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今後パソコン用CPUはCPUコアとIOを別ダイで製造するらしい [CPU]

ZEN 2ベースの64コアCPU「Rome」はなぜCPUとI/Oを分離したのか
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/1156455.html

昨日PC Watchに掲載されたこの記事によると、今後新たに出てくるCPUはCPUコアとIOを別ダイで製造する事になる流れであるようだ。

先日AMDが発表したRomeの場合、IOを別ダイにした最大の理由はコスト問題であるという。
要は多数のCPUコアとIOを統合した従来の製造方法だと、ダイ面積が大きくなって欠陥を含む可能性が高くなるので、CPUコアは最先端の7nmで小さく作り、IOは枯れたプロセスである14nmで歩留まりを高く維持して製造コストを下げたというわけだ。(これ以外にも現在のEPYCなどに使われているIOを統合したダイを複数組み合わせるという手法は、IOの一部が利用されないという無駄も生むという問題がコスト増の原因になるのでそれを避ける必要があるという理由もある)

また過去に説明があった、IOに必要な高電圧(とはいえ1V~3.3V程度だが)が7nm以下のプロセスでは扱うことが難しいという事も理由で、さらに信号を外部に出すためのアナログ回路をこれ以上縮小する事が難しいという問題もあるらしい。


まあ細かい理由はともかく、素人は「CPUコアとIOを同一のダイで製造する事は、現在の微細化が進んだ製造プロセスでは色々問題があって、IOを別ダイにせざるを得ない事情がある」という程度の認識をしていれば問題は無いだろう。

ちなみにこの問題はIntelでも同様に抱えていて、Intel製のCPUもいずれIOが別ダイになる可能性があるらしい。


こうなると、以前私がZEN2のRyzenは出ないかもしれないと書いた事は怪しくなってくる。

今後CPUコアとIOが別になる事が前提な設計になると、一般向けのCPUもそうせざるを得なくなるからだ。

私はIOが別ダイになった理由を「ArF液浸露光の7nmプロセスの問題」と捉えていたが、仮にEUVで製造するようになっても根本的な解決にはならないわけで、そうであればZEN2なRyzenは、Romeで使われたCPUコア+一般向けの小さなIOダイの組み合わせで出てくる可能性が極めて高い。

これは見た目にも小さなZEN2の8コアCPUダイが相当に安く製造できていて、IOダイを別に製造してもCPUとしてパッケージした合計のコストが14nmで製造されたRyzenと同等以下に納まるという事を意味する。

ただしこの手法だと1万円未満の安いCPUはコスト的に割が合わなくなるので、ローエンドはずっと14nm(或いはAMDの場合12nm)で製造される事になるだろう。


というわけで、実際どうなるかなど現状ではちっともわからないのだが。

一応、そうなる可能性が高いと言える理由が存在する、というのが今の私の認識である。



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