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結局こうなったか [ハードウェア]


AMD、次期「Zen 2」および「Navi」はTSMCの7nmプロセスで製造へ
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1140080.html


記事によると、“GLOBALFOUNDRIESは7nmプロセスの開発を無期限に保留”だそうだ。


AMDは今後TSMCで製造するとはいえ、7nmによるCPU及びGPUの製品出荷に大きな影響が出るのは当然であろうし、また製品の性能にも色々影響が出ると思われる。


このファウンダリ変更が吉と出るか、凶と出るか。

ショックが大きすぎて今は何も想像も出来ない。


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やっと届いた [ハードウェア]


先日支那系のWeb shopで購入した荷物がやっと届いた。

CN0002.jpg
注射器のハネが片方折れているのが、いかにも支那系製品という感じである。

買ったものは2.5inchフォームファクタのエンクロージャ3個と、サーマルグリス。

エンクロージャはM.2 SATAとmSATAのSSDをSATA SSDとして利用するためのものが各1台、mSATAのSSDをATA接続SSDとして利用するためのものが1台で、それぞれ6ドル弱、4ドル弱、9ドル弱の合計19ドル弱、日本円で約2000円ほど。

日本国内で同等の製品を買う金額の半額以下だ。


サーマルグリスは動作テスト等でCPUのヒートシンクを付けたり外したりが多いので、そういった用途のために購入。プラスチックの注射器に入って30グラムのものがたったの2ドルちょっと。現在のレートで250円くらいと激安だが、熱伝導率が3.05W/m・Kと悪い。市販の標準的なもの(市販のヒートシンク付属を基準)は5~7W/m・K程度なので、数字だけ見るとかなり見劣りする。
まあ性能以前に安物の油で練っていそうで長時間の使用は避けたいが、数分から数時間でふき取ってしまうので問題はないだろう。

ちなみに私が本付け用として用いている物は「MX-4」という品名のもので、熱伝導率は8.5W/m・Kである。
ただまあ、どれほど性能が良いサーマルグリスでも、厚く塗りすぎると熱の移動する距離が増えるので意味が無い。例え3.05W/m・Kの安物でも、適度に薄く塗る事が出来れば塗る量が多すぎな高性能グリスよりも熱輸送量ははるかに多くなるだろう。

もちろん、薄く塗りすぎてスキマが出来てしまうようだと逆効果だが。(CPUのヒートスプレッダやヒートシンクの接触面は歪んでいて、百分の一ミリ単位の高低差があるのが普通。しかもCPUの発熱でさらに歪む。)


というわけで、どれも日本国内で買うよりもかなり安く手に入った。
到着まで3週間以上かかったが、急ぎでなければこうしたものを支那系のWeb shopで買うのも良いだろう。


支那系のWeb shopは郵送にご用心
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-08-20



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目を覆いたくなる惨状 [セキュリティ]

Security NEXT
http://www.security-next.com/

「Security NEXT」は私が良く見るセキュリティ関連情報サイトなのだが、ここ数日訪れていない間にも様々なセキュリティ問題が報告されている。

曰く、

・「Apache Struts 2」に深刻な脆弱性
 ウェブアプリケーション万歳の今これは大問題

・サーバなど4分の1の機器で不用意にポート公開
 億単位の各種サーバーが存在する今(以下略

・「Ghostscript」に保護機能回避の脆弱性が再び
 一般のパソコンでpdf形式の出力をする場合も関係あるのだろうか

・執拗な攻撃で組織へ侵入、感染するランサムウェア「SamSam」
 ランサムぼうやは相変わらず元気に働いています

・WordPressの脆弱な追加機能狙う攻撃
 ブログで使っているところは多いと思うが、大丈夫なのか

・不正アクセスで不祥事対応の内部情報が流出 - 高知県立大
 このような報告は後を絶たず増える一方

・8月修正のゼロデイ脆弱性、「Darkhotel」と関連 - 背後に北朝鮮の影
 このような話も、当たり前の事を今更という感じしかしない

・運用甘い脆弱なルータを狙う攻撃が大量発生
 これも毎年問題になっているような、そして防ぐ手段は事実上無い

他色々。ここに挙げたのはほんの一部で、しかも20日から24日までの五日間だけでこれだ。

潜在的な問題は当然にこれよりも多く、そしてその多くは現在進行形で様々な組織或いは個人が犯罪に利用し、多くの人が被害に遭っている事だろう。


この世界、このような有様で本当に大丈夫なのだろうか。



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7年間埃を被っていたNASを動かしてみた [ハードウェア]

最近部屋の整理をしていると、しばらく使っていなかったNAS(ねっとわーく・あたっちど・すとれーじ)がダンボール箱の中から出てきた。

このNAS、いずれ使うつもりで一時的に仕舞っておいたものだったのだが、その後忘れ去られていたもので、電源を入れるとなんの問題も無く動作しているようだった。

NASの型番は「HDL-GX250」というIO DATA製のもので、一時期流行していたHACKでハードディスクを250GBから1TBに換装していたもの。ハードディスクはHGST製の3.5インチで、製造は2008年だから10年も前のものだ。


NASが起動したのでアクセスを試みると、ファイル及びフォルダの最新のタイムスタンプは2011年6月であった。もう7年以上も前である。記録されたファイルを確認すると、今では所在不明で失われたと思っていたものがいくつか見付かった。まあ、当時はバックアップ用のファイル置き場として使っていたのだから、こういう事もあるだろう。


私は古いハードディスクを多数持っていて、それらのいくつかはデータの倉庫として利用している。
中には20年以上前の古いものもあるが、これらの全てが電源を入れると正常にデータを読むことが出来て驚く。

中にはモーターの軸受けの油が切れ掛かっているのか、ギュイーンという異音がするものもあるが、とりあえず読み書きには影響が無いようだ。

これらのハードディスク達の耐久性の高さと、運良く壊れていない事に感心しつつ、思うことがある。

それは現在多くの利用場面でハードディスクと置き換わっているSSDならばどうなっていたのか、という事だ。
SSDではなくコンパクトフラッシュであれば、やはり10年以上前のデジカメで使っていたものがいまだに中の写真を読めたという事もあったが、これは64MBで一万円近くしていた時代のSLCであり、今時のTLCが主流のSDカード等ではどうなのだろう?

まあ保管の環境にもよるが、ハードディスクは意外とデータの長期保存に向いているのかもしれない。
一方NAND Flashを使ったメディアは数年で消耗する使い捨ての利用方法しかあり得ないと思っている。


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Nvidiaの次世代GPUアーキテクチャ「Turing」 [ハードウェア]


NVIDIAがレンダリングパイプラインを根底から変革する新GPU「Turing」を発表
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1138078.html

すでにいくつかのPC関連情報サイトで紹介と解説が行われている、Nvidiaの新しいGPUアーキテクチャ「Turing」。

既存の解説がちょっとわかりにくいので整理すると、要点は二つ。

一つは「リアルタイムレイトレーシング」用のハードウェア、「RTコア」が実装されたことだ。


レイトレーシングという言葉自体はかなり古くからあり、私は少なくとも30年前には知っていたが、WindowsがOSの主流になってからは一般にあまり話題にならなかったので、今回初めて知ったという人も居ると思う。(30年前はパソコンでレイトレというだけでかなりすごい事だったので一般のパソコン雑誌でも話題になった)

そのレイトレーシングがどういうものか一言で説明すると、“あらゆる光の反射を計算して画面表示に反映させる技術”である。

現実の世界では、人間の目に入ってくる光は複雑な反射を経ていて、これが網膜に刺激を与えて脳で“風景”として認識する。一方コンピュータのディスプレイを見ている人間の目には、平面であるディスプレイ画面からの光しか入ってこない。従ってのっぺりとした画像しか普通は認識できない。

この場合画面に表示される画像に対しあらかじめ光の反射を計算した結果を表示すれば、現実に近い風景画像として映す事が可能になるが、従来の3D画像は光源を指定して単純な光の反射を再現(シェーディング)しているだけだった。
簡単に言うと光源から出た光を対象の面に当てて反射した光のみを計算して、ディスプレイの枠内に入る光を表現しているだけなのだ。(色々誤魔化しのテクニックでそれっぽい反射、例えば影や水面などを再現してはいるが)

だから複雑な3次元の面にあらゆる方向からの反射を反映していないわけで、立体を表現していてもどこかアニメっぽい平面的な印象を受けてしまう。


一方でレイトレーシングでは空間内のあらゆる面に対し、光の強さ(減衰も含む)・波長(色)・方向の全てについてどのように反射しているか計算する。現実と比べてはるかに情報量の少ない3DCGモデルでもまともに計算すると膨大な計算量になるため、限られた計算能力でなんとかそれっぽく見えるように、必要最小限の計算になるよう端折っていると思われるが。

かつて私がNECの8bitパソコンで、雑誌の付録に付いていたプログラムを打ち込んでレイトレーシングの計算を試した時、320x200の解像度の画面で鏡面の単純な球と円錐が白黒チェック模様の床面上に浮いているモデルだったが、それでも数時間の計算を要したように思う。
ここまで単純なモデルならば今時のパソコンのCPUでもリアルタイムで計算出来るかもしれないが、現在の3DCGの精度でしかも動くモノをリアルタイムにレイトレーシングするのは大変な量の計算になるため、今回NvidiaのGPUアーキテクチャにレイトレーシングのハードウェアアクセラレーションが盛り込まれた事は歴史的な転換であると私は思う。


そして二つ目はAI専用のコア(Tensorコア)が追加された事だ。
AIとはいえ推論に特化したものだが、これもリアルタイムレイトレーシングに使われるという。
まあ恐らく計算を端折るために利用するのだろう。

当然推論が必要な他の利用方法もあると思うが、私はAIについて無知なのでどんな利用方法があるかなどわからない。

ただ、今までは汎用の浮動小数点演算器を利用してソフトウェアで推論の演算をしていたものが、ハードウェアで実装された意味は大きい。計算速度と消費電力でかなりのメリットがあるからだ。



というわけでこれまでのGPUには無い新たなハードウェアの機能が実装された“Turing”。

色々詰め込んだおかげなのか、ダイサイズも754m㎡と前世代Pascalで最大の471m㎡と比べ1.6倍の面積と巨大化している。

ダイサイズは製品価格に大きな影響があるため、これを搭載した「GeForce RTX 2080 Ti」の価格はどれほどになるかと思ったが、続報で判明した価格は999ドルと非常に安い。ワンランク下がって「GeForce RTX 2080」だと699ドルと、十万円を切るから驚きだ。

新アーキテクチャの第一世代という事でまだ未知数な部分はあるが、それでもAMDのRadeonとはまた大きく差が付いたと思う。

後付ビデオカードではAMDのNvidiaの二強になって久しいが、近年目立つNvidiaの独走がより鮮明になる事は間違いない。



参考:

「CUDA以来の大きな飛躍」。NVIDIAが新GPUアーキテクチャ「Turing」を発表
https://news.mynavi.jp/article/20180817-680351/

CG界の聖杯「リアルタイムレイトレーシング」に手をかけたGeForce RTX 20シリーズを理解する【前編】
http://ascii.jp/elem/000/001/729/1729762/

999ドルの最上位RTX 2080 Tiは1080 Tiの10倍の性能!?GeForce RTX 20シリーズ発表、9月20日発売
http://ascii.jp/elem/000/001/728/1728525/



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時間なんて存在しない [雑談]


なぜ時間は一方向にしか進まないのか? 東大が解明に向け前進
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1079587.html


そもそも“時間ありき”で考えるからおかしな話になる。

時間とは人間が物理現象を五感で感じ取って認識しているもので、人間の都合で身勝手に定義された概念である。


だから、宇宙の物理法則に“時間”は存在しない。

当然、タイムマシンなんてのもあり得ない。

それ以前に宇宙は常に動いている。地球のある一点の座標を、一体何を基準に導き出すというのか。


要は現在の科学は、まだまだ人間の勝手な思い込みに振り回される要素が残っているという事だ。


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支那系のWeb shopは郵送にご用心 [トラブル]

どうでも良い知識だとは思うが、戦前の日本人は中国の事を普通に「支那(シナ)」と呼んでいた。
これは単に発音の問題であり、一説では仏教の伝来と共に普及した発音の呼び名となっているが、真相はわからない。

現在では中国の蔑称となっているらしいが、言葉の元を正せば蔑称でもなんでもない事は知っておくべきだろう。


ところでその支那人(或いはその地域に住むどこぞの人たち)が営むWeb shopには、日本ではあり得ない価格で様々なコンピュータデバイスが販売されている。ある意味この価格は適正であるわけで、日本国内の価格が異常だと私は思っていて(かといって一部の製品は日本国内の価格の方が安い)、そういうモノについては支那系のWeb shopで購入する事が私にとって普通だ。


とはいえ、販売店のサービスと価格が良い場合でも、流通は別問題。
場合によっては中国国内の倉庫をたらいまわしになって消えてしまう事もある。

今まで私は十回以上支那系のWeb shopで購入しているが、荷物が届かなかった事は無い。
しかし今回のケースは初めてだった。


cn00001.png


EMSの配送履歴を見ると、北京の交換局から三度も発送されている。
それも毎日。
最後の日付は8/15というのも意味深だ。

過去の経験では購入から二週間前後で、早い時は一週間程度で届いていたのだが。

後数日で注文から二週間という今、本当に届くのかちょっと心配になっている。


まあ、履歴の反映が遅い事も考えられ、荷物が届いた日に履歴が更新された場合もある。

今回も無事に届くとは思うが、毎回ギャンブルしているようなスリルを味わうのは勘弁して欲しいものである。


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AMDによる最初の7nm CPUはTSMCで製造 [CPU]

AMDの7nmプロセスによるCPU製造の雲行きが怪しくなってきた。
予想していた事だが、Globalfoundries(以下GF)の7nmプロセス開発は上手く行っていないようで、AMDの7nmプロセスによるCPU製造は遅れている。

GFの7nmプロセスによるプロセッサ製造全体の話として、過去の情報では2018年6月現在、GPUである7nm VEGAのサンプル出荷が始まっているらしい。Radeonはそれ以前の情報で“Navi”がTSMCでの製造という情報があったのだが、VEGAの7nm版はGFでの製造である事は確定している。
ただしGFのArF液浸露光による7nm VEGAは生産数が極めて少ないと思われ、一般向けのビデオカードとして出回るのは何時になるのか不明で、ヘタをすると一般向けビデオカードの7nm VEGAが搭載された製品は幻となる可能性すらある。

これは現在の7nmは歩留まりが極めて悪い事が想像され、出荷が極少数でかつ単価の高いHPC向けの製品にとりあえず出す事で株価対策とするつもりなのだと思われる。要は事実上のペーパーローンチというやつだ。


一方でZen2の出荷はIntelとの競争激化により少なくともサーバー向け製品の遅延が許されない状況であり、そのためかGFでの製造が間に合わない場合のバックアップとして準備されたと思われるTSMCでの製造が実行されるようだ。


8月13日に第2世代Ryzen ThreadRipperが発売 AMD CPUロードマップ
http://ascii.jp/elem/000/001/721/1721348/


ネタ元のASCIIの記事にはこう書かれている。

“AMDのZen2、つまり7nm世代を利用したEPYCプロセッサーに関しては、GlobalfoundriesではなくTSMCで製造するということが明らかにされた。 ”


記事にはさらに“これまでのGlobalfoundriesの発表などを見る限り7nmも順調に立ち上がっているという話だった”とあるが、本当に順調ならばこんな事があり得るはずも無い。“順調”というのはAMD側の修正されたスケジュール上の話であり、実際にはかなり遅れが出ていて切羽詰った状況なのだろう。

そしてGFとTSMCでは同じ7nmといえどまったく別物の製造プロセスなので、回路の図面(論理設計)は同じでも製造のための設計(物理設計)はまったくの別モノになる。つまりTSMC製造のZen2と、GF製造のZen2は動作こそ同じであれど物理的に違うCPUとなるわけで、TSMCでの生産が始まる事がGFでの生産に対する後押しにはならない。

さらにTSMCの製造キャパシティは現在それほど余裕があるわけではないという記事をどこかで見かけた。よってTSMCで製造されるZen2コアは当初全てがEPYCに使用され、TSMC製のRyzen出荷はあったとしてもEPYCよりかなり遅れると思われる。


こうした理由から、もしかするとZen2コアのRyzenはGFでのEUVによる7nmプロセスが完成するまで待つ必要があり、7nm Ryzenの出荷は早くとも2020年以降になる可能性もあると私は予想する。

一方で楽観的な予想としてTSMC製のRyzen出荷はEPYCの出荷から数ヵ月以内に始まるという見方も出来るが、実際どうなるかはまったくわからない状況である事は間違いない。



次世代プロセスによる新型プロセッサ製品化の遅延
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-09-22

Zen+について
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-10-01

AMDの7nmチップは2019年以降から
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-02-01

AMDの7nm製品は今年中に出るらしい
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-06-06




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第二世代Threadripperは超ド級CPU [CPU]

「超ド級」という日本語がある。

その昔、イギリスで「ドレッドノート」という戦艦が建造された時、これまでの常識を破る圧倒的な力に世界が震撼した。

その後の軍事力拡大競争で世界各国は「ドレッドノート」に順ずる性能を持つ戦艦を建造し、日本ではこれを「ド級」と称したのだが、さらにその後建造された新型戦艦で「ドレッドノート」を超える戦艦の事を「超ド級」と称し、これが「他を圧倒するもの」という意味で現代まで使われるようになったとさ。(今では単にすごいという意味くらいで濫用されているが)

というわけで、これまでIntelのCore i9が一般向けパソコン用CPUでは最も性能が良かった。これを「ドレッドノート」とするならば、或いは第一世代のThreadripperでもいい。これらを超えた存在が、今回AMDより正式に発表された超ド級CPU「第二世代Threadripper」である。


「第二世代Threadripper」の超ド級なところは以下の通り。


・コア数が最大32コアもある(これまで一般向けパソコン用CPUではCore i9の18コアが最大)
・TDPが250Wもある(私が知る限りFX-9590の220Wが最大、ちなみにCore i9は最大165W)
・CINEBENCHのスコアがライバル(Core i9-7980XE)の1.5倍もある


まあ要はEPYCの劣化版(メモリチャンネルとPCIe本数が減っている)なのだが、動作クロックはTDP250Wという代償と引き換えにベースクロック3Ghz、ブーストで4.2Ghz(2990WXの場合)と頑張ったおかげで、計算能力だけは素直に賞賛すべきレベルにある。


とはいえ、第二世代Threadripperが世界一の座に居られるのはそれほど長くはないかもしれない。

どうせすぐIntelに追い越されるだろうから。


しかし性能はともかく、TDP250Wである。TDPという事は、全コアを4.1Ghzで回せばそれをはるかに上回る消費電力なので、少なくとも300W超えは確実である。
そんなのどうやって冷やすのかと。

CPUクーラーの性能が良くてもエアフローが悪かったらダメだし、熱をケース外に効率よく出せたとしても屋内の温度が高ければサーマルスロットリングでクロックダウンするかもしれない。

そしてクロックダウンを避けるには、夏場はエアコンの無い部屋では絶対に使ってはいけない。部品の寿命を気にするなら設定温度は28℃ではなく、最低でも25℃以下。安物のエアコンはあまり冷えないから、その場合は設定温度をさらに下げる必要があるかもしれない。

さもなくばケースのフタを開放して、扇風機でケース内を強制空冷するか。

性能だけでなく熱対策に必要な労力も超ド級である。

尤も、熱問題はCPUの能力を最大限引き出す使い方の時のみの話だが。


なんにせよ、“それ”が必要である理由を持つ人以外にはおススメできない代物だ。



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東芝のヘリウム入りHDDはHGSTの「HelioSeal」採用か? [ハードディスク]

東芝は昨年12月8日と今年7月31日に、データセンター等エンタープライズ向けと一般向けNAS用の14TBハードディスクを発表している。

世界初、CMR方式で記憶容量14TB を達成したニアラインHDDのサンプル出荷開始について
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/company/news/news-topics/2017/12/storage-20171208-1.html

記憶容量14TBのNAS向け3.5型HDDのサンプル出荷開始について
https://toshiba.semicon-storage.com/jp/company/news/news-topics/2018/07/storage-20180731-1.html


これらは共にヘリウム充填型のハードディスクで、プラッタ枚数は9枚にも達する。


ここで気になるのはヘリウムを密封する方法である。

原子サイズが極めて小さいヘリウムは、生半可な密封ではわずかなスキマ、そう、分子のスキマからでも漏れてしまう。
例えば二酸化炭素ガスが漏れないようなゴムとか樹脂製のパッキンを使った密封容器を使っても、ヘリウムの場合ゴムや樹脂を構成する分子のスキマから漏れてしまうのだ。
だからヘリウムを密封する容器にはアルミや銅、真鍮などの金属製パッキンが必要と思われるが、ハードディスクに金属製パッキンを使うには3.5インチ筐体に2.5インチディスクを収めるような設計でもない限り無理があるし、金属製パッキンは温度変化による金属部品の変形に対する追従性も悪いので、複雑な形状でかつ密封が必要な断面積が大きいハードディスクでは場所によって変形量が大きく異なるから尚更採用が難しい。

こうした事情から世界で初めてヘリウム充填型のハードディスクを実用化したHGST製のハードディスクは、筐体とフタのシールには溶接を用いている。

まあ、仮に金属製のパッキンを使う事でネジ止めによるシールを達成達成できたとしても、ハードディスク一個のフタを止めるのに数十本のネジが必要な気がするので、もしそうであればあまりにも非現実的と言わざるを得ない。

要は小さなハードディスクの大きな断面のスキマを、ヘリウムが漏れないように塞ぐというのはかなりのハイテクなのである。


以上の事から、東芝が自社でヘリウムを密封できるハードディスク筐体を開発したとは考えられない、と思った。

そこで東芝製ヘリウム充填ハードディスクの写真を良く見ると、HGSTのヘリオシール採用ハードディスクの外観と非常に良く似ているのである。

th_he_hdd.jpg

恐らく技術を買ったかなにかして筐体の基本設計や部品等は同じものを使っていると思われる。

・・・あくまで私の想像なので、まったく違う場合も考えられるが。


MG07ACA(アヒル先生の画像検索結果)
https://duckduckgo.com/?q=MG07ACA&t=ffcm&iax=images&ia=images


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