CMRという噂のWD80EAZZをテスト [ハードディスク]
もう一か月以上前の話だが、昨年11月末頃にWesten Digital(以下WD)の「WD80EAZZ」というHDDが発売された。
「WD80EAZZ」は一般向けHDDブランドの“WD Blue”に属すが、“WD Blue”はこれまで6TBが最大容量だった。
現在の“WD BLUE 3.5inch Desktop Hard Disk”製品構成。種類が多すぎる。
気になったので「WD80EAZZ」についてあひる先生にお尋ねすると、「WD80EAZZ」はなんとCMRだという。
同じWD BLUEシリーズの4TB(WD40EZAZ)と6TB(WD60EZAZ)はSMRなのに、なぜ今になってCMRの新機種なのか?
そしてCMRだという話は事実なのか?
私はこの話をつい最近知ったので、今更だが実際に買って確かめてみようと思った。
買ってみると、WD80EAZZはWDブランドのHGST製HDDであるようだった。
HGSTはWDに買収されてから約10年経つが、買収当時に子会社化されたまま現在まで独自にHDDを開発していて、主に業務向けのHDDを開発・生産している。
そのせいかHGST製HDDの筐体はWD製と見た目が明確に違うので判別が容易だ。
従ってWD80EAZZもWD40EZAZ等WD製HDDと違う外観の特徴からHGST製であると私は結論する。
というワケで、買って即TxBENCHでゼロライトを実行。
実行直後に撮ったスクリーンショットでは残り時間が15時間余りとなっているが、実際にかかった時間は14時間02分だった。
2年ほど前、SeagateのST8000DM004にゼロライトした時は14時間48分だった事を考えると、回転数がわずかに高い分短時間で終わったようだ。(ST8000DM004は5400r.p.m.、WD80EAZZは5640r.p.m.)
ちなみに室温23℃の中で行ったゼロライト実行中の温度は、放射温度計による測定で最大42℃だった。
私自身がそうするように、ケースに入れてファンで強制冷却した場合40℃を下回る事は間違いない。
さて、ゼロライトが終わったら次はランダムライトのテストを行う。
方法は以前行ったのと同じ、様々なサイズの小さなファイルを大量に用意してFastCopyで書き込む方法だ。
結果は以下の通り。
また、以前テストしたST8000DM004の時の結果は以下。
今回同じ条件のファイル群を用意出来なくて容量で約1割、ファイル数は約3%多いが、それでもST8000DM004より24秒短い。
7200r.p.m.のMD04ACA400と比べると遅いが・・・ランダムアクセスの速度は平均待ち時間の差が大きく影響するため、そこは当然なのか。
以上、テストの結果からWD80EAZZはCMRであると確認出来た。
あとはこれまで一般向けHDDの大半がCMRからSMRに切り替わって来たのに、何故今になってCMRの新製品が出たのか。
私にはその理由を想像する事しか出来ないが。
SMRのデメリットが思っていたよりも大きかったのか。
それとも、技術の進歩でSMRを採用する利点が減ったのか。
或いは単に売れ残り(監視カメラ向けでほぼ同じ仕様のWD84PURZがある)の再利用なのか。
理由はともかく、CMRの大容量HDDの選択肢が増えた事を素直に喜ぼうと思う。
追記
一昨年の秋頃、WDがNAS用HDDにSMRを採用しながらその情報を公表せず炎上して以降、私はWD製HDDを買わずにいたのだが。
今回の「WD80EAZZ」に限り解禁しようと思う。
WDブランドではあるがHGST製という事もあるし、8TBのCMRなHDDで安価な機種は貴重だからだ。
まあ、私の場合すでにHGST製のヘリウム入り8TBを2台持っている上にSeagateのST8000DM004と今回のWD80EAZZがあるため、次に買うとしたらもっと容量が多い機種にしたいので買う機会は無いかもしれないが・・・
参考:
大容量HDDはWD Blueの8TBモデルがオススメ! 理由はCMR記録方式による信頼性
https://ascii.jp/elem/000/004/077/4077757/2/
CMR採用8TB HDDの新モデル「WD Blue WD80EAZZ」を買ってみた、コスパは最強?
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1377840.html
CMRなHDDがどんどんなくなっていく
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
SMRなハードディスク、ST8000DM004を試す
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-13
ST8000DM004を試すその2
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-16
HDDおみくじとやらを引いてみた
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-08-18
「WD80EAZZ」は一般向けHDDブランドの“WD Blue”に属すが、“WD Blue”はこれまで6TBが最大容量だった。
型番 | 仕様 |
WD5000AZLX | 32MB,7200rpm,500GB |
WD5000AZRZ | 64MB,5400rpm,500GB |
WD10EZEX | 64MB,7200rpm,1TB |
WD10EZRZ | 64MB,5400rpm,1TB |
WD20EZAZ | 256MB,5400rpm,2TB |
WD20EZBX | 256MB,7200rpm,2TB |
WD20EZRZ | 64MB,5400rpm,2TB |
WD30EZAZ | 256MB,5400rpm,3TB |
WD30EZRZ | 64MB,5400rpm,3TB |
WD40EZAZ | 256MB,5400rpm,4TB |
WD40EZRZ | 64MB,5400rpm,4TB |
WD60EZAZ | 256MB,5400rpm,6TB |
WD80EAZZX | 128MB,5640rpm,8TB |
現在の“WD BLUE 3.5inch Desktop Hard Disk”製品構成。種類が多すぎる。
気になったので「WD80EAZZ」についてあひる先生にお尋ねすると、「WD80EAZZ」はなんとCMRだという。
同じWD BLUEシリーズの4TB(WD40EZAZ)と6TB(WD60EZAZ)はSMRなのに、なぜ今になってCMRの新機種なのか?
そしてCMRだという話は事実なのか?
私はこの話をつい最近知ったので、今更だが実際に買って確かめてみようと思った。
買ってみると、WD80EAZZはWDブランドのHGST製HDDであるようだった。
HGSTはWDに買収されてから約10年経つが、買収当時に子会社化されたまま現在まで独自にHDDを開発していて、主に業務向けのHDDを開発・生産している。
そのせいかHGST製HDDの筐体はWD製と見た目が明確に違うので判別が容易だ。
従ってWD80EAZZもWD40EZAZ等WD製HDDと違う外観の特徴からHGST製であると私は結論する。
というワケで、買って即TxBENCHでゼロライトを実行。
実行直後に撮ったスクリーンショットでは残り時間が15時間余りとなっているが、実際にかかった時間は14時間02分だった。
2年ほど前、SeagateのST8000DM004にゼロライトした時は14時間48分だった事を考えると、回転数がわずかに高い分短時間で終わったようだ。(ST8000DM004は5400r.p.m.、WD80EAZZは5640r.p.m.)
ちなみに室温23℃の中で行ったゼロライト実行中の温度は、放射温度計による測定で最大42℃だった。
私自身がそうするように、ケースに入れてファンで強制冷却した場合40℃を下回る事は間違いない。
さて、ゼロライトが終わったら次はランダムライトのテストを行う。
方法は以前行ったのと同じ、様々なサイズの小さなファイルを大量に用意してFastCopyで書き込む方法だ。
結果は以下の通り。
また、以前テストしたST8000DM004の時の結果は以下。
今回同じ条件のファイル群を用意出来なくて容量で約1割、ファイル数は約3%多いが、それでもST8000DM004より24秒短い。
7200r.p.m.のMD04ACA400と比べると遅いが・・・ランダムアクセスの速度は平均待ち時間の差が大きく影響するため、そこは当然なのか。
以上、テストの結果からWD80EAZZはCMRであると確認出来た。
あとはこれまで一般向けHDDの大半がCMRからSMRに切り替わって来たのに、何故今になってCMRの新製品が出たのか。
私にはその理由を想像する事しか出来ないが。
SMRのデメリットが思っていたよりも大きかったのか。
それとも、技術の進歩でSMRを採用する利点が減ったのか。
或いは単に売れ残り(監視カメラ向けでほぼ同じ仕様のWD84PURZがある)の再利用なのか。
理由はともかく、CMRの大容量HDDの選択肢が増えた事を素直に喜ぼうと思う。
追記
一昨年の秋頃、WDがNAS用HDDにSMRを採用しながらその情報を公表せず炎上して以降、私はWD製HDDを買わずにいたのだが。
今回の「WD80EAZZ」に限り解禁しようと思う。
WDブランドではあるがHGST製という事もあるし、8TBのCMRなHDDで安価な機種は貴重だからだ。
まあ、私の場合すでにHGST製のヘリウム入り8TBを2台持っている上にSeagateのST8000DM004と今回のWD80EAZZがあるため、次に買うとしたらもっと容量が多い機種にしたいので買う機会は無いかもしれないが・・・
参考:
大容量HDDはWD Blueの8TBモデルがオススメ! 理由はCMR記録方式による信頼性
https://ascii.jp/elem/000/004/077/4077757/2/
CMR採用8TB HDDの新モデル「WD Blue WD80EAZZ」を買ってみた、コスパは最強?
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/1377840.html
CMRなHDDがどんどんなくなっていく
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-02-22
SMRなハードディスク、ST8000DM004を試す
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-13
ST8000DM004を試すその2
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2020-02-16
HDDおみくじとやらを引いてみた
https://17inch.blog.ss-blog.jp/2019-08-18
コメント 0