パッケージ版Ryzen 5000Gが発表される [CPU]
Zen3コアを持つAPUは、現在ノートパソコン向けが先行して売られている。
一方でデスクトップ向けAPUはAthlonからRyzenまで、パッケージ版(いわゆるリテール版)が全て市場から消えて、日本国内はZen2コアを持つOEM向けのRyzen Pro 4000Gシリーズがバルクで少量単品販売されるのみ。
つまり、APUでパソコンを組み立てる方法がほとんど無い状況であり、今年夏に出ると言われて来たRyzen 5000Gが長く待たれて来た。
そんな中、昨日PC系情報サイト各所でRyzen 5000Gのレビュー記事が一斉に解禁され、発売日も正式に発表された。
8月6日19時発売! Zen 3採用APU(中略)先行レビュー
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2108/03/news156.html
Zen 3コアとなり、リテール版も用意された「Ryzen 7 5700G」(中略)をテスト
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1341994.html
Ryzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gを試す(後略)
https://news.mynavi.jp/article/20210803-1938212/
Zen 3世代のAPU(中略)はPCパーツ高騰時代の救世主なのか?
https://ascii.jp/elem/000/004/064/4064768/
というワケで、8月6日に発売であるという事だ。
ただ残念な事に発売されるのはハイエンドモデルのみで、Ryzen 5700Gが5万1,800円、Ryzen 5600Gでも3万6,800円もする。
Athlonで組むならパソコン一台分の部品が買える値段である。
とにかく安くパソコンを組み立てたい人には、まだ当分IntelのCeleronやPentium、或いはCore i3などのお世話になるしかなさそうだ。
さて、肝心の性能については、レビュー記事を一通り見た限りRyzen Pro 4000Gシリーズから買い替えるほどではない。
性能が向上したのはCPUコアが1割~2割程度であり、GPUは微増でほぼ据え置きに等しい。
CPUコアの性能は確かに有意な差があるが、現在APUを使っていて今よりもCPU性能が欲しいのであればGPUコアを持たないRyzenの方が高性能なので、そちらを選ぶべきだと思う。
ただ、TDPが65W、最大消費電力が100W程度なので、小型パソコンで出来るだけ高性能が欲しければこれ以外に選択肢は無いわけで、そういう需要に対しては良い選択肢になるのだろう。
というワケで、ビデオカードを内蔵出来ない小型パソコンで最高性能が欲しければ唯一と言える選択肢のRyzen 5000Gシリーズ。
高性能の代償は価値に見合うか微妙に思えるほどの値段の高さであるが。
これが唯一の選択肢であり続ける限り、高値を受け入れるしかないだろう。
そしてRyzen 9 5950Xを使う私にはセカンドPC用の用途として魅力的ではあるが、そのような用途では4コアもあれば十分であり、APUの価格も1万円台半ば未満でないと納得出来ないため、現在使うRyzen 3 3200Gで良いや、となるのだった。