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DRAMの置き換えが期待されるNRAM [ハードウェア]

一般的なパソコンのメインメモリは現在、DRAMが主に利用されているが、DRAMは1970年代からパソコンのメインメモリとして使われ続けている。

DRAMがパソコン用のメインメモリに使われだしてからすでに半世紀経つわけだが、いまだにDRAMなのである。

そんな中、過去にはDRAMを置き換える目的でいくつかの次世代メモリが開発された。

しかし今の所それらがDRAMに代わるメモリになる可能性はゼロだ。

その理由は性能とコスト。

性能がDRAMに劣るのなら話にならないし、性能が同等でも値段が高ければ普及しないからだ。


ところで先日、こんな記事を見つけた。


サーバー/PC主記憶DRAMの置き換えを目指すナノチューブメモリ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1154254.html


今度はナノチューブメモリ(以下NRAM)というものが、DRAMの置き換えとして候補に上がったらしい。

私はこの記事を見つけるまでNRAMというものを知らなかったが、NRAM自体は2016年8月31にはすでに発表されていたようで、この時はまだ単に次世代不揮発性メモリ(より具体的にはNAND Flashの置き換えだと思われる)として発表されたようだ。

DRAMの特徴は、安価でそこそこ速い事と、寿命が事実上存在しない事であるが、過去に候補として上がったMRAMなどは性能面でも速度と寿命が大きく劣るものであり、その点NRAMはDRAMと同等の性能を示している事から期待が膨らむ。

またコストの問題についても、製造上の難しさなどを無視すれば面積辺りの容量はDRAMを超える可能性を持っている事から解決出来そうなのが良い。

DRAMは電気を貯めるキャパシタの存在により10nm以下のプロセスに微細化する事が極めて困難で、これが容量増加足枷になっている。このため、この先容量当たりの価格が下がりにくい状況になっているが、その点NRAMはDRAMのようなキャパシタが不要であり、記憶素子に使われるものがカーボンナノチューブで作られた抵抗器とトランジスタが一対になったものなので、10nm以下に微細化する余地が存在する。

今の所は構想とはいえ28nmで4Gbit(チップ1個当たり512MB)なので、8個で4GBのモジュールしか作れないが、将来的には7nmで64Gbitと16倍の容量まで見込まれている。

一般のパソコン向けにはそこまで容量は必要ではないが、サーバー用途であれば用途によってはDRAMの代わりにNAND Flashが使われ始めているくらいなので、この分野ではいくらでも必要とされるだろう。

また不揮発性である事は消費電力の減少と共に読み書き時のレイテンシ低減にかなり貢献する。DRAMは非常に短時間で書き込まれた情報が消えるので定期的にリフレッシュという再書き込み動作が必要だが、再書き込みのタイミングとCPUからの読み書き命令がカチ合うと再書き込みが終わるまで待たなければならない。
このため単純に信号のサイクルがDRAMと同等であったとしても、実性能はNRAMの方が上になるだろう。

さらに不揮発性なので電源を落してから再び電源を入れた時の起動速度が速い事は間違いないし、容量が大きければOSに必要な全てのファイルをメインメモリ上に置く事が可能になるので、さらに動作速度の向上が見込める。

また、現在はハードディスクやSSDなどのストレージ上にページファイルというものを置いて、メインメモリに入りきらないデータやプログラムを退避するという、仮想記憶という仕組みが使われているが、これも一般的なパソコンの用途であれば不要になるかもしれない。

しかも、記事には3次元クロスポイント構造という、Intelの“3D XPointメモリ”で有名になった構造を使う事でさらに容量を増やす方法があると書かれている。
ロードマップには512Gbitチップが描かれているので、かなりの高容量チップが作れるようだ。
チップ当たり512Gbitというと2018年現在のNAND Flash(256Gbit)よりも容量が大きいので、価格さえ安ければNAND Flashの置き換えも狙えるかもしれない。

3次元クロスポイント構造は速度低下の要因になるらしいが、ストレージ用途であれば現在のSSDとは比較にならない高速化が見込め、さらに書き込まれたデータの保持性能が300℃の高温下で10年以上と非常に優れている事も、SSDとして信頼性を確保するためにはプラスに働くだろう。



というわけで、NRAMという伏兵でなんとなく明るい未来が見えそうなパソコン用メインメモリ。

DRAMは韓国の2社とアメリカの1社による寡占状態が災いし、談合による生産調整が価格高騰を招いている(中国製のDRAMが出そうだという事と需要減退により最近価格が下がってきているが)が、NRAMは未開拓の分野であるために他社の参入障壁は低いと思う。

今の所はNantero社と富士通の合同開発という事でまったく先の見えない話ではあるが、もし富士通がNRAMのチップ生産を始めたらなら、現在DRAMを生産する会社に対し十分な競争力を持つ事は可能だろう。

ちなみに富士通は過去にDRAMを生産していた事があるので、NRAMの生産だってやって出来ない事はないと思われる。
もちろん日本企業の悪癖が出れば競走どころではないのだが。


メインメモリが無ければコンピュータは動かないので、NRAMがDRAMの置き換えになるような事があればNRAMの技術を握る事は非常に重い意味を持つ。

富士通には頑張って欲しいと思う。

※追記。富士通はNRAMを組み込み向け製品として生産するが、パソコン用のモジュールについてはまったく作るつもりが無いと思われる。私がここに書いた事は、富士通がどうにかしてくれないかなという希望でしかない事に注意。


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中国製スマートフォンが危険かどうかは視点によって違う [セキュリティ]

最近米国が同盟諸国に対し、ファーウェイ製の通信機器使用停止を求めている事でにわかに注目が集まっている、中国製通信機器の危険性。

米国からの要請は今の所ファーウェイのみに留まっているが、今後はZTE等、他社も入るかもしれない。


この問題、一般の消費者から見れば「自分には関係ない」となる。

何故なら、この問題は主に社会インフラとして整備される通信網に使用される機器や、機密情報を扱う組織や個人などが利用する機器が対象となる話だからだ。


だがこの問題、本当にそれだけなのだろうか。

一個人の日常で行われる通信内容や他人とのつながりは、現在中国に限らずあらゆる国のサービスで抜き取られている情報だ。

そのように考えると「何をいまさら」という感じだが、中国の場合国家(中国共産党)がかなり大規模かつ積極的に情報収集に関与しているという点が他と違う。

要は他国と比べかけている人と金のケタが違うわけで、そこからもたらされる情報が何に使われるのかという事も考えるべきだと思う。


過去、日本と米国が太平洋を挟んで戦争をしていた時、米国の情報収集は帝国陸海軍に対してだけではなく、一般国民に対しても行われていたという。

何故、軍と無関係な一般大衆が日常的に接する情報まで収集されていたのか。

それは、そういった所から間接的に軍の動向が推測できるからだ。

つまり70年以上前に米国がやっていた事は、今でも通用するわけである。


またさらに言うと、有象無象の個人情報は金になる。

そして犯罪に利用する事も出来る。

政府や軍の要人に影響力を及ぼす必要があるならば、家族や家族の友人から情報収集する事も可能だ。

ちょっとした資金調達も、有象無象の個人情報からいくらでも引っ張り出す事が出来る。

情報を聞き出すために誰に接触すべきか、或いは拉致が可能かどうかなども、日常の行動パターンや趣味趣向といった情報から調べる事が出来る。

機密情報とは無関係の一個人からタレ流される情報が何万~何千万人分も集まれば、一見無関係の他人から糸を手繰り寄せるようにして目的を果たすなど、意外と出来る事は多いものだ。


というわけで、ちょっと視点を変えると普通無関係と思われる一個人であっても、中国製のスマートフォンを利用する事は“ひどく遠回りだが間接的に自らの安全に関わって来る”という事がわかると思う。

そして想像力を働かせば、ある企業の不利益や国全体の不利益が、まわりまわって自分の首を絞める事になる場合だってある事も理解出来るはずだ。

当然、一人二人が使ったからといって影響があるなんて事はあり得ないだろう。

しかし何万~何千万という人が使うと話は変わってくる。

この事は最低限、そういう事もある、というくらいには覚えておいた方が良いと私は思っている。

そして出来るならば、行動を起して欲しいとも思う。


ファーウェイのスマホは“危険”なのか
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1811/29/news029.html

みんな見て見ぬ振り
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06


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米国、同盟国にファーウェイ製品使用停止要請 [セキュリティ]

中国製のIT機器はかなり以前からバックドアなどのスパイ機能が存在すると言われていて、実際にそのような機能が発見された例も数多く存在する。

その手段は対応が比較的簡単なアプリケーションレベルのものから、OS内に仕込まれた除去が困難なもの、そしてハードウェアに組み込まれていて発見が困難なものまで、多岐にわたる。

このようなセキュリティ上問題の多い中国製IT機器だが、「安い」という点で様々な企業に大きなメリットがあるため、或いは中国によるスパイ機器を潜り込ませる工作が作用して、これまで先進国では当たり前に基幹ネットワークに組み込まれているという実情がある。


こうした問題が十年以上放置されている現状になんの危機感も持たない各国政府には何時も驚きと落胆を感じている私だが、最近アメリカは中国製のTI機器を排除しようという動きが持ち上がっていて、それが同盟国にも広がる可能性が出てきた。


米国、同盟国に中国華為の製品使用停止を要請
https://jp.reuters.com/article/usa-china-huawei-idJPKCN1NS05C


こうした動きの背景はとても根が深い。

かつてアメリカを筆頭に西側諸国は、中国を自分達の陣営に引き込みたいがために中国の所業を黙認し、さらに経済発展を支援、そのうえ先進技術の移転等、異常とも思える厚遇を続けてきた。

中国も技術と経済力が西側諸国に対抗出来る水準に達するまで、表面上は良い顔をしつつ、自国の市場規模から得られる利益をエサとして振る舞い、西側に恭順する可能性をチラつかせていた。
(そもそも国連の常任理事国に中国を入れたのも失敗の元だ)

日本のお花畑達はともかく、西洋諸国も「中国と中国人について何も知らない」。
そのうえ自分達に都合の良い解釈ばかりをするという、傲慢極まる考えで何もかも思い通りに事を運んでやろうとしたいるのだから、それは中国に良い様に利用されるわけである。

こうした背景があるので、中国製品に対する危機意識は欧米諸国ではとても低い。
何か問題があっても過小評価し、自分達ならばいつでもどうにか出来ると思い込んでいる。

さらにリベラルと言われる考え方が自らの傲慢さの中で変質していき、猛毒を無害であると判断するようになってしまう。

だから今更危機感を覚えたところで手遅れなのだ。


アメリカは今回、ファーウェイ製品の使用停止要請を同盟国にしているわけだが、こんな事は21世紀に入ってすぐに行うべき事だった。

中国は世界各地に住む中国系の住民に、常時中国にとって都合が良い世界になるよう、協力を要請している。例えば今回の例で言うと、世界中の国で社会インフラとして使われる機材にバックドアを仕掛けた中国製を使うように仕向けたり、各国の防衛産業に食い込んで中国製の部品を使うように工作しているのだ。

こうした工作は民間の最底辺から国家のトップレベルにまで満遍なく影響力を持つよう、組織化され入念な仕込みを行っているからこそ可能な事である。

従って、今更使用停止要請など行っても後の祭り、焼け石に水である。

我々からすれば全ての中国製品を除去しない限り安心は出来ないが、それはもはや不可能。
一方で中国からすれば、一部でも残れば勝ちである。


日本国内ではソフトバンクの携帯基地局がファーウェイ製である事が有名で、それ以外にも実に様々な場所で同社製品が使われている。
当然、こうした危険な中国製品はファーウェイ以外の中国系企業からも出ていて、我々日本人は一人の例外も無く毎日お世話になっている。

そういえば先日私の所に某電話サービス会社よりダイレクトメールが来て、スマートフォンの広告がこれに含まれていたが、その広告でもファーウェイ製のスマートフォンが一番最初のページに載っていた。

まあ、要はそこまで毒されているわけである。

従って、今頃アメリカから「同盟国にファーウェイ製品使用停止要請」などが来ても、何を今更としか思えない。

ちなみにこの問題、本気でなんとかしようと思うのならば、かなりの長期戦への覚悟と、今までとは違う考え方が必要だ。

やって出来ない事はないだろうが、ほとんど無理に近い困難さであると思う。


関連記事

みんな見て見ぬ振り
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-03-06

中国製品が如何に危険かというお話
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-10-10

他、中国製品に関する記事色々
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/search/?keyword=%E4%B8%AD%E5%9B%BD


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Windows10 RS5の配信が再開されるが、関連付けが変更出来ないバグ持ち [OS]

Windows10 RS5の配信が再開された。

が、多くのバグがそのままになっているようだ。

その一つが「関連付けの変更が反映されない」というもの。


先月末頃、友人に頼まれて一台パソコンを組み立てたのだが、その時Windowz10 Proをインストール後、最新のアップデート(当時RS4と最新の累積アップデート)を行ってから環境構築を行った。

その際PDFリーダに「Sumatra pdf」をインストールし、その後.pdfの関連付けをpdfファイルを右クリックして「プログラムから開く」を使って関連付けを変更しようとしたところ、関連付けの変更は反映されず、pdfをダブルクリックするとEDGEで開いてしまうという現象が起きた。

他の方法で変更してもやはりダメで、レジストリを変更する方法を用いても反映されなかった。
この問題は2018年10月のWindows updateを適用すると起きている模様。


あの時は解決策を見付ける事が出来なかったが、昨日改めてこの問題について調べると多くの方が困っていたようで、Micro$oftのコミュニティに多くの書き込みがあり、その中に解決策が存在した。


Windows 10:"KB4462919"適用後、規定のアプリの変更ができなくなる
https://answers.microsoft.com/ja-jp/windows/forum/all/windows/d949680a-0787-47d4-8b31-65aba911ccf4


この中の投稿に、「Win10-関連付け補助ツール」というもので変更出来た、というものが。


ちなみにMicro$oftもこの問題を把握しており、現在修正中らしい(11月のWindows updateではまだ修正されていない)。

一日も早くバグの修正パッチが出て欲しいと思う。


参考:

一部のWindows 10環境でファイルの関連付けにトラブル ~10月のパッチが原因か
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1152732.html

Microsoft、2018年11月の月例パッチを公開 ~OSの最大深刻度は“緊急”
Windows 10で発生しているファイルの関連付け問題は未修正
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1153288.html



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もう少しZen2について考えてみる [CPU]

一昨日発表されたばかりの“Zen2”コアなCPUのRome。

これについて私の調べられる範囲で情報を集めて色々考えてみたが、どうもZen2を使ったRyzenは出ない可能性が高いように思えてならない。

未確認ながら2019年内にZen2なRyzenは出す計画がないという情報もあって、やはりIOを別ダイにするのは一般向けではコスト的に無理があるとしか思えない。

可能性としてはThreadripperをZen2で、という事ならあるかもしれないが、出た所で私のように普通にパソコンを使う人には関係がない。


さて、では何故こんな事になったのか。

それはやはりArF液浸露光での7nmではこれが限界だったと私は考える。

まあ7nmなFinFETを作るまでは良いとしよう。

しかし問題は配線だ。

7nmではただでさえエレクトロマイグレーションの問題で困難になった配線が、すでに14nmクラスでも図面通りに回路を作る事が難しいArF液浸露光でどの程度のモノが出来るのか、という事だ。

現在のように微細化が進んだ回路を作ろうと思うと、ArF液浸露光では配線の太さが図面上では一定なのに場所によって太かったり細かったりになってしまう。(もちろん色々工夫して出来るだけ図面通りに出来るようにはしている)

だが太くても細くても問題が出るのが現在の極限まで微細化された半導体回路だ。

特に細くなれば電気抵抗が増えて信号の遅延、そしてエレクトロマイグレーションが進行しやすくなって断線、という二重の問題が起きる。またそれ以前に不良率もハネ上がるだろう。

もちろん、比較的高い電圧を扱う部分だけ配線ピッチを広く取って配線の太さを確保する事も不可能ではないと思う。しかしそれをやるメリットよりもデメリットの方が大きいと思う。製造がより難しくなるのは目に見えているし、ダイ面積も大きくなってしまうからだ。

そしてサーバー向けのRomeの場合マルチダイで8個もCPUダイを載せるなら、1個か2個のダイで済ませるはずのRyzenとはワケが違う。重複するIOが占めるダイ面積もバカにならないはずだし、キャッシュやメインメモリを各々のダイが共有するための仕組みだって複雑になる。

だったらコストを無視してもこれらをCPUダイの外に出す意味が出てくるワケで、結果今回のCPUダイ8個+IOダイ1個という構成になったのだろう。そうでなければAMDは今頃「ArF液浸露光で7nmのCPUは作れません」と言っているはず(なワケないか)。

そもそもRomeが16コアのダイ4個ではなく8コアのダイを8個という構成にして来たのも、ArF液浸露光の7nmプロセスでは16コアのダイを作る事が「開発期間の延長は出来ない」事と「歩留まりを一定以上にする事が難しくなる」という二つの意味で無理だったからと思える。(現在のAMDは一見すると経営も黒字化して順調に見えるが、今Romeの出荷が遅れるとヘタをすれば倒産もあり得ると私は考えている)

要はRomeを8+1ダイ構成で製造し、来年販売開始するというのはある意味時間稼ぎなのだ。


このように考えると、もうZen2のRyzenが2019年に出る事は無い、としか思えない。

少なくとも今のAMDにRyzenだけ7nmで別設計のダイを用意する余裕などあるはずもない。過去にサーバー用と一般向けに別のダイを用意しないとAMDははっきり言っているし、ましてやIOを14nmで別ダイにしなければならないような、7nmプロセスとして完成度が低いArF液浸露光である。

さらに言えばIOを分離するなどという、どうみてもコストが高くつく離れ業が可能なのは、高価でも性能さえ良ければ売れるサーバー向けだから可能なのであって、安くなければ売れない一般向けCPUに採用可能な技術ではない。

さらにさらに、もっと言えば現在のTSMC ArF液浸露光の7nmリソグラフィは、とてもじゃないが4Ghzを超える動作周波数で動くCPUには使えないと私は思う。サーバー用の精々2Ghz~3Ghz以下で動く超多コアCPUだから売り物になるCPUが製造できるのだ。

つまり、7nmのRyzenが出るのはEUVを使った7nm+で量産体制が整うまで無理。

別の言い方をするとZen2のRyzenは出ない。

そういう事だ。


とはいえ、Ryzenが来年も今のZen+のまま、というのもどうかと思う。

16コアのCore i9 9900Kが出た以上、今のままでは利益率の高いハイエンドCPUの売り上げに大きな影響が出るからだ。

そう考えればもしかすると、Zen2で改良された点を盛り込んだ12nmのZen++みたいなのが出る可能性はあるかもしれない。

もちろん製造に使われる12LPも、現行製品より動作周波数が上がるように改良されなければならないが。(12LPと言っても配線ピッチは14LPPとまったく同じだから、なんとなく改良の余地はありそうな気がする)

これなら旧製品の改良という位置付けで過去の発言にあった「別ダイは用意しない」事に矛盾しないし、製造キャパシティの逼迫が言われているTSMCへの負担もなくGFで現在製造されているZen+の製造ラインをそのまま使えるからだ。

これはあくまで私の想像に過ぎないが、Ryzenに関して今のAMDにはもうそれ以外に打つ手は無いように見える。


というわけで、Zen2と来年のRyzenに関しては情報が少なすぎて想像する以外に出来ない事が多いが。

本当に、来年のRyzenはどうなってしまうのだろうか。

どうか、私の想像が悉く外れてくれますように。



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AMDのZen2「Rome」がIOのみ別チップにした理由 [CPU]

昨日私はAMDによるZen2正式発表に関する記事を書いた。

Zen2のサーバー向けCPU「Rome」が発表される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-11-07


その中でRomeがIOのみ別チップにした理由を、元ネタの記事がエレクトロマイグレーション回避のため、と書いていた事に対し別に理由があるはずだと思った事を“私は理由がそれだけではないと思う”と書いた。

その理由を昨日から考えていたのだが、なんとなく思い付いた事をここに書き留めておく。



その理由は、7nmにプロセスが縮小された事によるダイ面積の縮小により、全てのIOの信号を短くなったダイの端面から出す事が不可能になった事。

昨今はCPUから出るIOの種類が増えている。
昔のCPUはFSBとかシステムバスと呼ばれるデータの通路がCPUから出ていて、CPU以外の全てのデバイスがこれにブラ下がっていた。
これに対し現在は、メインメモリやPCI ExpressからUSBに至るまで、様々なデータの通路が出ている。

CPU_bd.png
昔と今のCPUから出ているデータバスの違い。昔はFSB一本だけだったが、今は数多くのIOバスが出ている。

こうなるとIOの種類と数の分だけ、ダイの端から線を引き出さなければならない。

AthlonのEV6バスは64bit幅だったので、単純計算で128個の外部接続用パッド(ボンディングでワイヤを接続するための端子)があれば良かった。

しかしZENコアはダイ当たりメインメモリだけで64bitのバスが2本出ている。
これに加えてPCI Expressが合計24レーンで48個、USB3.1が2本で16個。他にこれらに関連する色々な信号もあるはずなのでもっと多くの引き出しポイントが必要だ。これらに加えさらに電源用とかInfinity Fabric用等が加わると、あの小さなダイの短い端面に全ての端子を出すのは無理があるのではなかろうか。


また、Romeの場合8コアのCPUダイを合計8個もCPUパッケージに載せている。
これら8個全てに、PCI Expressなど重複するIOを備えるのは無駄が多すぎる。

だったら共通化出来るIOは全て外に出してしまった方が、CPU本体のダイをコンパクトに出来て良い。

重要なのはInfinity Fabricとメインメモリなので、これだけCPUから出してPCI ExpressやUSBは全部外。
ついでにコアが増えると色々大変になるので、その調停用の機能なんかも全部外に出してしまえばいい。
※追記。どうやらメインメモリのコントローラもIOチップに移動されているようだ。

AMD unveils 64-core Zen 2 CPU, first 7nm GPU
http://cybersecuritycaucus.com/2018/11/amd-unveils-64-core-zen-2-cpu-first-7nm-gpu/

こう考えると、IOだけにしてはやけに大きいCPUパッケージ真ん中のダイも、あの大きさの意味がなんとなく理解出来る。
さらに大きさだけ見れば大容量のキャッシュメモリも載っているかもしれない。


というわけで色々想像で書いてみた。

本当ならば、Romeのブロックダイアグラムを見る事が出来ればそれに全て書かれているはずなので、こんな想像をする必要も無いのだが、私には見つけられなかった。

まあ、私の想像が正しくても間違っていても、ZEZ2コアのRYZENは8コアx2でRomeより小さなIOチップがパッケージされるに違いない。8コア版であれば8コアダイ1個とIOチップ1個の構成になるだろう。

※追記。未確認であるが、ZEN2コアのRYZENは2019年内の販売は予定されていないようである。考えてみれば一般向けのCPUにIOチップ外付けはあり得ない。今回Romeに乗っているダイはサーバー向け専用のダイという事かもしれない。

当然関係者は全て知っているから、仮に私の想像が彼らに知られたら笑われてしまうかもしれないが。


さて、実際はどうなっているのか。
※追記:未確認だが、実際はあくまで製造上の理由のようである。

その内にこの事も公表されるだろうから、その時が楽しみである。


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Zen2のサーバー向けCPU「Rome」が発表される [CPU]

ついにZen2が正式に発表された。

コードネーム「Rome」がそれで、過去言われていたように64コア128スレッドのモンスターCPUだ。

AMD、7nmで最大64コアの「ZEN2」とNVIDIA Voltaを上回る「Radeon Instinct M60」
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1151995.html

今回明らかになった意外な点は、CPUコア以外にIOのみを司るダイがパッケージされている事。
Web上の記事によると、7nmではエレクトロマイグレーションという、微細化が進んだ配線の電流密度が上がる事によって配線の金属原子が電流の電子と衝突する事で原子が移動し、骨粗鬆症のようにボロボロとなって断線する現象が今の所回避できないようで、これを避けるため特に電圧が高いIOのみを14nmで作って載せたのだという。

私は理由がそれだけではないと思うが、まあそういう事らしい。

いずれにせよAMDは、予告通り2019年に7nmのCPUを出荷する約束を守れそうである。


また今回のRomeが64コアという事を受けて、一部では次のRyzenが16コアになるのではないか、という噂が出ている。16コアのRyzen自体は以前から出る可能性を指摘されて来たが、今回の発表でよりいっそう信憑性が高まった事になる。

一般向けのZen2であるRyzenは、発表が来年に入ってからになると思うので、こちらはもうしばらくおあずけになりそうだ。


一方ライバルのIntelは、“予定通り”10nmプロセスのCPUは開発が遅れている。

こちらも一応は2019年出荷という事になっているが、一説ではCPUの設計をまるごとやりなおしているという話が出ているので、Zen2よりも出荷が遅れる事は間違いない。

何故Intelの10nmプロセスがこんな事になったのかというと、以下の記事が詳しい。

10nmはハイパースケーリングを放棄し再設計
http://ascii.jp/elem/000/001/766/1766852/

Intelもエレクトロマイグレーションの問題を抱えていて、回避策としてトランジスタ同士を繋ぐ最下層の配線を従来の銅配線からコバルト配線に切り替えた設計をしていたが、コバルトは銅の4倍(一説では6倍とも)も電気抵抗が高く、結果的に銅配線よりも配線抵抗が高くなってしまったためCPUの動作周波数が思うように上がらない事態に陥っているようである。

こうなると単に配線の材料をコバルトから銅に戻せば良いと思う人が居るかもしれないが、事はそう単純ではなく、CPUの設計を全てやり直す必要があるようだ。

ここからは私の想像だが、Intelはこうした事態を想定してバックアッププランとして銅配線の設計も進めていたと思われる。現在のCPUの設計は3年以上かかるのが普通なので、そうでなければ2019年に出荷するという事は不可能だ。

昨年まではIntelの10nmプロセスで最大の売り文句“ハイパースケーリング”、つまり同じ面積のダイに他社の同程度のプロセスよりも多くのトランジスタを載せて高性能化を図るという言葉が使われていたわけで、これが事実上不可能になる設計変更は現在よりも少なくとも2年以上前に行われていなければ間に合わないのだ。


それから話をAMDに戻すと、今回のAMDによる公式発表にはRadeonの新しいチップが含まれている。

記事によると7nmで製造される新しいRadeon、“Radeon Instinct MI60”は、VEGAの拡張版でHBMを32GB載せ、NVIDIAのTesla V100を上回る性能であると発表されている。

これが本当ならば一般向けのヴィデオカードに載るRadeonもちょっとは期待出来そうであるが、私は3Dゲームをしないので、ローエンドの1万円以下で今使っているGeForce GTX 1050Tiよりも高性能なカードが出てくれないと意味が無い。

最近のAMDはローエンドGPUの開発をサボリ気味なのでなんとかして欲しいところ。

とはいえ、AMDとしては利益の出やすいサーバー向けを重視しているから期待出来ないか。そしてローエンドはGPU内蔵のRaven Ridgeでも使っておけ、という事なのだろう。



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Philips 246E8FJAB/11を使った感想 [ハードウェア]

先月頭、こんな記事を書いたのだが。

24inch WQHD(2560x1440)、広色域の激安ディスプレイ
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-10-01

記事の最後に「導入したら簡単な感想でも書こうかと思っている。」と書いたまま、あれから1ヶ月以上経ってしまった。


このところ結構忙しく、件のディスプレイ「Philips 246E8F」は導入後すでに一ヶ月経っている。

先月から今日まで忙しい割りに記事が多いというというのはあるが、記事のネタが多かったというのも含めて忙しかった。

というわけでやっと、Philips 246E8Fを使用した感想を書く事が出来るようになった。

246E8_01.jpg

それは、「安い割りに良い物だ」の一言に尽きる。

このところPhilipsはコストパフォーマンスが良い製品を、数多く出しているなあとも思う。


良かった点を挙げると以下の二点になる。

一つ目は2560x1440という解像度。

24inchクラスはFull HDが主流で、実際24inchの画面面積に1980x1080という解像度は十分精細に見えるが、2560x1440の方がずっと文字が読みやすい。ユーザーインターフェイスも全体的に精細感があって目に優しい感じがする。

Windowz10では高解像度のディスプレイを認識すると、自動でユーザーインターフェイス(以下UI)を高精細で表示してくれる。Windowz7で4Kの「BDM4350UC11」を「246E8F」と同じUIの倍率125%で使っているが、こちらは一部倍率が適用されないものがあるので少し使い辛さを感じる事もあるので、高解像度ディスプレイのメリットを活かすにはWindowz10の方が良い。

過去に読んだWindowz10の説明にもこの事があったが、実際に使ってみなければこの違いは理解出来ないだろう。

私の場合すでにスマートフォンやタブレットなどで面積当たりの解像度が高い方が良い事を理解していたにも関わらず、デスクトップのディスプレイについては旧態依然とした認識から脱却できていなかった。

やはり経験は大事だ。


二つ目は発色に優れている点。
8bitパネルとはいえ、NTSC 119%、sRGB 133%の表現力はさすがだ。

これまで2nd PCに接続していたDELLの2209WAも、8bitのIPSパネルで比較的色の表現は良かったが比べ物にならない。

プロが写真や画像処理に使うには物足りないかもしれないが、素人が趣味でやる分にはこれで十分ではないだろうか。

ディスプレイの色に対する印象を言葉で表現する事は難しいが、パッと見でも“色の深さ”というのは感覚的にわかるはず。そして色の表現域が広いという事は、写真にしろ一般的なイラストにしろ印象が変わるものだ。

こればかりは使ってみなければわからない事かも知れない。


246E8Fは色と解像度以外にも液晶シャッターの応答時間がGtoGで4msと比較的短い=動画の速い動きでブレにくいとか、パソコンの内部で描画処理された画像が液晶パネルに表示されるまでの遅延も少ないという特徴があるらしいが、こちらはビデオを見たり簡単にゲームをやったりしたが私にはよくわからなかった。

まあ言われてみればそうかもしれない、という程度で、この二つの点に関して特にうるさい人でなければ十分な性能だと思う。少なくとも、Webの閲覧やテキストエディタ等で上下のスクロールをした場合の文字の視認性は、BDM4350UC11と比べて同程度にしか見えなかった。


最後は使い勝手について。

246E8Fはベゼルの幅が約3mmと非常に狭いが、実際に画像が表示される領域はベゼルからさらに5mm程度奥になる。従って実際のベゼル幅は8mmと見るべきだ。

付属のスタンドはPhilipsのディスプレイではおなじみのアルミキャスト製で、他社の安価なディスプレイでありがちなプラスチック製ではない。プラスチック製のスタンドは多くの場剛性が低く、手で画面端を揺すると水平ではない位置に画面が固定される場合がある。246E8Fのスタンドはアルミキャスト製ながら作りが良いとは言えず、組み立て方によっては水平が出ないが、きちんと水平を出してネジを締めれば手で揺するくらいでは水平が崩れる事は無い。
プラスチック製と違い重量もそれなりにあるので、安定性も良い。

操作系は電源スイッチが無い事が特徴で、ACアダプタを接続してコンセントに挿すといきなり電源が入る。
そして信号の入力が検出されないと自動でスリープモードに入るが、昨今はディスプレイのメインスイッチなどほとんど触る事が無いため、コストダウンで削除されたと思われる。
だが、設置から寿命を迎えるまで数回しか触らないものだとしてもメインスイッチはあった方が良いと思う。
この点は残念だが、コンセントの抜き差しで電源のON/OFFをするしかないようだ。

そして最後の最後、デイスプレイの設定について。

246E8Fも最近のディスプレイがほとんど全てそうであるように、液晶画面にOSD(On Screen Display)を表示して設定をする。
操作のためのスイッチはディスプレイの正面中央下、「PHILIPS」のエンブレムがある所から裏に指を這わせた場所にある。
ジョイスティック、或いはゲームコントローラーの十字キーのようなスイッチで、ディスプレイに信号の入力が無い場合言語の設定しか出来ない。

ディスプレイにコンピュータ等からの信号が入力され、画面が表示されている状態であれば、以下のような設定項目を操作できる。
OSDを表示するにはまず正面から向かって右にスイッチを操作する。

OSDが表示されたら、左側のメニュー項目をキーの上下操作で選択、設定したい項目を選択したら右に操作して項目内の設定を選ぶ。項目内の操作は左側メニューと同様、キーの上下操作だ。

この辺り慣れが必要かもしれないが、直感的に操作しやすい優れたインターフェイスだと感じた。
以下はOSDのスクリーンショット。画像が悪いのはご容赦願いたい。

246E8_02.jpg
OSDを出すと最初はこの状態。ブルーライトを削減するモードのスイッチと、右下に機種名及びシリアルナンバーが表示される。

246E8_03.jpg
入力切替の設定。見ての通りだ。

246E8_04.jpg
画像設定。プリセットのモード変更と、輝度やコントラストなどの調整を行う。
その下は内蔵スピーカーの音量調整。
さらにその下、グレーアウトしている項目はアナログRGB接続時のカラー調整項目と思われる。

246E8_05.jpg
OSDの左メニューを下に移動していくと、最初のメニューに表示しきれなかった項目に切り替わる。
言語設定のSSは省略。OSD設定は表示位置や自動で消すまでの時間などを設定できる。

246E8_06.jpg
設定と書かれた項目。上4つはSSでは見えないが、アナログRGBで接続した場合の信号同期を調整する項目だ。

他に出来る操作は、OSDが無い状態から正面から向かって左にスイッチを操作すると画面モード切替が直接可能。
同様にOSDが無い状態から正面から向かって上に操作すると音声入力の切り替え。
さらに、同様にOSDが無い状態から正面から向かって下に操作すると内蔵スピーカーのボリューム調整が可能だ。

これらのディスプレイ設定項目は一度行えばほとんど触らない事だろう。
人によっては信号入力の切り替えを頻繁に行うかもしれないが、そのような使い方はお勧め出来ない。理由はやってみればわかる、としか言えないが。どうしても複数のコンピュータを接続して切り替えを行いたい場合は、HDMIの切り替え器かKVMの利用をお勧めする。


Philips 246E8FJAB/11 24inch 2560x1440 Display
https://www.philips.co.jp/c-p/246E8FJAB_11/qhd-lcd-monitor-with-ultra-wide-color


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世の中ステマだらけ [セキュリティ]

世の中ステマだらけだという実感を持つ人は少なくないだろう。

一方でそういう事に気付いていながら、無意識にステマに引っかかっている人がほとんどだと思う。

もちろん、私もその一人だ。


とはいえ、引っかかった直後に購買行動やその他肯定するなんらかの行動を取る前に、それがステマかどうか改めてチェックする事は可能だ。

そうする事で、最終的な被害を防ぐ事が出来る。


昔、何の価値も無いゴミを金に換える事が商売人としての能力の見せ所みたいな、そういう話があちこちで見聞きする時代があった。

それは今私の周辺に無いだけで、今も当時と同じなのかもしれない。

そしてステマとはそれを具現化するうえで効率が良いツールだ。

消費者に本来必要とされないものを買わせる。または、他に良い物があるのに質が落ちる方があたかも良い物であるかのように錯覚させて買わせる。

こういう事が如何に世の中の害になるか、理解出来ない者は居ないはずだ。だが、金のためならなんでもする人間はそこらにいくらでも居る。そういう者達がステマとなるものを作って拡散しているのだ。

そうした事の一端が、以下の記事に詳しく書かれている。


新型ステマがルールの盲点突く手口、奴隷化するウェブメディア
https://diamond.jp/articles/-/183404


私がここに記事を書くネタのほとんどは、所謂“ウェブメディア”の記事から取ってきている。

だから、私はそういう事にはわりと敏感だ。

そして実際にステマとしか思えない記事がとても多い事も実感している。というか、そうではない記事など探さないと見付からないといっても過言ではない。

益体も無いモノに無駄な金をつぎ込む人は多い。
それがあくまで“趣味”と言える範疇に収まっていればまだ許せるが、それが実生活に食い込んでいるとなれば話は別だ。

そして悪貨が良貨を駆逐するがごとく、良い物がどんどん減っていく。

今は正にそういう時代なのだ。



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Lexarも中国企業か [ハードウェア]


私の知らない間にLexarが中国企業に成っていた。

気付いたキッカケはこの記事だ。


Lexar、世界最大512GBのUHS-I/A2対応microSDカード
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1151066.html


この記事には中国NANDメーカーLongsys傘下のLexarとある。
(後に説明するが実態は傘下ではなく根っこからの中国企業)

何時の間に!?と思って検索するとこういう事だった。


2017年6月26日、Lexarを保有していたMicronが事業撤退、Lexarの売却先を模索と発表。

2017年8月31日、中国Longsysが「Lexar」ブランド利用権および商標を買収したことを発表。

以上。


注目したいのは「ブランド利用権および商標を買収」という箇所。
要するに現在のLexarは名前だけで、企業としての実態はまったくの別物という事だ。

当然、今回発表された新型Micro SD カードも中身は過去のLexarとはまったく関係が無い、設計から部品及び製造全てが中国製のALL Chinaの製品である。


今回Lexarについて調べた内容には、昨年9月にLexarブランドの製品が秋葉原で投売りされていた、という情報もある。

もし企業買収でMicronのLexar部門がまるごと売却されたのなら、そのような投売りなど起きなかったはずだ。
※2018年11月現在、日本国内のLexarブランド製品は流通在庫のみで事実上消滅している。


というワケで、今後Lexarブランドで売られるであろうフラッシュメモリー製品は、過去のLexarとはまったく違う偽物(法的には本物)という事だ。


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