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Intelの新しいマイクロアーキテクチャ [CPU]

昨日複数のWebサイトで、Intelの新しいCPUアーキテクチャ“Sunny Cove”が公開されたという記事が掲載された。


Intel、次世代CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」の概要を明らかに
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1158093.html

Intel、次世代マイクロアーキテクチャ「Sunny Cove」(コード名)発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1812/13/news066.html

インテル、次世代CPUアーキテクチャ「Sunny Cove」や3Dパッケージング技術「Foveros」発表
https://japan.cnet.com/article/35130047/


これらの記事内容を要約すると以下のようになる。


・Intelの次世代CPUマイクロアーキテクチャは“Sunny Cove”という

・“Sunny Cove”は10nmプロセスで製造されるCPU「Ice lake」に使われる

・IPCと省電力性能の大幅な向上が図られている

・AIや暗号処理などの機能が追加される

・新しい内蔵GPU“Gen11”は1TFLOPSを超える性能

・“Gen11”はH.265/HEVCエンコーダなど新しい機能がいくつか追加される


以上、大雑把にはこんな感じだ。

これらの情報から、Ice lakeは現行のCoffee Lakeと比べて“飛躍”と呼べるほどの高性能化を果たすと想像出来る。

CPUコアは同時に実行できる命令数が増え、L1とL2キャッシュメモリも増加し、これら以外にも命令の実行効率を上げる改良がされているという事で、従来(Sky lake以降)と比べ同じ動作周波数での性能がかなり上がっているようだ。

また内蔵されるGPUについても、実行ユニットが倍増し、様々な改良が加えられているために現在のAMD製APUの内蔵GPUよりも高性能になる事は確実と思われる。


そしてさらに、今回の発表ではCPUパッケージも大きく変わる事が示された。

それは新しい2D/3Dパッケージング技術で、用途に合わせて機能別のダイ(説明画像ではChipletとなっている)を組み合わせ、平面に並べるだけでなくCPUコア等の上にも別のChipletを乗せる事が可能になっているようだ。

intel_2d3d_pac.jpg

今回のタイミングでこのような技術が出てきた理由はいくつか考えられるが、その一つは先に出たAMDのRomeと同様、IOやメインメモリのインターフェイスが10nm以降の最先端製造プロセスでは色々問題があるからだろう。

また、Intelの説明に使われた画像ではCPUとGPUが10nm、IOは14nm、メモリーインターフェイスは22nmというような例が示されているように、機能によって異なるプロセスで製造されたChipletが使われるようである。

これはAMDのRomeが7nmのCPUコアと14nmのIOを組み合わせた事に似ているが、Intelのそれはずっと先進的な実装であるように私には見える。

だがこれは当然に、コスト的には従来の単一のダイを乗せるだけの場合と比べてかなり高くつく技術だ。もちろん2種類のChipletを組み合わせるだけの、AMDのRomeのパッケージと比較しても高価だと思う。さらにパッケージが複雑な分歩留まりにも影響が出る事は確実なので、なおさら高くつきそうだ。

なので高い動作周波数と安価である事が要求される一般のパソコン用CPUの場合、3Dは利用されないだろう。


というわけで。

この手の発表では常にそうであるように、今回も実物が出て来なければ何もわからないに等しい状況ではあるが。

2019年の末までには出るとされる“Ice lake”は、Sandy bridgeからCoffee LakeまでのIntel製CPUをイメージしているとちょっと想像が付かないような、非常に大きな飛躍をしてくる事は間違いない。


今後パソコン用CPUはCPUコアとIOを別ダイで製造するらしい
https://17inch.blog.so-net.ne.jp/2018-12-05


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