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汎用性が著しく落ちたUSB4規格と専用ケーブル [USB]

先月、突然発表されたUSB4。

一昨年に発表されたUSB3.2の後継規格になるが、これが現在IntelとAppleで利用されているThunderbolt 3をそっくり利用し、統合された規格となっている。

この件について私はいくつかの懸念を抱いて、先月以下の記事を書いた。

今度はUSB4
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-03-05


要は規格がより複雑になる事と、ケーブルの問題だ。

現在のUSBですら、データ転送の規格とコネクタ形状の規格が増えた事で利用者にとって非常に理解し辛いものとなっている。

特にType-Cケーブルを利用する必要がある場合、もはやケーブルの選択間違いを避けることは困難な状況であり、一部のUSB規格に詳しい人か、ケーブル選択に慎重で自ら規格について学んだ人のみが正しいケーブルを選べるという状況である。

今回このケーブル問題に新たな問題が浮上する事が判明した。


USB 4の発表で、USB 3.2はどうなった?
https://ascii.jp/elem/000/001/848/1848727/


この記事の最後の方に、

“USB 4.0最大の懸念は40Gbps準拠のケーブル”

と見出しに書かれた部分がある。

そう、見出しの通り、USB4の目玉である40Gbpsの速度を利用する場合、専用のケーブルが必要になるのだ。


ケーブルの見た目はあくまで両端がUSB Type-Cコネクタの、既存のケーブルと同じだ。コレを見分けるには何か印が必要で、当然にその印は付加されるだろうが、普通そんなモノに気付く人は居ない。

自分からその印の存在を確認する人は例外だが。

まあ、店で陳列されているパッケージには間違いなく見分けが付くよう、何かロゴとか「~対応」といった言葉が印刷されているだろう。しかしそれもパッケージから出してしまえば、あの小さなUSB Type-Cコネクタのどこかにロゴか何かを刻印する程度では見分けが付かなくなる。

これを防ぐにはケーブルに目立つような印刷をしたり、ケーブルやコネクタを既存のケーブルに無い色で作る等の工夫が必要になり、さらにそれらを消費者達に覚えてもらう必要がある。


そしてさらに記事中にもあるが、ケーブル長さの問題も出てくる。

Thunderbolt 3規格では40Gbpsの速度を利用したい場合、ケーブル長は50cmが限界となっている。

もっと長いケーブルを使いたい場合は“アクティブケーブル”という、中間に信号の波形を整えたり増幅したりする機能を持つデバイスを埋め込んだケーブルが必要で、これを使う場合には2Mまで延長出来るという事だが、そのようなケーブルはとても高価になる事は間違いない。(多分1万円以上はすると思う)

そのうえアクティブケーブルは相性問題でUSB3.1デバイスを認識しない場合があるというオマケ付きだ。

そんなもの、一部の特殊な用途以外では誰も使う事が出来ないだろう。


このように複雑さが増しているUSB規格。

元々非常に単純で、正に汎用インターフェイスとして大歓迎されて来た経緯でこれほど広く利用されるようになったが、USB 3.0の頃から複雑になりはじめ、今では規格そのものは汎用だが利用については専用になっているという、本末転倒な事になってしまっている。

こんな事になるのなら、過去のUSB 2.0までとそれ以降で分けて、USB3.0以降はType-Cケーブル専用とし、Type-Cケーブルも規格で縛って一種類のみにして欲しい。

こうすれば少なくともケーブルは2種類に減って、消費者も理解しやすくなるのではないかと思う。


参考

USB3.2の規格が発表される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-07-26-1


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