Ryzen5000について調べた [CPU]
私感だが、予想通り入手難になっているZen3ことRyzen 5000系 CPU。
6コアの5600Xは当初在庫を維持する店もあったが、海外でのレビューではかなり良い評価である事を受けてか、すぐに日本国内も品薄状態に。
今すぐ欲しいと思うほどの情熱と行動力がある人以外は、心にゆとりを持って来年まで待った方が良いだろう。
そんな中、国内では個人やPC関係情報誌のサイトなどでレビューの続報が上がり始めている。
そのレビューに関する要点は以下の通り。
1. 得手不得手はまだ残るものの、ほとんどの場合でIntel製CPUよりも大幅に速くなった
2. ゲームしかしない人は5600Xが最適解
3. 5800Xは3800Xと同様に性能は良いが扱い辛いCPU
4. メインメモリの問題が特定のマザーボードで出ている
5. TDPの枠内で使う分には消費電力が少なく熱問題も出ないが、そうでない場合は爆熱になった
6. 最大消費電力がZen2よりも上がっているので、マザーボード選びは注意が必要
1に関してはソフトウェア開発者がIntel製CPUに最適化されたコンパイラを使う限り、AMD製CPUは性能を100%発揮出来ない。
にも関わらずこの結果である。
もし全てのソフトウェアが多少なりともZen3にも最適化された場合、どうなるかは推して知るべしである。
2に関しては、5600Xが場合によって上位のCPUを上回る成績を出す事が根拠となっている。
この理由はTDPが低い分最大動作周波数を高く維持しやすいからだと私は想像する。
いずれにせよ、IPCと動作周波数両方が上がった結果、かなり化けたようである。
3は5800Xを狙っている人にとって大問題だ。
どうもスペックを満たすためにかなり無理をしているようで、消費電力が相応に多いらしい。
レビュー記事によっては16コアの5950Xよりも冷却性能の高いCPUクーラーが必要という評価である。
最大消費電力は5950Xの方が多いが、ダイ二つに負荷が分散する5950Xに対し5800Xはダイ一つに集中する事が問題となるようである。
4についてはZenが出て以降毎回同じ事の繰り返しで、AGESAの熟成不足は明白だ。
メモリコントローラ自体Zen2と同一とはいえ、マザーボードも合わせると条件が変わるのだろう。
これも毎度の事ながら、数ヶ月後にはAGESAの改良が進んで解決すると思われる。
5は3と根本が同じ問題で、CPUの性能を限界まで引き出そうとすると二次曲線的に消費電力が増える事に因る。
Zen3はZen2よりもオーバークロックの上限が明らかに上がっており、冷却さえ足りていれば5Ghzにまで届くという。
複数のコアが5Ghz前後まで上がれば相当な大電流が流れる事になり、5950Xの場合消費電力は200Wを超える事もあるらしい。
200W超ともなればかつてのFX-9590に匹敵し、発熱量もかなりのものになる。
CPUクーラーは“TDP~Wまで対応”と性能が表記されるが、昔と違い現在のTDPはCPUの最大消費電力ではない。
よってTDP表記に合わせたCPUクーラーでは冷却能力が足りなくなるし、CPUクーラーのTDP表記自体も根拠が無い事が普通であるため、5800X以上を使うのであれば最低でもTDP表記が200W以上の物を選び、可能であれば性能に関する評判を調べた上で何を使うか決めた方が良さそうである。
そして最後の6。
5の続きの話となるが、消費電力の上限が上がっているのであれば、マザーボードの電源回路もこれに応じた物が必要だ。
ここに来てB550搭載マザーボードが異常とも思える豪華なVRMである事の理由に繋がって来る。
恐らく、最低でもPhase数が4+2(Vcore / IO)のVRMを持つB550マザーボードであるが、5600Xを使う場合これもで足りる。
だが5800Xや5900X、或いは5950Xの場合、CPUの要求する電力によりVRMの許容電流ギリギリまで電流が流れると、動作が不安定になったり最悪VRMの焼損という事態にもなりかねない。
従って、5600X以外のZen3を使いたければ、マザーボードはCPUの要求する最大電流の2倍以上の容量を持つVRMかどうかを目安に選ぶべきだ。
具体的には5950Xの場合EDCという設定値が140Aとなっているため、この範囲内で使うのならVRMに使われるFETの最大電流が合計で280A以上あれば十分。
また、UEFIの設定を変更してもっと回すのなら、最大1.45Vで250Wと見積もって172A、余裕を見て350A~400A程度のVRMを持つマザーボードを選べば良い。
さらにオーバークロックの夢を追いたい人は、もっと多くの電流が流せるVRMを持つマザーボードを選ぶべきだ。
このVRMの最大電流はFETのスペックから割り出すが、その情報は以下のサイトで公表されている。
参考にして欲しい。
B550 VRM tier list
https://www.reddit.com/r/Amd/comments/hc3pcz/b550_vrm_tier_list/
※X570が載っているリストは許容出来る最大電流がリスト中に表記されている。
B550のみのリストはFETがHiとLowを分けて書かれている場合、Low側を参照する事。
例1:Prime B550-PLUSの場合、L(Lowの意)が「1L:SiRA12」となっているので
データシートを見ると最大電流は25A、Phase数は8+2なので最大200Aとわかる。
例2:Prime B550M-Aは、Lが「2L:SiRA12」でPhase数は4+2だが、
2Lは恐らく1Phase当たりFET2個という意味なので最大200Aであると思う。
当然だが、最大電流の余裕が多いほどVRMの発熱が減る事は覚えておくべきだ。
参考:
16コアCPUの頂点「Ryzen 9 5950X」とリーズナブルな「Ryzen 5 5600X」の実力
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1289129.html
「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 5 5600X」を加えすべてのRyzen 5000シリーズの実力を俯瞰する
https://ascii.jp/elem/000/004/034/4034108/
6コアの5600Xは当初在庫を維持する店もあったが、海外でのレビューではかなり良い評価である事を受けてか、すぐに日本国内も品薄状態に。
今すぐ欲しいと思うほどの情熱と行動力がある人以外は、心にゆとりを持って来年まで待った方が良いだろう。
そんな中、国内では個人やPC関係情報誌のサイトなどでレビューの続報が上がり始めている。
そのレビューに関する要点は以下の通り。
1. 得手不得手はまだ残るものの、ほとんどの場合でIntel製CPUよりも大幅に速くなった
2. ゲームしかしない人は5600Xが最適解
3. 5800Xは3800Xと同様に性能は良いが扱い辛いCPU
4. メインメモリの問題が特定のマザーボードで出ている
5. TDPの枠内で使う分には消費電力が少なく熱問題も出ないが、そうでない場合は爆熱になった
6. 最大消費電力がZen2よりも上がっているので、マザーボード選びは注意が必要
1に関してはソフトウェア開発者がIntel製CPUに最適化されたコンパイラを使う限り、AMD製CPUは性能を100%発揮出来ない。
にも関わらずこの結果である。
もし全てのソフトウェアが多少なりともZen3にも最適化された場合、どうなるかは推して知るべしである。
2に関しては、5600Xが場合によって上位のCPUを上回る成績を出す事が根拠となっている。
この理由はTDPが低い分最大動作周波数を高く維持しやすいからだと私は想像する。
いずれにせよ、IPCと動作周波数両方が上がった結果、かなり化けたようである。
3は5800Xを狙っている人にとって大問題だ。
どうもスペックを満たすためにかなり無理をしているようで、消費電力が相応に多いらしい。
レビュー記事によっては16コアの5950Xよりも冷却性能の高いCPUクーラーが必要という評価である。
最大消費電力は5950Xの方が多いが、ダイ二つに負荷が分散する5950Xに対し5800Xはダイ一つに集中する事が問題となるようである。
4についてはZenが出て以降毎回同じ事の繰り返しで、AGESAの熟成不足は明白だ。
メモリコントローラ自体Zen2と同一とはいえ、マザーボードも合わせると条件が変わるのだろう。
これも毎度の事ながら、数ヶ月後にはAGESAの改良が進んで解決すると思われる。
5は3と根本が同じ問題で、CPUの性能を限界まで引き出そうとすると二次曲線的に消費電力が増える事に因る。
Zen3はZen2よりもオーバークロックの上限が明らかに上がっており、冷却さえ足りていれば5Ghzにまで届くという。
複数のコアが5Ghz前後まで上がれば相当な大電流が流れる事になり、5950Xの場合消費電力は200Wを超える事もあるらしい。
200W超ともなればかつてのFX-9590に匹敵し、発熱量もかなりのものになる。
CPUクーラーは“TDP~Wまで対応”と性能が表記されるが、昔と違い現在のTDPはCPUの最大消費電力ではない。
よってTDP表記に合わせたCPUクーラーでは冷却能力が足りなくなるし、CPUクーラーのTDP表記自体も根拠が無い事が普通であるため、5800X以上を使うのであれば最低でもTDP表記が200W以上の物を選び、可能であれば性能に関する評判を調べた上で何を使うか決めた方が良さそうである。
そして最後の6。
5の続きの話となるが、消費電力の上限が上がっているのであれば、マザーボードの電源回路もこれに応じた物が必要だ。
ここに来てB550搭載マザーボードが異常とも思える豪華なVRMである事の理由に繋がって来る。
恐らく、最低でもPhase数が4+2(Vcore / IO)のVRMを持つB550マザーボードであるが、5600Xを使う場合これもで足りる。
だが5800Xや5900X、或いは5950Xの場合、CPUの要求する電力によりVRMの許容電流ギリギリまで電流が流れると、動作が不安定になったり最悪VRMの焼損という事態にもなりかねない。
従って、5600X以外のZen3を使いたければ、マザーボードはCPUの要求する最大電流の2倍以上の容量を持つVRMかどうかを目安に選ぶべきだ。
具体的には5950Xの場合EDCという設定値が140Aとなっているため、この範囲内で使うのならVRMに使われるFETの最大電流が合計で280A以上あれば十分。
また、UEFIの設定を変更してもっと回すのなら、最大1.45Vで250Wと見積もって172A、余裕を見て350A~400A程度のVRMを持つマザーボードを選べば良い。
さらにオーバークロックの夢を追いたい人は、もっと多くの電流が流せるVRMを持つマザーボードを選ぶべきだ。
このVRMの最大電流はFETのスペックから割り出すが、その情報は以下のサイトで公表されている。
参考にして欲しい。
B550 VRM tier list
https://www.reddit.com/r/Amd/comments/hc3pcz/b550_vrm_tier_list/
※X570が載っているリストは許容出来る最大電流がリスト中に表記されている。
B550のみのリストはFETがHiとLowを分けて書かれている場合、Low側を参照する事。
例1:Prime B550-PLUSの場合、L(Lowの意)が「1L:SiRA12」となっているので
データシートを見ると最大電流は25A、Phase数は8+2なので最大200Aとわかる。
例2:Prime B550M-Aは、Lが「2L:SiRA12」でPhase数は4+2だが、
2Lは恐らく1Phase当たりFET2個という意味なので最大200Aであると思う。
当然だが、最大電流の余裕が多いほどVRMの発熱が減る事は覚えておくべきだ。
参考:
16コアCPUの頂点「Ryzen 9 5950X」とリーズナブルな「Ryzen 5 5600X」の実力
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1289129.html
「Ryzen 9 5950X」「Ryzen 5 5600X」を加えすべてのRyzen 5000シリーズの実力を俯瞰する
https://ascii.jp/elem/000/004/034/4034108/