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ST8000DM004を試すその2 [ハードディスク]


今回は先日書いた「SMRなハードディスク、ST8000DM004を試す」の続き。

バックアップは一応出来たが、やはり速度が気になるのでCMRのハードディスクと比較する。


テストに用いたのは以下の3台。

・ST8000DM004 Seagate SMR 8TB、2019年製造
・WD10EADS  WD GREEN 5400r.p.m. 1TB、2008年製造
・MD04ACA400 東芝 7200r.p.m. 4TB、2014年製造

以上の3台の内、下の2台は比較のために用意したCMRのハードディスクだ。

この3台でAMDなどのデバイスドライバ5種類(デバイスドライバは小さなファイルがとても多い)をRAMDISKに展開し、これをFASTCOPYで対象となるハードディスクにコピーする事で、コピーにかかった時間を比較する。

まずはそれぞれの性能をCristal Disk Markで計測。

cdm_hikaku.png

結果は見ての通り、ST8000DM004と比較すると12年も前のWD10EADSは同じ5400r.p.m.でありながらシーケンシャル書き込みで約半分、ランダムでは1/10に近い遅さだ。ただし、ST8000DM004のランダム書き込みの速さはキャッシュアルゴリズムが優れているからであり、実際にプラッタへの書き込みがこの通りの速さではない事に注意が必要である。

東芝のMD04ACA400は5年以上前の古い型ではあるが、さすがの7200r.p.m.。プラッタの記録密度が低い分シーケンシャルは若干遅いものの、高回転型らしくランダム読み込みは勝っている。

以上ベンチマークの結果を並べたが、これはあくまで参考であり、三台は大雑把にこんな感じで性能が違う、と思ってほしい。


次は実際にファイルコピーを行った場合の時間測定である。

結果は以下のスクリーンショットの通り。

test_fc.png

なんとシーケンシャルで約二倍、ランダムでも速度が上であるはずのST8000DM004が、12年前のWD10EADSと同じ1分06秒という結果になった。

もし比較対象が今新品で売っている5400r.p.m.のCMRなハードディスクならば、CMRなハードディスクの方が大差で勝つ事だろう。

一方MD04ACA400は半分以下の26秒でコピーが終わっている。古くて記録密度が低いプラッタであるにも関わらずこの成績なのは、やはり7200r.p.mは速いと言うしかない。


というワケで、買う前から予想されていたSMR書き込みのSeagate製 ST8000DM004 の弱点が、この実験で証明された。

また、Seagateのハードディスクは相変わらず信頼性が低いという結果が今年も出ており、ネット上では利用者の報告にも壊れやすいという話も出ている。

結論としてSeagateのST8000DM004は、信頼性を犠牲にしても問題ない使い方をするか、サイズの小さなファイルを大量に書き込むような使い方は避けるしかない、という事になる。

8TBという大容量のハードディスクは、多くが一般的なデータの倉庫として使われると思う。

細かいファイルはできるだけZip形式などでサイズの大きなファイルとしてまとめるなど、工夫をした方が精神衛生上良いかもしれない。

まあ出来る事なら、やはりSeagateのSMRは購入の候補から外した方が良いと、私は個人的に思った。


※Seagateのハードディスクは相変わらず信頼性が低い、という根拠は以下を参照。
HDD故障率のメーカー・モデル別統計データ2019年版、故障率が最も高かったのは?
https://gigazine.net/news/20200212-backblaze-hard-drive-stats-2019/


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