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スーパーコンピューター「富岳」が世界一位になったらしい [ハードウェア]

富士通が開発しているスーパーコンピューター「富岳」が、世界ランキング「TOP500」「HPCG」「HPL-AI」「Graph500」の4つで1位を獲得したという。

日本のスーパーコンピューター「富岳」が4つの世界ランキングで1位を獲得
https://gigazine.net/news/20200623-japan-fugaku-fastest-supercomputer/


このところ日本製のスーパーコンピュータは消費電力あたりの性能で世界一位にはなる事があっても、計算性能で一位になる事はなかっただけに、驚きと嬉しさが混ざった感情が沸き上がって来る。

驚きの理由は、「富岳」が絶対性能よりも汎用性と可用性、そして経済性を重視して設計されている、という話しを以前なにかの記事で見た覚えがあるからだ。

富岳の前、“京”の時は性能で世界一位になったものの、あまり売れなかった事を反省したらしい。

また、一般に性能が劣ると思われがちなArm系CPUコアを使う事も、その理由だ。


まあキャッシュメモリにHBMを使っていたり、スーパーコンピュータ用に拡張された浮動小数点演算器がCPUにあったりと、Arm系とは言っても命令処理の前段階以外の部分はまったくの別物らしいが。

とはいえ、世の中に広く出回っているArm系CPUの命令が実行できるから、プログラムを作る技術者のすそ野は広大だ。

そして消費電力の削減に力を入れているため、消費電力当たりの性能もトップクラスだという。

初めて京の次はArmでやる、という話しを聞いた時には不安に思ったが、これなら京の二の舞を踏むことは無いだろう、と思える。


なんにせよ、今回の結果は今後の日本の行く末に少なくない影響を与えるだろう。

現在グローバル化と地球規模の分業化が進み、その結果人類の衰退と言えるほどに大きな問題が多数出て世界中が混乱の渦に巻き込まれている。

だから今後は、グローバル化の利点は可能な限り残しつつ、自国の安全と繁栄のために自力でやるべき事を他国任せにしないよう、国ごとに人と技術の向上を目指さなければならない。

富岳がその道しるべの一つになる事を願う。


・追記

スーパーコンピュータの話になると、民主党政権時代の事業仕分けで「2位じゃだめなんでしょうか」という言葉で話題になった例が挙げられるが、今回は「富岳」がベンチマークで一位を目標としていなかった事について取り沙汰されている。

しかし勘違いしてはいけない。

「富岳」は「二番でもいい」という思想で設計されているわけではないからだ。

理研の松岡氏の言葉

「富岳はあらゆるアプリケーションで最高の性能を発揮することを目指したマシンだ。世界1位となったのはその結果であり、決してその逆ではない」

これは、一位よりもはるか先の頂を目指して開発している証拠である。



参考記事:

Top500の1位は理研の富岳スパコン、Green500はPFNのMN-3が獲得
https://news.mynavi.jp/article/20200623-1062804/

日本の「富岳」がスパコン世界ランキング1位
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1260702.html

ベールを脱いだ「ポスト京」CPU、アーキと性能を見る
https://eetimes.jp/ee/articles/1808/23/news085.html

富岳 (スーパーコンピュータ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%B2%B3_(%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)


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