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昔のPCにはなぜ「Turbo」ボタンがつけられていたのか? [雑談]

今日はこの記事を読んで唐突に思い出したことを書く。

昔のPCにはなぜ「鍵穴」がつけられていたのか?
https://gigazine.net/news/20190511-why-old-pc-have-key-lock/

鍵穴はともかく、その横に「Turbo」と印刷されたボタンがある事に気付いた人は居るだろうか。

私はその昔、初めてPC/AT互換機を使い始めた頃から疑問だったが、なんとなく「Turboボタンを押すと加速するのか」と思って流していたものだ。

が、GIGAZINEの記事で思い出した今になって思うと、それはおかしいと思って調べた所。

なんと、Turboボタンが加速ではなく減速ボタンである事が解った。

Turbo button
https://en.wikipedia.org/wiki/Turbo_button

Wikipedia曰く、かつて存在したTurboボタンはDosで動作するソフトウエア、主にゲームのために存在したようだ。

どういう事かというと、かつてDos用のゲームは当時主流だったIntel 8086の動作速度に最適化、いや、その速度そのものに依存するプログラムだった。

要はCPUを最大限使い倒している状態で適切な速度で動いていたのだ。

なのでその後、80286などのより高性能なCPUが主流になるとCPUの処理速度が上がった分ゲームの速度も上昇してしまい、ゲームにならなくなってしまった。

また、ゲームでなくても各種のタイミングがCPUの速度に依存するアプリケーションプログラムは、その動作が破綻してしまう。

そこで登場したのがTurboボタン。

これを「スイッチオン」すると、8086相当の動作速度にまでパソコンの性能が落ちるのだ。(実際には通常Turbo ModeがONの状態で、Turbo buttonを押すと解除されるという動作)

これはかつてNECのPC-8801Mk2SRに、それ以前の88で開発されたプログラムとの互換性を保つためV1modeとV2modeの切り替えスイッチがあった事を思い出させる。

88の時も、SR本来の動作であるV2modeで8801Mk2以前のプログラムを動作させると、BASICのペイント文が破綻して画面全体が一色に塗られてしまった事があるが、そういう場合にV1modeで動作させたものだ。


というワケで、昔のPC/AT互換機にあった「Turboボタン」。

それはクルマなどで一般的な“パワーアップのイメージ”と真逆の、過去のプログラムとの互換性を保つための減速ボタンだった。

それから今現在まで続くPC/AT互換機では、RTCを基準としたタイミングでパソコンの処理性能とは関係なく各種のタイミングが取られるそうなので、CPUが速くなった分ゲームの動作が速くなってしまう事は無いが。

まあ、昔は“そういうコト”を利用した裏技なんかもあったり。

あれはあれで楽しい時代であった。


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