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Zen2はUEFIの完成度に問題アリ [CPU]


一昨日より売られているZen2コアを使った第三世代Ryzen 3000シリーズは、発売開始から三日目の今日までに世界中で多くのテストが行われた結果、全体的にはIntel製CPUを大幅に上回る性能を示した事でその存在価値を証明して見せた。

だが、このお祭り騒ぎの影響で世界的な品不足が続いている模様。

昨今の事情を鑑みると、元々準備された数が需要に対して少なかったと思われ、また現在TSMCでの製造は※歩留まり85%以上という話もあってこれだけ聞くと在庫はすぐに復活しそうだが、実際には生産ラインのキャパシティが少ないために焼け石に水状態だろう。

さらに追い討ちをかけるようにショップブランドPCの発売も始まって、リテールパッケージだけでなくバルクにも貴重なZen2が流れているので、部品で買う必要がある人以外は部品を買い集めて一台組むよりもショップブランドPCを買った方が手っ取り早いかもしれない。

※歩留まりは6コアダイを含んだものと思われ、高い動作周波数が見込める8コアの良品は需要を満たすには足りていないと思われる。また3900Xの要求する特性の6コアダイも、ArF液浸リソグラフィでは非常に限られた数しか採れない事は容易に想像出来る。


さて、このように性能に裏打ちされた人気を獲得したRyzen 3000シリーズだが、一部で思ったほど性能が上がらないという報告や、メモリの動作速度が出ない、或いは安定しない、という報告が散見される。

この原因はマザーボードのBIOS、現在の正しい呼び名はUEFI、に問題がある事が考えられる。

特に従来からある300番台と400番台のチップセットが使われているマザーボードの場合、AMDから提供されるUEFIのAGESA(AMD Generic Encapsulated System Architecture)と呼ばれるファームウェアのバージョンが、メーカーや機種によりまちまちである事が問題になる。

Zen2に対応するAGESAは“AGESA 0.0.7.2A”以降(ASUS PRIME B350-PLUSで確認)となっているが、Zen2対応の初期バージョンは完成度が低く一応動作するといった程度であるようで、最低限安定動作を望むのならば“AGESA 1.0.0.2”が適用されたUEFIにアップデートする必要があるようだ。(もちろんUEFI全体の完成度も関係するため、AGESAが古いからといって必ずしも安定しないとは限らないし、その逆もまたあり得る)

また、海外からの情報ではZen2の性能を引き出すには“AGESA 1.0.0.3”が必要だという情報もある。

その他消費電力の問題も含め、これらを解決するには今後のUEFIアップデートを待つ必要があると私は考えている。

ちなみに、AGESAは過去のバージョンに1.0.0.3よりも数字の大きいものが多く存在するが、これらは“AGESA 1.0.0.1よりも古いバージョン”であり、Zen2のサポートは無い。


というワケで、現在Ryzen 3000シリーズを使っていて色々苦労している方は、マザーボードのUEFIを最新のものにアップデートしてみる事が有力な解決策の一つであるようだ。

ただし注意したいのは、最新のUEFIが常に最良の選択とは限らない事。

場合によってはさらに不具合が増えたり、最悪電源が入らなくなる事もあり得る。

従って万が一の場合にリカバリ出来る準備や、完全に安定したと思われるタイミングまで待つなど、自衛が必要な事も忘れないようにしよう。


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