もし“CNFET”によるCPUが本当に実用化されたら [CPU]
MIT、カーボンナノチューブ半導体で16bit RISC-Vプロセッサを作成
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1204468.html
アメリカのマサチューセッツ工科大学が、カーボンナノチューブによるトランジスタ“CNFET”を利用したRISC-VのCPUを開発したという。
現在は実用化のための研究を行っているらしいが、これが実用化されると現在主流のシリコン半導体を使ったトランジスタによるCPUよりも10倍高速で、エネルギー効率も10倍(つまり速度が同じなら1/10の電力で動き、同じ電力ならば10倍速く動作するってことか?)という事らしい。
まあCPUはトランジスタによるスイッチだけで構成されているわけではないし、用途によってはCNFETでは都合が悪い回路もあるだろう。
そういうところも含めて、デスクトップパソコンやサーバー用のCPUに応用されるまではかなり時間がかかるというか、そういう方面では出来ない、或いはやっぱり実用化は無理でした、なんて事も有り得るか。
なんにせよ研究者達は5年以内に実用化するつもりのようなので、5年後にどんな姿になっているか非常に楽しみである。
AMDのシェアはまだとても小さい [CPU]
かつて、AMDはCPUの市場シェア30%を超えた事もあった。
だがIntelによるパソコンを生産する企業への圧力や、訴訟による互換CPUの開発・販売阻止等の工作、そしてAMD自身による自滅と言える新製品の開発や営業方針の失敗等により、Ryzen登場の直前にはシェアが1%未満にまで落ち込んだ。
(かつていくつもあったx86互換CPUメーカーだったが、Intelの妨害工作で現在生き残る互換CPUメーカーは現在AMDとVIAの2社のみ)
Bulldozer系コアのCPU/APUを販売している時など、ハイエンドCPUの性能競争から手を引くと公式発表があったほどで、特にこの期間のAMDはどん底に落ち込んでいたのだ。もしPlaystationにAMDのカスタムAPUが採用されなければ、倒産もあったかもしれないほどだ。(その点でAMDのATI買収は先見の明があったと言える)
ところがRyzenの成功で、AMDは突如としてハイエンドCPUの性能競争に復活を果たす。
結果として2017年3月のRyzen発売から約2年半、Intelの最新CPU開発失敗もあって、現在は各分野でシェアを得ているようだ。
その内訳は以下の通り。
市場 | シェア | 時期 |
サーバー | 3.4% | 2019年6月末 |
一般用PC | 14.7% | 2019年6月 |
自作市場 | 68.8% | 2019年7/8~7/14 |
表の通り、自作市場ではすでにIntelを超えるシェアを獲得しているようだが、その他はまったくダメだ。
サーバー市場は単に性能が良ければ採用されるという市場ではなく、ソフトウェアも含めたシステムの互換性や堅牢性などが重視されるため、これまでIntelがサーバー用x86CPU市場でほぼ100%のシェアを持つ事もあってなかなか浸透出来ていなかった。
だが64ものコアを持つZen2のRomeが発表されて以降、その流れが変わりつつある。
今はまだ3.4%に過ぎないシェアであるが、かつてのOpteronのように、Intelとサーバー市場を二分する勢力になる可能性があると思う。
そして利益率は低いがけっして手を抜いて欲しくないのが一般用PC。俗にコンシューマ市場と呼ばれる市場で勝てないのでは、私の腹の虫が治まらない。
何故なら、Intelによる市場の事実上の独占は、悪逆非道の行いが下地にあり、その非道な行いは現在も行われているからだ。
私はこの市場で、IntelとAMDが50%ずつシェアを持つのが正しいと思う。
だが現状はまだ15%弱に過ぎない。それも売れているパソコンを基準にしたらもっと低くなるだろう。
この分野では、AMDは製品の力はまだまだ弱い。(だから売れない)
今後に期待したい所だが、Intelもただ黙って見ているはずは無いわけで、予断を許さない状況だ。
まあ、2年後に30%のシェアが取れていれば大成功、ヘタをすると2年後には一桁かもしれない。
最後は自作市場。
ここでは破竹の勢いでシェアを伸ばし、海外市場、しかもZen2発売直後の集計ながら68.8%のシェア。
CPU市場全体からすると、自作市場など数%に過ぎない小さな市場ではあるが。
ここで売れているという意味は小さくは無い、と思いたい。
現在色々と問題が出ているが、幸いな事に自作市場ならではの寛容さがある。
単純な数字に出ない、Ryzenへの追い風になる事を期待する。
そして今後も私にとって魅力ある製品を作って欲しいし、そのうえでIntelと互角以上のシェア争いを続けて欲しいと思う。
AMD、サーバー用新製品をアピール-インテル製品より高性能うたう
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-08/PVW0B1DWLU6J01
AMD CPUが量販店市場でシェア68.6%
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1197213.html
「AMDプロセッサを採用しないよう、IntelがPCメーカーに圧力をかけた」
https://www.itmedia.co.jp/news/topics/amdintel.html
巨人Intelに挑め!
https://news.mynavi.jp/author/0001674/?page=6
IntelのComet Lakeが発表される [CPU]
現地時間の21日、Intelの新しいモバイル向けCPU「Comet Lake」が発表された。
これがどのようなCPUか、大雑把に書くと
・14nmプロセスで製造
・CPUコアは最大で6コア
・動作周波数は最大で4.9Ghz
・GPUはUHD Graphics(EU数は最大24)
・TDPは最大25W~最低4.5Wまで
こんな感じで、先日発表されたIce LakeよりもCPUパワーが高い代わりにGPUが貧弱になっている。
ちなみにIce LakeはIPCこそ高いが動作周波数は最大で4.1Ghz、そしてコア数も最大4コアで、GPUのEU数は最大64だ。
いずれにせよ、ノートPCに搭載されるCPUとしては非常に省電力かつハイパワーなCPUで、Ryzenのモバイル向けが勝っているのはGPUの性能のみという、Bulldozerコア時代のAMDとIntelの構図に似た状況になっている。
それにしても何故、Intelは10nmプロセスの最新型CPUがあるのに、14nmの旧式コアを使ったCPUを新製品として出すのか。
考えられる理由は一つしかない。
それは、10nmプロセスでの需要を満たす数の生産が不可能だからだ。
よってIntelのCPUを搭載したノートパソコンは、Ice Lakeを搭載したパソコンは少数しか出回らず、Comet Lakeを搭載したパソコンが主力になるだろう。(Ice Lakeは株主を納得させるためだけに無理やり製品化されたとも言えるかもしれない)
要はIntelの7nmプロセスによるCPUが大量生産されるまで、14nmプロセスのCPUが主力であり続けるわけだが、それでもAMDはモバイル向けCPUでIntelに対抗出来る商品が現行のRyzenしかない。
モバイル向けCPU市場では来年予定されている「Renoir」が登場するまで、AMDの苦戦が続く事になるだろう。
参考:
Intel,「Comet Lake」版ノートPC向け第10世代Coreプロセッサ「Core i7-10710U」などを発表。
https://www.4gamer.net/games/449/G044964/20190819079/
Intel,Ice LakeことノートPC向け第10世代Coreプロセッサ計11製品のスペックを公開
https://www.4gamer.net/games/449/G044964/20190801042/
HDDおみくじとやらを引いてみた [ハードディスク]
最近は、なにやら「HDDおみくじ」なるモノがあるという。
調べてみたところ、Western Digital(以下WD)製外付けHDD(容量8TB)を買うと“ヘリウム入りHDD”が入っている場合があるらしい。
というワケで私も引いてみた。
購入したものは「WDBWLG0080HBK-NESN」。
届いたので分解してみると・・・当り!
入っていたはHDDの型番は、ヘリウム入りのWD80EMAZ-00WJTA0であった。
ハズレの場合はWD80EMAZ-00M9AA0という通常タイプのモノになるらしい。
購入したWD製外付けHDDの中身はWD80EMAZ-00WJTA0が入っていた。
さて、「HDDおみくじ」で当りを引いた、という事でこの話はおしまいだが。
WD80EMAZ-00WJTA0という型番のHDDに心当たりが無いので、気になって調べたところデータシートが無い。
情報といえば先人達によるおみくじの報告ばかりで、このハードディスクに関する公式な情報をみつける事は出来なかった。
Webの検索で判明した事は
・5400回転のヘリウム入り
・SATA電源コネクタに3.3Vが供給されていると起動しない
と、この程度。
他は推測の域を出ない不確定情報がほとんどで、記録方式がCMRかSMRかも判らなかった。
一方私自身で確認したた事は
・音が静かで発熱も少ない
・シーク動作が無い状態でも微細な振動が意外と大きい
この2点のみ。
音や発熱に関しては、ヘリウム入りHDDの特徴として宣伝されている通りのもの。
微細な振動が大きな点については他のヘリウム入りHDDを知らないので、この機種特有のものか、単なる個体差なのかわからない。
しかし、この振動の大きさはとても気になる。
ケースから外して内蔵用として利用したいのであれば、3.3Vの件も含めて対策が必要かもしれない。
というわけで、今回の「HDDおみくじ」だが。
海外で買うか、国内で買うかで値段が違うので、手間と不安があっても安い海外を選ぶか、簡単で安心だが高価な国内を選ぶかは買う者次第。
単に8TBのハードディスクが欲しいだけならば、国内でも内蔵用を買えば安く手に入る。
が、ヘリウム入りのハードディスクは消費電力が少なく信頼性も高いというプレミアムが付くので、これが比較的安価に手に入る「HDDおみくじ」は興味があればやって損は無いかもしれない。(ハズレを引いた場合は明らかに損だが)
ちなみに私は過去の記事で、HGSTやWDのヘリオシールは筐体とフタのシールがパッキンとネジ止めだ、と書いていたが間違いだった。
実物を手に入れて観察したところ、筐体とフタの境目はしっかりと溶接されている事を確認。
認識を改めると共に、記事の修正も行おうと思う。
フタと筐体の間にはスキマがなく、はっきりと溶接のビードとスパッタが確認出来る。
まあ、ネジ止めだけでのシールが如何に難しいか、記事中に自ら書いていたわけだが。
HGSTの技術力を、自分勝手な妄想で過大に評価していたようだ。
東芝のヘリウム入りHDDはHGSTの「HelioSeal」採用か?
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-08-04-1
今更こんな事がニュースになる理由 [セキュリティ]
私はGIGAZINEのこの記事を見て驚いた。
え!?今更こんなわかりきった事が記事になるなんて!!!
Huaweiの技術者がアフリカ政府によるスパイ活動に加担していたとの報道
https://gigazine.net/news/20190815-huawei-helped-african-governments-spy/
もちろんこの件に関する私の理解には根拠が乏しい。
が、過去から現在まで、中国に限らず世界中の国家が、或いは一市民の身近な個人的な関わりに至るまで、このような行動はごく普通の事として当たり前という認識が私にはある。
個々の事例に付いての根拠など、当事者でなければ知り得ることなど無い以上全てが想像のものでしかない。
が、これが人間の行動原則として普遍的な拘束力を持つのであれば、根拠として十分だと確信する。
要は「そういう事」をする理由がある以上、やっていないはずがないのだ。
特に、国家ともなれば。
個人ならば一定の倫理観の下、そういう行動に至ることが事実上不可能なケースも考えられる。
が、それが組織となれば、それも国家規模となれば尚更、そうした倫理に関する束縛は緩くなる。
ましてや独裁国家ともなれば、である。
国家としての主権において、国家の主権を守るための情報収集と自国が有利に立ち回るための工作は絶対に必要な事であり、そうした観点に置いて例外はありえない以上、中国ばかりを責める事は出来ない。
アメリカは当然の事、日本だってやっているのだから。
しかし中国のそれは、アメリカと同等以上の危険性を孕む。
何故なら、独裁国家による独善的な理由が日本やアメリカよりも桁違いに強いからだ。
民主国家ならばある程度働く抑止力が事実上ゼロである以上、我欲に駆られた連中が何をするのか想像してみればいい。
身近にいくらでもあるそういう事例が国家規模で行われているとすれば、その結果起きる惨事は説明するまでも無かろう。
まあそんなわけで、私は中国企業によるあらゆる行動を楽観視出来ない。
アメリカ企業はそれ以上に危険性を孕む一面を持つが、優先順位を考えるとどうしてもそうなる。
だから、日本国内で中国企業や彼らに関連するあらゆる国籍の人間の行動は、注意する必要がある。
一見社会的に良い意味での貢献に見える行動も、実際にはそれを隠れ蓑にした侵略である事が当たり前だからだ。
この事は日本企業にもまったく同じに当てはまる事なので、そこは誤解のない様にして欲しいと思うが。
なんにせよ、Huaweiは非常に危険だと認識すべき。
それが結論だ。
え!?今更こんなわかりきった事が記事になるなんて!!!
Huaweiの技術者がアフリカ政府によるスパイ活動に加担していたとの報道
https://gigazine.net/news/20190815-huawei-helped-african-governments-spy/
もちろんこの件に関する私の理解には根拠が乏しい。
が、過去から現在まで、中国に限らず世界中の国家が、或いは一市民の身近な個人的な関わりに至るまで、このような行動はごく普通の事として当たり前という認識が私にはある。
個々の事例に付いての根拠など、当事者でなければ知り得ることなど無い以上全てが想像のものでしかない。
が、これが人間の行動原則として普遍的な拘束力を持つのであれば、根拠として十分だと確信する。
要は「そういう事」をする理由がある以上、やっていないはずがないのだ。
特に、国家ともなれば。
個人ならば一定の倫理観の下、そういう行動に至ることが事実上不可能なケースも考えられる。
が、それが組織となれば、それも国家規模となれば尚更、そうした倫理に関する束縛は緩くなる。
ましてや独裁国家ともなれば、である。
国家としての主権において、国家の主権を守るための情報収集と自国が有利に立ち回るための工作は絶対に必要な事であり、そうした観点に置いて例外はありえない以上、中国ばかりを責める事は出来ない。
アメリカは当然の事、日本だってやっているのだから。
しかし中国のそれは、アメリカと同等以上の危険性を孕む。
何故なら、独裁国家による独善的な理由が日本やアメリカよりも桁違いに強いからだ。
民主国家ならばある程度働く抑止力が事実上ゼロである以上、我欲に駆られた連中が何をするのか想像してみればいい。
身近にいくらでもあるそういう事例が国家規模で行われているとすれば、その結果起きる惨事は説明するまでも無かろう。
まあそんなわけで、私は中国企業によるあらゆる行動を楽観視出来ない。
アメリカ企業はそれ以上に危険性を孕む一面を持つが、優先順位を考えるとどうしてもそうなる。
だから、日本国内で中国企業や彼らに関連するあらゆる国籍の人間の行動は、注意する必要がある。
一見社会的に良い意味での貢献に見える行動も、実際にはそれを隠れ蓑にした侵略である事が当たり前だからだ。
この事は日本企業にもまったく同じに当てはまる事なので、そこは誤解のない様にして欲しいと思うが。
なんにせよ、Huaweiは非常に危険だと認識すべき。
それが結論だ。
セキュリティという名の幻想 [セキュリティ]
セキュリティは突破されるためにある。
この言葉に異論を唱える者はいまい。
あらゆるセキュリティは、どれほど堅固なものであっても必ず穴がある。
理論的には完全であるように見えてもその“完全”を担保する者が人間である以上、限界はあるのだ。
このため、コンピュータに関わるセキュリティも当然に同じ事が言える。
コンピュータによる自動化やらAIやらが言われていても、それを構築し管理するのは人間。
完璧などありえない。
セキュリティ企業が管理する約2800万件の生体認証記録が流出していたことが判明
https://gigazine.net/news/20190815-data-breach-biometric-security/
だからこんな事が起きるわけで、どれほど厳重に管理しているセキュリティであっても安心という言葉は絶対に言えないと思う。
このような現実の中で我々が出来る事は、セキュリティに関して注視する事を絶やさない事だ。
一般的に一度完成したと思われる対策は、実際には完成していない。
必ず何か問題が起きる事は確実なので、問題が起きる事を前提に、さらに言えば自分自身がセキュリティを突破する目的で研究と研鑽を永遠に続ける事が必要。
外部の企業にアウトソーシングなど、本来ならば穴を増やす事以外の何者でもない。(とはいえほとんど全てのケースではそうせざるをえないが)
まあ、セキュリティとはそういうものなのだ。
この言葉に異論を唱える者はいまい。
あらゆるセキュリティは、どれほど堅固なものであっても必ず穴がある。
理論的には完全であるように見えてもその“完全”を担保する者が人間である以上、限界はあるのだ。
このため、コンピュータに関わるセキュリティも当然に同じ事が言える。
コンピュータによる自動化やらAIやらが言われていても、それを構築し管理するのは人間。
完璧などありえない。
セキュリティ企業が管理する約2800万件の生体認証記録が流出していたことが判明
https://gigazine.net/news/20190815-data-breach-biometric-security/
だからこんな事が起きるわけで、どれほど厳重に管理しているセキュリティであっても安心という言葉は絶対に言えないと思う。
このような現実の中で我々が出来る事は、セキュリティに関して注視する事を絶やさない事だ。
一般的に一度完成したと思われる対策は、実際には完成していない。
必ず何か問題が起きる事は確実なので、問題が起きる事を前提に、さらに言えば自分自身がセキュリティを突破する目的で研究と研鑽を永遠に続ける事が必要。
外部の企業にアウトソーシングなど、本来ならば穴を増やす事以外の何者でもない。(とはいえほとんど全てのケースではそうせざるをえないが)
まあ、セキュリティとはそういうものなのだ。
結局、AMD製のCPUは良いのか、それともダメなのか? [CPU]
第三世代Ryzen、Ryzen 3000シリーズが自作市場に出て1ヶ月以上経つが、 未だ全ての問題が解決しておらず、その為一部で試行錯誤が繰り返され、新しいUEFIのアップデートが熱望されている。
私はRyzen 3000シリーズ登場以降、その性能を認めながらも消費電力の問題やメモリの相性問題等でトラブルが出やすい事に対しブログ内で苦言ばかり書いてきた。
とはいえ、現在使っているRyzen5 3600Xに何か問題があるのかというと、まったく問題は無い。
性能的にはそれまで使っていた1600Xと比較して概ね1割~4割ほど速くなったように思えるし、Windowz7で利用しているためにCPU内臓のUSBコントローラが利用出来ない事も、元々後付けのUSBコントローラ(Renesus製 μPD720201)を増設している上に4ポートハブも利用しているため、まったく問題になっていない。
CPU内蔵のUSBコントローラは、Windowz7用のドライバが無いために動作しない。
消費電力とそれに関係するCPUの挙動はWindowz7で利用しているからか問題が出ず、メモリの相性問題も元々DDR4-3200のオーバークロックメモリの電圧を1.35Vから1.25Vに下げて利用していたものがそのままでは起動しなかったものの、標準の1.35Vにした上でレイテンシの設定を若干緩めた(CL16→CL18)事で安定した。
また、最近Ryzen3 3200Gを買ってDeskmini A300のRyzen3 2200Gと交換してみたが、こちらはアーキテクチャがZen+から変化していないためにデバイスドライバこそ入れなおしが必要だったものの、以前と変わりなく快調に動作している。
こうした事から、性能と安定性について、私の環境ではほぼ問題が出ていない。
また、一昨年以降私が周囲に頼まれて組み立てたパソコンは20台近くに上るが、これらの全てがAMD製のシステムであり、これらにおいて特に私からのサポートが必要になったトラブルといえばWindowzに関する問題や、プリンタ等の外部デバイスの問題、ネットワークの問題等であり、これらは同じネットワーク内に存在するIntel製のシステムでも同様に起きていたことから、プラットフォームに依存するトラブルは起きていないと考えられる。
例外的にあると言えば、Windowz10の大型アップデート時にAPU用のグラフィックドライバの更新が必要になって(これをしないとWindowzが正常に起動出来ない)更新した位か。
しかしこの手の問題はIntel製のシステムでも同様に存在するため、どちらかがより安定しているという事にはならない。
それよりもむしろ、Intel製のシステムの方がデバイスドライバや各種ユーテリティソフトウェアの問題が毎月のように頻発しているので、それが無いAMDの方が楽に運用できている位だ。
AMDは一般的に初期トラブルが多く、デバイスドライバの完成度も低い印象がとても強い。
一方でIntelは初めて店頭に並んだその時から安定しているが、その後に色々トラブルが出やすい印象がある。
結局のところ、どちらも不安定な要素を抱えているという事だ。
そんなわけで、記事のタイトルに書いた「結局、AMD製のCPUは良いのか、それともダメなのか?」という問いに対する答えは「買うタイミングによって変わる」という答えになる。(これはIntelでも場合によっては同じ事で、過去に色々やらかしている。)
要するに初物は避けるべきで、半年~1年以上経って初期の問題が解消した後に買えば良い、という事だ。
だから、今すぐパソコンを新規に買う、或いは買い替えが必要という人は、AMD製のシステムに興味があればRyzen 2000系のCPUやAPUを搭載したメーカー製PCを買うか、或いは自分で組み立ててもいい。
特にエントリー向けのAPU群(Athlon 200GE系 ~ Ryzen5 3400G)は、これまでの実績から性能と安定性に関して自信をもってお勧めできる。
また、どうしてもZen2のRyzen 3000シリーズが欲しい人の場合は、ショップオリジナルのBTOと呼ばれる組立て完成品を買えば、トラブルで思うような結果が得られないという事は無いだろう。
事前の情報収集と、トラブルが起きた時に必要な知識やスキル、さらに簡単に諦めない根気を用意出来る人は、自力で組み立てるのも良い。
ちなみにノートPCの場合は全てがメーカー製となるため、ここに書いた事はほとんど無関係。
そもそも現時点でZen2のAPUが無いから、安定性については問題など出るはずも無い。
私はRyzen 5 2500Uのモバイルノート「Thinkpad A285」を触った事があるが、同世代のIntel製と比べてバッテリーの持ちが多少落ちる程度で、アプリケーションの反応速度が非常に良いため快適さはIntelよりも上かもしれない。
Ryzen 5 3600X アイドル時消費電力
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-21
Zen2はWindows7でも動くのか
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-07-23
Zen2に関する不具合修正されるも改善なお必要な状況
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-08-04
F1は誰のための競技なのか? [クルマ]
近年のF1は、レースというよりも単なるショーに見える。
実際の所、現在のF1は莫大な金の動くショービジネスになっている。
ドライバーもチームも、自分達を観客に見せる事でスポンサーから金をもらい、それをチームの運営資金にしている。
レース活動には莫大な金がかかるから、それは必要なことだ。
だが行過ぎれば手段が目的化するように、F1もまたそうなっているように見える。
そしてかつてのF1にあった、男達の汗と油にまみれたスピード競技のイメージなど今は無い。
私は20世紀のF1は好きだが、21世紀のF1は嫌いになった。
世界一速いドライバーを決める競技であるはずが、観客を如何に楽しませるかが目的のショーになったからだ。
主人公はドライバーであり、F1マシンであり、チームであるはずだ。
観客は単に非現実的な光景の一つとしてレースを観戦し、興奮するヤジウマでなければならない。
それが今や観客が主人公で、サーキットの中に居るドライバーもクルマも、まるでカゴの中で車輪を回すハムスターのようだ。
以下の記事は、それを象徴しているように思う。
F1成功への方程式は超高速マシンとスーパースター
https://jp.reuters.com/article/idJPWAOA9G3K8XPE197T
3ボタンマウス [ハードウェア]
驚いた。
この時代に、3ボタンマウスの新製品が出るなんて。
エレコム、左右対称デザインの“3D CAD用”3ボタンマウス
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1908/06/news084.html
3ボタンマウスを知る人は少ない。
単に知識として知る人はともかく、実際に3つのボタンを駆使して使った事がある人は尚少ない。
何故なら私の知る限り、3ボタンマウスは主にUNIXワークステーションで使われたマウスだからだ。
かつて私はそのUNIXワークステーションで3ボタンマウスを3つのボタンを駆使して使う機会があったが。(インターネットも無く、データの移動にβカセット並みの大きさを持ったテープカートリッジを使っていたのが懐かしい)
その後現在に至るまで、3ボタンマウスなどほとんど使う機会は無かった。
何故なら、Windowzでは3ボタンマウスの機能を必要とするアプリケーションソフトウェアが無いからだ。
一時期“Logitech mouseman”という、逆三角形の3ボタンマウスを自宅のパソコンで利用していた事があって、その時はマウスドライバの機能として中央ボタンを押しながら画面スクロールさせるといった事をやっていたが、精々がその程度だった。
当時(Windowz98の頃)利用していたMouseman。今でも大切に保管している。
まあそんなわけで、Windowz全盛の今、今更3ボタンマウスなど需要があるのか?と思ったが。
単に私が知らないだけなのか、今でも3ボタンマウスに対する需要はあるようだ。
EPYC Romeが正式に発表される [CPU]
AMDのZen2世代サーバー用CPU、EPYC Romeが正式発表された。
発表イベントでは、GoogleやTwitterの2社が、すでにEPYC Romeを使っていると発表。
大口採用する企業ではすでにEPYC Romeのシステムをテスト中であるようだ。
Zen2は一般向けのRyzenの場合ターゲットがあくまで自作市場であり、大小のトラブルが当たり前に起きている状況もあって、出荷数の少なさと共にあまり好調とは言えないように見える。
だが、AMDの本命はサーバー向けだ。
市場が極めて小さい自作向けはあくまでベンチマークでこれだけ高性能だとアピールする事で、一般の顧客や株主に注目してもらう事が狙いかもしれない。(そういう人達はそもそもPCの自作などしないし、自作ユーザーの阿鼻驚嘆などまったく興味が無い)
一方でサーバー向けは売れれば儲けが大きい。
また市場規模も自作向けとは比較にならないほど大きい。
すでに性能はIntel製のサーバー向けCPUを大きく上回る事が確定しているため、初期導入や運用コストを低く抑えながらもこれまで以上の性能が得られるEPYC Romeは、今後多くの企業で採用されるチャンスがあるだろう。
だからAMDとしてはRyzenよりもこちらが売れてくれないと困るわけだ。
まあそんなわけで、サーバー向けCPUとしては64コア128スレッドという前代未聞のスペックを持つEPYC Romeがついに販売開始と。
10年後くらいには、Ryzenも64コアになったりするのだろうか。
AMDのインテル対抗機EPYC RomeプロセッサーをGoogleとTwitterは早くも使用
https://jp.techcrunch.com/2019/08/09/2019-08-07-google-and-twitter-are-using-amds-new-epyc-rome-processors-in-their-datacenters/