次期主力ブラウザ [ソフトウェア]
Firefoxがまったく新しい設計となり、生まれ変わってもう9か月ほどだろうか。
そのおかげで私が愛用するアドオンの半分以上が利用できなくなり、その後仕方なくFirefox 52をベースとするESR版を使い続けている。
だがそのESR版も今月いっぱいでメンテナンス期間が終了し、私の使いたいアドオンが利用不可能な、設計の変わった新しいFirefoxがベースのものになってしまう。
一応、今年の3月頃にはFirefox互換ブラウザの内、Pale MoonとWaterFoxを試用したりもしたが今一つ使い勝手が悪く、今日まで移行を先延ばしにしてきたが、もうそろそろ決めなければならない。
セキュリティリスクをそのままにして現在のFirefox ESRを使うか、それとも他の互換ブラウザに移行するのか。
現在私の使うFirefox ESRは、基本全てのJava scriptを無効とし、広告の類も禁止に設定され、Flashも当然OFFになっているため、一定のセキュリティ対策にはなっていると思う。だがブラウザ本体の脆弱性を突かれたらこうした対策も無意味になる可能性が高い。
一方他の互換ブラウザも、メンテナンスが何時まで続くのかという不安と、本家のFirefoxより脆弱性対策が遅れがちという問題がある。
さらにアドオンの互換性やユーザーインターフェイスの違いといった問題もあり、単に移行といってもそのハードルは低くない。
という事で、改めて現在のFirefox ESR(Firefox 52.8.1)と、Pale Moon、WaterFoxの3つを比較してみた。
比較条件として、インストールするアドオンを全て同じものにし、同時に開くタブの内容と数も全て同じにした。
なお、インストールしたアドオンは「Firebug」「Noscript」「μBlock Origin」「UnMHT」「Tab Mix Plus」の5つ。
以下は比較の結果。
・ユーザーインターフェイスの使いやすさ
使い慣れた本家のFirefoxが当然に最も使いやすい。次いで本家のデザインを踏襲する
WaterFox。そして最後はPale Moon。Firefox52 ESRとは違うUIには慣れが必要だ。
・アドオンの互換性
当然に本家のFirefoxがトップ。次がWaterFoxで、最後にPale Moon。
WaterFoxは旧い仕様のアドオンをサポートすると正式に表明しているだけあって、何も
問題は起きなかった。一方Pale MoonはFirebugとUnMHTについて最新のバージョンが
インストールできず、それぞれ1.12.8.1と7.3.0.5.1の古いバージョンをインストーるせざる
をえなかった。さらにNoScriptに問題があるとして警告が表示されてしまう。
それら以外は特に問題は見当たらなかった。
・動作の軽快さ
最も軽かったのがPale Moon。次に軽かったのは本家Firefox、最も重かったのはWaterfox。
本家とPale Moonは体感でそれほど大きな差はないが、Waterfoxははっきり重いと感じた。
それは消費するメモリの量にも表れており、内容の同じ十数個のタブを開くと、Pale Moonが
342MB、本家が417~441MB、WaterFoxは509MBとかなり大きな差となっていた。
・移行の手間
移行自体が発生しない本家が当然一番良い。次がインストーラで一括移行できるWaterFox。
最後のPale Moonは、ブックマークだけでなくアドオンやクッキーなども含めて全て最初から
入れなおしになるため非常に面倒だ。Profilesフォルダを移植すれば良いという情報もあったが、
問題が出た場合結局は最初から全部入れなおす事になるので、今回は避けた。
以上の結果から、それぞれの環境はそれぞれに長所と短所があり、どれが一番良いのか結論を出すことが難しい。
が、今後のセキュリティリスクや使い勝手などを考えるとWaterFoxが一番良いと思った。
動作の軽さを考えるとPale Moonが一番良いのだが、アドオンの互換性の悪さが痛い。それにUIもFirefox 52に最も近い事から、操作の習得に必要な時間も節約できる。なによりもFirefoxの設定や保存されたクッキーなど、ほとんどがそのまま移行出来るのがいい。
動作の重さについては、パソコンのマシンパワーで解決すればいい。メインのパソコンは当然に問題にならないし、テストに用いた2nd PCは少なくとも6年以上前の古いパソコンなので、こちらはRaven Ridgeにでも更新しよう。メモリも4GBから8GBに増やせば、メモリ消費量の問題も解決出来る。
というわけで今後はWaterFoxを使う事に決定。
使い込んでいく内に何か問題が出なければいいが、とにかくこれで行くしかない。