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USB 3.2は今年中に出るらしいが・・・ [USB]

20Gbpsの転送速度を誇るUSBの次期規格「USB 3.2」は2019年中にPCへの搭載が始まる見通し
https://gigazine.net/news/20190227-usb-3-2-appearance/


このGIGAZINEの記事によると、今年中にUSB 3.2を搭載したパソコンが出るらしい。
具体的にはUSB 3.2(Gen3)対応のコントローラが販売開始されるので、それらを搭載した機器が出るという事。

前回、私がUSB 3.2について記事を書いたのは一昨年前の七月。

USB 3.2の規格が発表される
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2017-07-26-1

この時はUSB 3.2の規格が発表された事を書いたが、あれから約一年半経つ。

予定では今年後半に出るようなので、規格策定から二年で現物が出るのか。


ちなみにUSB 3.2がどんなモノなのかと言うと

・USB 3.2は従来のUSB 3.0/3.1との互換性がある
 互換性は後方互換性であり、USB 3.0のホストにUSB 3.2のデバイスを接続すれば
 当然にUSB 3.0の機能に限定された動作となる(その逆もまた同様)

・従来のUSB 3.0/3.1の機能に加えて、伝送速度20Gbpsのモードが追加
 これによりUSB 3.2 Gen1/Gen2/Gen3という区分が出来て、それぞれ5/10/20Gbpsとなる
 ただしGen3の20Gbpsは、ケーブルを含めホスト・デバイス・ハブ全ての対応が必要

というわけで、要はUSB 3.1の最大10Gbpsから“条件を満たせば倍の20Gbpsになる規格”だと思えばいい。

ただし20Gbpsの速度を出すためには、ケーブルがUSB Type-Cケーブル(両端がType-Cコネクタ)である必要がある。

つまり従来からあるType-A/BコネクタケーブルではGen2の10Gbpsまでしか使えないという事。

そしてこれは“マルチレーン動作”という仕組みで実現させると言う。

実際どうやるのか具体的な内容は未確認なので想像するしかないが、USB 3.1まではTX/RX(送信/受信)と分かれているデータ線を両方TX或いはRXに占有させる半二重通信になるのか、それともTX/RXの線を二組ずつ使うのか、どちらかが考えられる。

前者であればType-A/Bコネクタのケーブルでも可能だと思うが、それがサポートされないという事を考えると後者の方法だろうか。

後者の方法は“Alternate Mode”としてディスプレイ信号やPCI Expressの信号送信に使われているので、それをUSBの信号にも使えるようにしたという事だろう。


いずれにせよ、数年前に出たUSB 3.1(Gen2)ですら満足に普及しているとは言えない状況であり、ましてやType-Cコネクタを使う機器も普及はまだ途上にある現状、今年からUSB 3.2を出したところでパソコン側にその機能があっても、対応する周辺機器がまったく出ないのでは話にならない。

メインのパソコンをType-Cコネクタの有るRyzenのマザーボードで組んでから1年半以上経つが、今までUSB Type-CコネクタやUSB3.1 Gen2の必要なデバイスなど扱う事が無かったし、昨年から今年にかけて最新のノートパソコンを何台か触る機会もあったが、いずれもType-Cコネクタを持つものの、現実的な使い道が充電くらいしか無いのでは一体なんのためにあるのかと考えさせられる。

他に使い道を考えると外付けのハードディスクやSSDがあるが、これらも主流はType-Aコネクタを使ったUSB 3.1 Gen1接続の物だ。

そして現在外付けストレージデバイスの主流はUSBメモリである。

正にこのUSBメモリこそが、そのほとんど全てといって良い製品でType-Aコネクタが採用されており、極一部でMicro-BコネクタやType-Cコネクタの製品が存在する程度。

考えて見ればUSBメモリはほとんど全てがUSB 3.0或いはUSB 3.1(Gen1)の5Gbpsで間に合うデータ転送速度250MB/s未満で、実際に買われている大半の製品は100MB/sにすら届かない。インターフェイスの速度がどれほど速くとも無意味なのである。

こうして現在普及する周辺機器(他に一般的な周辺機器というとプリンター、マウスやキーボード、カメラくらいか?)を考えると、USB 3.xの高速データ伝送とType-Cコネクタの存在意義を否定する現実しか思い浮かばない。

制限がほとんど無く扱いやすいUSB 2.0とType-Aコネクタの組み合わせで十分じゃないか、と。

そんな中でUSB 3.2が出た所で、どれだけの人がその恩恵を受けられるというのか。


まあ、新しい規格というものはそういうものかもしれない。

ただはっきり言える事は、発表されたところで誰も知らないとか、知っている人にもその存在が忘れ去られるに十分な時間が経った頃になってようやく普及が始まる、というようになるだろうという事。(場合によっては規格上存在するだけで普及する事無く終わる可能性もあるが)

従って今は、そーいうモノが出るんだな、程度の認識に止め、無駄な期待はしない方が良いだろう。



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