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完全自動運転のクルマは本当に可能なのか? [クルマ]

何時の頃からか、人間が操作しなくても勝手に走ってくれる自動車が今にも実現するかのようなニュースがあちこちに現れ、そのおかげで「自動運転の自動車がもう間もなく出るかもしれない」という認識が大衆の常識となっている。

そして日本政府からは、それを後押しするように「2020年までに“ほぼ完全自動”なクルマを実用化させる」との発表も過去にあった。


また、巷では「識者」と呼ばれる?人達や、関連する業界(主に自動車とIT関係)の中からも2020年には出来る、という話が少なくないし、マスコミに至っては無責任な「自動運転があたりまえになる」というような煽り記事ばかりが目立つ。


だが、本当のところはどうなのか?


私はGoogleが自動運転の研究を始めたというニュースが出た頃から、完全自動運転の自動車が実用化するには非常に多くの、そして非常に高いハードルがある事を某言論サイトに何度も書き込んだが、そこでは私の書いたことを理解出来た者からの反応は皆無だった。
そして当初から※「道路そのものにも自動運転の機能を持たせる事が必要」という意見も持っていたが、そこまで考えられている意見を私以外に持つ人を見たことがほぼ無い。

※クルマが進入できる全ての道路や駐車場などに各種センサーと通信機能を持たせ、最低でも車載センサーの死角を無くし、道路の状態(路面状況や路上の障害物、道路外から進入する物体等)を他車と情報共有することが必要。それでも悪天候や積雪時などに対応する事は簡単ではない。

“ほぼ”というのは、その後私と同じ考えを持つ人が居ることを、国土交通省かどこかが発表した文書か何かで知ったからで、もちろんそれ以外でも当然にあるはずだが、少なくともこの件に関して、マスメディア上で確認はしていない。

私からすればそんな事は当然という思いだが、どうやらそこまで考えている人はあまり居ないらしい。

とはいえ、少なくとも昔から自動車の研究をしている人なら誰でも思い至る事だとは思うが。


あれから何年過ぎただろうか。

数日前GIGAZINで見つけた記事が、私の見込みの正しさを証明してくれている。


テスラ・モデルSのオートパイロットはなぜ停車中の消防車を避けきれなかったのか?
https://gigazine.net/news/20180129-why-tesla-autopilot-cannot-see-firetruck/


私はある一連の経験から、現在のセンサーを使った道路状況把握の限界がどの程度か感覚的に理解しているし、様々な組織が自動運転の実験成果を発表する度にそれが「極めて限定した条件での成果」だという事も理解しているが、こうした理解を妨げる、情報量の少ないミスリードを誘うかのような発表内容には常に辟易させられている。


まあ、GIGAZINEの記事を読めば解る人なら解るだろうが、ハンドルやペダル類の無い完全自動運転の自動車が普通に買える時代は、現時点では何時到来するのか予測する事が困難である事は間違いない。少なくとも現状を見る限り、2020年頃の市販車は現在のテスラみたいな、オートクルーズ+ハンドル操作に毛が生えた程度(運転中も完全手動運転と同様にハンドルを握って周辺への注意が必要)から脱却する事すら難しいのではないかと私は考えている。


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