Asrock DeskMini A300を組立てた [ハードウェア]
前回の記事から間が空いたが、やっとAsrock DeskMini A300を組立て終わった。
以下は入手してから今日まで、少しずつ消化して来た内容をまとめたものである。
今回DeskMini A300で一台組むために使った部品は以下の通り。
ベアボーン Asrock DeskMini A300
CPU AMD Ryzen 3 2200G
メモリ DDR4 2400 8GB x 2 (CORSAIR CMSX16GX4M2A2400C16)
SSD ADATA XPG SX6000 PRO 256GB※
HDD その辺に転がっていた中古の2.5inch 500GB HDD
※XPG SX6000 PROはDeskMini A300と相性問題が出るため使ってはいけない。
以上、部品代の総額は5万円余り。あとはコレにWindowz10 Pro を加えて大体7万円程度か。
次は組立てだが、DeskMini A300の場合組立ては非常に簡単だ。
ストレージがM.2 SSDのみならば部品をネジで固定する作業も1ヶ所のみで、配線すら不要。
2.5inchドライブを搭載するのであればネジでの固定や配線の接続が増えるが、それも一般的なATXケースでの組立てと比べ格段に容易であるし、長い配線を取り回す面倒もまったく無い。
ケースと電源、マザーボードが汎用部品で構成される組立てパソコンとは次元の違う簡単さだ。
慣れてしまえば、単に組むだけならば5分とかかるまい。
ちなみに今回、私は普通に組めば発生する事の無い手順を二つ追加している。
一つはM.2 SSDのヒートシンクを製作する事。
メインストレージの「ADATA XPG SX6000 PRO」はNVMeのSSDなので、例に漏れず発熱が多い。
このためメインで使うパソコンの「ADATA XPG SX8000」と同様にヒートシンクを自作したが、今回はヒートシンク本体は市販品でちょうど良い大きさ(幅22mm、長さ66mm)の物が手元にあったのでこれに固定用金具を作ってSSDに固定。
手抜きでネジ2本止め。本来この止め方ならば後ろも2ヶ所止めなければならない
ヒートシンクへの熱伝導には3Mの「ハイパーソフト 5580H 0.5mm厚」を適当なサイズに切って使った。
二つ目は、一度はベアボーン付属のCPUクーラーをそのまま使った(CPU付属の物は大きすぎて使えない)ものの、ファンの風切り音がうるさいので「AthlonⅡ X2 250e」付属の物に交換した事だ。
なお、交換の際比較して判明した事だが、冷却能力はAthlonⅡ X2付属の物の方が高いと思われる。
比較するとわかるが、一見AMD純正ヒートシンクと同じ物に見えるベアボーン付属品はヒートシンク本体を比べると明らかにAthlonⅡ X2の物の方がフィンの数(=表面積)が多い。ヒートシンクの性能は当然、表面積が多い方が優秀だ。
左がAthlonⅡ X2付属、右がDeskMini A300付属のヒートシンク。
フィンの枚数だけでなく、ナナメ4方向に伸びる“腕”の太さの違いにも注目。
ヒートシンクの厚みはどちらもまったく同じだった。
最大で80W程度は電力を消費すると思われる「Ryzen 3 2200G」は、ベアボーン付属のヒートシンクでは少し不安がある。出来ればもっと冷えそうなモノに交換したい所だが、元々ベアボーン付属を使うつもりだった事もあって、とりあえずこれで行く事にする。
というわけで写真を撮ったり追加の部品製作など、余計な作業がほとんどを占めた組立て作業が完了。
ちなみに風の噂で「DeskMini A300はメモリのオーバークロックが通りやすい」という情報を得て、DDR4-3200までオーバークロック(1.35V 19-19-19-41)するとあっさり通るので、メインメモリはオーバークロックのまま使う事にする。
組立てが終わった後は、Windowz10のインストール後に裏でHWiNFO64を実行しながらベンチマークを回してみた。
最初は定番のCINEBENCH15。
結果、メモリをオーバークロックしている分スコアが伸びているようだった。
次は3DMARKをインストールして実行。
定番のベンチマークを一通りやってみたが、TimeSpyはさすがに重かった。
だがその他のベンチマークは意外と良く動く。
メインメモリのオーバークロックもあるが、これだけ動けば3Dゲームもそれなりに遊べるのかもしれない。
その次は約十年前、当時話題となった「Heaven」というDirect X11のベンチマーク。
当時かなり重い事で有名だったが、10年経った今でもやはり重かった。
ディスプレイ解像度は1980x1200、グラフィックは一番重い設定で実行すると、平均で17.6FPSだった。
以上、ベンチマークはこの三つしか行わなかったが、HWiNFO64によるとCPUの最大温度は73.6℃(室温21℃)と低い。
TDP45WのCPUに付属していたヒートシンクでも意外と冷えるのか、それとも思った以上に負荷がかからなかったのか。
ちなみに手持ちのワットメーターで確認した最大消費電力は70W程度。これも低い。
尤も、ワットメーターが安物で表示の更新が1秒に1回程度なので、瞬間的にしか出ないであろうピーク値が拾えていないのか、適当に数字が丸められている可能性が高い。
この3つのベンチマーク結果を踏まえてDeskMini A300+Ryzen3 2200G+メモリOC(DDR4 3200)の評価をすると、性能的には中途半端だがコストパフォーマンスは非常に高いと言える。
性能的な面は過去に色々なサイトで出された結論通りだが、その性能がこの大きさに収まるという点でも非常に評価出来る。
消費電力も思ったより低く、アイドル状態で13W前後、ベンチマーク中の最大値で70W程度だった。
ただし最大消費電力は瞬間的なピーク値が拾えていない可能性が高い。
そして意外だったのがメインメモリのオーバークロックが容易である事。
安物のDDR4-2400 SO-DIMMなのにあっさりと1.35VでDDR4-3200が安定動作する辺り、メインボードの小ささからどうしようもなく起きる基盤の多層化と、CPUからメモリスロットまでの距離が近い事が相乗効果となっている事は間違いない。
極めて小さな筐体の完成度は高く、組立てやメンテナンスの容易さはこれ以上が無いほど高い事も合わせると、一般的な用途でビデオカードの増設を排除したパソコンを一台組むとしたら、これ以外の選択肢は考えられないと個人的に思う。
少なくとも、これまでMini-ITXで組んでいた事が馬鹿馬鹿しく思える。
というか昨年末から今年一月末にかけてMini-ITXで5台も組んでいるのだが・・・あと2ヶ月、いやせめて1ヶ月早く出くれていたら良かったのに!!!
まあDeskMiniシリーズは本来、その大きさを考えればAthlon 200GEとか、IntelならばCeleronやPentium辺りのローエンドCPUとの組み合わせが最適であると思う。
それが技術の進歩でこれだけ高性能なCPU(APU)が選択出来るようになった事は、素直に喜ぶべきだ。
来年には7nmなAPUも出る可能性があるので、その時にはさらに高性能なCPUとGPUの組み合わせが期待できる。
DeskMini A300の未来はとても明るいと思う。
関連記事
DeskMini A300 不具合解消
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-03-17
DeskMini A300の不具合
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-03-10
DeskMini A300に無線LAN増設
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-03-02
Asrock DeskMini A300を入手
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-02-08
Asrock DeskMini A300に期待
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2019-01-12
以下は入手してから今日まで、少しずつ消化して来た内容をまとめたものである。
今回DeskMini A300で一台組むために使った部品は以下の通り。
ベアボーン Asrock DeskMini A300
CPU AMD Ryzen 3 2200G
メモリ DDR4 2400 8GB x 2 (CORSAIR CMSX16GX4M2A2400C16)
SSD ADATA XPG SX6000 PRO 256GB※
HDD その辺に転がっていた中古の2.5inch 500GB HDD
※XPG SX6000 PROはDeskMini A300と相性問題が出るため使ってはいけない。
以上、部品代の総額は5万円余り。あとはコレにWindowz10 Pro を加えて大体7万円程度か。
次は組立てだが、DeskMini A300の場合組立ては非常に簡単だ。
ストレージがM.2 SSDのみならば部品をネジで固定する作業も1ヶ所のみで、配線すら不要。
2.5inchドライブを搭載するのであればネジでの固定や配線の接続が増えるが、それも一般的なATXケースでの組立てと比べ格段に容易であるし、長い配線を取り回す面倒もまったく無い。
ケースと電源、マザーボードが汎用部品で構成される組立てパソコンとは次元の違う簡単さだ。
慣れてしまえば、単に組むだけならば5分とかかるまい。
ちなみに今回、私は普通に組めば発生する事の無い手順を二つ追加している。
一つはM.2 SSDのヒートシンクを製作する事。
メインストレージの「ADATA XPG SX6000 PRO」はNVMeのSSDなので、例に漏れず発熱が多い。
このためメインで使うパソコンの「ADATA XPG SX8000」と同様にヒートシンクを自作したが、今回はヒートシンク本体は市販品でちょうど良い大きさ(幅22mm、長さ66mm)の物が手元にあったのでこれに固定用金具を作ってSSDに固定。
手抜きでネジ2本止め。本来この止め方ならば後ろも2ヶ所止めなければならない
ヒートシンクへの熱伝導には3Mの「ハイパーソフト 5580H 0.5mm厚」を適当なサイズに切って使った。
二つ目は、一度はベアボーン付属のCPUクーラーをそのまま使った(CPU付属の物は大きすぎて使えない)ものの、ファンの風切り音がうるさいので「AthlonⅡ X2 250e」付属の物に交換した事だ。
なお、交換の際比較して判明した事だが、冷却能力はAthlonⅡ X2付属の物の方が高いと思われる。
比較するとわかるが、一見AMD純正ヒートシンクと同じ物に見えるベアボーン付属品はヒートシンク本体を比べると明らかにAthlonⅡ X2の物の方がフィンの数(=表面積)が多い。ヒートシンクの性能は当然、表面積が多い方が優秀だ。
左がAthlonⅡ X2付属、右がDeskMini A300付属のヒートシンク。
フィンの枚数だけでなく、ナナメ4方向に伸びる“腕”の太さの違いにも注目。
ヒートシンクの厚みはどちらもまったく同じだった。
最大で80W程度は電力を消費すると思われる「Ryzen 3 2200G」は、ベアボーン付属のヒートシンクでは少し不安がある。出来ればもっと冷えそうなモノに交換したい所だが、元々ベアボーン付属を使うつもりだった事もあって、とりあえずこれで行く事にする。
というわけで写真を撮ったり追加の部品製作など、余計な作業がほとんどを占めた組立て作業が完了。
ちなみに風の噂で「DeskMini A300はメモリのオーバークロックが通りやすい」という情報を得て、DDR4-3200までオーバークロック(1.35V 19-19-19-41)するとあっさり通るので、メインメモリはオーバークロックのまま使う事にする。
組立てが終わった後は、Windowz10のインストール後に裏でHWiNFO64を実行しながらベンチマークを回してみた。
最初は定番のCINEBENCH15。
結果、メモリをオーバークロックしている分スコアが伸びているようだった。
次は3DMARKをインストールして実行。
定番のベンチマークを一通りやってみたが、TimeSpyはさすがに重かった。
だがその他のベンチマークは意外と良く動く。
メインメモリのオーバークロックもあるが、これだけ動けば3Dゲームもそれなりに遊べるのかもしれない。
Night Raid | Sky Diver | Cloud Gate | Ice Storm Ex | |
総合 | 9615 | 9480 | 12058 | 88866 |
Graphics | 12256 | 10065 | 23195 | 102923 |
CPU | 4330 | 7075 | 4499 | 60125 |
その次は約十年前、当時話題となった「Heaven」というDirect X11のベンチマーク。
当時かなり重い事で有名だったが、10年経った今でもやはり重かった。
ディスプレイ解像度は1980x1200、グラフィックは一番重い設定で実行すると、平均で17.6FPSだった。
以上、ベンチマークはこの三つしか行わなかったが、HWiNFO64によるとCPUの最大温度は73.6℃(室温21℃)と低い。
TDP45WのCPUに付属していたヒートシンクでも意外と冷えるのか、それとも思った以上に負荷がかからなかったのか。
ちなみに手持ちのワットメーターで確認した最大消費電力は70W程度。これも低い。
尤も、ワットメーターが安物で表示の更新が1秒に1回程度なので、瞬間的にしか出ないであろうピーク値が拾えていないのか、適当に数字が丸められている可能性が高い。
この3つのベンチマーク結果を踏まえてDeskMini A300+Ryzen3 2200G+メモリOC(DDR4 3200)の評価をすると、性能的には中途半端だがコストパフォーマンスは非常に高いと言える。
性能的な面は過去に色々なサイトで出された結論通りだが、その性能がこの大きさに収まるという点でも非常に評価出来る。
消費電力も思ったより低く、アイドル状態で13W前後、ベンチマーク中の最大値で70W程度だった。
ただし最大消費電力は瞬間的なピーク値が拾えていない可能性が高い。
そして意外だったのがメインメモリのオーバークロックが容易である事。
安物のDDR4-2400 SO-DIMMなのにあっさりと1.35VでDDR4-3200が安定動作する辺り、メインボードの小ささからどうしようもなく起きる基盤の多層化と、CPUからメモリスロットまでの距離が近い事が相乗効果となっている事は間違いない。
極めて小さな筐体の完成度は高く、組立てやメンテナンスの容易さはこれ以上が無いほど高い事も合わせると、一般的な用途でビデオカードの増設を排除したパソコンを一台組むとしたら、これ以外の選択肢は考えられないと個人的に思う。
少なくとも、これまでMini-ITXで組んでいた事が馬鹿馬鹿しく思える。
というか昨年末から今年一月末にかけてMini-ITXで5台も組んでいるのだが・・・あと2ヶ月、いやせめて1ヶ月早く出くれていたら良かったのに!!!
まあDeskMiniシリーズは本来、その大きさを考えればAthlon 200GEとか、IntelならばCeleronやPentium辺りのローエンドCPUとの組み合わせが最適であると思う。
それが技術の進歩でこれだけ高性能なCPU(APU)が選択出来るようになった事は、素直に喜ぶべきだ。
来年には7nmなAPUも出る可能性があるので、その時にはさらに高性能なCPUとGPUの組み合わせが期待できる。
DeskMini A300の未来はとても明るいと思う。
関連記事
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