのアプリケーションがアップデートをしている最中に他の操作をするというような場合も該当する。


一方SSDの場合はこうしたHDDが故障しやすい操作に対しては非常に強い。

機械的な動作がなく、ランダムな読み書き速度が非常に速いためだ。

だが、データの大量書き込みに対しては非常に脆弱という弱点を持つ。

理由の一つは発熱だ。

SSDは高性能の代償として長時間連続したアクセスによる消費電力の増大というものがあり、消費電力の増大はSSDコントローラの温度上昇の要因となる。

SSDコントローラは一般に汎用CPUを使った一台のコンピュータであるので、温度上昇によってエラーが出たり、コントローラそのものが壊れる場合もある。

一般的にはそれを防ぐために「サーマルスロットリング」という、一定温度を超えた場合処理速度を落としてコントローラの温度を下げる仕組みが働くが、特に読み書き速度が速い高級機種の場合、速度を出来るだけ犠牲にしないように温度の閾値が高く設定されている。

この事がSSD全体の温度上昇を招き、他の部品へも悪影響を及ぼし、結果として部品の寿命を縮め、SSDの故障という現象となって表れる。

当然温度上昇はコントローラの動作を不安定にさせるだけでなく、コントローラそのものを壊す事もある。

それからもう一つ、SSDに使われるNAND Flashという部品の書き込み寿命の問題がある。

NAND Flashはデータを書き込むと必ず劣化する。

これは磁力でデータを記録するHDDには無い現象で、HDDのプラッタは10万回の書き換えでもほとんど劣化しないのに対し、NAND Flashは最も耐久性の高いSLCでも1万回、MLCで千~3千回、TLCで三百回以下、QLCでは百回を下回る書き換えで寿命となってしまう。

この書き換え寿命のおかげで大量のデータを何度も書き込むとSSDの寿命はあっという間に摩耗していくので、結果として書き込まれたデータのエラーが増加したり、データそのものが消えるという現象となって表れる。


以上、こうした違いがそれぞれの故障率の違いとなって現れ、使い方や使用環境の違いによってどちらかの方が壊れやすいという結果につながるのだと思う。

HDDもSSDも、出来るだけ壊れて欲しくないと思うのであれば、それぞれの特徴を把握した上で、使用環境と使用方法を工夫する事が重要である。


なお、SSDメーカーの主張は“根拠となるサーバー用途でのSSDの平均使用期間がHDDの1/5でしかない”という事実を隠しているため、もしHDDと同じ期間使用した場合はHDDとSSDの故障率は変わらないという事である。


「SSD」と「HDD」はどちらが故障しやすいのか?
https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2111/01/news101.html


このような「一部の情報を隠して自分達に都合が良い誤認を誘発させる」という手法は、“感情に訴えるなど他の手法も組み合わせて”世界中のあらゆる場面で、組織だけでなく個人でも日常的に使っている。(身近な例ではマスコミやSNSが特に多く、弁護士や政治家、人権・環境活動家なども常用している)

この事実ついては常日頃から注意した方がいいと思う。



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ハードディスクが壊れたので復旧した話 [トラブル]


先日の日曜日、インターネットから収集した情報を整理していると、不意にハードディスクのエラーを告げるポップアップがデスクトップ右下に現れた。

スクリーンショットを取り忘れたが、メッセージの内容は「エラーがあるので再起動してください」というものだったと記憶している。

その時はとりあえずメッセージに対する対処は保留として、作業を終えてから再起動すると。

Windowzの再起動時に自動でエラーの修復が行われて再びデスクトップが立ち上がっては来たのだが。

倉庫に使っているハードディスクに不良クラスタが発生している事がわかった。


このようなケースの場合、不良クラスタの発生したハードディスクのバックアップを出来るだけ早く行う。

今回も再起動後すぐにrobocopyでデータのバックアップを行って、予備に買っておいた新品のハードディスクと交換、バックアップからデータを書き戻して復旧を行った。

しかし、不良クラスタの発生したハードディスクからのバックアップはファイルの欠損や破損が発生している事がある。

例えば、あるはずのファイルが無くなっていたり、jpegなどの画像ファイルが開けない(或いは開けても正常に表示されない)、zipなどの圧縮ファイルが破損していて解凍が出来ない、という事が起こり得るのだ。

そこで復旧の手順としては、まず一ヵ月毎に行っているバックアップよりファイルをコピーする。

するとそれ以後に更新された内容が無いため、今度は壊れたハードディスクからのバックアップを「FastCopy」というファイルコピーツールでコピーする。

robocopyではなく「FastCopy」を使う理由は、「FastCopy」の場合同じファイルの上書きを新しい日付のものに限定出来るからだ。(単にrobocopyの使い方を知らないだけともいう)

これでコピー元とコピー先で同じファイルがあった場合、コピー元のファイルに破損があっても上書きコピーされる事は無い。

以上の作業によって、万が一壊れたファイルや失ったファイルがあったとしても、それは最近更新されたものだけになるはずだ。


という事で復旧作業を終えたわけだが。

その後も今日までいくつかファイルを開いて確認をしてきたが、問題は見つかっていない。

まあほとんどのファイルは今後必要になるかどうかもわからないものだが。

中には10年以上前に保存しておいたおかげで、後に必要になって助かったファイルも少なくないわけで。

そういう理由があって、私は過去に存在したパソコン関係の情報やソフトウェア、デバイスドライバなどの収集を続けている。

したがって今後もこの倉庫の中身は増え続けていくことだろう。


なんにせよ、今回もバックアップのおかげで復旧の手間は最小限で済んだ。

バックアップはしておくものだ。


本件に関係のある記事

ハードディスクのデータが読めなくなる
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-07-29

Windowz10へアップグレード後にファイルが消える問題への対処
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2016-06-17

ハードディスクが壊れた
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2014-10-31



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