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PCI Express 4.0 は何時から使えるようになるのか [ハードウェア]

昨年私はこんな記事を書いた。

PCI Express 4.0遅延の影響
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-06-09

記事の内容は、現在パソコン用に普及しているPCI Express(以下PCIe) 3.0がすでに帯域不足になっているためPCIe 4.0が早く出て欲しい、という趣旨だが、PCIe 4.0の規格自体は2017年10月、無事に公開された。

だが規格が決まったところで、それが実際の製品となって出回らなければ始まらない。

過去、パソコン用のこうした規格の多く(例えばUSBとか)は規格策定の前に製品が出始め、動作が不安定だったり使い物にならなかったりなのを一般の消費者が我慢して使う事で問題点が洗い出されて、安定した製品が作れるようになるとサーバーで採用という流れが結構あった。

ところが最近、この流れが逆転する事が増えた。
何故なら、近年の高速化した各種デバイスやインターフェイスは、初期の段階ではコストがかかりすぎてパソコン用には使えない事が多いからだ。

これは、古くからはLANの規格がそうだし、最近ではDDR4メモリなどもそうだ。

そしてPCIe 4.0も、始めはサーバーに採用されるようである。


SamsungがPCIe 4.0対応のSSD「8TB NF1 SSD」の量産開始を発表
https://gigazine.net/news/20180622-samsung-kicks-off-8tb-nf1-ssd/


この記事はPCIe 4.0そのものの事ではないが、これに対応したNF1 SSDが量産開始という事は、サーバーの方でもすでにこれに対応した機器が少なくとも生産開始されているという事だ。

恐らく規格策定がほぼ終わった昨年中にもう量産前の試作機が完成していて、テストもツメの段階だったのだろう。


だが、一般消費者向けの製品の話はまったく聞かない。

これは要するにコストの問題だ。
まだ不安定な要素を抱える新製品は、安定性を得る為に「高コストな設計や部品」を使って製造せざるを得ない。現在特定用途のサーバーは社会インフラとして必須であり、日々増え続けるデータの処理を少しでも速く安く行うため、機器への投資はどんどん行う必要があり、PCIeのような規格も半ばコストを度外視したものが許容される。

一方でパソコン用は価格が安い事が最も重要。
LANの1000BASE-Tが、ギガビットLANの規格策定後何年も後にやっと出来上がって、その後も時間をかけてゆっくりパソコン用に降りて来たように、PCIe 4.0もパソコン用として採用されるまでにはまだそれなりの時間がかかる。


正直な話、私は素人なのでPCIe 4.0が何時どうなるかなどまったくわからない。

だがこれまで培った経験と知識から、デタラメよりは多少マシな予測くらいは出来る。

というわけで私のカンでは恐らく、PCIe 4.0はDDR5とほぼ同時期に一般のパソコン用に降りて来るだろう。

これはマザーボード全体の生産コストが最終的にどうなるか、が最も影響を与えるわけで、信号の周波数が高いDDR5の問題が解決出来るのならば、PCIe 4.0の方も解決できるのではないか、と思うからだ。

そのDDR5の採用時期は、私の予測では2021年後半以降という事になっている。

DDR5は何時から使えるようになるのか?
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-05-06-1


ただ一方で、シリアルバスのPCIeとパラレルバスのDDR5ではかなり事情が違う事を考慮しなければならない。

シリアルバスの方がコストダウンは楽なはずなので、PCIe 4.0の方が多少早く出る可能性はあるという事だ。


いずれにせよ、PCIe 4.0が一般のパソコンで採用されるには、まだ少し時間がかかるだろう。



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