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現在のナノインプリント・リソグラフィ [ハードウェア]

今から2年以上前、私はこんな記事を書いた。

ハンコで作る、東芝のNAND
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-05-01

元ネタになった記事では、「東芝メモリら4社連合、ナノインプリントでNANDを19年にも量産へ」という見出しが付いていたのだが。

今現在はこんな状況らしい。

キオクシア、キヤノン、大日本印刷、「ナノインプリント」を2025年にも実用化
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC10DEC0Q1A910C2000000/

なんと当時の予定より6年遅れの“予定”であるという。

この技術、もう無理なんじゃないだろうか。

NANDの開発競争の激しさを考えると、さすがにもう時間切れだと感じる。

だが、今ここで諦めるのはダメだという事も理解出来る。

まるで蜃気楼のようなゴールを追い続けるという技術開発は、現在半導体製造で最重要技術とも言えるEUVリソグラフィでも起きた事。

まあ、本当にゴールまで辿り着ければ、という事なのだが。


こうなった以上、キオクシアは人身御供になってもらうしかない。

そして実用化までたどり着く事が出来れば。

その果実を最初に得る事が出来るのもまた、キオクシアになるのだ。



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M1 ProとM1 Maxに脱帽 [CPU]


かつてAMDが掲げた理想をAppleが実現した。

CPUもGPUも最高性能となったM1 ProとM1 Max、課題はアプリケーション対応
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1359506.html


まさにAPUの到達点。

設計思想が現在のx86と違う事がこのような結果を生んだのか。

なんにせよ、先を越されたという感じがする。


現在のCPUが持つ最大のボトルネックはメインメモリが遅い事。

この問題は世界中で最も多く使われるWindowsパソコン、PC/AT互換機共通の問題でもあり、かつ今のままでは永遠に解決不可能な問題でもある。

もちろん解決といっても“完全”には無理で、いくらか緩和する事が精々だが。

それでもCPUのパッケージ上にメインメモリを載せる事は、現在の技術で可能な答えの一つである事に違いはない。

可能であれば、現在3次キャッシュとして登載されるメモリをそのまま64GBにまで増量出来れば良いのだが。

これはAMDが来年早々にでも出荷するZen3+に使われている技術、「3D Chiplet Stacking Technology」を発展させて、現在たったの198MBであるものを桁違いに大容量化させなければならない。


なんにせよ、メモリ帯域が最大400GB/sともなればCPUにしろGPUにしろ遅いはずがない。

ましてやTSMCの5nmプロセスで製造され、トランジスタ数も大幅に増量されているのだ。

IntelとAMDはM1と同様の技術を導入するか、それに代わる技術を開発しない限り、今後永遠にApple製のCPUより遅いCPUしか開発出来ないだろう。


参考:

AMDの“Zen”と、HBM
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2015-05-08
富岳とM1の共通点
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-11-18



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